13 / 30
第十三話
しおりを挟む
フェリックスは目を見開いた。
「何を言ってるんですか!」
男は淡々と話続ける。
「ノルダール君は気にならないか? この不思議な髪色を持つ女がどんな子を排出するのか。私は過去何人も産ませたけど、皆似たような青や赤、たまに紫が混ざるくらいで、さほど代わり映えしなかった。排出で排出口から青い髪の毛が見えたとき、またかという気分だったのだよ」
フェリックスは困惑したような顔で聞いていた。
もっともだろう、彼には子を宿し、出産に関わった経験がないのだから。
ミナミは彼を不安げに見つめてフェリックスのロングスカートの裾を握りしめた。
「次は何らかの個性を持った子孫がいいとずっと思ってたんだ。いやぁ、嬉しいよ。こんなに綺麗で、さらに胸も大きい女なんてね」
ミナミは男と目が合った。
日焼けした肌にゴージャスな貴金属を身につけた男は、まさに資産家という装いだ。
ギラギラした眼差しは獲物を狙う鷹のようで、フェリックスのそれとは全く違う。
ミナミは身の危険を感じて、裾を握る手に力が増す。
「……ですから、学生は外部との繁殖は禁止されています。同年代と番になる方がより優れた子孫を残せると、これは国の決定事項です」
フェリックスが間を遮って止めに入る。
男は動揺する様子もなく、フェリックスに余裕たっぷりの顔で向き直す。
「君次第なんだよ、ノルダール君」
「……どういうことです?」
フェリックスが聞き返すと、待ってましたとばかりにほくそ笑んだ。
「だからね、今ここで交尾するんだよ。普段から牢に出入りしているノルダール君は、おそらく暗黙の了解で牢の女を孕ますのを許されていると思うんだよね。君がそうしないだけで。
だから、ノルダール君が孕ませたってことにすればWin-Winじゃないか? ーーまぁおおよそ、女が口を滑らせて種は君じゃないってことを暴露しちゃうと思うけど。でも相手が誰かなんて知りようがないし。私は太客だ。私の名前を出したところで、捕まえられたりすることはないのだよ」
男は意気揚々と語り、「あっ」と思いついたように付け加えた。
「そうだ、させてくれたら、君を性奴隷ではなく執事として雇うことを約束しよう。どうだ? これは種無しの君にとってこれ以上ない厚待遇じゃないか?」
「それはっ……」
フェリックスの男を咎める手が緩んだ。
フェリックスは入牢の許可はあるが、件の事件以降管理が厳しくなり鍵を開けて中に入ることはできなくなった。
「ここで、貴方とミナミが柵越しに交尾するのを、俺が見張ってろってことですか……?」
「話が早くて助かるな! そうだ。だから早くそこをどけノルダール君」
フェリックスは言われた通りに道を開けた。
フェリックスが素直に従うと思っていなかったミナミは息を飲んだ。
「フェリックスさん……?」
「……ミナミにとってもその方がいいかも知れないよ。ミナミの国では親が子を育てるんだろう? 多くの人が排出した子に興味がない中、この人はあるんだ。いずれ国に引き渡す命でも、この人はずっと覚えていてくれる。それって有り難いことじゃないか……?」
男はミナミの手を掴んで側に寄せ、ワンピースをたくし上げ履いているショーツの紐を解いた。
薄い布はヒラリと簡単に床に落ちた。
「きゃあっ!」
ミナミは隠す物がなくなった秘所を慌てて手で覆う。
その反応に、男は興奮して声を荒げた。
「これだよこれ! 繁殖主義になってからめっきり見られなくなっちまった。女はこれじゃないとなぁ! 勃つモンも勃たなくなるっつう話だわ」
舌なめずりして、男はミナミの手をどかす。
大きく開かされた両脚の間には、熟れて真っ赤な小さい花びらが実っていた。
「「うまそう……」」
真っ白でなめらかな肢体を彩る鮮やかな花弁に、高揚したのは男だけではなかった。
見れば、フェリックスの股間もいつのまにか昂っていた。
綺麗に折り目がついたスカートのプリーツが一部だけ盛り上がり、交尾を今かと待っている。
フェリックスの脳内にミナミと性行為したときの記憶が、次々と呼び戻されてしまった。
「そうだろう? やはり美味しそうだろうノルダール君。だが私のだ。君はだまって見ておれ」
