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1-16 例えば敵が2人居る。キミはどちらを先に狙うかな?
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ルインさんとの相談の後、俺とクレハの武器が決まった。近接戦闘型であれど、魔法もバランスよく使っていきたいという俺たちの願いにも応えてくれて、刀剣類の武器をおすすめしてくれた。
刀剣と言えど、日本刀のように刃が片側にしかついていないタイプのものはなかった。あるものは、両側に刃の付いている細長い長剣や、両手で扱うであろう自分の身長と同じぐらいある大剣。ナイフと呼ばれる短い短剣などだ。俺やクレハにとっては、短剣のことはダガーと呼んだ方がしっくりくる。
その中から、俺は1番ゲームなどでも見覚えがあり、動きもある程度予想のできる長剣を選んだ。クレハも俺と同じような理由で長剣を選んだのだが、ルインさんにこんな警告を受けた。
「例えば敵が2人居る。2人は同じ武器を持っていて、似たような剣術を扱うとする。そうした時に、どちらの敵を先に倒すか考えるだろう?
僕はもしそうなった時は、まず弱そうなやつを先に叩く。これは多くの冒険者がそう答えるだろう。理由としては、その方が勝率が高いと考えられるからだ。
次にこう考えてみよう。
敵は男女の2人。そのどちらも同じ武器を持っていて、恐らく同じ剣術を扱うだろう。
そう。これはレイさんとクレハさんだ。こうした時に、どちらが先に狙われる可能性が高いのかはもう予想ができるね?」
俺はその質問を受けた時に、すぐに理解した。ここに来るまでに見た冒険者のほとんどは男性だった。加えて、体つきもかなりしっかりしていて、俺ですら比べたら小さく見えてしまうのに、そこでクレハのことも比べてみたら、数多くの冒険者に舐められるのは必然だろう。
この世界の魔物も、ダンジョンにいるという魔物も知能がどれほど発達しているかは分からない。だが、もしも相手が知能の発達している敵だった場合は、先に狙われるのは、考えるまでもない。女性であり俺よりも多少小柄のクレハなのだ。
流石のクレハもこれには応えたようで、しばらくの間、俯いたまま沈黙してしまった。しかし、次のルインさんの言葉で失いかけていた希望を掴み取った。
「だが、それは同じ武器を使っていた場合、だ。次にこう考えてみよう。
今度の敵も男女の2人。しかし、先程とは違い、2人とも違う武器の組み合わせだ。男は相変わらず長剣を構えている。そして、女は男の剣よりは短めだが、もう片方の手には小盾を構えている。
女であり力が弱いと思われるのは、恐らく変わらないだろう。だが、さっきのに比べると、2人の戦力の差が分かりにくいんだ。
クレハさんが盾を持つことで、クレハさん自身の安全も確保され、比較する対象からも外れる。そして、盾に苦戦している敵をレイさんが討ち取る。
そんな作戦はいかがかな?」
そう言いながら、ルインさんは片手用の剣と小さめの丸い盾、小盾を持って勧めてきた。今までのルインさんの演説には大きな疑問もなく、ゲーム内のパターンの組まれたAIとの戦いばかりの俺たちには全く考えることの出来なかった、戦闘中の相手側の思考を考えることを教わった。
クレハはと言うと、ルインさんが演説の終わり際に持ってきた2つの武器を持って、しばらく悩んだ顔をした後に、再びいつもの笑顔になった。そしてこちら側を見て再びにっこりと笑った。
「分かりました。私はこの武器にします!レイはそれでいいよね?」
