季節をめぐって魔王討伐!~無能力者から最強魔導師に!

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1-2 情報整理開始です!

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よし!情報整理開始!

「とりあえずクレハはあの王様に何か聞いたのか?」
「いいえ?私も目が覚めたらあのお部屋にいたの。それに真横でレイが倒れてるんだもんびっくりしちゃうよ」

どうやらクレハもあまり状況が理解できていなかった様子だ。俺の選択は間違っていなかった事を再確認できたな

「となると、何を整理しようか……」
「あとで王様に聞く事でも考えておく?その方が後々楽になると思うよ?」
「っま、そうだな。じゃあ俺から1ついいか?」
「どーぞどーぞ」

これはクレハの口癖みたいなものだな。俺が何か言っていいか?と聞くと、ほとんどがこれで帰ってくる

「ほいよ、とりあえずここが異世界なのはわかってる。だが、どういう世界なのかがわからない。魔法が優れているのか、科学が優れているのか、もしくは、魔王に攻められているのか。」
「なるほどね……でもこの炎を見る限り魔法はあるんじゃないかな?」

クレハは先ほどの宙に浮いている炎を指差して言った。
近くに行くと熱いのかと気になって近づいてみたがそうでも無いらしい。

「あ~確かに魔法っぽそうだな。じゃあ魔法はあるとして、あとはどうしてここに俺たちが呼ばれたのか、だよな」
「王様はなんだか深刻そうな顔してたから、結構大事な理由そうだね。あとで聞いてみよっか」

他に何か気になる事を考えているとクレハが何かを思い出したように

「あ、そーだ」
「どうした?クレハ」
「ここって異世界なんだよね!そして魔法があるっていう事は!可愛い魔物とかいるよね!」

と、目をキラキラさせて聞いてきた。実はクレハはかなりファンタジー系が好きで、よく異世界転移モノの小説を読んでいる。

前に、俺の家で剣と魔法のゲームをやらせたらかなりハマってしまい、わからない事や気になった事を調べる癖も合わさって、めちゃくちゃ語られた事もあった。そのおかげで、俺もそこそこ詳しくなってしまい今でもある程度覚えている。

そんな俺は今

「(あ、まずい)」

と思っている。

とりあえずよく分からないから、うまく流さなければ

「さ、さぁどうだろうな。まだ魔法も戦いとかに使うのかも分かってないから、なんとも言えないと思うぞ?」
「うむぅそっかぁ……。あっ、そーいえば」

クレハがニヤニヤと悪い顔になった。
これはヤバイぞ。こっちに来る。めちゃくちゃ語られる。

すぐに逃げるか他人になすりつけなければ……

「レイ!」
「は、ハイ!」
「わからない事があったら部屋の外の王国兵さんに聞けばいいんだよね!ちょっと聞いてくる!」

すっかり忘れていた。部屋の前の王国兵さん。ご愁傷様だな……の前に止めなければ!

「ま、待てクレハ!」

と言ったのは遅かったようで、部屋の扉はすでに開かれ、廊下で王国兵は困った顔でこっちを向いている。

そう。まさに、助けてくれ!と言わんばかりに…

「はぁ……なんなら俺も聞きに行くか」
「で、ですからあの…」
「それで?それで?可愛い魔物はいるの?」
「クレハ少し落ち着いてあげな。可哀想だろう」

後ろから歩いて行ってクレハの肩を軽く叩いた。
王国兵の方はどうやら一安心という感じだろう

「あっ廊下で立ち話もダメだね!じゃあ部屋でのんびり話そうよ!」
「も、申し訳あれませんが、自分はお部屋の護衛を任されているので、こちらを離れる事は~」
「まぁそうとも言わずに~はいどうぞ♪」

無理やりクレハに部屋に連れてこられソファーに座らされる。
俺は間違った事をしたのだろうか……いや、きっと間違えてなどいないさ!