「う……っ」
フェリックスはたじろいたが、ミナミから目を離すことはできなかった。
およそ三十分前に補講と称する性行為を行ってきたというのに、股間に熱が集まる。
フェリックスは絶倫とは呼ばれたことはない。
いつもはもっと間を空けないと勃起できないのに、ミナミの裸を目にしたとき、ムクムクと欲望が沸き上がって中に挿れたくて堪らなくなった。
こんなことは初めてだった。
「クソッ……、落ち着け股間……」
それをミナミに見られたのが恥ずかしくて必死に他のことを想像したが、太くなった陰茎は鎮まってはくれなかった。
興奮するよう強制された訳じゃないのに興奮してしまった自分が、子種は無いのに必死に子を欲しがって燃えているように思えて、みっともなくて顔を赤くした。
「フェリックスさん……! 嫌だ、ミナミはフェリックスさんの方がいいです……っ!」
男は遠慮なく秘部に指を入れ、受け入れる準備をさせる。
クチュクチュ湧いてくる水音が、石造りの牢の中で響き渡る。
「ミナミ……。ごめん、だが俺は……」
フェリックスはミナミと彼女を弄ぶ男を前に、どうすることもできずに開襟シャツの胸元をただグッと握りしめた。
「……奴隷になるのが、怖い……」
ほんの少しでも避けられる可能性があるなら、そこに賭けたい彼の気持ちは分からないでもない。
でもミナミだって言い分がある。
この際、この学園の誰とヤッたって不思議じゃないし、スカトロとか変なの要求されなければ誰だっていい。
妊娠するのは別として。
ただ、ただ……だ。
十八歳のミナミとしては、これだけは許されない地雷である。
煮え切らないフェリックスに、ミナミは鉄柵をドンッと蹴って揺さぶった。
「フェリックスさん! 助けてってば!! 聞いてんですか!? 異世界から来たか弱い女の子をほっといていいんですか!? おじさんは嫌です…おじさんは嫌なんです!!若い人がいいですー!!」
「何を言ってるんですか!」
男は淡々と話続ける。
「ノルダール君は気にならないか? この不思議な髪色を持つ女がどんな子を排出するのか。私は過去何人も産ませたけど、皆似たような青や赤、たまに紫が混ざるくらいで、さほど代わり映えしなかった。排出で排出口から青い髪の毛が見えたとき、またかという気分だったのだよ」
フェリックスは困惑したような顔で聞いていた。
もっともだろう、彼には子を宿し、出産に関わった経験がないのだから。
ミナミは彼を不安げに見つめてフェリックスのロングスカートの裾を握りしめた。
「次は何らかの個性を持った子孫がいいとずっと思ってたんだ。いやぁ、嬉しいよ。こんなに綺麗で、さらに胸も大きい女なんてね」
ミナミは男と目が合った。
日焼けした肌にゴージャスな貴金属を身につけた男は、まさに資産家という装いだ。
ギラギラした眼差しは獲物を狙う鷹のようで、フェリックスのそれとは全く違う。
ミナミは身の危険を感じて、裾を握る手に力が増す。
「……ですから、学生は外部との繁殖は禁止されています。同年代と番になる方がより優れた子孫を残せると、これは国の決定事項です」
フェリックスが間を遮って止めに入る。
男は動揺する様子もなく、フェリックスに余裕たっぷりの顔で向き直す。
「君次第なんだよ、ノルダール君」
「……どういうことです?」
フェリックスが聞き返すと、待ってましたとばかりにほくそ笑んだ。
「だからね、今ここで交尾するんだよ。普段から牢に出入りしているノルダール君は、おそらく暗黙の了解で牢の女を孕ますのを許されていると思うんだよね。君がそうしないだけで。
だから、ノルダール君が孕ませたってことにすればWin-Winじゃないか? ーーまぁおおよそ、女が口を滑らせて種は君じゃないってことを暴露しちゃうと思うけど。でも相手が誰かなんて知りようがないし。私は太客だ。私の名前を出したところで、捕まえられたりすることはないのだよ」
男は意気揚々と語り、「あっ」と思いついたように付け加えた。
「そうだ、させてくれたら、君を性奴隷ではなく執事として雇うことを約束しよう。どうだ? これは種無しの君にとってこれ以上ない厚待遇じゃないか?」
