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第三部 異世界建築士と思い出の家
第199話:これぞ夫婦の
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「その特徴だと、フロインドさんか? フロインドさんなら今日は非番……」
言いかけた若い騎士の頭に、年配の騎士が拳を振り下ろす。
「馬鹿もん! 何を口走っとる! ……あー、フロインドの奴は今は持ち場を離れておって、今はここにはおらん。残念だが、またの機会にしろ」
「あ……え、ええと! そ、そうだ! フロインドさんは今、自宅にいるからここには……」
再び脳天に拳を食らう若い騎士。
うん、もう分かったよ。要するにローテーションみたいなものを悟られたら、警備上の不利益になるから、誰がいつここに詰めて、いつ非番になるかという情報は、本当は漏らしたらダメなんだな。
「ええと、私たちをつけて門に近づいてきた人物を、見かけませんでしたか?」
「どうしてそんなことを教えねばならんのだ。我々は忙しい。身分は確認したのだ、とっとと行きたまえ」
「あ、怪しい人物ですか? ええと、暗い緑の――」
「通り過ぎた連中の相手などしておらんと、とっとと次の相手をせんか!」
言いかけた若い騎士の脳天を、再び年配騎士がぶん殴る。
すまん、名前も分からん若い騎士。俺のせいで余計な一撃をもらったみたいで。
揚げ肉を多めに買った理由は、すぐに分かった。
たっぷりのタレを絡めた揚げ肉を細かく刻んで、鍋に放り込んだリトリィ。
紙袋の内側にべっとりとついていたタレも、丁寧にぬぐって鍋に入れた。
「お夕飯の準備に間に合わないのは、分かっていましたから」
彼女が、スープづくりに結構時間をかけるのは知っている。帰宅後、すぐに夕食の準備にかかったのだが、それで日暮れまでに食べられるかというと、まあ、まず無理な時間帯だった。
そこでリトリィは、揚げ肉を購入する際に、そのタレをスープに流用することを思いついたらしい。
「やってみるのは初めてですけれど……。こんな手抜きで、美味しくなかったら、その……ごめんなさい」
手抜きなものか。手持ちのリソースでいかに最良の結果を出すかを考えて、妻が夫のために、時短と美味しさのバランスを図ってくれているのだ。これぞ夫婦の醍醐味、安心して任せることにする。
俺はその間に、ギルドからもらってきたものを確認することにした。
ギルド長からもらったものを、布袋から一つ一つ取り出し、確認する。
ギルドの所属証明書。
事務所の営業許可証。
看板というか、ギルドの紋章の図案ももらった。この意匠通りのものをぶら下げないと駄目なんだそうだ。
よくゲーム、特にRPGなんかだと、どんな店か一目で分かるように、入り口の前にアイコンが出ているよな。宿屋なら「INN」、酒場なら「ジョッキの絵」、武器屋なら「盾の前に剣を交差させている絵」とか。
ところが、この大工ギルド所属を示す看板の様式がまた、なんというか。
盾を四分割し、左上に車輪、右上に上向きの矢印――おそらく家、左下にたぶんノコギリと金槌を縦にして並べたもの、右下がクリスマスリースみたいなもの。上棟式で家のてっぺんにくくりつけてた、あれを模しているのかもしれない。
「それが、大工ギルドの紋章ですか?」
リトリィが、焼き直したパンを持ってやって来た。
「鉄工ギルドの紋章とは、随分違うんですね」
「鉄工ギルド?」
リトリィの話によると、鉄工ギルドの紋章は、「金槌とやっとこ|(焼けた鉄を掴むための、ペンチに似た道具)」をクロスさせたものという、シンプルなものなのだそうだ。
だが、シンプルだからこそ、分かりやすそうだ。それに比べて、大工ギルドの紋章の、なんとセンスのない(失礼!)ごてごてした図案なのか。
「ギルドによって意匠の流儀が違うのか?」
「そうですね。たしか、パン屋さんのギルドだと、麺棒とねじり揚げパンを並べたデザインだったはずです」
……実にシンプルだ。まあ、分かりやすいだろうけどな!
