251 / 502
第三部 異世界建築士と思い出の家
第230話:待機命令
しおりを挟む
「よし……! おい、おっさん。あんたはここに残りな」
「分かった……って、おい!?」
インテレークの言葉に、俺はたまげた。
ちょっとまて、俺を置いてどこに行くんだ!
抗議すると、インテレークは口の端をゆがめるような笑みを見せた。
「決まってんだろ、あのコとイイコトしてから跳ね橋下ろしてくるんだよ」
「だからって、なんで俺が残らなきゃならないんだ」
すると奴は、は~っと大げさにため息をついて首を振って見せ、そしてニヤニヤしながら言った。
「おっさん、『投げナイフ』、やってくれるんだろ?」
「そ、そりゃやるって言ったけど、それと居残りと、何の関係があるんだ?」
「そうだな……確かに『投げナイフ』じゃねぇか、ええと――『置きナイフ』というところか?」
奴はくっくっと小さく笑うと「いいか、おっさん。あんたはここで見張ってろ。後方の安全確保ってやつだ」と命令した。
「とにかく、何かあったら大声で叫べ。声が出せねえ状況だったら、どんな手段でもいいから大きな音を立てろ。俺の方はコトを済ませた後で、跳ね橋を何とかしてくるからよ」
「い、いや、待てよ! 何かあったらって、俺はお前を待ってる間に殺されるかもしれないってことか!?」
せめてこの部屋にテーブルの一つでもあれば別だが、あいにく床に散らばる大小の壁の破片が転がっているだけで、ほかには何もない。
つまり、いざというときに身を守るものが、この部屋には何もないのだ。
「だから、その時は大声を上げろって言ってんだろ。それとも女か? 跳ね橋下ろしたあとで好きなだけヤればいいだろ、とにかく頼んだぜ」
そう言い残すと、足早に女性を追い始めた。女性は俺とインテレークを盛んに見比べて、俺にも手招きをしたが、インテレークが振り返って、『待て』の合図を繰り返す。
お、おい、……ほんとに俺を置いていくのかよ!?
インテレークが犬属人の女性と奥の扉の向こうに消えてしまったのを見届けて、俺は一人、ポツンと部屋に取り残されていた。
壊れた壁から差し込む月の光のおかげで、少なくとも暗くて心細い、ということだけは無いのが救いだ。
改めて壊れた壁や瓦礫を見ていると、壁の内部構造がなんとなく理解できてくる。
さらに、吹き込んだ雨のせいだろう、腐った床や柱、梁などから、どのような建てられ方をしたのかも見えてきた。
この砦は、基本的に内部を木骨で支える石壁の外壁で箱を作り、その箱の中に、石をモルタルで固めたような壁を後から作ることで、廊下や部屋を作ったようだ。
ただ、すべての壁を石製にすることもできなかったみたいだ。例えば、この部屋の半分くらいは石壁なのだが、もう半分くらいは木に漆喰を塗って作ったらしい。一部、漆喰がはがれて奥の木の壁がむき出しになっている。
本当に時間や材料が足りなかったのだろう。
石造りでは難しい床や天井は木で作ってあり、壁に沿うようにして並ぶ柱は、木製の天井、すなわち上層階の床を支えるためのもののようだ。
ただ、急ごしらえの弊害か、この部屋の場合、部屋の中に不自然な柱が二本、真ん中あたりに並んで立っている。
おそらく、上の階に何らかの重量物を設置したせいで天井が耐えられなくなり、たわんできたのだろう。
そのため、応急処置として柱が追加されたのだ。
その柱がある当たりの天井が妙に下がって見えるのも、柱が微妙に傾いているように見えるのも、それどころか柱が立っているあたりの床がたわんで見えるのも、錯覚ではあるまい。
さらに恐ろしいのは、抜けかけの天井だ。朽ちた天井の板は隙間だらけ、今だって、パラパラと砂のようなものが落ちてきた。
傾いた二本の柱を抜いたらどうなるか……想像もしたくない。
天井からの荷重がかかっているから、多少ぶん殴ったくらいで何かが起こるわけでもないだろうが、精神衛生上よろしくない。
でもって、見事に何もない、だだっ広いだけの部屋。もともとは食堂か何かだったのか、それともミーティングルームか何かか。
つまり、この部屋には、敵に見つかりそうになった時に隠れる場所も、遮蔽物にするようなものもないのだ。
その意味に気が付いて、とたんに恐怖が湧いてくる。
ど、どうするんだ、こんな障害物も何もない場所で。
さっきの奴には三文芝居も通用したけど、誰にでも通用するわけじゃないだろ!
