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5 結婚しました

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 公爵の結婚となると、それはもう贅沢なものでした。
 大変だったという意味です。
 式と披露宴で、三日間かかりましたしね。
 国内はもちろん外国からもお客様を招き、わたしはなれない挨拶に四苦八苦でした。
 そして今日、豪華で賑やかな式と披露宴の後片づけもひとまず終わり、わたしは正式にヘッセンシャール公爵夫人……つまりは、フレイクさんの妻になりました。
 新しく作られた、夫婦の寝室。
 わたしたち夫婦は新しい大きなベッドに腰掛けて、

「疲れましたね」

 言葉通り、疲れた顔で微笑むフレイクさん。

「はい」

 確かに大変でしたけど、それでも愛する人の妻になれたことは嬉しかったし、とても誇らしい気持ちです。
 ベッドのふちに並んで座るわたしたち。フレイクさんの手が、わたしの手に重ねられます。
 わたしが繋がれた手の持ち主に顔をむけると、彼の顔が近づいてきました。
 目を閉じて、夫を待つわたし。なんだか、妻っぽいです。
 そっと、触れ合うだけの唇。
 この人とこんな挨拶ができるのは、世界中でわたしだけ。そう思うとわたしは、自分をすごい人のように思えました。
 軽いキスのあと、

「お仕事は、大丈夫ですか?」

 わたしは確認します。
 公爵のフレイクさんが忙しいのは、わたしにだってわかってます。
 なので結婚式や披露宴でお仕事が後回しになっているのは、やっぱり気になっていました。
 わたしは夫のじゃまをしたくありません。彼を支えるために、妻になったんですから。

「新婚なのは、みんな知っているだろ?」

 どういう意味でしょう? 
 フレイクさんはわたしの頬に手をそえて、「もう一度キスするよ」と視線で訴えてきます。わたしはその意図をくみ取って、まぶたを閉じて夫の唇を待ちます。

「ぅん……っ」

 さっきとは違う、深いキス。
 強く押しつけられた夫の唇の奥から、彼の舌がわたしの歯の隙間から潜り込んできます。
 わたしは彼の舌を噛まないように顎を開き、わたしに入ってきたものを自分の舌で受け止めました。

 くちゅ……ちゅくぬちゅっ

 なんでしょう。とっても、エッチな音がします。
 わたしたちのキスの音、ですよね?
 こんなにエッチなキスは、初めてです。
 やっぱり、夫婦ですものね。
 このくらいのキスは……嬉しいです♡

「んくっ……」

 深く差し込まれる彼の舌。わたしの口の中で蠢いて、わたしをすごく求めてきます。
 息苦しいほどのキスを続けたまま、そっとベッドに押し倒されます。
 彼の手が、わたしの胸元に触れてきました。とはいえ、彼に捧げられるほどの盛り上がりは、今のわたしにはありませんけど。
 なにせ今のわたしの身体は、生後2600日を迎えたばかりの幼女ですので。
 とはいえ、前世のわたしにはあったかといえば、それは自信ないですけどね。
 まったいらの胸元をなでまわす、フレイクさんの手。
 なんでしょう? 探しているのでしょうか、膨らみを。
 すみません、ないです。ごめんなさい。
 でも冷静に考えれば、これって「初夜」なんですよね……。
 夫婦で同じ寝室で眠るのは、これが初めてなんですから。

 ちゅぱぁ……

 唾液の糸でつながったままですが、フレイクさんの唇がわたしから離れます。
 わたしは大きく息をして、

「ふく……ぬがないと」

 変なことを口走りました。
 ドキドキしすぎて、なにをどうしていいかわからないのです。

「ココネ」

 夫に名を呼ばれ、じっと見つめられます。
 彼は22歳になったばかりの健康な男性で、わたしはまだ生後2600日ほどとはいえ彼の妻なんですから、その要求に応える立場にあります。
 えっと……わたしだってしたいです。
 エッチなこと……。
 しょうがないでしょ、だってしたいんだからっ!
 夫婦なんだからいいじゃないですか!?
 フレイクさんは優しく微笑んで、