「それで!それで!」
「だ~か~ら~クレハ落ち着け。まず自己紹介からしようぜ?」

王国兵は王様の前でのクレハ並に緊張しているようだ

「で、ですから私は扉の護衛を」

ここまでなっては仕方が無い。俺からフォローを入れなければな

「まぁ、護衛なら扉の前じゃなくて、すぐ近くの方が護衛しやすいだろ?もし誰かに何か言われたら俺から何か言っておくよ」
「そ、それでも……」
「レイがこうやっていってるからいいの!えーっと自己紹介ね。私は小日向コヒナタ紅葉クレハ!クレハって呼んでね♪」
「俺は小林コバヤシレイ。レイでいいよ」
「じ、自分はただの王国兵であります!お二方にお名前をお伝えできるような身分ではありませんので、ただの王国兵とお呼びください!」

なかなか緊張がほぐれないようだ。まぁ仕方が無いだろう。とりあえずは王国兵さんと呼ぶことにしよう

「ところで、王国兵さん。さっきのセリフで気になったんだが、俺たちはそんなに高い身分じゃ無いと思うぞ?」
「ちょっ!レイまずは私だよ!」

クレハは熱が冷めるまで無視しておこう。

「あ、クレハは無視してもいいので」
「え、あ、はい。いえ、とんでもございません。お二方はこの世界を守るためにこの世界に呼ばれた大切なお客人でございます。なので、この国全ての力をかけてお守りしなければいけないのです」
「それに、後に四季王が話されると思われますが、お二方はこの世界を守る事ができる唯一の存在なのでございます」
「え?世界を守る?唯一?」

俺はクレハと目を合わせお互いが理解できていない事を確認した

「えーっと?どういうことかしら?」

クレハの熱はどうやら冷めたようだ。そして気づけば冷静モードである

「そちらに関しては四季王から詳しなお話をお聞きできると思いますので自分が出張って言えることではありません。
それに、申し訳ありませんがこの事は皆に知られてはいますが、詳しい事は全員にはあまり知らされておりません。なので、四季王に直接聞くのが正確であると思われます。」
「なるほどねぇ……」

俺もクレハもお互い頭を悩ませている。
いきなり世界を救う存在と言われても…何をすべきなのかもわかっていない。

「なぁ、もう1つ聞いてもいいか?」
「はい、なんなりと」
「この世界だと今の時間はどのくらいなんだ?」
「ジカンというのは?」

王国兵が困った顔で聞いてくる。
この感じだとこの世界に時間という概念が無いのか?

「もしかしたら時間っていう言葉じゃなくて、他の言葉でなら通じるかも」

クレハが小声で言ってきた。が、時間を他の言葉でと言われてもなぁ。
とりあえず昔の言い方で、

「鼠の刻とか、牛の刻とかそういうものな」

パッシーン!

