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大森林での狩り

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 ノアとネージュとレオンハルト様はその陽気な性格から気が合ったのかワイワイわちゃわちゃ、レオンハルト様を背中へ乗せて走ってみたり、レオンハルト様が私の大容量の異空間収納に驚いたりしつつ大森林へと到着した。

 「よしっ。こっからは気を引き締めて行くぞ」

 流石に大森林となると違うのか、今まで陽気だったレオンハルト様も雰囲気がガラッと変わり、獅子の獣人らしいピリピリとした狩人のオーラを纏う。

 「はぁ。レオンはいつもそうしてるといいと思うよ」

 ウィルフレッド様は連日レオンハルト様と一緒にいたからか、少しお疲れモードだ。

 私とウィルフレッド様は前後左右を騎士に囲まれ大森林へと進む。
 ちなみにレオンハルト様とノアとネージュはヤル気満々、最前線だ。あれは騎士たちも護衛が大変だわ。 
 本来なら私のいるここにレオンハルト様がいるべきでしょうに。王子の自覚はどこに行った。

 魔物が出ると、「おっ! 次が来たぞ! かかれー!!」と、我先に飛び出して行ってしまう。
 ノアとネージュと飛び出して行くのを見ていると、なんだか従魔が3匹になったような錯覚が……。いやいや、不敬だわ。

 戦闘が終わると私が出ていって狩った魔物を収納する。

 「アールグレーン嬢のおかげで全部持って帰れそうだな! これは気合を入れて狩らなければ!」

 レオンハルト様も異空間収納持ちを連れてきているようだが、当たり前だが私ほどの容量はなく、希少度の高い素材を優先して持ち帰るつもりだったみたいだ。

 魔物を見つけては倒し、見つけては倒し、強力な敵が出た時にはノアとネージュと共闘して倒し、あっという間に数日が過ぎていった。

 「この辺りまでか」

 この数日大森林の奥へと歩みを進めていたため、魔物が倒せるギリギリのラインまで強くなっていた。

 「俺たちはまだいけるぞ!」

  「ノアとネージュはまだまだいけるだろうが、おんぶに抱っこでついて行くだけって訳にはいかない。俺たちは大森林で自ら狩りをするためにわざわざ国から出て来てるんだ」

 ノアとネージュは物足りないのかぶーぶー文句を言っているが、今回はレオンハルト様の護衛としてついてきているんだから仕方がない。

 「はいはい、騒がない騒がない。同時には行かせてあげられないけど、交互になら奥に狩りに行ってきてもいいよ」

 本当は2匹とも行ってもらってもいいんだけど、レオンハルト様はノアとネージュが私を守ってると思っているからね。
 2匹とも行かせるとなるとまた説明に時間がかかりそうだからやめておこう。
 家もあるしまたそのうち来ればいい。

 ノアとネージュは早速どっちが先に狩りに行くのかで戯れ合っている。

 「この辺りで数日狩りをしたら帰るとしようか。大森林を出るのにもまた数日かかる。レオンも期限があるだろう?」

  「そうだな。もう少し狩りをしたい気持ちもあるが……。あぁ、国に大森林がないのが悔やまれるっ!」

 大森林は良質な素材が取れる分、魔物の危機に晒されるから国としてはなければない方がいいはずなんだけどね。
 素材を取るにもコストもかかるし犠牲も多い。

 まぁとりあえず今日は野営の準備をしようと枝を拾ったり火を起こしたりしていると、先に1匹で狩りに行ったネージュがものすごい勢いで走りながら帰ってきた。

  「リ~ア~! ノア~! 助けてくれ~!!」

 ものすごい地響きと共に。
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