季節をめぐって魔王討伐!~無能力者から最強魔導師に!

かな

文字の大きさ
上 下
4 / 17

1-3 歓迎会なんて大げさですよ!

しおりを挟む
大広間の中はパーティ会場の様になっていて、いくつもある机の上にそれぞれ豪華そうな食べ物が綺麗に並べられていた

大広間の扉が開いた瞬間、大広間にいるすべての人の視線がこちら側に刺さる様に飛んできた

四季王は両手を広げ歓迎してくれている様にも見えたが、他の周りの人は俺らの格好が見慣れないからか、怪しそうな目でこちらを見てきた

「あ~クレハまずい。すげぇ逃げたい」
「どこに逃げるってのよ。しかも逃げたいのは私もよ」

確かに逃げる場所なんて言ってもさっきまでいた部屋に閉じこもるくらいしかできない

俺たちはちゃんと元の世界には戻れるのだろうか
それにしてもどうして俺たちがこの世界に呼ばれたのかが未だ分からない。帰り方を聞くにも四季王に聞くしかないか

考えていても仕方がない!

「もうどうにでもなれ!」

俺はそう言って前に一歩踏み出した。

こんな時に言うのもアレだが、カーペットがすごく踏み心地が良い

こんな時に俺は何考えてるんだか

「私も覚悟決める!どうにでもなっちゃえ!」

クレハもそう言って1歩踏み出すと、とても幸せそうな顔でこちらを見てきた
きっと俺と同じでカーペットの踏み心地が気に入ったのだろう

「「よし!」」

2人で気合を入れて四季王の元へと向かった
すると四季王から挨拶の様なものがあった

「ようこそ四季の国へ!転移者レイに転移者クレハ!来て早々アレだがハラが減っていると思ったもので急ながら歓迎会を開くことにした。どうだ?少しは気が楽になりそうか?」

「歓迎会ですか?」
「あぁそうだ歓迎会だ!先ほどはすまなかったな。いきなり深刻な話をしようとしてしまって…しかし食事中ならばあまり重い雰囲気になることはないと思ったのじゃ。それに、見れば分かる通りすでに酔っ払っている輩もおる。ここでは何も考えずに食事をしてくれて構わんぞ、何と言っても主役はお二人だからな」

どうやら歓迎会らしいから堅苦しい振る舞いは不要なのだろう、一回り見渡すとすでに顔が赤い人もいた、本当に堅苦しいものではないのだろう

「レイ!こう言ってもらえてるけど、敬語は忘れないでね!」

クレハが小声で言ってきたが、そんな事は分かっている。無言でクレハを見て頷いた

そしたら四季王が近くの机から何か持ってきた

「例えばこんなものはどうだ?ラッキーラビットの肉だ。これを食べると幸運になるらしいからな。食べておくと何かと良いかもしれん」

そう言ってそのラッキーラビットの肉を渡された

四季王は軽々しく言うが俺から見たらそう簡単に食べれるサイズではなさそうだ。クリスマスに食べるチキンフライみたいだが、サイズが一回りくらい大きい

それに知らない世界のものが俺の腹に合うのか心配だ…しかしここで断ってはいけない!

クレハも断るなと言わんばかりに睨んできているし、どうにでもなれ!

「あっうまい」

不意に溢れた肉の感想。見た通り本当にチキンフライのような味がした。唐揚げとかも出来そうだ

「え、本当?」

クレハが食べたそうな顔で聞いてきた。流れでクレハに俺の食べかけの物を差し出した

「あ、本当ね美味しい。唐揚げとかも出来そうね」

相変わらず俺と同じことを言っているなと思っていると四季王が何かニコニコとしている

「王様?どうかしました?」
「いや、何。仲が良いものだなと思ってな。君たちになら任せられそうで安心したよ」

それを聞くとクレハが

「任せる。と言うのは何のことですか?」

俺も気になったが、きっと先程王国兵に話してもらったことに関係しているのだろう

「俺も気になります。きっとこれからの俺たちのことにも関係することですよね?心の整理はできました。今ならしっかりとお話を聞けると思います。」
「そうか。もう整理するだけの時間は取れたようじゃな、では話そうか」

そう言うと四季王は急に深刻な表情になった。
俺たちもお互いに目を合わせ、後戻りできないことを確認した。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界温泉紀行 〜湯世界よいとこ一度はおいで〜

天城大良
ファンタジー
男の名前はユドー・ビバノン。 そして前世の名前は湯道進。想像通り、異世界転生者だ。 これは、パーティーを組むことなく、一人気ままに、ときにわがままに、世界各地の風呂、温泉、秘湯を巡り歩く男の物語である。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

異世界転生ファミリー

くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?! 辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。 アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。 アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。 長男のナイトはクールで賢い美少年。 ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。 何の不思議もない家族と思われたが…… 彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。

ファンタジー
〈あらすじ〉 信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。 目が覚めると、そこは異世界!? あぁ、よくあるやつか。 食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに…… 面倒ごとは御免なんだが。 魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。 誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。 やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

処理中です...