「それはっ……」
フェリックスの男を咎める手が緩んだ。
フェリックスは入牢の許可はあるが、件の事件以降管理が厳しくなり鍵を開けて中に入ることはできなくなった。
「ここで、貴方とミナミが柵越しに交尾するのを、俺が見張ってろってことですか……?」
「話が早くて助かるな! そうだ。だから早くそこをどけノルダール君」
フェリックスは言われた通りに道を開けた。
フェリックスが素直に従うと思っていなかったミナミは息を飲んだ。
「フェリックスさん……?」
「……ミナミにとってもその方がいいかも知れないよ。ミナミの国では親が子を育てるんだろう? 多くの人が排出した子に興味がない中、この人はあるんだ。いずれ国に引き渡す命でも、この人はずっと覚えていてくれる。それって有り難いことじゃないか……?」
男はミナミの手を掴んで側に寄せ、ワンピースをたくし上げ履いているショーツの紐を解いた。
薄い布はヒラリと簡単に床に落ちた。
「きゃあっ!」
ミナミは隠す物がなくなった秘所を慌てて手で覆う。
その反応に、男は興奮して声を荒げた。
「これだよこれ! 繁殖主義になってからめっきり見られなくなっちまった。女はこれじゃないとなぁ! 勃つモンも勃たなくなるっつう話だわ」
舌なめずりして、男はミナミの手をどかす。
大きく開かされた両脚の間には、熟れて真っ赤な小さい花びらが実っていた。
「「うまそう……」」
真っ白でなめらかな肢体を彩る鮮やかな花弁に、高揚したのは男だけではなかった。
見れば、フェリックスの股間もいつのまにか昂っていた。
綺麗に折り目がついたスカートのプリーツが一部だけ盛り上がり、交尾を今かと待っている。
フェリックスの脳内にミナミと性行為したときの記憶が、次々と呼び戻されてしまった。
「そうだろう? やはり美味しそうだろうノルダール君。だが私のだ。君はだまって見ておれ」
「う……っ」
フェリックスはたじろいたが、ミナミから目を離すことはできなかった。
およそ三十分前に補講と称する性行為を行ってきたというのに、股間に熱が集まる。
フェリックスは絶倫とは呼ばれたことはない。
いつもはもっと間を空けないと勃起できないのに、ミナミの裸を目にしたとき、ムクムクと欲望が沸き上がって中に挿れたくて堪らなくなった。
こんなことは初めてだった。
「クソッ……、落ち着け股間……」
それをミナミに見られたのが恥ずかしくて必死に他のことを想像したが、太くなった陰茎は鎮まってはくれなかった。
興奮するよう強制された訳じゃないのに興奮してしまった自分が、子種は無いのに必死に子を欲しがって燃えているように思えて、みっともなくて顔を赤くした。
「フェリックスさん……! 嫌だ、ミナミはフェリックスさんの方がいいです……っ!」
男は遠慮なく秘部に指を入れ、受け入れる準備をさせる。
クチュクチュ湧いてくる水音が、石造りの牢の中で響き渡る。
「ミナミ……。ごめん、だが俺は……」
フェリックスはミナミと彼女を弄ぶ男を前に、どうすることもできずに開襟シャツの胸元をただグッと握りしめた。
「……奴隷になるのが、怖い……」
ほんの少しでも避けられる可能性があるなら、そこに賭けたい彼の気持ちは分からないでもない。
でもミナミだって言い分がある。
この際、この学園の誰とヤッたって不思議じゃないし、スカトロとか変なの要求されなければ誰だっていい。
妊娠するのは別として。
ただ、ただ……だ。
十八歳のミナミとしては、これだけは許されない地雷である。
煮え切らないフェリックスに、ミナミは鉄柵をドンッと蹴って揺さぶった。
「フェリックスさん! 助けてってば!! 聞いてんですか!? 異世界から来たか弱い女の子をほっといていいんですか!? おじさんは嫌です…おじさんは嫌なんです!!若い人がいいですー!!」
0
お気に入りに追加
75
あなたにおすすめの小説
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。

女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる