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第二章 グラビアアイドル 北欧の聖女 フィーナ・デリカ・ゼーリア(18歳)編
「北欧のグラビアアイドルにドッキリ企画! どすけべチャレンジ 3」
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フィーナは、少し迷いながら言う。
「おしっこ……でございますか」
「はい、おしっこです」
「その、汚れてしまうと思うのですが」
「ですから、その汚れを持ち込まないようにするのです。あっ、そうだ」
「は、はい?」
「細かいことですが、する際にも作法がございまして。こう、足をガニ股に開いておしっこの穴を指で広げていただいて、神に向かって名前と年齢とおしっこをさせていただくことを、厳かに宣言してください」
そう言われて、フィーナは目を白黒させる。
頬も少し紅潮しているようだ。
「あ、あの……」
「もしかして、恥ずかしがっておられますか。少し風変わりには見えますが、これはこの土地の大事な神事なのです」
「すみません! 異邦の神事がそう見えるのは、当然でございましたね」
「恥ずかしがらずに、私がやってみせたように堂々とやってください」
フィーナは、神妙な顔となり眼の前で手を合わせて言った。
「わかりました、こちらの溝に向けてでよろしいのですね」
「はい、カメラさんも貴重なシーンですから、どうぞ寄って撮影してください」
おじさんは、カメラマンの指示までする。
言われるまでもない、優秀な局のプロカメラマンは二度とない撮影のチャンスを逃すはずがない。
みんなが固唾をのんで見守るなか、フィーナは大きな声で宣言した。
「フィーナ・デリカ・ゼーリア(18歳)です。『名前も知らないおじさん』の前で、おしっこをさせていただきます!」
フィーナは神の名を呼んでいるつもりなのだが、目の前のおじさんにおしっこ宣言しているようで、みんな笑いをこらえるのに必死であった。
それでもフィーナだけは真剣だ。
長い足を大きく開いて、指で丁寧にアワビを開くと、なるべく汚れを撒き散らさないように入念に狙いを定めて。
ジョロロロロロ……。
音を立てて、側溝に向かって黄金水を注いでいく。
また、シーンと静まり返っていた。
おしっこをする所作すら美しいのだ。
それは、フィーナが神に捧げる儀式だと思いこんでいるせいだろうか。
一筋に流れる黄金水は、まるで泉に注ぐ聖水のようであった。
すべてを終えると、汚れを払うようにもう一度お湯で前をさっと流す。
おじさんが、パチパチと拍手する。
「お見事でした。名前も知らないおじさんも、大変喜んでますよ」
そんなおじさんの姿を、紺碧の深い瞳でジッと見つめるフィーナ。
ナレーションが、慌てて言う。
『おーと、これはさすがに怪しまれてしまったのか』
『さすがに、おかしく思ってお当然ですからね』
スタッフは、さすがにバレたのかと総毛立っている。
少し時間をおいて、フィーナが言う。
「あまりにも神事に詳しくありませんか。おじさんは一体……」
周りの焦りをよそに。
おじさんだけは、ブサイクな顔に穏やかな微笑みを浮かべて言った。
「実は、私はこの社の神主をしております。この神聖なる場所では、私が神の代わりを務めています」
そう言いながらおじさんは、ぶいんぶいんと音を鳴らしながら凶悪な鎌首を回転させているバイブ付きの天狗を股間に装着する。
フィーナは、ハッとしてその場に片膝を突いた。
「これは! 失礼いたしました。まさか、あらひとがみであられるとは、思い及びませんでございます」
「いえ、フィーナさんも神に仕える身なのでしょう」
「私は、まだ未熟ながらノルド教の聖女見習いです。しかし、神の代理人の足元にも及びませんでございます」
「違う宗教なのに、敬意を払っていただけて嬉しく思います」
「私の故郷では、いろんな民族、宗教の人が仲良く暮らしてございます。他宗の神にも、同じく深い敬意を払うのがうちの古くからのしきたりでございます」
ナレーションが流れる。
『なんとー、おじさんは口からでまかせで乗り切ってしまいました』
『こういう言い訳を事前にスタッフが準備していたのかもしれませんね。それにしても、鮮やかです』
プロフィールを細かく調べ上げてこれを仕組んだプロフィールも、後ろの方でガッツポーズしている。
この分なら、もっと色々やってもバレないぞと、スタッフのボルテージは上がる。
北欧の妖精、フィーナを取り巻く男たちの熱気に包まれて温度が何度かあがったかのように思える桃川温泉。
