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旧作
妖の世界
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カイは深夜に目が覚めた
カイ「ん…んん?朝、じゃないみたい…変な時間に起きちゃったな」
カイ「すこし外でも見てみようかな」
そして、立ち上がり歩き出す
と、何か踏んだようだ
天狗「グハッ!」
カイの足元には寝転がった天狗が腹を抑えて痛がっている
カイ「ん?あっ!ごめんなさい天さん!」
天狗「い、いや、床で寝ておった私が悪い」
騒ぎを聞き葵が部屋から顔を出した
「どうかしましたか?まだ朝は早いですけど」
カイ「あ、いや、変な時間に起きちゃったなと思ってすこし散歩でも、と」
天狗「そうか、いい心構えだな。」
カイ「ん?僕はただ散歩しようと思っているだけなんだけど?」
天狗「ん?今は丑の刻だ。この時間のうちに外の妖怪を見てこようと思っていたんじゃないのか?」
カイ「そ、そんな気なんてちっともないよ!でも、それもいいかも…」
「それでは行きますか?外の様子を見に」
カイ「いいの?」
「えぇこの時間ならさとりも本当の姿で行動できると思いますし」
カイ「本当の姿?」
「はい、本当の姿です。妖怪としてのさとりの姿です。見ればわかると思いますよ」
そう言うと葵は左目の眼帯に手を当てて何かつぶやきだした
「妖よ姿を見せよ、妖よ力を見せよ、今、この場所へと現れよ」
葵はそう唱えると眼帯を外す
すると、目から強い光が出てきて葵の前に集まっていく
その光の塊はやがて姿を現した
人の形だ。髪は長く身長は葵よりもすこし大きいくらいだ。
だんだんと人影がはっきりしてきた、髪は白く目は強く黄色く光っている
さとり「よぉ!カイ!昨夜ぶりだな!」
その姿の人物はカイと天狗に挨拶をした
天狗「おぉ!お前はさとりか!」
さとり「おう♪これが私の姿だ!普段は葵の中にいるが、丑の刻になるとしっかりと力を使えるからな、こうやってちゃんとした姿で動けるようになるんだ」
カイ「えぇーー!あれ?でもあんまり妖怪って感じしない。」
さとり「失礼なやつだな~私はこれでもちゃんとした妖怪なんだぞ?きっとカイが言っている妖怪ってのは天狗のようなことを言っているんだろ?
残念だけどな、その天狗みたいに一目で妖怪だとわかるようなやつはあまり、いないんだよ。」
天狗「ガハハハ、まぁな、さっきも言った通りに強い力を持つ妖怪だからな、だが、強い力を持つ妖怪は力と共に醜い姿も手に入れてしまうのだ…」
カイ「そ、そんな…」
さとり「まぁ幸いにも天狗、お前の姿はそう醜いものじゃない。むしろ妖怪としての貫禄があるって感じだな」
天狗「ガハハハ、さとりよお前も案外優しいところもあるんだな」
さとり「う、うるさい!あ、葵も何か言ってやれ!」
「盛り上がっているところすみません。さとりの姿を維持できるのは丑の刻だけです。もし、外を歩くのなら今すぐ行かなければ時間が無くなってしまいます」
天狗「ガハハハ、そうだな、では早速行くとするか」
カイ「あははは、さとりさん優しいんだね」
さとり「あぁーもう調子狂う!行くぞ!葵」
「そうですね、ではとりあえず力の弱い妖怪たちの集まりそうな公園にでも行ってみましょうか」
そう言って葵たちは深夜の公園へと向かった
カイ「ついたかな?葵さんここがその公園?どこにも妖怪いないよ?」
「えぇ。ここがその公園です。皆さん、すこし離れていてくださいね。さとり一緒にお願いします」
葵は皆にそう言うと左目を抑えてさとりと共にまた何かを唱え始めた
「「現世にとどまりし妖の魂よ、我らの願いを叶え、その世界へと誘いたまえ」」