「それにしても、どうして鉄工ギルドの紋章なんか知っていたんだ?」
「わたしは『鍛冶師ジルンディール』の娘ですけれど、その弟子でもありますから。だから、鉄工ギルド所属の徒弟でもあります」
……考えたこともなかった。だが、職人を目指すならば当然ギルドに所属するものなのだろう。
鍛冶師のギルドがあるのだとばかり思っていたが……そうか、リトリィは鉄工ギルドに所属していたのか。
そういえば、リトリィは山で最後の修行をしてきて、親方に合格をもらったはずだから、職人として登録できるはずなんだっけか。
……待てよ? 俺は今日、大工ギルドに所属することになったが、リトリィはすでに、鉄工ギルドに既に所属している。それって、どうなんだろう?
「夫婦で別々のギルドに所属していてもいいのか?」
「はい。問題ありません。ただ、守秘義務契約はあるので、お互いに、そこは触れないようにしなければいけませんけれど」
まあ、そういうことになるのか。現代でも、公務員なんかは職務上知り得た情報を家族にも漏らしちゃだめだとかいうし、もちろんそれは一般企業も同じだしな。
とはいっても、そんなこと、情報が漏れてしまうことはありうることだろう。夫婦なんだし。善意に頼っているのか、それともある程度漏れること前提なのか。
まあ、ひとりで考えていても仕方のないことだけどな。
「リトリィは、いつ登録するつもりなんだ?」
「今はいろいろ忙しいですから、また落ち着いてからにしようと思っています」
――はやく、あなたのお役に立てるようになりたいですし。
そう言って微笑む彼女を捕まえて、その唇をふさぐ。
「今のままでも十分すぎるほどだよ」
「……だめです。ちゃんと、あなたのために技を修めてきたんですから。その技で、あなたのお役に立ちたいんです」
「そうか……、うん、そうだな。ありがとう」
リトリィがキッチンに戻っていく。ふわふわの尻尾が大きく揺れている、なんだか機嫌がよくなったらしい。
そういえば、彼女は全身が金の毛並みで覆われているからあまり意識していなかったけれど、……なんで、今、彼女はエプロン一枚しか身につけていないんだろう?
山でも、貫頭衣一枚きりとはいえ、服は着ていたよな?
……まあいいや。テーブルに目を戻す。
この、ごてごてとした図案通りに鋳鉄で紋章を作って、目立つようにぶら下げる。で、その下に、ムラタ設計事務所の看板を下げるわけだ。
大工ギルドに所属していることを示すことで、店の正当性と、不当な干渉に対抗することができる、という事らしい。
鋳鉄だから、もちろん俺には作れない。というより、こういうのは、鉄工ギルドに専門の窓口があって、そこできちんと依頼しないと、偽造と見なされて重い懲罰が下されるのだそうだ。
鉄工ギルドにはすべてのギルドの鋳型があって、街のギルドすべての注文に対応できるようになっているらしい。一緒に店の看板も注文を受け付けてくれるそうだが、どうせならまとめてやってしまいたいという人間心理を突いた仕様に、苦笑する。
ギルド同士、互いの職分の利益を守るために、持ちつ持たれつ、といったところか。
リトリィが急ごしらえで作ったスープは、揚げ肉のタレの風味を生かしつつ、それでも意外にさっぱりとした出来に仕上がっていた。揚げ肉の濃厚な甘辛いタレの風味は、ほくほくの芋の甘みにほどよい旨味を付け加えている。
しかし、別に盛られた揚げ肉の風味とはずいぶん違っている。タレの濃い味付けに対して、スープの方は優しい旨味というか。やっぱりリトリィはすごい。
「そんなこと、ないです」
うつむき、恥じらう彼女もまた、可愛い。
そして、そんな彼女をより可愛らしく彩るものの存在もまた、思い当たった。
「……そういえば、そのエプロン、可愛いね」
そしてまた、さらに縮こまるリトリィ。耳をぱたぱたとせわしなく動かしているさまが、うん、またさらに可愛い。
山で身に着けていたシンプルなエプロンも実用的、かつ清楚でよかったが、フリルやレースがふんだんに使われている今のエプロンは、なんというか、可愛らしい。
山と違って布が手に入りやすいせいだろうか。
昔、大学の講義で、装飾の多い服は、それだけ布を贅沢に使えるという「経済力の誇示」の役割を果たしていたと聞いたことがある。フリルなんかはその一例らしい。
ただ、そんな蘊蓄なんかよりも、彼女の愛らしさが引き立てられる、そのビジュアルだけで、レースやフリルの存在意義というものが実感できるのだ!
