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第二章 グラビアアイドル 北欧の聖女 フィーナ・デリカ・ゼーリア(18歳)編

「北欧のグラビアアイドルにドッキリ企画! 帰国の途に就く」

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 日本での最後の番組収録。
 桃川温泉でのおじさんとのつかの間の逢瀬を終えて、フィーナは母国に向かう飛行機に乗っていた。

「日本ではいろんなことがありましたでございますね」

 全てはもう過去のことだ。
 母国に帰ったら、フィーナは母の跡をついでノルド教の聖女となる修行に入る。

 清楚な純白で、それでいてその美しいボディーラインをしっかりと強調するようなワンピースニミを包んでいるフィーナは、優しく自分のお腹を撫でる。
 その姿は、まだ18歳なのにまるで聖母のようで、想像を絶するほどの美しさだった。

 黄金の髪には、光の加減か天使の輪っかが見える。
 まるで妖精を通り越して、地上に舞い降りた天使のようだった。

「ふふっ。もし、奇跡が起きて、本当に名前も知らないおじさんの子供ができていたら……」

 フィーナが、そんなことを考えているまさにその時。

 昨晩排卵された卵子が、無防備に卵管内を漂う場所に。
 大量に出された精子たちが、我先にと群がっているところだった。

 おじさんの精子であるから、運動力は低いがその数が尋常ではなかった。
 そして、おじさんの精子らしく、あまりにもしつこく卵子を狙い続ける。

「ふぇ?」

 ぞわぞわと、フィーナに悪寒が走る。

 にゅるんっ……。こつん……。ぐちゅん……。
 あまりにも大量の精子たちが、競い合うように卵子に突っ込んでいく。

 そして、フィーナの光り輝く卵子は、その白いオタマジャクシの包囲網に根負けしたように。

 プツンッ!

 ついに一匹の精子が卵子の内部に侵入し、受精に成功した。
 フィーナと、名前も知らないおじさんとの遺伝子を混ぜ合わせながら着床に向かっていく受精卵。

 それが、無事着床して十ヶ月のちに新しい命として産まれてくることになるかは……まさに、神のみぞ知るといったところだろう。

「ノルドの神のご加護がありますように」

 フィーナは、お腹に向かってそっと祈りを捧げた。

     ※※※

 一方、日本では、第二次フィーナ・フィーバーが起きていた。
 フィーナが最後に撮影した企画、どすけべチャレンジのドッキリ企画が、史上最高視聴率を樹立。

 同時に発売された、写真集や動画が飛ぶように売れて、今度はアダルトビデオ界の新しい記録を樹立することとなった。
 まさに、北欧の妖精恐るべしであった。

 フィーナの再登場を心から待つ声は、根強く日本に残り続ける。
 何よりも、めちゃくちゃ美味しい思いをした大手テレビ局や、プロデューサーが熱望し続けることとなった。

 他国のテレビ局や文化の侵入を許さない北欧の社会民主主義国ラストニアに不法侵入してでも。
 取材に行こうという企画も考えられたほどだ。

 まあそれは、無謀すぎると却下されたのだが……。
 この話に続きがあるかどうかは、またしばらく先をまたねばならないだろう。
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