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4 シェラさんと、初めての…… [後編]

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 あなたが、好きです。

 夢の中なのに、現実と同じ自分の部屋、自分のベッド。
 わたしは目を閉じて唇を差し出し、シェラさんが来てくれるのを望みました。

 ふわっ

 優しくて、やわからな感触。
 唇にそっと触れるだけのその感触に、わたしは涙をこぼしてしまいました。
 あまりの嬉しさに。
 苦しいほどの幸福に。
 数秒間。
 唇が重ねられます。
 そして、

「よかったの? ましろ」

 キスしてよかったのか。怒ってない? 嫌じゃなかった?
 そう、聞いているんだと思います。
 この悪魔、あまり女心を理解していませんよね。
 まぶたを閉じて顎を上げたんですよ?
 それが拒否なわけないでしょ?
 わたしは笑ってしまいました。
 そして、

「キスだけで、終わらせるつもりですか?」

 自分から誘いました。
 わたしの初めてを、あなたに捧げます。
 わたしの初めてを、あなたに貰って欲しいです。
 これは夢で現実じゃないですけど、でも、わたしのココロはどちらでも同じです。
 あなたが、好き。
 抱いて欲しい。

「場所、変える?」

 彼の言葉の意味がわからないほど、わたしはバカじゃありませんでした。
 ちゃんと、理解できました。

「ここでいいです。ここで、抱いてください」

 抱いてください。
 自分がそんなセリフをいえるとは思ってませんでしたが、自然といえちゃいました。
 ただ、
 え!?
 シェラさんが急に裸になりました。全裸です。
 そしてわたしも……。
 きゃあぁーっ!
 剥かれてます。
 は、裸に剥かれてますぅっ。
 ムードは?
 初めてなんですけど!?

「きれいだよ、ましろ」

 わたしの身体をじっと見つめるシェラさん。
 い、いえ……嬉しいですよ?
 でも、急に裸にしなくても良くないですか?
 ココロの準備ってものが、女にはありましてですね……。

「……んぐっ」

 突然、強く唇を奪われました。
 舌が……入ってきます。
 味。
 シェラさんの味がするんですけど!? ちょっと甘くて、なんだろ? チョコみたいな香りがする。
 わたしはシェラさんの激しいキスに、思考力が溶かされていきます。
 キスをされたまま、ベッドに押し倒されるわたし。あまり大きくないわたしのベッドは、ふたりで乗るといっぱいいっぱいです。
 キスを続けながらシェラさんがわたしの上へと身体を移動させ、わたしの胸に手を置いてきました。
 やっぱり、そこですか。シェラさんも男の人ですね。
 彼の右手に包まれる……というか大きいから掴まれる感じかな? わたしの左乳房。
 彼の手の中で形を変え、中の脂肪がぷるんぷるんするのがわかります。

「んく……っ」

 長いキス。わたしが息苦しさに声を出すと、シェラさんの唇が離れました。
 解放されたわたしは大きく息をして、濡れた口元を手で拭います。
 はぁ……苦しかったです。
 息を整えるわたしに、

「もう、やめないよ。最後まで……だよ?」

 まだそんなこといってるんですか?
 わたしはうなずいて、

「途中でやめたら、怒りますからね」

 いってやりましたよ。
 彼を迎えるため、わたしは脚を開きます。
 こういうシチュエーションを妄想したことは何回もありましたけど、思ったよりも自然と出来ちゃいました。
 もっと恥ずかしくて、ドキドキするかと想像していたんですが、それよりも「はやくきて」という気持ちのほうが勝っている感じです。
 正面から彼を迎えようとするわたしを、シェラさんが見つめます。

「どうか、しましたか?」

 シェラさんは苦笑して、

「ましろはもっと、恥ずかしがると思ってた」

 なんですかそれ。

「恥ずかしいですよ? でも、それよりも、あなたに抱いてほしいんです」

 それがわたしの本音でした。
 裸同士なんです。わたし、処女なんですよ? 初めてなんです。
 恥ずかしいに決まってます。
 まぁ、確かに。
 初めての夢でいろいろされてはいますけど、あれはノーカウントでいいですよね。
 あれは、ただの夢だったんです。
 でも、今は違います。
 これはシェラさん、わたしとあなたの「現実」です。
 胸から手を離し、わたしの脚を抱え上げるシェラさん。
 つながりにくいですか?
 初めて……だから。
 わたしはどういう体勢をとればよいのかわからず、とりあえず両足を上にあげます。
 スッと、シェラさんがわたしの隙間に、身体を入れこんでくれました。
 わたしは完全に、股の間に正面からの彼を迎えることができました。
 向かい合い、見つめ合います。
 キス……してほしいな。
 わたしが思うというか感じた瞬間には、シェラさんの優しい唇がわたしの頬に、そして唇へと触れてきました。

「かわいい。ましろ」

 あなたは、かっこいいです。
 言葉にするか迷いましたが、いえませんでした。
 身体を動かすシェラさん。彼の先端が、わたしの中心にあてられます。
 そして、

 ぐいっ

 中心の花弁を分けるように、彼のものがわたしを押してきました。
 あたってる……。
 こんなに、はっきり感じるんだ。
 シェラさんの確かな存在を、わたしの真ん中が感じています。

「……きて♡ シェラさん」

 恥ずかしいくらいに甘えた声が、勝手に出ちゃいました。
 彼は言葉にして、なにも返してくれませんでした。
 ですが、

 ぐっ……ぐいぃっ!

