行き遅れの伯爵令嬢ですけど、大丈夫ですか?【R18】

人面石発見器

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EX 本当に結婚しちゃいました

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 結婚初夜。

 というか初めて名前で呼んでもらえたその日の夜なんですが、書類上は夫婦になった私とクシャル王子は王宮内にある彼の館のベッドで、夫婦の契りというか実質的な夫婦関係を成立させようとしていました。
 この国では書類上で夫婦になっていようと、肉体関係がないと正式な夫婦とはみなされないらしいのです。

 私は、「これ、着る意味あるの?」みたいなスケスケな薄い肌着だけを身につけて、ベッドでシーツをかぶります。
 すぐにクシャル王子……というか旦那さまも準備を整えて、寝室にいらっしゃるそうです。
 召使が当たり前のように用意してくれた寝着なんですけど、これ、裸と変わらないんだけど……。

「これだけ?」

 そう確認した私に、

「はい、奥様。初夜ですので」

 年かさの召使はにこやかに言い、幾つか、この国での初夜のマナーと注意点を教えてくれました。
 そのマナー自体は問題ではないのですが、問題は私の年齢です。27歳って、正直もう若くないんですよ。髪のツヤとか肌の張りとか、ね?

 恥ずかしいんです。
 そして、失望されたらどうしようと不安なんです。
 クシャル王子……いえ、旦那さまなんですけど、私より10歳近く年下なんです。まだ10代なんですよ。ピチピチしてるんです、私よりも。
 どうしよう……怖いです。初夜がどうこうでなく、むしろはやく抱かれたいくらいなんですけど、私、自分の身体に自信がないのです。

 寝室の扉が開き、旦那さまが入ってきました。彼は金糸で模様が描かれた赤いマントのようなもので身体を覆っています。
 なんでしょう、あれ。あれも「初夜ですので」の関係でしょうか。
 とりあえず私はシーツで身体を隠して、旦那さまが近づいてくるのを待ちます。
 旦那さま……クシャルはベッドの側に来ると、身体を覆っていたものを脱ぎ去りました。

 ひっ!?

 な、なんで裸なの。彼はその身になにもつけず、鍛えられた身体も、もう大きくなっているそこも隠さずに私に見せつけてきました。
 恥ずかしくないの? わ、私すごく恥ずかしいんだけど!?

 で、でも私、クシャルの身体から目が離せません。恥ずかしいのですけど、その……大きくしている部分が気になるというか、ドキドキして、私を抱きたくて大きくしてるんですよね? これ。
 思っていた以上にたくましい彼の裸体に驚きながらも、

「は、初めて……なのです」

 この歳であれですけどそうつげた私に、

「はい、嬉しいです。わたしもそうです、義姉上」

 クシャルは言葉通りの、嬉しそうな顔をしました。
 いや、嬉しがってもらえるのは私も嬉しいんだけど、

「義姉上ではありませんよ。旦那さま」

 私がクシャルを「旦那さま」と呼ぶと、彼はもう「お前どうした?」というくらいに顔をくにゃくにゃにして、ベッドに腰を下ろしました。
 彼はニコニコしたまま、下げた私の髪をなでます。そういえばこんなに優しく髪をなでられるなんて、幼い頃に両親と姉たちからしてもらって以来です。
 ひとしきり私の髪をなでた彼は、表情を真面目なものにして私を抱き寄せてきました。

「ミリア」

 その呼びかけに、私はまぶたを閉じます。
 さすがの私でも、クシャルがなにを望んでいるかくらいはわかります、

 ふわっ

 まさにそんな感触でした。

 唇に降ってきた優しい感触。そして近くで香る旦那さまの匂い。
 神殿で誓いの口づけをしてからの、これが二度目のキス。
 誰にも見られていない、ふたりだけでのはこれが初めての。

 私、なんであんなに恥ずかしがっていたんだろう?
 クシャルのキスで、自分でも不思議に思うくらいに恥ずかしさは消えていました。
 彼の優しいキスの後。今度は私から彼の唇を求めます。

 ちゅっ、くちゅっ……

 強く押しつけて、彼の唇を舌でなでる。彼も私を強く抱きしめて、私たちはキスというか、舌を絡ませてお互いの味を感じることに夢中になりました。
 私は身体を隠していたシーツを落とし、上半身を露わにさせます。ほとんど透明な肌着では、私の乳房は形をはっきりさせているでしょう。
 若いときは全くたるみがなく、張っている感じだったんだけどな。
 私の胸はそこそこ大きいから、年齢を重ねてしまった今では少し下がってきたというか、やはり20代前半のようにはいきません。
 だけどキスを終えて顔を離した旦那さまは、私の乳房を見て目を輝かせています。かわいいな、この人。

「肌着を、破ってください」

 私は旦那さまにお願いしました。
 このほぼ透明な肌着を新郎に破ってもらうのが、この国の初夜のマナーなんだそうです。知りませんでしたが、初夜の準備をしてくれた召使にそういわれました。

