隣に住んでいた年上のお姉さん

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とある土曜日

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 土曜日。僕は自宅で過ごしていた。この日は予定がなかった。何をしようか考えていると、インターホンが鳴った。

 「あら、ユキちゃん。ケイスケなら二階にいるよ」

 母のその声で僕は部屋から出た。階段を降りるとユキの声が聞こえた。

 「ケイスケくん!」

 ユキは笑顔で手を振った。右手には袋を持っていた。手作りのお菓子を持ってきてくれた。

 「ユキちゃん、ありがとう!」「結構自信があるんだ。気に入ってもらえるといいな」

 しばらくユキと談笑した。この日は車でここまで来たそうだ。そして、ユキがこう続けた。

 「今日って予定ある?」「今日は何も予定がなくて暇なんだ」「じゃあさ、これから遊びに行かない?」「いいよ!じゃあ、準備してくるね!」

 僕は部屋で出掛ける準備をした。同時に少し緊張していた。

 (二人で出掛けるなんて初めてだから空回りしちゃうかも…)

 そんな心配をしているうちに準備が終わった。部屋を出て、玄関で靴を履いた。

 ドアを開けるとユキが実家を見ていた。どうやら両親の姿が見えたようだ。手を振り、両親の元へ歩み寄り、言葉を交わしていた。

 僕が玄関先に立った姿を見てユキは手を振って両親と別れた。

 「ごめんね!話し込んじゃった」「何話してたの?」「結婚について…。かな」「何て言ってたの?」「ふふ…。秘密…」

 ユキは笑みを浮かべてそう話した。ユキの両親は僕との交際をどう思うだろうか。まだ先のことだがそんなことを考えていた。

 ユキの車の助手席に乗り、シートベルトを締めた。それに続くようにユキが運転席に乗った。

 「土日はお休みだからね。こうしてケイスケくんと遊びに行けるんだ。週末のために仕事頑張ってるもんだよ」「今日は遊びに誘うために来てくれたの?」「まあ、一番の理由はお菓子を渡すためかな。食べてほしかったし。お邪魔したらケイスケくんがいたから遊びに誘ったってところかな」「家にいてよかった」

 そう言うと、ユキは微笑んだ。

 シートベルトを締め、エンジンをかけた。後方確認などをし、車が発車した。

 車内には僕の好きな音楽が流れた。

 「ケイスケくん、あいちゃんの曲好きだもんね」「覚えててくれたんだ」「もちろん!」

 僕は嬉しくなった。僕の好きなものを覚えててくれたのだから。

 僕達は車内で会話をした。

 「こうして二人で出掛けることができる日が来るなんて思わなかったな」「夢みたいだよ。ユキちゃんと二人で遊びに行けるなんて」「ほんと!」

 夢みたいな現実を噛み締めながら、ユキとの会話を楽しんだ。
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