「あぁ。異論はない。それに、貴重な知識を貰った。自分たちの作戦を練ることも必要だが、ここでは相手側の思考を考え、知ることも大事なんだな」
「うん。レイの言う通りルインさんには貴重な知識を教えて頂きました。武器選びの手伝いも兼ねて、本当にありがとうございます。」
この世界の人達にとっては当たり前かもしれない。しかし、むやみやたらにゲームで敵を倒していた俺たちにとっては、特別で貴重な知識に感じたのだ。俺達は深々と頭を下げて礼を言う。ルインさんは突然のことに慌てながら、改めて俺達が異世界からの訪問者であることを感じていたようだ。
「いやいや。いいんだよ。それよりも、まだ終わりじゃあないよ?防具はあまりこだわる必要は無いからすぐに終わるだろうけどね。じゃあ2階へ行こうか。騎士用の重い防具はここにあるけど、剣士用の軽い防具は2階にあるんだよね。」
武器を決めて、戦闘の知識を学んで、すっかり防具のことを忘れてしまっていた。実を言うと武器を決めるだけでもかなり疲労してしまった。今日も日は落ちてしまったし、防具が決まっても旅に出発するのは明日になってしまいそうだ……
「あ、そういえばルインさん」
「うん?どうしたんだい?」
「ルインさんは四季王とも面識があって、さらに戦闘についての知識も豊富に見えます。こんなにいろいろしてもらっていて失礼かもしれませんが、四季王とはどういった関係なんですか?」
武器を選ぶ時にも俺たちのことは四季王から話を聞いている。なんてことも言っていたし、俺たちが異世界から来たことも知っていたようだし、俺たちが来てからのこの短期間の情報すらも四季王から聞いていたようだ。
「やっぱり、話さなければダメかい?」
「ダメという訳ではないんですけど、少し気になってしまって……。」
「…そうか。まぁ細かいことは言えないが、単なる腐れ縁だよ。だが、裏を通して賄賂などでこの武具屋を大きくした訳では無い。それは信じてくれ。と言ってもまぁ、四季王と1度でも言葉を会話したことがあるのなら、そんなことをアイツがしないことは分かっているか。」
「えぇまぁ。じゃあ今度四季王に会う時にでも、よろしくお願いします」
そう言うとルインさんは無言で笑顔を見せて、そのまま俺たちにおすすめの防具を選んでくれた。防具に関しては、武器に対応する防具を体のサイズに合わせるだけだった。
そして、俺もクレハもお互いの防具を揃えた。防具と言っても、俺たちの機動力を高めるために金属のあまり使われていない、合皮の防具を選ばせてもらった。おかげで歩く時にもガチャガチャ言わないし、やっとのおかげで制服とは違う服装を手に入れることが出来た。
「これ全部で、レイさんもクレハさんも会計はそれぞれ金貨5枚ほどですが、これは僕からのプレゼントとさせてくれないかな?」
「そ、そんな悪いですよ!私たちちゃんとお金払えますからちゃんと払いますよ!」
「そうか…四季王からはマケてやれと言われているんだよ。そうだな…。うん。じゃあ出世払いというのはどうだい?」
「出世払いですか?」
「あぁ。君たちが世界を回って、いつか君たちの装備を見た人がこの店に来てくれればいい。だが、全然客が増えなかったら、文句を言うかもしれないけどね?君たちならきっと大丈夫でしょう」
出世払いという言葉はこちらの世界にもあるようだ。まぁ今のことを簡単に言えば、世界を回ってペガサスの羽の装備を宣伝してくれという事だ。俺達はまだ世界全てを巡る予定ではないが、いずれは巡らなければならないだろう。ということで、もちろんこれの返事はokだ。
「ルインさんがそれで良ければ、俺たちは大丈夫です。必ずこの恩はお返しします。」