「くれぐれも、ご自分で脱いだりしないでください。それに決して自分で破らないでください。破れやすいですから、気をつけてくださいね」

 と。
 クシャルもその初夜のマナーはレクチャーされていたのが、

 ビリビリッ

 肌着を破いていきます。
 あっという間に私は裸体にされ、完全に露出した私の乳房に目を落としているようなクシャルが、

 ぷふぉっ

 という感じで、急に顔を耳まで真っ赤にさせた。
 濃い肌の色なのに、それでも赤くなっているのがわかるほどに。
 ちょっと、そんな顔されると、私まで恥ずかしくなっちゃうんですけど……。

「き、キレイです。ミリア」

「は、はい……ありがとうございます」

 旦那さまにキレイといわれ、顔が熱くなる私。
 いやいやこれ、10歳近くの年上の姉さん女房の態度じゃないですよね? 私がリードすべき場面ですよね、これ。
 私は思い切って、

「さわって、ください」

 私の身体を。そういう意味で言ったつもりでしたけど、

 ぐにゅっ

 クシャルは私の左の乳房に、右手を押しつけてきました。
 そして、痛くはないけど激しくはある動きで揉んできます。

 な、なにこれ!?

「ぅん……っ」

 やだっ、声出ちゃった!
 だ、だって、すごく気持ち良いんだもの……。

 クシャルの手の中で、形を弄ばれる乳房。動かされるたびに気持ち良さが増していって、こんなの初めての快感です。

「ぁっ……ンっ、んきゅっ」

 私の胸を弄びながら、クシャルが押し倒してきます。私は旦那さまの要望に応えるように、身体を横たえました。
 そして旦那さまは私に覆いかぶさるように位置を変えると、私の下半身を覆うシーツを取り除いてしまいます。

 ど、どうしよう……。
 これ、しちゃうよね?
 子作りしちゃうよね!?

 意識したわけじゃないのに、私は脚を広げて旦那さまが入れる空間を作っていました。
 いえ、本当に勝手に身体が動いてしまった感じで、やってしまってから「自分からなんてはしたない」と思いましたが、もう遅いです。
 私の体勢の変化に気がついたのか、クシャルが空いたスペースに入り込んできます。
 そして、

「触れてもいいですか?」

 なにに? とは聞かなくてもわかりました。私が頷くと、

 くにゅっ

 私の中心に、クシャルの指が当てられます。
 そして彼の指が花弁に埋まり、

「ぅくっ」

 声が出てしまいました。

「痛いですか?」 

 私は首を横に降って、

「気持ち、よかったから」

 入り口を指でなでるクシャル。私の湿った音がかすかに響き、少し恥ずかしいです。
 クシャルの指に気持ち良くしてもらいながら、

「ね、ねぇ、クシャル。本当に私で良かったの?」

 彼の指が止まる。当たったままですけど。

「もっと若い人のほうが、よかったんじゃないですか? 若い人と比べられるのは、少し……厳しいです」

 クシャルは首をかしげて、

「私が、ミリアと他の女を比べると言うのですか?」

 そういうことだよね。すごく嫌ですけど、彼が私以外の女を抱くこともあるでしょ? 彼はまだ若く、王族でもあるんだから。
 そう思っていた私だけど、

「どうして私が、他の女とミリアを比べるのです? 私がこの腕に抱くのは、生涯でミリアひとりだけなのに」

 ……はい?

「ミリアは、私が他の女を抱いても気にならないのですか?」

「そっ、それは嫌ですっ! とても嫌です、ですけど……」

 私はもう若くないの。あなたよりも、10歳近く年上なのよ?

「私は許せません。ミリアが私以外の男に抱かれるなんて、考えるだけでも怒りが湧き上がります。ミリアは違うのですか?」

 私は激しく首を横に振って、

「い、いいえ、違いません。私も嫌です。とても嫌です」

「ですよね? でしたら、私がミリアの嫌がることをすると思いますか?」

 彼は微笑み、指の動きを再開してくれました。
 私はもう何も言わずに、彼がくれる気持ちよさに身を委ねます。
 未来はどうなるかわからないけれど、これが「今の彼の本心」であることくらいは、私にもわかりました。

 くちゅっ、ちゅくちゅくっ

「んっ……ぁっ」

 旦那さまがくれる優しさに、気持ち良さが漏れてしまいます。
 身体が奥から湿って入り口からも溢れ、私は旦那さまを受け入れる準備が整ってきた感じがします。
 もっといろいろしてほしいとは思いましたが、私はそれ以上に、はやく彼と繋がりたくて仕方ありませんでした。