「じゃあ、脱ごうか」

 自分の服を脱いでいきます。
 まずは上半身がき身にされ、わたしは夫の半裸に目を奪われます。
 じっと見られているのに気がついたのか、

「ココネも、脱いでくれるんだろ?」

 夫婦になったからなの?
 これまでにない砕けた口調で、彼がわたしに要求する。

「……はい♡」

 自分でも驚くほどの、甘くて湿った声が出てしまいました。
 どうしよう。これ絶対、欲情してるのバレてますよね。
 わたしが見ている前で、夫が全裸になる。
 初めて見る夫の全裸。
 股間の……その部分が、とても大きく盛り上がってます。
 お風呂でお父さまのを見ていたからか冷静に見られましたが、いつものお父さまのあれは、全く準備ができていないものだったとわかりました。
 わたしだって前世では29歳まで生きたのですから、男性の性については少しは知識ありますよ? 死ぬまで乙女でしたけどね!
 興奮すると大きくなるんでしょ? 知ってますー。
 お母さまにもいろいろ教えていただきましたから、たぶん……いけるはずです。
 でも、もっとドキドキして慌ててしまうと思っていましたが、フレイクさんのそこは、なんだか可愛らしいと思ってしまいました。
 こんなに大きくして……かわいいな♡
 そう思う余裕さえありました。
 これが妻の余裕というやつでしょうか。

「おおきいです……ね」

 彼のものに顔を寄せ、しっかりと観察します。
 少しにおいもかいでみましょう。
 くんくんっ……
 なんでしょう? いつものフレイクさんの爽やかな香りとはまた違った、ドキドキして、エッチな気分になるにおいがします。

「こわくないかい?」

 わたしは首を横にふって、

「うれしいです。フレイクさまが、わたしを愛してくれているあかしです」

 男の人のあれは、好きな人への想いで大きくなるらしいです。
 可愛しくて愛おしい、だから抱きたい……という想いで、大きくなって準備が整うのだとお母さまがいってました。
 これはフレイクさんが、わたしへの想いで大きくしているのですから、これはわたしへの愛の証なんです。
 わたしがその愛の証……そそり立つ棒に手を触れさせると、彼はピクッと震えました。

「ごめんなさい、いたかったですか?」

 どう扱っていいのかわからない。
 触るだけで、痛いの?

「痛くないよ。気持ちよかったから」

「そうですか? でしたら、その……どうすればよろしいですか?」

 初めてだから、わかりません。

「まずは、ココネも脱いでくれないか」

 それは……そうですね。
 わたしも脱ぐべきでしょう。
 ベッドを降りて着物を脱ごうとするわたしを、フレイクさんが見つめています。
 見られていると、脱ぎにくいです。
 でも、恥ずかしがっている場合じゃないですよね。
 わたしは急いで衣服を剥がし、股間を覆う下着だけになりました。
 でも……なんでしょうね。
 こうして裸になってみると、自分の身体の幼さに「大丈夫なの?」と感じてしまいます。
 べったんこの胸に、ぷっくりお腹。腕も脚も短くて、なんだかぷにぷにしているようにも思えます。
 ちょっと、幼すぎじゃありませんか?
 わたし、人妻なんですけど?
 そしてこれから、愛する旦那さまと初夜を迎えるところなんですが……。
 パンツも、脱いだ方がいいですよね?
 そう思って最後の一枚に手をかけると、

「ココネ」

 フレイクさんが、後ろからわたしを抱きしめてきました。身長差があるので、上から覆いかぶさられてるようになってますけど。

「どうしたんですか?」

 急に、なんでしょう。パンツ脱げないんですけど。

「その……思ってた以上に、可愛くて……」

 かわいい?
 え? そ、そうなの……ですか?
 そっと、抱きしめてくるだけのフレイクさん。
 かわいい。
 でも、欲情の対象じゃない。
 そういうこと……でしょうか?

「わたし、幼すぎます……か?」

 この身体では、抱いていただけませんか?

「違う、そういう意味じゃなくて」

 彼は困ったような声で、

「幼いココネの身体に、こんなに興奮するとは思ってなかった。私は子どもに欲情したことはないし、欲しいと思ったこともない。だから、ココネにも冷静でいられると思っていた」

 フレイクさんの硬くなった棒が、わたしの背中に当たってきます。

「だけど、ムリだ」

 ギュッとわたしを抱きしめる夫。

「こうしてココネの身体を目の当たりにしてしまうと、ガマンできない。抱きたい、繋がりたい……この小さな身体を愛したいし、愛して欲しいと思ってしまう」

 フレイクさんも、不安だったんですね。
 幼いわたしの身体を愛せるのか、そして、愛してしまっていいのかと葛藤している。

「あの……うれしいです」

 わたしもフレイクさんの腕にしがみつき、

「そんな幼いからだはだけないって、そういわれるのがこわかったんです」

 わたしは身体を反転させて彼を見上げると、

「だから、うれしいですっ!」

 自然と笑みがこぼれた。

「だいてください。あなたのつまに、してください」
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