うん、あれはいいものだ。
「……そういえば」
ついでだ、さっきからずっと聞きたかったことを、聞いてみる。
「帰ってきて、ドレスを脱いだのは分かるんだけど、どうしてエプロンだけを着ているんだ?」
突然、びくりと背筋を伸ばしたリトリィに、こちらも思わずのけぞる。
「ご、ごめんなさい! や、やっぱり、は……はしたなかったですよね……!?」
……はしたないのか、やっぱり。
そうか、そうだよな。ひとの感覚で言えば、裸にエプロン一枚……だもんな?
「ドレスはその、どうしても窮屈に感じてしまって……ごめんなさい!」
「い、いや、リトリィが楽に過ごせるなら、それでいいんだ、ほら、その……お尻も一応、少しは隠れてるし!」
「い、いいえ! も、もうしません、もうしませんから……!」
その後、お互いに、妙に気まずい沈黙の中、食事が進んだ。大変美味しかった、はずなのだが、いまいちその味を楽しめなかったのは、もったいなかったかもしれない。
そのぶん片付けのとき、キッチンで、ちょっとがんばっちゃったけどな!
エプロン一枚きりの生活も、夜に限っては続けてくれるって約束してくれたし。
うん、これぞ夫婦のルール作りってやつだな!
言いかけた若い騎士の頭に、年配の騎士が拳を振り下ろす。
「馬鹿もん! 何を口走っとる! ……あー、フロインドの奴は今は持ち場を離れておって、今はここにはおらん。残念だが、またの機会にしろ」
「あ……え、ええと! そ、そうだ! フロインドさんは今、自宅にいるからここには……」
再び脳天に拳を食らう若い騎士。
うん、もう分かったよ。要するにローテーションみたいなものを悟られたら、警備上の不利益になるから、誰がいつここに詰めて、いつ非番になるかという情報は、本当は漏らしたらダメなんだな。
「ええと、私たちをつけて門に近づいてきた人物を、見かけませんでしたか?」
「どうしてそんなことを教えねばならんのだ。我々は忙しい。身分は確認したのだ、とっとと行きたまえ」
「あ、怪しい人物ですか? ええと、暗い緑の――」
「通り過ぎた連中の相手などしておらんと、とっとと次の相手をせんか!」
言いかけた若い騎士の脳天を、再び年配騎士がぶん殴る。
すまん、名前も分からん若い騎士。俺のせいで余計な一撃をもらったみたいで。
揚げ肉を多めに買った理由は、すぐに分かった。
たっぷりのタレを絡めた揚げ肉を細かく刻んで、鍋に放り込んだリトリィ。
紙袋の内側にべっとりとついていたタレも、丁寧にぬぐって鍋に入れた。
「お夕飯の準備に間に合わないのは、分かっていましたから」
彼女が、スープづくりに結構時間をかけるのは知っている。帰宅後、すぐに夕食の準備にかかったのだが、それで日暮れまでに食べられるかというと、まあ、まず無理な時間帯だった。
そこでリトリィは、揚げ肉を購入する際に、そのタレをスープに流用することを思いついたらしい。
「やってみるのは初めてですけれど……。こんな手抜きで、美味しくなかったら、その……ごめんなさい」
手抜きなものか。手持ちのリソースでいかに最良の結果を出すかを考えて、妻が夫のために、時短と美味しさのバランスを図ってくれているのだ。これぞ夫婦の醍醐味、安心して任せることにする。
俺はその間に、ギルドからもらってきたものを確認することにした。
ギルド長からもらったものを、布袋から一つ一つ取り出し、確認する。
ギルドの所属証明書。
事務所の営業許可証。
看板というか、ギルドの紋章の図案ももらった。この意匠通りのものをぶら下げないと駄目なんだそうだ。