「ありがとう。それじゃこの皮ぶくろの中に装備を入れておくよ。あぁそうだ。この皮ぶくろは特別なものじゃなく、ここで買い物をしてくれた人に渡しているものだから、気にしなくていいよ」
「なにからなにまで、今日はありがとうございました。私たちは明日から旅出発することにします。」
「あぁ。気をつけていってきてね。僕はこのまま店の戸締りをする。帰る時に知らぬ間に居なくなっていた兄にも声をかけてあげてくれ。恐らく1階の家の方でまた串焼きでも作ってるだろうからさ」
ルインさんに言われて、ダインさんのことを思い出す。ルインさんの言う通りに本当に知らぬ間に居なくなっていた。弟想いのダインさんもそうだが、ルインさんもかなりの兄想いだ。いい関係だな。
ルインさんに一礼をして1階に降りると、ダインさんは本当に串焼きを作っていた。相変わらず美味しそうだ。ダインさんにも一礼してから裏口から店を出る。
「さて、じゃあ……」
「ねぇレイ。少し思ったんだけどさ。この後どうするのよ。一旦お城に戻るの…?」
「まぁ…そうなっちゃうよなぁ。宿代わりにお城に行くってなるとかなり失礼になるが、一応四季王にもこのことを報告したいし、会いたい人もいる。四季王にも理由を説明すれば納得してくれるだろう」
「まったくもう…。勢いで飛び出すから悪いんだからね~?」
その後、クレハにいろいろ説教されながら城に戻った。暗くなって街の雰囲気も変わってしまったから、迷子になるかと心配だったが、城の周りには城が隠れるような大きな建物は作られていないおかげで、方角だけは見失わずに城までこれた。
城の前の兵士さんに事情を説明して、中に入れてもらった。そして、再び四季王と再開し、突然旅に出ると言って飛び出したことを謝った。
それと同時に、ルインさんのお店で装備を揃えたことも伝えた。また、俺が急に城を飛び出したというのに、しっかりとルインさんに俺たちが来るということを伝えてくれたことや、他にもいろいろと俺たちへの計らいをしてくれたことについても感謝を伝えた。
四季王はあの笑顔で許してくれて、さらにさらに。なんと、夜ご飯がまだだろうと食事まで用意してくれたのだ!
この王様にはいくら感謝をしてもしきれない。そんなことを感じた1時間だった。食事を終えて、すっかり外も暗くなったであろう頃に、部屋に戻ってきた。
じつは城に戻ってきたかった理由にはもうひとつあったのだ。それは、今日やりたかったことの3つ目。恐らく今日も俺たちの部屋の前で警備をしてくれている兵士さんに会って、名前を聞くことだー!!
「ってな訳でクレハ。昨日の頼む」
「はいはい。まったくもう…。すぅーーーっはぁーーー…。」
クレハの深い深呼吸の後に、大きく俺たちの部屋の扉が開かれた後に起こる悲劇はもう予想が着くであろう。
そうだ。兵士さんの誘拐である。さて、兵士さんが怒られなければいいけどな。
ん?他人事だなって?大丈夫だ。
あの兵士さんは、今後俺たちのパーティに加わる大事な仲間になるのだから。
刀剣と言えど、日本刀のように刃が片側にしかついていないタイプのものはなかった。あるものは、両側に刃の付いている細長い長剣や、両手で扱うであろう自分の身長と同じぐらいある大剣。ナイフと呼ばれる短い短剣などだ。俺やクレハにとっては、短剣のことはダガーと呼んだ方がしっくりくる。
その中から、俺は1番ゲームなどでも見覚えがあり、動きもある程度予想のできる長剣を選んだ。クレハも俺と同じような理由で長剣を選んだのだが、ルインさんにこんな警告を受けた。
「例えば敵が2人居る。2人は同じ武器を持っていて、似たような剣術を扱うとする。そうした時に、どちらの敵を先に倒すか考えるだろう?