唯一の障害物といったら部屋の真ん中あたりに立っている、二本のへしゃげかけた柱だが、こんなもの、武器にも壁にもならない。むしろ近づきたくない。
腐った床板をはがしたところで、盾にだってできないだろう。もちろん、そんなボロボロで持ちにくい太さの板なんて、武器にもならない。
せめて何かないかと、しばらくきょろきょろしていたときだった。なにやら数人のダミ声のようなものと、雑な足音が聞こえてきたのだ。俺たちが、この部屋に入って来た方の通路から。
――ま、まずい! この部屋にいたら、俺はとても生きて帰れない!
慌てて隠れるところがないかを探し、そしてすぐに諦め、さきほど獣人族の女性が来た方の通路に全力で忍び足! 通路の向こうに隠れる。
こっちに来るなよこっちに来るなよこっちに来てくれるなよ……!!
全力で念じながら、通り過ぎてくれることを期待する。
だが、ダミ声の主たちは、部屋に向かってきているようだ。どんどん足音が大きくなり、それに伴って声もよりはっきり聞こえるようになる。
ああ神様仏様! どうかこっちに来ませんように……!!
必死に祈りながら、男たちがこっちにだけは来ないことを祈り続けていると、男たちがついに部屋に入ってきた。
翻訳首輪の効果範囲に入ったのか、会話の内容も伝わってくる。
「……それにしても、さっき出た馬車、本当に大丈夫っすか?」
「だから、そっちはクズばかり集めて囮にしたんだろ。冒険者ギルドが動いていたみたいだしな」
――クズ? 囮……!?
二人の男の会話に、衝撃を受ける。
「護衛もたんまり付けたからな。特に、今夜はヤツもいる。今頃、冒険者どもは返り討ちさ。万が一やられても、どうせ積み荷はクズばかりだ。奪われたってたかが知れている。連中がクズ共を連れて意気揚々と引き上げて行ったところで、夜半過ぎに安全に高級品の出荷だ。さすがボスは頭がいい」
インテレークの兄が命を落としたあの馬車は、ただの囮だったって、そんな……。
じゃあ、それで犠牲になった冒険者たちの命は、無駄になったってことなのか!?
……いや、そのぶん、確かにこちらは警備がものすごく薄くなっているはず。
彼らのおかげで俺たちは今、ずいぶん楽になっているんだ。
そうだ、彼らの働きは無駄じゃなかった……そう、考えなきゃ……!
そう、自分に言い聞かせる。
今夜限りの同志とはいえ、リトリィを助け出す、その手伝いをしてくれた人たちなのだから。
「……それはそれとして、今回のアレはすげぇ掘り出し物なんでしたっけ? うまく売り捌ければ、当分の間、遊んで暮らせるとかいうの、ホントっすか?」
「らしいな。初物じゃないことだけが惜しいらしいんだが、おかげであのうるさい頭領が味見するんだとさ。終わったら出発まで、オレたちにも回してくれるらしいぜ? お前もヤれるかもしれねえぞ?」
「いや、さすがにアレはカンベンっすよ。顔なんてほとんど犬そのものだったじゃないっすか。いくらなんでもありゃムリっす。そっちのケはないんで……」
「食わず嫌いはよくねぇぞ? あのふかふかぶりは絶対に抱き心地が……」
男たちは、部屋の反対側の方に向かって行ったようだ。翻訳首輪の効果範囲外に出たらしく、これ以上は何を言っているか、聞き取ることができなかった。
……今の話、つまり、先に出た馬車は囮で、奴らにとっては価値の低い獣人ばかりを乗せていたということだ。そして実はこの砦に、もっと高く売れるものが残してあり、奴らはそちらを本命として売り捌くつもりだったのだ、最初から。
とすると、リトリィはまだ、この砦にいる可能性が高いってことだ!
よし、俺の手で助けられる可能性がある!
――だけど、さっきの連中の「ボスが味見をする」という話。特徴がリトリィっぽかった。リトリィじゃないことを祈りたいが、顔がほとんど犬でふかふかって、まさにリトリィじゃないか!
だめだ、早くリトリィを探しに行きたいが、インテレークが戻ってくるまでは動きたくない。俺一人じゃ、戦う以前の問題だ。でも、もし、また、さっきみたいなやつらが来たら?
逃げ回ったとしても、いつかは捕まる。そしたら……死あるのみだ。
俺に戦う力はない。
ナイフは持っていても、使いこなせない。
やっぱり、隠れているしかないだろう。
ナイフの鞘に触れながら、俺はため息をつき――同じように腰に差した、ノコギリがあったことに気が付いた。
――なら、いっそ、この部屋そのものを罠にするか?
「分かった……って、おい!?」
インテレークの言葉に、俺はたまげた。
ちょっとまて、俺を置いてどこに行くんだ!