 お願い通りに、わたしの中心へと潜り込もうとしてくれました。
 迷いなく、わたしの内部への入り口を広げようとするシェラさん。

「……いぐっ」

 思わず、声が出ちゃいました。
 初めての痛み。

「痛い?」

 わたしは首を横に振りましたが、彼に嘘は通じませんでした。

「なるべく現実に近づけてみたんだけど、痛くないようにしようか?」

 現実に、近づけた……?
 あっ、そ、そうですよね。
 これ、夢なんですよね。
 忘れてました。
 忘れちゃうくらい、あなたに夢中でした。
 それに……痛くないようにする?

「いやっ! ダメ、やめてくださいっ」

 わたしは彼の言葉の意味を理解して、強い口調でいってしまいました。

「どうして? 痛くないほうがいいでしょ?」

 違う。それは違います。
 初めての、あなたがわたしを女にしてくれる痛みは、ちゃんと身体とココロに刻みたいです。
 忘れられないほどに強く、あなたをわたしに刻みたい。
 現実と同じ痛みを、感じたいです。
 夢の中でしか、あなたと繋がれないのなら……。

「願いします。痛くていいです。このまま、来てください」

 必死なわたしに、彼は微笑みをくれました。

「オレのために、耐えてくれる?」

 わたしはうなずいて、彼に笑顔を返しました。
 とても嬉しくて、笑顔しかできませんでした。
 彼の動きが、わたしへと向かってくる。
 彼がわたしを求める動きが、わたしの身体を揺らす。
 彼の先端が、わたしを広げようとしているのがわかる。
 嬉しいとしか、思えない。
 と、

「はぐぅ……っ!」

 突然の激しい痛みが、わたしを襲いました。
 繋がった!?
 わたしが彼が、わたしの中へと入ってきたのを感じました。
 少しずつわたしが広がって、そこにシェラさんが埋まってきます。
 痛みはあります。でも嬉しさの方が勝っていました。
 もっと、来て。
 もっと奥まで、最後まで。

「シェラ……さん」

 来て、くれたの?
 わたしは自分の一番奥に、彼が届いたのを感じました。

「ありがとう、ましろ。嬉しいよ」

 繋がったまま、一番奥に当てられたまま、わたしは彼の言葉をもらいました。

「わたしも、うれしい……です」

 一粒の涙がこぼれたのがわかりました。
 痛みと喜びとが混ざった、あなたに捧げる涙です。
 シェラさんが、ゆっくりと身体を揺らします。
 その動きに合わせて、わたしの身体も揺れるのがわかります。
 彼の動きに身をまかせ、彼がくれる痛みと心地よさを感じます。
 徐々に、シェラさんの動きが速くなっていきます。わたしも大きく揺られます。
 前後というより、上下に揺すられるわたしの身体。おっぱいがぶるんぶるんなってるのが、自分でもわかりました。
 シェラさん、見てますか?
 わたしのおっぱいがぶるんぶるんしてるの、見てるのかな?
 可愛いって、思ってくれる?
 それとも、きれいだっていってくれるかな。
 わたしの身体は痛いが7割で気持ちいいが3割で、ココロは幸せが10割でした。

「ま、ましろっ」

 シェラさん、見たことないような苦しそうな顔してる。
 なんだろう?
 彼がくれる快感に飲まれるわたしは、薄くなってる思考力で考えました。
 も、もしかしてこれって、イキそう……なの?
 出ちゃうの? 出しちゃうの? すごく気持ち良くなっちゃったの!?

「ぁっ、ぁん……き、て……たくんさん、ぁっ、ぁんっ、ぁっ、たくさんだしてぇっ」

 これ、自分の声ですか?
 いつの間にかわたし、こんなエッチな声で喘いでたんですか?
 彼はうなずいて、

「ましろ」

 一度、わたしの名を囁いて。
 そして、

 びゅくんっ! びゅくびゅくびゅるびゅくっ!

 わたしの最深部に、彼の熱い勢いがぶつかってきました。
 痙攣するようにはねるシェラさんの腰、わたしを突き上げるようにして、大量に奥へと注いできます。
 なに、これ?
 すごく……もう、とけちゃいそう。
 彼がわたしの中に溢れたさせたものが、快感の波で広がって身体中に満ちていくようでした。
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