僕はもしそうなった時は、まず弱そうなやつを先に叩く。これは多くの冒険者がそう答えるだろう。理由としては、その方が勝率が高いと考えられるからだ。
次にこう考えてみよう。
敵は男女の2人。そのどちらも同じ武器を持っていて、恐らく同じ剣術を扱うだろう。
そう。これはレイさんとクレハさんだ。こうした時に、どちらが先に狙われる可能性が高いのかはもう予想ができるね?」
俺はその質問を受けた時に、すぐに理解した。ここに来るまでに見た冒険者のほとんどは男性だった。加えて、体つきもかなりしっかりしていて、俺ですら比べたら小さく見えてしまうのに、そこでクレハのことも比べてみたら、数多くの冒険者に舐められるのは必然だろう。
この世界の魔物も、ダンジョンにいるという魔物も知能がどれほど発達しているかは分からない。だが、もしも相手が知能の発達している敵だった場合は、先に狙われるのは、考えるまでもない。女性であり俺よりも多少小柄のクレハなのだ。
流石のクレハもこれには応えたようで、しばらくの間、俯いたまま沈黙してしまった。しかし、次のルインさんの言葉で失いかけていた希望を掴み取った。
「だが、それは同じ武器を使っていた場合、だ。次にこう考えてみよう。
今度の敵も男女の2人。しかし、先程とは違い、2人とも違う武器の組み合わせだ。男は相変わらず長剣を構えている。そして、女は男の剣よりは短めだが、もう片方の手には小盾を構えている。
女であり力が弱いと思われるのは、恐らく変わらないだろう。だが、さっきのに比べると、2人の戦力の差が分かりにくいんだ。
クレハさんが盾を持つことで、クレハさん自身の安全も確保され、比較する対象からも外れる。そして、盾に苦戦している敵をレイさんが討ち取る。
そんな作戦はいかがかな?」
そう言いながら、ルインさんは片手用の剣と小さめの丸い盾、小盾を持って勧めてきた。今までのルインさんの演説には大きな疑問もなく、ゲーム内のパターンの組まれたAIとの戦いばかりの俺たちには全く考えることの出来なかった、戦闘中の相手側の思考を考えることを教わった。
クレハはと言うと、ルインさんが演説の終わり際に持ってきた2つの武器を持って、しばらく悩んだ顔をした後に、再びいつもの笑顔になった。そしてこちら側を見て再びにっこりと笑った。
「分かりました。私はこの武器にします!レイはそれでいいよね?」
「あぁ。異論はない。それに、貴重な知識を貰った。自分たちの作戦を練ることも必要だが、ここでは相手側の思考を考え、知ることも大事なんだな」
「うん。レイの言う通りルインさんには貴重な知識を教えて頂きました。武器選びの手伝いも兼ねて、本当にありがとうございます。」
この世界の人達にとっては当たり前かもしれない。しかし、むやみやたらにゲームで敵を倒していた俺たちにとっては、特別で貴重な知識に感じたのだ。俺達は深々と頭を下げて礼を言う。ルインさんは突然のことに慌てながら、改めて俺達が異世界からの訪問者であることを感じていたようだ。
「いやいや。いいんだよ。それよりも、まだ終わりじゃあないよ?防具はあまりこだわる必要は無いからすぐに終わるだろうけどね。じゃあ2階へ行こうか。騎士用の重い防具はここにあるけど、剣士用の軽い防具は2階にあるんだよね。」
武器を決めて、戦闘の知識を学んで、すっかり防具のことを忘れてしまっていた。実を言うと武器を決めるだけでもかなり疲労してしまった。今日も日は落ちてしまったし、防具が決まっても旅に出発するのは明日になってしまいそうだ……
「あ、そういえばルインさん」
「うん?どうしたんだい?」
「ルインさんは四季王とも面識があって、さらに戦闘についての知識も豊富に見えます。こんなにいろいろしてもらっていて失礼かもしれませんが、四季王とはどういった関係なんですか?」
武器を選ぶ時にも俺たちのことは四季王から話を聞いている。なんてことも言っていたし、俺たちが異世界から来たことも知っていたようだし、俺たちが来てからのこの短期間の情報すらも四季王から聞いていたようだ。
「やっぱり、話さなければダメかい?」
「ダメという訳ではないんですけど、少し気になってしまって……。」
「…そうか。まぁ細かいことは言えないが、単なる腐れ縁だよ。だが、裏を通して賄賂などでこの武具屋を大きくした訳では無い。それは信じてくれ。と言ってもまぁ、四季王と1度でも言葉を会話したことがあるのなら、そんなことをアイツがしないことは分かっているか。」
「えぇまぁ。じゃあ今度四季王に会う時にでも、よろしくお願いします」