抗議すると、インテレークは口の端をゆがめるような笑みを見せた。
「決まってんだろ、あのコとイイコトしてから跳ね橋下ろしてくるんだよ」
「だからって、なんで俺が残らなきゃならないんだ」
すると奴は、は~っと大げさにため息をついて首を振って見せ、そしてニヤニヤしながら言った。
「おっさん、『投げナイフ』、やってくれるんだろ?」
「そ、そりゃやるって言ったけど、それと居残りと、何の関係があるんだ?」
「そうだな……確かに『投げナイフ』じゃねぇか、ええと――『置きナイフ』というところか?」
奴はくっくっと小さく笑うと「いいか、おっさん。あんたはここで見張ってろ。後方の安全確保ってやつだ」と命令した。
「とにかく、何かあったら大声で叫べ。声が出せねえ状況だったら、どんな手段でもいいから大きな音を立てろ。俺の方はコトを済ませた後で、跳ね橋を何とかしてくるからよ」
「い、いや、待てよ! 何かあったらって、俺はお前を待ってる間に殺されるかもしれないってことか!?」
せめてこの部屋にテーブルの一つでもあれば別だが、あいにく床に散らばる大小の壁の破片が転がっているだけで、ほかには何もない。
つまり、いざというときに身を守るものが、この部屋には何もないのだ。
「だから、その時は大声を上げろって言ってんだろ。それとも女か? 跳ね橋下ろしたあとで好きなだけヤればいいだろ、とにかく頼んだぜ」
そう言い残すと、足早に女性を追い始めた。女性は俺とインテレークを盛んに見比べて、俺にも手招きをしたが、インテレークが振り返って、『待て』の合図を繰り返す。
お、おい、……ほんとに俺を置いていくのかよ!?
インテレークが犬属人の女性と奥の扉の向こうに消えてしまったのを見届けて、俺は一人、ポツンと部屋に取り残されていた。
壊れた壁から差し込む月の光のおかげで、少なくとも暗くて心細い、ということだけは無いのが救いだ。
改めて壊れた壁や瓦礫を見ていると、壁の内部構造がなんとなく理解できてくる。
さらに、吹き込んだ雨のせいだろう、腐った床や柱、梁などから、どのような建てられ方をしたのかも見えてきた。
この砦は、基本的に内部を木骨で支える石壁の外壁で箱を作り、その箱の中に、石をモルタルで固めたような壁を後から作ることで、廊下や部屋を作ったようだ。
ただ、すべての壁を石製にすることもできなかったみたいだ。例えば、この部屋の半分くらいは石壁なのだが、もう半分くらいは木に漆喰を塗って作ったらしい。一部、漆喰がはがれて奥の木の壁がむき出しになっている。
本当に時間や材料が足りなかったのだろう。
石造りでは難しい床や天井は木で作ってあり、壁に沿うようにして並ぶ柱は、木製の天井、すなわち上層階の床を支えるためのもののようだ。
ただ、急ごしらえの弊害か、この部屋の場合、部屋の中に不自然な柱が二本、真ん中あたりに並んで立っている。
おそらく、上の階に何らかの重量物を設置したせいで天井が耐えられなくなり、たわんできたのだろう。
そのため、応急処置として柱が追加されたのだ。
その柱がある当たりの天井が妙に下がって見えるのも、柱が微妙に傾いているように見えるのも、それどころか柱が立っているあたりの床がたわんで見えるのも、錯覚ではあるまい。
さらに恐ろしいのは、抜けかけの天井だ。朽ちた天井の板は隙間だらけ、今だって、パラパラと砂のようなものが落ちてきた。
傾いた二本の柱を抜いたらどうなるか……想像もしたくない。
天井からの荷重がかかっているから、多少ぶん殴ったくらいで何かが起こるわけでもないだろうが、精神衛生上よろしくない。
でもって、見事に何もない、だだっ広いだけの部屋。もともとは食堂か何かだったのか、それともミーティングルームか何かか。
つまり、この部屋には、敵に見つかりそうになった時に隠れる場所も、遮蔽物にするようなものもないのだ。
その意味に気が付いて、とたんに恐怖が湧いてくる。
ど、どうするんだ、こんな障害物も何もない場所で。
さっきの奴には三文芝居も通用したけど、誰にでも通用するわけじゃないだろ!
唯一の障害物といったら部屋の真ん中あたりに立っている、二本のへしゃげかけた柱だが、こんなもの、武器にも壁にもならない。むしろ近づきたくない。
腐った床板をはがしたところで、盾にだってできないだろう。もちろん、そんなボロボロで持ちにくい太さの板なんて、武器にもならない。
せめて何かないかと、しばらくきょろきょろしていたときだった。なにやら数人のダミ声のようなものと、雑な足音が聞こえてきたのだ。俺たちが、この部屋に入って来た方の通路から。
――ま、まずい! この部屋にいたら、俺はとても生きて帰れない!