よくゲーム、特にRPGなんかだと、どんな店か一目で分かるように、入り口の前にアイコンが出ているよな。宿屋なら「INN」、酒場なら「ジョッキの絵」、武器屋なら「盾の前に剣を交差させている絵」とか。
ところが、この大工ギルド所属を示す看板の様式がまた、なんというか。
盾を四分割し、左上に車輪、右上に上向きの矢印――おそらく家、左下にたぶんノコギリと金槌を縦にして並べたもの、右下がクリスマスリースみたいなもの。上棟式で家のてっぺんにくくりつけてた、あれを模しているのかもしれない。
「それが、大工ギルドの紋章ですか?」
リトリィが、焼き直したパンを持ってやって来た。
「鉄工ギルドの紋章とは、随分違うんですね」
「鉄工ギルド?」
リトリィの話によると、鉄工ギルドの紋章は、「金槌とやっとこ|(焼けた鉄を掴むための、ペンチに似た道具)」をクロスさせたものという、シンプルなものなのだそうだ。
だが、シンプルだからこそ、分かりやすそうだ。それに比べて、大工ギルドの紋章の、なんとセンスのない(失礼!)ごてごてした図案なのか。
「ギルドによって意匠の流儀が違うのか?」
「そうですね。たしか、パン屋さんのギルドだと、麺棒とねじり揚げパンを並べたデザインだったはずです」
……実にシンプルだ。まあ、分かりやすいだろうけどな!
「それにしても、どうして鉄工ギルドの紋章なんか知っていたんだ?」
「わたしは『鍛冶師ジルンディール』の娘ですけれど、その弟子でもありますから。だから、鉄工ギルド所属の徒弟でもあります」
……考えたこともなかった。だが、職人を目指すならば当然ギルドに所属するものなのだろう。
鍛冶師のギルドがあるのだとばかり思っていたが……そうか、リトリィは鉄工ギルドに所属していたのか。
そういえば、リトリィは山で最後の修行をしてきて、親方に合格をもらったはずだから、職人として登録できるはずなんだっけか。
……待てよ? 俺は今日、大工ギルドに所属することになったが、リトリィはすでに、鉄工ギルドに既に所属している。それって、どうなんだろう?
「夫婦で別々のギルドに所属していてもいいのか?」
「はい。問題ありません。ただ、守秘義務契約はあるので、お互いに、そこは触れないようにしなければいけませんけれど」
まあ、そういうことになるのか。現代でも、公務員なんかは職務上知り得た情報を家族にも漏らしちゃだめだとかいうし、もちろんそれは一般企業も同じだしな。
とはいっても、そんなこと、情報が漏れてしまうことはありうることだろう。夫婦なんだし。善意に頼っているのか、それともある程度漏れること前提なのか。
まあ、ひとりで考えていても仕方のないことだけどな。
「リトリィは、いつ登録するつもりなんだ?」
「今はいろいろ忙しいですから、また落ち着いてからにしようと思っています」
――はやく、あなたのお役に立てるようになりたいですし。
そう言って微笑む彼女を捕まえて、その唇をふさぐ。
「今のままでも十分すぎるほどだよ」
「……だめです。ちゃんと、あなたのために技を修めてきたんですから。その技で、あなたのお役に立ちたいんです」
「そうか……、うん、そうだな。ありがとう」
リトリィがキッチンに戻っていく。ふわふわの尻尾が大きく揺れている、なんだか機嫌がよくなったらしい。
そういえば、彼女は全身が金の毛並みで覆われているからあまり意識していなかったけれど、……なんで、今、彼女はエプロン一枚しか身につけていないんだろう?