2人がそう言うと、葵とさとりを中心にその場にいる全員を赤く禍々しい光が包み込んだ。
天狗「おぉ!ここは妖の世界か!」
カイ「こ、ここは…あっ!僕たちがあの巫女に襲われた時に来た世界!」
「えぇ、そういえば前に来た時にはしっかりとした説明をしていませんでしたね、
この世界は、私たちが普段過ごしている世界の裏側というべき世界です。
そして、妖怪たちが多く住まう世界です。といっても天狗さんのように力のある方はそんなもの関係なく私たちの世界、現世にもいるのですけどね」
さとり「あと、巫女とかと戦う時に元の世界の人に見られないようにするために、こっちの世界に来ることもあるな」
天狗「実は、こっちの世界は現世よりも時間の流れが遅くて、妖怪の力も時間に関係なく使えるから、修行なんて理由でこの世界にくるなんていう理由もあるな」
カイ「なるほど…この世界には巫女たちは自分から入ってこれるの?」
「今のところ巫女が入ってくるだなんて事はありませんね。ですが、いつかあり得るかもしれません。多少の警戒は必要ということです」
カイ「ねぇ葵さん。あそこにいるのは、妖怪なの?」
カイの指を指す方向には小さな子供の形をした妖怪らしきものがいた
「あれは…まだ妖怪ではないようですね。」
カイ「まだ?」
天狗「妖怪っていうのはな、人が死んだ時の未練が集まりあってできる種類の妖怪もいるんだ。あの妖怪はまだ未練が集まりきっていない感じだな」
さとり「私や天狗の場合はもとからこういう妖怪として生まれた存在だな。妖怪にはもとから妖怪の奴と、未練から妖怪になった奴がいるんだよな」
カイ「ふむふむ…勉強になる…」
カイの横では天狗が何か真剣そうな顔で悩んでいた
天狗「なぁ少年。少し話があるんだ」
カイ「ん…んん?朝、じゃないみたい…変な時間に起きちゃったな」
カイ「すこし外でも見てみようかな」
そして、立ち上がり歩き出す
と、何か踏んだようだ
天狗「グハッ!」
カイの足元には寝転がった天狗が腹を抑えて痛がっている
カイ「ん?あっ!ごめんなさい天さん!」
天狗「い、いや、床で寝ておった私が悪い」
騒ぎを聞き葵が部屋から顔を出した
「どうかしましたか?まだ朝は早いですけど」
カイ「あ、いや、変な時間に起きちゃったなと思ってすこし散歩でも、と」
天狗「そうか、いい心構えだな。」
カイ「ん?僕はただ散歩しようと思っているだけなんだけど?」
天狗「ん?今は丑の刻だ。この時間のうちに外の妖怪を見てこようと思っていたんじゃないのか?」
カイ「そ、そんな気なんてちっともないよ!でも、それもいいかも…」
「それでは行きますか?外の様子を見に」
カイ「いいの?」
「えぇこの時間ならさとりも本当の姿で行動できると思いますし」
カイ「本当の姿?」
「はい、本当の姿です。妖怪としてのさとりの姿です。見ればわかると思いますよ」
そう言うと葵は左目の眼帯に手を当てて何かつぶやきだした
「妖よ姿を見せよ、妖よ力を見せよ、今、この場所へと現れよ」
葵はそう唱えると眼帯を外す
すると、目から強い光が出てきて葵の前に集まっていく
その光の塊はやがて姿を現した
人の形だ。髪は長く身長は葵よりもすこし大きいくらいだ。
だんだんと人影がはっきりしてきた、髪は白く目は強く黄色く光っている
さとり「よぉ!カイ!昨夜ぶりだな!」
その姿の人物はカイと天狗に挨拶をした
天狗「おぉ!お前はさとりか!」
さとり「おう♪これが私の姿だ!普段は葵の中にいるが、丑の刻になるとしっかりと力を使えるからな、こうやってちゃんとした姿で動けるようになるんだ」
カイ「えぇーー!あれ?でもあんまり妖怪って感じしない。」
さとり「失礼なやつだな~私はこれでもちゃんとした妖怪なんだぞ?きっとカイが言っている妖怪ってのは天狗のようなことを言っているんだろ?