慌てて隠れるところがないかを探し、そしてすぐに諦め、さきほど獣人族の女性が来た方の通路に全力で忍び足! 通路の向こうに隠れる。
こっちに来るなよこっちに来るなよこっちに来てくれるなよ……!!
全力で念じながら、通り過ぎてくれることを期待する。
だが、ダミ声の主たちは、部屋に向かってきているようだ。どんどん足音が大きくなり、それに伴って声もよりはっきり聞こえるようになる。
ああ神様仏様! どうかこっちに来ませんように……!!
必死に祈りながら、男たちがこっちにだけは来ないことを祈り続けていると、男たちがついに部屋に入ってきた。
翻訳首輪の効果範囲に入ったのか、会話の内容も伝わってくる。
「……それにしても、さっき出た馬車、本当に大丈夫っすか?」
「だから、そっちはクズばかり集めて囮にしたんだろ。冒険者ギルドが動いていたみたいだしな」
――クズ? 囮……!?
二人の男の会話に、衝撃を受ける。
「護衛もたんまり付けたからな。特に、今夜はヤツもいる。今頃、冒険者どもは返り討ちさ。万が一やられても、どうせ積み荷はクズばかりだ。奪われたってたかが知れている。連中がクズ共を連れて意気揚々と引き上げて行ったところで、夜半過ぎに安全に高級品の出荷だ。さすがボスは頭がいい」
インテレークの兄が命を落としたあの馬車は、ただの囮だったって、そんな……。
じゃあ、それで犠牲になった冒険者たちの命は、無駄になったってことなのか!?
……いや、そのぶん、確かにこちらは警備がものすごく薄くなっているはず。
彼らのおかげで俺たちは今、ずいぶん楽になっているんだ。
そうだ、彼らの働きは無駄じゃなかった……そう、考えなきゃ……!
そう、自分に言い聞かせる。
今夜限りの同志とはいえ、リトリィを助け出す、その手伝いをしてくれた人たちなのだから。
「……それはそれとして、今回のアレはすげぇ掘り出し物なんでしたっけ? うまく売り捌ければ、当分の間、遊んで暮らせるとかいうの、ホントっすか?」
「らしいな。初物じゃないことだけが惜しいらしいんだが、おかげであのうるさい頭領が味見するんだとさ。終わったら出発まで、オレたちにも回してくれるらしいぜ? お前もヤれるかもしれねえぞ?」
「いや、さすがにアレはカンベンっすよ。顔なんてほとんど犬そのものだったじゃないっすか。いくらなんでもありゃムリっす。そっちのケはないんで……」
「食わず嫌いはよくねぇぞ? あのふかふかぶりは絶対に抱き心地が……」
男たちは、部屋の反対側の方に向かって行ったようだ。翻訳首輪の効果範囲外に出たらしく、これ以上は何を言っているか、聞き取ることができなかった。
……今の話、つまり、先に出た馬車は囮で、奴らにとっては価値の低い獣人ばかりを乗せていたということだ。そして実はこの砦に、もっと高く売れるものが残してあり、奴らはそちらを本命として売り捌くつもりだったのだ、最初から。
とすると、リトリィはまだ、この砦にいる可能性が高いってことだ!
よし、俺の手で助けられる可能性がある!
――だけど、さっきの連中の「ボスが味見をする」という話。特徴がリトリィっぽかった。リトリィじゃないことを祈りたいが、顔がほとんど犬でふかふかって、まさにリトリィじゃないか!
だめだ、早くリトリィを探しに行きたいが、インテレークが戻ってくるまでは動きたくない。俺一人じゃ、戦う以前の問題だ。でも、もし、また、さっきみたいなやつらが来たら?
逃げ回ったとしても、いつかは捕まる。そしたら……死あるのみだ。
俺に戦う力はない。
ナイフは持っていても、使いこなせない。
やっぱり、隠れているしかないだろう。
ナイフの鞘に触れながら、俺はため息をつき――同じように腰に差した、ノコギリがあったことに気が付いた。
――なら、いっそ、この部屋そのものを罠にするか?
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。

幼馴染は何故か俺の顔を隠したがる
れおん
恋愛
世間一般に陰キャと呼ばれる主人公、齋藤晴翔こと高校2年生。幼馴染の西城香織とは十数年来の付き合いである。
そんな幼馴染は、昔から俺の顔をやたらと隠したがる。髪の毛は基本伸ばしたままにされ、四六時中一緒に居るせいで、友達もろくに居なかった。
一夫多妻が許されるこの世界で、徐々に晴翔の魅力に気づき始める周囲と、なんとか隠し通そうとする幼馴染の攻防が続いていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる