嫌われ者の妖怪少女

かな

文字の大きさ
上 下
7 / 17
旧作

何気ない朝

しおりを挟む



「にゃー!」

家の前から声がする
その声に気付いた葵は眼帯を外しドアを開けた

「にゃー!」

「おはようございます。子猫さんきのうは申し訳ありません…すこしトラブルがありまして…」

「にゃーー!」

「気にしないで、ですか…あなたは優しいですね」

葵と猫の声で、カイが目を覚ました

カイ「あれ、葵さん誰と話しているの?」

「おや、カイさんおはようございます。こちらの子猫さんとお話ししていまして」

カイ「猫の言葉がわかるの?」

「えぇ、先日お話ししたわたしの中にいる覚という妖怪の力を使っているのです」

そう言いながら葵は左目をカイに向けた

「にゃ~♪」

カイ「なるほど…あっおはよう♪子猫さん」

「にゃっ!」

カイ「初めて会った時に話していたのもこの猫なの?」

「えぇ、この子は家族を失ってしまい道路の真ん中で自殺しようとしていたのです。
そこにわたしが通りかかったので、訳を聞いた後、この子のような猫達が集まっているところへ連れて行ってあげたのですよ。それから、仲良くなったのです。
カイさんが見たのはきっとその時の私たちでしょう」

カイ「キミは葵さんが大好きなんだね」

「にゃ~」
猫は嬉しそうな顔をしている

「さあ、そろそろ準備しなくては学校に遅れてしまいます」

カイ「そ、そうだね!あ、でもここ、葵さんの家だから…」

「ではカイさん、後であの場所で集合しましょう。カイさんの家ならここから近いようですし、今なら家に帰ってから準備してもまだ間に合うでしょう」

カイ「そうするよ、また後でね!」

「あ、これどうぞ食べてください。朝ごはん作っておきましたので」

そう言うと葵は青い包みに入ったお弁当を渡した

「あ、ありがとう!」

カイはそう言うと急いで自分の家へと向かった。

カイ「(そういえば葵さんの家とぼくの家はかなり近いのに中学は違ったな、どうしてなのだろう)」


「さて、子猫さんわたしはすこし準備しなければいけないので、」

「にゃ~?」

「すみませんね、では」

そう言うと葵はドアを閉じた。

「さて、急がなくては」

「昨日の事が他の人に見られていなければ良いのですが」



しばらくして、2人は集合場所で再会した

「お体の調子はよろしいですか?」

カイ「うん。おかげさまでバッチリです」

「それはよかった。それでは、 向かいましょうか」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

〖完結〗その子は私の子ではありません。どうぞ、平民の愛人とお幸せに。

藍川みいな
恋愛
愛する人と結婚した…はずだった…… 結婚式を終えて帰る途中、見知らぬ男達に襲われた。 ジュラン様を庇い、顔に傷痕が残ってしまった私を、彼は醜いと言い放った。それだけではなく、彼の子を身篭った愛人を連れて来て、彼女が産む子を私達の子として育てると言い出した。 愛していた彼の本性を知った私は、復讐する決意をする。決してあなたの思い通りになんてさせない。 *設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 *全16話で完結になります。 *番外編、追加しました。

【完結】徒花の王妃

つくも茄子
ファンタジー
その日、王妃は王都を去った。 何故か勝手についてきた宰相と共に。今は亡き、王国の最後の王女。そして今また滅びゆく国の最後の王妃となった彼女の胸の内は誰にも分からない。亡命した先で名前と身分を変えたテレジア王女。テレサとなった彼女を知る数少ない宰相。国のために生きた王妃の物語が今始まる。 「婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?」の王妃の物語。単体で読めます。

〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。

江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。 了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。 テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。 それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。 やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには? 100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。 200話で完結しました。 今回はあとがきは無しです。

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持

空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。 その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。 ※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。 ※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。

セレナの居場所 ~下賜された側妃~

緑谷めい
恋愛
 後宮が廃され、国王エドガルドの側妃だったセレナは、ルーベン・アルファーロ侯爵に下賜された。自らの新たな居場所を作ろうと努力するセレナだったが、夫ルーベンの幼馴染だという伯爵家令嬢クラーラが頻繁に屋敷を訪れることに違和感を覚える。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!

七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ? 俺はいったい、どうなっているんだ。 真実の愛を取り戻したいだけなのに。

処理中です...