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スコットの甘え

迎えに行くよ

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最後の遠征先では仕事だけに集中した。

娼館にも行かなかったし、誰とも関係を持たなかった。


これが終わればサラに会いに行ける。

サラに手紙も出さずに、俺のことを待っててくれているんだと信じて、ただ只管に仕事をした。

何年も掛かったけど、ようやく遠征も終わった。


王都に戻って、辺境の村に配属希望を出した。

(これで、やっとサラに会いに行ける。会えば大丈夫。サラは笑って「仕方ないなぁ。泣き虫スコットには私がついてないとね」そう言ってくれる)

16歳の孤児院を出た日のサラの言葉を、何故か思い出した。

(サラ、待っててくれ…)


会えないからって言い訳して、手紙を出さなかったこと…

現実から逃げて、サラと話そうとしなかったこと…

ベスとのこと…

遠征先で他の女と関係を持ったこと…

馬鹿にされたくなくて娼館に行ったこと…


今思えば、分岐点はいくらでもあったんだ。

自分の弱さのせいで、いつも間違った方を選んでいた。


俺はサラに自分の気持ちをちゃんと伝えていなかった。

サラなら言わなくてもわかってくれるんだって、甘えていただけっだったんだ…


その時の俺は、そんなことさえわからずに、サラが待っていてくれると信じて村に向かった。


本当に今更だったんだ…

後悔しても、もう遅い。


俺は勤務先の移動願いを出して、誰も知っている人の居ない、遠い土地に移り住んだ。

(サラ、俺はサラが憧れていた格好良い騎士になるよ。今の俺には、それしかサラにしてやれないんだ…)
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全話予約公開にしたので、21日で完結します。

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