嫌われ者の妖怪少女

かな

文字の大きさ
上 下
11 / 17
旧作

妖怪の力

しおりを挟む



天狗「さすがに疲れたなぁ…久々に力を使ったからな」

カイ「ねぇ天さん、どうして深夜じゃ無いのに幻…というより、能力が使えるの?」

天狗「あぁそれを説明するのは、少し自慢にもなってしまうのだがな…まぁ良い話そう
妖怪というのは、どれだけ人に知られているのかでその妖怪の力が決まるんだ」

さとり「簡単に言ってしまうと、人々にあんまり知られてない私と比べて、そこにいる天狗はいろんな人に知られているから大きな力を持っているっていう事だ」

カイ「有名だと力が増えるってことなのかな?」

「正確に言うと、妖怪に対する恐怖心によるものですね。
実は妖怪の力というのは神様の力の性質とかなり近いのです。」

カイ「どういうこと?」

さとり「神様ってのが人々に恩恵を与えるためには、信仰心ってやつが必要不可欠なんだ、そしてその神様が色々と人々に恩恵を与える内にその神様は有名になり、信仰心も増し、力が増える。
神様ってやつはそうやって力を増しているんだ」

「妖怪は、神様の場合の信仰心として、妖怪に対する怖がる心、つまり妖怪に対する恐怖心によって力を得るのです。
そして、妖怪が人間に怖がられれば怖がられるほど、妖怪は力を得られるのです。」

さとり「そして、妖怪の姿を見た人間が他の人たちに伝え、その妖怪に対する恐怖が広がり、その噂がまた広がって行くことで、その妖怪に対する恐怖心が広がっていくんだよ」

天狗「しかし、人間は実に都合のいい奴らでな、自分たちがピンチとなると今まで怖がってきた妖怪を祀ったりして、自分たちを守ってもらおうとするんだ。
そのせいで私はどこかで「山の守り神」とか言われてたこともあったな」

さとり「全く都合のいい奴らだよ…」


カイ「そう…なんだ。」

「えぇ私たち妖怪をなんだと思っているのでしょう…」

カイ「私たち妖怪?」

「い、いえ、なんでもありません」

天狗「つまりは少し強い部類の妖怪は時間とか関係なく、さっきみたいにお前たちに幻を見せられたってわけだな、でも、さすがに変な時間にずっと力を使い続けることは出来ないんだけどな」

カイ「そうなんだ…天さんってすごい妖怪だったんだね」

天狗「ガハハハ、そうだろう?しかし、疲れたな、そろそろ休まないか?」

さとり「わたしもそれに賛成だ、私はずっとしゃべり続けて疲れたし、私のせいで葵の負担も大きいだろうし私はそろそろ消えるとするよ。
じゃあな、葵、カイ、天狗」

「さとりの言う通りですね、ありがとう。さとり」

葵はそういうと左目の眼帯をつけた

「では、お二人はこちらのお部屋で休んでくださいね、私はあちらの部屋にいますので何かあったら私のところまで」

天狗「おう!迷惑をかける」

カイ「2日もごめんなさい…」

「いえいえ、心配しないでください。それでは、おやすみなさい」




「わたしは妖怪としてさとりと……」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

私は心を捨てました 〜「お前なんかどうでもいい」と言ったあなた、どうして今更なのですか?〜

月橋りら
恋愛
私に婚約の打診をしてきたのは、ルイス・フォン・ラグリー侯爵子息。 だが、彼には幼い頃から大切に想う少女がいたーー。 「お前なんかどうでもいい」 そうあなたが言ったから。 私は心を捨てたのに。 あなたはいきなり許しを乞うてきた。 そして優しくしてくるようになった。 ーー私が想いを捨てた後で。 どうして今更なのですかーー。 *この小説はカクヨム様、エブリスタ様でも連載しております。

君は妾の子だから、次男がちょうどいい

月山 歩
恋愛
侯爵家のマリアは婚約中だが、彼は王都に住み、彼女は片田舎で遠いため会ったことはなかった。でもある時、マリアは妾の子であると知られる。そんな娘は大事な子息とは結婚させられないと、病気療養中の次男との婚約に一方的に変えさせられる。そして次の日には、迎えの馬車がやって来た。

転生悪役令嬢に仕立て上げられた幸運の女神様は家門から勘当されたので、自由に生きるため、もう、ほっといてください。今更戻ってこいは遅いです

青の雀
ファンタジー
公爵令嬢ステファニー・エストロゲンは、学園の卒業パーティで第2王子のマリオットから突然、婚約破棄を告げられる それも事実ではない男爵令嬢のリリアーヌ嬢を苛めたという冤罪を掛けられ、問答無用でマリオットから殴り飛ばされ意識を失ってしまう そのショックで、ステファニーは前世社畜OL だった記憶を思い出し、日本料理を提供するファミリーレストランを開業することを思いつく 公爵令嬢として、持ち出せる宝石をなぜか物心ついたときには、すでに貯めていて、それを原資として開業するつもりでいる この国では婚約破棄された令嬢は、キズモノとして扱われることから、なんとか自立しようと修道院回避のために幼いときから貯金していたみたいだった 足取り重く公爵邸に帰ったステファニーに待ち構えていたのが、父からの勘当宣告で…… エストロゲン家では、昔から異能をもって生まれてくるということを当然としている家柄で、異能を持たないステファニーは、前から肩身の狭い思いをしていた 修道院へ行くか、勘当を甘んじて受け入れるか、二者択一を迫られたステファニーは翌早朝にこっそり、家を出た ステファニー自身は忘れているが、実は女神の化身で何代前の過去に人間との恋でいさかいがあり、無念が残っていたので、神界に帰らず、人間界の中で転生を繰り返すうちに、自分自身が女神であるということを忘れている エストロゲン家の人々は、ステファニーの恩恵を受け異能を覚醒したということを知らない ステファニーを追い出したことにより、次々に異能が消えていく…… 4/20ようやく誤字チェックが完了しました もしまだ、何かお気づきの点がありましたら、ご報告お待ち申し上げておりますm(_)m いったん終了します 思いがけずに長くなってしまいましたので、各単元ごとはショートショートなのですが(笑) 平民女性に転生して、下剋上をするという話も面白いかなぁと 気が向いたら書きますね

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...