山でも、貫頭衣一枚きりとはいえ、服は着ていたよな?
……まあいいや。テーブルに目を戻す。
この、ごてごてとした図案通りに鋳鉄で紋章を作って、目立つようにぶら下げる。で、その下に、ムラタ設計事務所の看板を下げるわけだ。
大工ギルドに所属していることを示すことで、店の正当性と、不当な干渉に対抗することができる、という事らしい。
鋳鉄だから、もちろん俺には作れない。というより、こういうのは、鉄工ギルドに専門の窓口があって、そこできちんと依頼しないと、偽造と見なされて重い懲罰が下されるのだそうだ。
鉄工ギルドにはすべてのギルドの鋳型があって、街のギルドすべての注文に対応できるようになっているらしい。一緒に店の看板も注文を受け付けてくれるそうだが、どうせならまとめてやってしまいたいという人間心理を突いた仕様に、苦笑する。
ギルド同士、互いの職分の利益を守るために、持ちつ持たれつ、といったところか。
リトリィが急ごしらえで作ったスープは、揚げ肉のタレの風味を生かしつつ、それでも意外にさっぱりとした出来に仕上がっていた。揚げ肉の濃厚な甘辛いタレの風味は、ほくほくの芋の甘みにほどよい旨味を付け加えている。
しかし、別に盛られた揚げ肉の風味とはずいぶん違っている。タレの濃い味付けに対して、スープの方は優しい旨味というか。やっぱりリトリィはすごい。
「そんなこと、ないです」
うつむき、恥じらう彼女もまた、可愛い。
そして、そんな彼女をより可愛らしく彩るものの存在もまた、思い当たった。
「……そういえば、そのエプロン、可愛いね」
そしてまた、さらに縮こまるリトリィ。耳をぱたぱたとせわしなく動かしているさまが、うん、またさらに可愛い。
山で身に着けていたシンプルなエプロンも実用的、かつ清楚でよかったが、フリルやレースがふんだんに使われている今のエプロンは、なんというか、可愛らしい。
山と違って布が手に入りやすいせいだろうか。
昔、大学の講義で、装飾の多い服は、それだけ布を贅沢に使えるという「経済力の誇示」の役割を果たしていたと聞いたことがある。フリルなんかはその一例らしい。
ただ、そんな蘊蓄なんかよりも、彼女の愛らしさが引き立てられる、そのビジュアルだけで、レースやフリルの存在意義というものが実感できるのだ!
うん、あれはいいものだ。
「……そういえば」
ついでだ、さっきからずっと聞きたかったことを、聞いてみる。
「帰ってきて、ドレスを脱いだのは分かるんだけど、どうしてエプロンだけを着ているんだ?」
突然、びくりと背筋を伸ばしたリトリィに、こちらも思わずのけぞる。
「ご、ごめんなさい! や、やっぱり、は……はしたなかったですよね……!?」
……はしたないのか、やっぱり。
そうか、そうだよな。ひとの感覚で言えば、裸にエプロン一枚……だもんな?
「ドレスはその、どうしても窮屈に感じてしまって……ごめんなさい!」
「い、いや、リトリィが楽に過ごせるなら、それでいいんだ、ほら、その……お尻も一応、少しは隠れてるし!」
「い、いいえ! も、もうしません、もうしませんから……!」
その後、お互いに、妙に気まずい沈黙の中、食事が進んだ。大変美味しかった、はずなのだが、いまいちその味を楽しめなかったのは、もったいなかったかもしれない。
そのぶん片付けのとき、キッチンで、ちょっとがんばっちゃったけどな!
エプロン一枚きりの生活も、夜に限っては続けてくれるって約束してくれたし。
うん、これぞ夫婦のルール作りってやつだな!
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