そう言うとルインさんは無言で笑顔を見せて、そのまま俺たちにおすすめの防具を選んでくれた。防具に関しては、武器に対応する防具を体のサイズに合わせるだけだった。
そして、俺もクレハもお互いの防具を揃えた。防具と言っても、俺たちの機動力を高めるために金属のあまり使われていない、合皮の防具を選ばせてもらった。おかげで歩く時にもガチャガチャ言わないし、やっとのおかげで制服とは違う服装を手に入れることが出来た。
「これ全部で、レイさんもクレハさんも会計はそれぞれ金貨5枚ほどですが、これは僕からのプレゼントとさせてくれないかな?」
「そ、そんな悪いですよ!私たちちゃんとお金払えますからちゃんと払いますよ!」
「そうか…四季王からはマケてやれと言われているんだよ。そうだな…。うん。じゃあ出世払いというのはどうだい?」
「出世払いですか?」
「あぁ。君たちが世界を回って、いつか君たちの装備を見た人がこの店に来てくれればいい。だが、全然客が増えなかったら、文句を言うかもしれないけどね?君たちならきっと大丈夫でしょう」
出世払いという言葉はこちらの世界にもあるようだ。まぁ今のことを簡単に言えば、世界を回ってペガサスの羽の装備を宣伝してくれという事だ。俺達はまだ世界全てを巡る予定ではないが、いずれは巡らなければならないだろう。ということで、もちろんこれの返事はokだ。
「ルインさんがそれで良ければ、俺たちは大丈夫です。必ずこの恩はお返しします。」
「ありがとう。それじゃこの皮ぶくろの中に装備を入れておくよ。あぁそうだ。この皮ぶくろは特別なものじゃなく、ここで買い物をしてくれた人に渡しているものだから、気にしなくていいよ」
「なにからなにまで、今日はありがとうございました。私たちは明日から旅出発することにします。」
「あぁ。気をつけていってきてね。僕はこのまま店の戸締りをする。帰る時に知らぬ間に居なくなっていた兄にも声をかけてあげてくれ。恐らく1階の家の方でまた串焼きでも作ってるだろうからさ」
ルインさんに言われて、ダインさんのことを思い出す。ルインさんの言う通りに本当に知らぬ間に居なくなっていた。弟想いのダインさんもそうだが、ルインさんもかなりの兄想いだ。いい関係だな。
ルインさんに一礼をして1階に降りると、ダインさんは本当に串焼きを作っていた。相変わらず美味しそうだ。ダインさんにも一礼してから裏口から店を出る。
「さて、じゃあ……」
「ねぇレイ。少し思ったんだけどさ。この後どうするのよ。一旦お城に戻るの…?」
「まぁ…そうなっちゃうよなぁ。宿代わりにお城に行くってなるとかなり失礼になるが、一応四季王にもこのことを報告したいし、会いたい人もいる。四季王にも理由を説明すれば納得してくれるだろう」
「まったくもう…。勢いで飛び出すから悪いんだからね~?」
その後、クレハにいろいろ説教されながら城に戻った。暗くなって街の雰囲気も変わってしまったから、迷子になるかと心配だったが、城の周りには城が隠れるような大きな建物は作られていないおかげで、方角だけは見失わずに城までこれた。
城の前の兵士さんに事情を説明して、中に入れてもらった。そして、再び四季王と再開し、突然旅に出ると言って飛び出したことを謝った。
それと同時に、ルインさんのお店で装備を揃えたことも伝えた。また、俺が急に城を飛び出したというのに、しっかりとルインさんに俺たちが来るということを伝えてくれたことや、他にもいろいろと俺たちへの計らいをしてくれたことについても感謝を伝えた。
四季王はあの笑顔で許してくれて、さらにさらに。なんと、夜ご飯がまだだろうと食事まで用意してくれたのだ!
この王様にはいくら感謝をしてもしきれない。そんなことを感じた1時間だった。食事を終えて、すっかり外も暗くなったであろう頃に、部屋に戻ってきた。
じつは城に戻ってきたかった理由にはもうひとつあったのだ。それは、今日やりたかったことの3つ目。恐らく今日も俺たちの部屋の前で警備をしてくれている兵士さんに会って、名前を聞くことだー!!
「ってな訳でクレハ。昨日の頼む」
「はいはい。まったくもう…。すぅーーーっはぁーーー…。」
クレハの深い深呼吸の後に、大きく俺たちの部屋の扉が開かれた後に起こる悲劇はもう予想が着くであろう。
そうだ。兵士さんの誘拐である。さて、兵士さんが怒られなければいいけどな。
ん?他人事だなって?大丈夫だ。
あの兵士さんは、今後俺たちのパーティに加わる大事な仲間になるのだから。
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