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またまた出発!?
しおりを挟むそれから数日間、家族と過ごしたりウィルフレッド様と王都を見て回って楽しみ、今私たちはルボワール王国に来た時に使った港に来ている。
「オレリア、気をつけて帰るのよ」
「皇太子殿下、オレリアをよろしくお願いいたします」
「王太子殿下、いきなり手紙を送ったにもかかわらず、オレリアを見つけてくださりありがとうございました。そしてノア様とネージュ様も、オレリアをよろしくお願いします。今度そちらにも遊びに行かせてください」
「もちろんだ!」
「まかせろ!」
「ノア! ネージュ!」
ウィルフレッド様より先に喋っちゃダメでしょ!
「はははっ、いいよ、リア。確かにオレリアを探していたのは事実だけれど、見つけたのは偶然なんだ。そしてむしろ私がオレリアに助けてもらった。こんな私だが、公爵、夫人、マティアス。オレリアのことを大切にすると誓おう。そして次はぜひ私にラルージュ帝国を案内させて欲しい」
大切……。両親の手前言っていることだとわかっていても、こんなこと言われ慣れていないから顔が熱くなってくる。
「では、そろそろ行こうか」
陸地がどんどん遠ざかっていくが、前回国を出た時のような悲しみや不安はもうない。
家族とだってまた会えるのだから……。
「いやぁ~、よかった! 一件落着だねぇ!」
ラルージュ帝国に着くとニコニコの皇帝陛下に迎えられた。
「父上……、大変だったのですよ……」
そんな陛下の顔をみてウィルフレッド様はちょっとゲンナリしたご様子。
「話は聞いているさ。ずいぶんと色々なことが起こったねぇ。……まあ、これでしばらくはルボワール王国に大人しくしていてもえるだろう」
元々王国よりも帝国の方が大きいし力もあるんだけれど、まだどちらの領地にもなっていない大森林を挟んでいることもあり、良好な関係とも言えなかったようだ。
それに帝国は色々な国との交易も容易いが、王国は海と大森林に囲まれているせいで他の国の援助なしてばやっていけない王国は、やれ食糧がほしいだの関税がどうだのとその都度うるさかったらしい。
陛下はこれを機にと色々と考えてるらしい。
まぁ帝国には助けられているし、あのルボワールの王族たちにもギャフンと言わせたのでこれでよしとしよう。
「……で、君たちがいない間に実はセフィーロ神聖教国からこんな手紙が届いていてね」
オレリア・ラルージュを聖女に任命する。任命式を行うので教国に来られたし。
色々小難しい書き方をしてあるが、簡単に言えばそういうことらしい。
「帰ってきて早速で申し訳ないんだけれど、よろしく頼むよ」
そう言いながらも陛下はなんだか面白がるような、腹の立つ顔をこちらに向ける。
「なぜ……」
なぜ、またしても私は海の上にいるのか。
いや、なぜなのかは分かってはいるんだけど!
わかってるんだけど!!
クレンセシアの家も出来上がっているはずなのに……。
王国から帰ったら早速見に行こうと思っていたのに!!
家を建ててくれているロドリフには予定よりも帰るのが遅くなると陛下が伝えておいてくれるらしいからよかったけど。
いや、よくないんだけどね!
「すまない。またこんな急に父上は…」
「いえ! むしろ私のことでウィルフレッド様まで教国に行かなくてはいけなくなって、申し訳ないです……」
「いや! オレリアには母上を助けてもらったんだ。むしろオレリアの力が教国に知られるきっかけになってしまって申し訳なく思う」
たしかに!
いや、でも皇妃様を見捨てるという選択肢は私にはなかったし、結局はこうなっていたことだろう。
「教国の食材を食べまくるぞ!」
「肉っ! 肉っ!」
ノアとネージュは変わらずご飯のことばかりだ。
むしろいつもと違う食材が食べれると大喜び。
「まぁ教国には行ったことなかったし、せっかくなら楽しみましょう!」
「「おーーー!!」」
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