それらの期待を一心に背負うドッキリの仕掛け人であるおじさんは、フィーナの手を取って温泉へと招き入れるのだった。
「おしっこ……でございますか」
「はい、おしっこです」
「その、汚れてしまうと思うのですが」
「ですから、その汚れを持ち込まないようにするのです。あっ、そうだ」
「は、はい?」
「細かいことですが、する際にも作法がございまして。こう、足をガニ股に開いておしっこの穴を指で広げていただいて、神に向かって名前と年齢とおしっこをさせていただくことを、厳かに宣言してください」
そう言われて、フィーナは目を白黒させる。
頬も少し紅潮しているようだ。
「あ、あの……」
「もしかして、恥ずかしがっておられますか。少し風変わりには見えますが、これはこの土地の大事な神事なのです」
「すみません! 異邦の神事がそう見えるのは、当然でございましたね」
「恥ずかしがらずに、私がやってみせたように堂々とやってください」
フィーナは、神妙な顔となり眼の前で手を合わせて言った。
「わかりました、こちらの溝に向けてでよろしいのですね」
「はい、カメラさんも貴重なシーンですから、どうぞ寄って撮影してください」
おじさんは、カメラマンの指示までする。
言われるまでもない、優秀な局のプロカメラマンは二度とない撮影のチャンスを逃すはずがない。
みんなが固唾をのんで見守るなか、フィーナは大きな声で宣言した。
「フィーナ・デリカ・ゼーリア(18歳)です。『名前も知らないおじさん』の前で、おしっこをさせていただきます!」
フィーナは神の名を呼んでいるつもりなのだが、目の前のおじさんにおしっこ宣言しているようで、みんな笑いをこらえるのに必死であった。
それでもフィーナだけは真剣だ。
長い足を大きく開いて、指で丁寧にアワビを開くと、なるべく汚れを撒き散らさないように入念に狙いを定めて。
ジョロロロロロ……。
音を立てて、側溝に向かって黄金水を注いでいく。
また、シーンと静まり返っていた。
おしっこをする所作すら美しいのだ。
それは、フィーナが神に捧げる儀式だと思いこんでいるせいだろうか。
一筋に流れる黄金水は、まるで泉に注ぐ聖水のようであった。
すべてを終えると、汚れを払うようにもう一度お湯で前をさっと流す。
おじさんが、パチパチと拍手する。
「お見事でした。名前も知らないおじさんも、大変喜んでますよ」
そんなおじさんの姿を、紺碧の深い瞳でジッと見つめるフィーナ。
ナレーションが、慌てて言う。
『おーと、これはさすがに怪しまれてしまったのか』
『さすがに、おかしく思ってお当然ですからね』
スタッフは、さすがにバレたのかと総毛立っている。
少し時間をおいて、フィーナが言う。
「あまりにも神事に詳しくありませんか。おじさんは一体……」
周りの焦りをよそに。
おじさんだけは、ブサイクな顔に穏やかな微笑みを浮かべて言った。
「実は、私はこの社の神主をしております。この神聖なる場所では、私が神の代わりを務めています」
そう言いながらおじさんは、ぶいんぶいんと音を鳴らしながら凶悪な鎌首を回転させているバイブ付きの天狗を股間に装着する。
フィーナは、ハッとしてその場に片膝を突いた。
「これは! 失礼いたしました。まさか、あらひとがみであられるとは、思い及びませんでございます」
「いえ、フィーナさんも神に仕える身なのでしょう」
「私は、まだ未熟ながらノルド教の聖女見習いです。しかし、神の代理人の足元にも及びませんでございます」
「違う宗教なのに、敬意を払っていただけて嬉しく思います」
「私の故郷では、いろんな民族、宗教の人が仲良く暮らしてございます。他宗の神にも、同じく深い敬意を払うのがうちの古くからのしきたりでございます」
ナレーションが流れる。
『なんとー、おじさんは口からでまかせで乗り切ってしまいました』
『こういう言い訳を事前にスタッフが準備していたのかもしれませんね。それにしても、鮮やかです』
プロフィールを細かく調べ上げてこれを仕組んだプロフィールも、後ろの方でガッツポーズしている。
この分なら、もっと色々やってもバレないぞと、スタッフのボルテージは上がる。
北欧の妖精、フィーナを取り巻く男たちの熱気に包まれて温度が何度かあがったかのように思える桃川温泉。
それらの期待を一心に背負うドッキリの仕掛け人であるおじさんは、フィーナの手を取って温泉へと招き入れるのだった。
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