残念だけどな、その天狗みたいに一目で妖怪だとわかるようなやつはあまり、いないんだよ。」
天狗「ガハハハ、まぁな、さっきも言った通りに強い力を持つ妖怪だからな、だが、強い力を持つ妖怪は力と共に醜い姿も手に入れてしまうのだ…」
カイ「そ、そんな…」
さとり「まぁ幸いにも天狗、お前の姿はそう醜いものじゃない。むしろ妖怪としての貫禄があるって感じだな」
天狗「ガハハハ、さとりよお前も案外優しいところもあるんだな」
さとり「う、うるさい!あ、葵も何か言ってやれ!」
「盛り上がっているところすみません。さとりの姿を維持できるのは丑の刻だけです。もし、外を歩くのなら今すぐ行かなければ時間が無くなってしまいます」
天狗「ガハハハ、そうだな、では早速行くとするか」
カイ「あははは、さとりさん優しいんだね」
さとり「あぁーもう調子狂う!行くぞ!葵」
「そうですね、ではとりあえず力の弱い妖怪たちの集まりそうな公園にでも行ってみましょうか」
そう言って葵たちは深夜の公園へと向かった
カイ「ついたかな?葵さんここがその公園?どこにも妖怪いないよ?」
「えぇ。ここがその公園です。皆さん、すこし離れていてくださいね。さとり一緒にお願いします」
葵は皆にそう言うと左目を抑えてさとりと共にまた何かを唱え始めた
「「現世にとどまりし妖の魂よ、我らの願いを叶え、その世界へと誘いたまえ」」
2人がそう言うと、葵とさとりを中心にその場にいる全員を赤く禍々しい光が包み込んだ。
天狗「おぉ!ここは妖の世界か!」
カイ「こ、ここは…あっ!僕たちがあの巫女に襲われた時に来た世界!」
「えぇ、そういえば前に来た時にはしっかりとした説明をしていませんでしたね、
この世界は、私たちが普段過ごしている世界の裏側というべき世界です。
そして、妖怪たちが多く住まう世界です。といっても天狗さんのように力のある方はそんなもの関係なく私たちの世界、現世にもいるのですけどね」
さとり「あと、巫女とかと戦う時に元の世界の人に見られないようにするために、こっちの世界に来ることもあるな」
天狗「実は、こっちの世界は現世よりも時間の流れが遅くて、妖怪の力も時間に関係なく使えるから、修行なんて理由でこの世界にくるなんていう理由もあるな」
カイ「なるほど…この世界には巫女たちは自分から入ってこれるの?」
「今のところ巫女が入ってくるだなんて事はありませんね。ですが、いつかあり得るかもしれません。多少の警戒は必要ということです」
カイ「ねぇ葵さん。あそこにいるのは、妖怪なの?」
カイの指を指す方向には小さな子供の形をした妖怪らしきものがいた
「あれは…まだ妖怪ではないようですね。」
カイ「まだ?」
天狗「妖怪っていうのはな、人が死んだ時の未練が集まりあってできる種類の妖怪もいるんだ。あの妖怪はまだ未練が集まりきっていない感じだな」
さとり「私や天狗の場合はもとからこういう妖怪として生まれた存在だな。妖怪にはもとから妖怪の奴と、未練から妖怪になった奴がいるんだよな」
カイ「ふむふむ…勉強になる…」
カイの横では天狗が何か真剣そうな顔で悩んでいた
天狗「なぁ少年。少し話があるんだ」
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