「レイ。そんなもので通じるわけ無いでしょう…あ~もう私から」
「あっ!その言葉ならば聞いた事がありますよ少々失礼して」
「「え?あるの?」」

俺たち2人はまさかの展開に驚く。
王国兵は鎧のどこかからメモ帳のようなものを取り出して何かを探すようにページをめくっていた

「ありました。確認よろしいですか?」
「「ど、どーぞどーぞ?」」

クレハの口癖に合わせて2人で声をハモらせて言う

「お二方の世界では、エト?を使って時を数えていたとありますが、それで正しいですか?」

干支の発音が少し怪しく、情報も少し古いようだが、通じたようだ

「う、うん。一応あってるけどそれなぁに?」

クレハが王国兵の持っているメモ帳を指差して言った。
パッと見た感じだと、牛の皮と紙のようなもので出来ているように見えた

「これは、この四季の国の優秀な学者さんがお二方の世界にあるメモチョウを真似て作ったものです。どうでしょう。似ていますか?」

そう言ってこっちにメモ帳を渡してきた。
相変わらず発音は気になるが少し古いシンプルなメモ帳のイメージだった
クレハはそのメモ帳を見て不思議そうに観察していた

「なかなかいいものを作っていると思うよ。それにしてもどうして俺たちの世界の物を作れたんだ?」
「この四季の国では他の次元の世界を見ることができる魔法がありまして、その魔法を使って他の世界のものに似たものをこの世界で作ろうとしている集団がいましてね、
その方々がこのメモチョウなどを売っているのです。もし興味がありましたら見に行くと面白いかもしれません」
「話がずれてしまいましたが、こちらの世界での今の時間はきっと午の刻でしょうか」
「ねぇレイ。午の刻って何時なの?」

クレハが小声で聞いてくる。
実は俺もうろ覚えだ、確か2時間で1つだったから…

「なぁ、干支ってどんな順番だったか覚えてるか?」
「一応それくらいは。じゃあ言うよ?
子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥。あっ!じゃあ午の刻は七番目だから7時だね!」
「それが違うんだよな、最初の子が23~2時なんだよな、そして丑が2~4時そして、そういう風に読んでいくと?」
「寅が4から6、卯が6から8、辰が8から10、巳が10から12、午が12から14時!つまりお昼だね!」
「正解。つまり今はお昼くらい、のはずだな」
「結構寝てたのね、私たち、」
「もしかしたらこっちとあっちで時差があるかもしれないけどな、多分かなり眠っていたことには変わりないだろうな」

そう考えていると、扉を叩く音がした。きっと、休める時間が終わったのだろう。

「王国兵さん。いろいろ教えてくれてありがとうな、また会えたら今度こそ名前を教えてくれよ?」
「私からもありがとう!今度会ったらこの世界の可愛い生き物たくさん教えてもらうからね♪」

俺もクレハも冗談交じりに言ったつもりだが、クレハに関しては冗談ではすまなさそうだ

思わず王国兵さんも顔が引きつっている

「お二方とお話しできて光栄でした!」

そう言って俺たちに向かってしっかりと敬礼をした。
それに釣られたのかクレハもなぜか敬礼をしていた。しょうがない俺もするか

「じゃあな、楽しかった。ありがとう」

そう言って扉を開くと、他の王国兵が立っていた。
その王国兵は部屋の中にいる兵を睨んでいたから、俺とクレハでフォローを入れておく

「あの王国兵さんいい人だったね。また会えたらいいな♪」
「あぁ、いろいろ詳しく教えてくれたしな、あとで王様に伝えてあげたらきっと他の兵よりも偉くなるかもな~」

我ながらもフォローと言えるのかどうか怪しいが、睨んでいる兵に対しての圧力にはなっただろう。

「お休みのところ申し訳ありませんが、王が呼んでおります。どうぞこちらへ」
「分かった。じゃあな~」
「ありがとね王国兵さん!」

軽く手を振って俺たちが歩き始めても敬礼を崩さずに見送ってくれた。
やっぱりいい兵士さんだったと改めて感じた

「きっとああいう人がいつか偉くなれるんだね!」
「あぁ、きっとそうだろうな」

道を案内してくれる兵は複雑な顔をしていた

「こちらで王がお待ちです。」

目の前には大きな扉があるが、最初に四季王とあった部屋の入り口よりは小さめに見える。

「さっきと部屋違うみたいだね」
「お伝え遅れましたが、こちらの大広間ではこれから昼食になります。どうか、お二方もご一緒にお召し上がり下さいませ」

そういうと大きなドアが開いた。
中からはとてもいい匂いがしてきた。

「うぎゃ~王様とお食事なんて絶対に緊張するよ~」
「まぁ、食事中に緊張で腹壊してトイレ行くとかはやめろよ~」

パッシーン

「女の子にそんなこと言うんじゃありません」

俺はチョップされた頭を押さえながら王族の食事の場に入ることになった。

何やってるんだ……俺
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