 本物の夫婦になりたい。
 誰もが認める、そして誰にも恥じない夫婦に、はやくなりたい。

「クシャル、もういいわ。お願い……私をあなたの妻にして、本物になりたいの」

 クシャルの指が、私の中心から離れる。私は少しお尻を上げるようにして、彼と繋がりやすい体勢をとった。

「ミリア、あなたを私の妻にします」

 言葉にしてちゃんと言ってくれたクシャルが、下半身を私の股の間に潜りこませる。私の脚を開かせるように腕で持ち上げ、私を「することをする形」へとしていく。
 だけどそこからが……クシャルにはわからないみたいで、手間取っている。探るように先端を私の股間辺りでウロウロさせるのが、慣れていない様子でかわいくて嬉しかった。

「ここ……ですよ?」

 私は腰を動かして位置を調節し、彼の先端を入り口に導きます。彼も少し位置をずらして、

「うん、そこ」

 ちょうどいい場所に当たってきました。
 もうあとは、入ってきてもらうだけ。最初は痛いというけれど、痛いくらいのほうがいいと思う。クシャルの存在を、ちゃんと感じられるから。

「ミリア……」

 でもなんでしょう? クシャルは少し困り顔です。

「どうなさいました?」

「あの、ですね……まだ、入ってませんよね?」

 そうですね、入り口に当たっているだけです。

「はい、まだですけど」

 一度、私の頭をそっとなでて、

「これだけですごく気持ち良くて、こうしてるだけも果ててしまいそうです」

 ん? はてる? どういう意味……って!?
 出ちゃうの!? イッちゃうの!?
 だってまだ繋がってないよ? なのに気持ちいいの? 私で気持ち良くなってイキそうなの?
 ど、どうしよう!?
 はやくしないとダメだよね?

 私は腰を押し出して、はしたないですけど自分から旦那さまを導こうとしてしまいました。

 ぐっ、ぐいぃ……っ

 位置は大丈夫です。ここであっています。

「ど、どうぞ、旦那さま。お入りください」

 セリフがこれであってるかはわからなかったけど、クシャルが私に体重をかけてきました。
 あっ……ちょっと、痛いかも……。
 ですが、思ったのはそれだけで、

「ひきゅっ!」

 私のなかが一気に広げられて、クシャルの先端が埋まってきました。
 想像していたような抵抗も、我慢できないほどの痛みもありません。
 本当にズブっという感じで、彼のものが私に入ってくれました。

 よかった、つながりました。これで私、クシャルの妻ですよね? あれ? 出してもらわないとまだなのかな?
 喜びと痛みで、少し混乱しているようですが、大丈夫です。
 とても、すごく幸せな気分ですから。

 先端だけで繋がったまま、彼はそれ以上入ってきません。私はその方が助かりますけど。なんというか身体が慣れていない感じで、もう少しこのままでいてほしいです。
 あぁ、でもあの小さかったクシャル王子が、こんなにステキな男性に成長して私の旦那さまになるなんて、あの頃は想像もしませんでした。
 旦那さまを見つめる私に、

「どうか、なさいましたか?」

 彼が問いかけます。

「初めて会ったときのことを思い出しました。あなたがまだ、幼かった頃のことです」

 あの小さな男の子と、7年後に心も身体も繋がることになるなんて……。

「私をきれいだといってくださいましたね。肌が白くて、きれいだと。憶えていらっしゃいますか?」

 私をきれいだといってくれたのは、これまでの人生でクシャル王子だけだったから、私は幼い日の彼の言葉を忘れることはできなかった。
 子どもの言葉だとしても、すごく嬉しかったから。

「はい、おぼえております。そう、思いましたので」

「嬉しかったですよ? あなたが白い肌の女が好みでよかったです」

 そうでないなら、私が選ばれることもなかっただろうから。

「白い、肌?」

 きょとんとする旦那さま。

「違いますよ? 私は本当にきれいだと思ったのです。義姉上はまるで女神のように美しい人だと、本当にそう思ったのです。今もそう思っています。肌の色は関係ありません」

 どういうこと? ただ単に、私が好みのタイプだったってこと?
 それはそれで嬉しいですけど、もしかしてこの人、美的センスがズレてるのかな?

 繋がりに慣れてきたので、もう少し奥まで導こうと腰を押し出す私に、

「す、すみませんミリア。動かないで、いただけますか……」

「どうかしましたか? 痛みがあるのですか?」

 私それほど痛まないので、動けるんですけど。

「違います、その……少しでも動けば、果ててしまいます」

 恥ずかしそうにつげる旦那さまに、私は笑ってしまいました。

「どうしてそのようなことを気になさるのです? 私はあなたの女なのですから、ご自由に溢れさせてくれればよろしいです。私はそれが、嬉しいのですから」

 私はそういって、自分から彼に抱きつきました。
 すると、本当にすぐ。
 我慢してたの?
 彼のものが、私の中に溢れてきました。
 たくさんたくさん、私が受け止めきれないほどにたくさん。

「ミリア……愛しています」

 私に溢れさせながら、優しく囁いてくれる旦那さま。

「はい。私も愛しております、旦那さま」

 こうして私たちは名実ともに夫婦になり、この夜は深い時間まで愛し合いました。
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