172 / 502
第二部 異世界建築士と大工の娘
第159話:きみを想うから
しおりを挟む
部屋に戻り、ドアを閉めた途端――リトリィが飛びついてきた。
突然のことに、そのまま倒れそうになるが、なんとか踏ん張――れなかった。そのままよろけによろけ、結局ベッドに押し倒される。ベッドまで近くて助かった、もう少し広かったら間違いなく床に倒れていたに違いない。
「逢いたかった――ずっと逢いたかった!!」
悲鳴のような、リトリィの泣き叫ぶ声。
ドレスのしわも気にせぬ勢いですがりつき、俺の胸に顔を擦り付け、泣きじゃくる。
ナリクァンさんの屋敷でも比較的落ち着いていたし、それ以後も基本的に控え目で、腕を組む以外のアプローチを見せなかった彼女だった。
そこへ、先ほどまでの落ち着いた様子からは想像もできない取り乱しようだったから、こちらも面食らってしまう。落ち着いていたのではなく、二人きりになれるまで、ずっと耐えていたのだろう。
……この愛しい女性を、俺は、何度泣かせてしまうのだろうか。
「俺も、ずっと逢いたかったよ」
そう言って頭をなでると、びくりと体を震わせ体を起こし、そして、その手が俺のものだと確認すると、その手に自分の手を重ね、頬にずらす。
再びぼろぼろと涙をこぼしながらも微笑み、目を閉じて俺の手を頬に滑らせる。
「あなたの手、あなたの声――あなたの匂い……! ああ、ムラタさん、ムラタさん……!!」
柔らかく毛足の長い、頬から顎にかけての毛に俺の手をうずめるように擦り付ける。
「――涙って、温かかったんだな」
指に伝うそれ、こぼれ落ち頬に当たるそれに、俺は、妙に心を動かされた。
その顎に這わせるように、そっと、指を動かしてみる。
その指の動きにくすぐったそうにすると、彼女は泣きじゃくりながらも、笑顔を見せた。
「……そうですよ? だって……」
俺の手の小指を口に含み、甘噛みし――愛おしそうに、改めて手を頬擦りしてみせる。
「――こんなにも、あなたのことが好きで好きで、あなたのことを想うたびに、胸があつくなるんですから」
――ふと大工見習いの少女の影が脳裏をかすめ、胸に痛みが走る。
かぶりを振ってその影を振り払うと、驚いたリトリィを誤魔化すために、いつたどり着いたのかを聞いた。
そして驚いた。
昨日の夕方に出発した彼女は、なんとたった一晩で山道を踏破し、今日の昼前にたどり着いたのだという。ほとんど寝ないで、夜通し歩いてきたのだそうだ。
いや、それにしたって早すぎる。というか、俺という存在がいかにお荷物だったかが、よくわかる。
だが、真っ暗な山道で、危険はなかったのだろうか。
「だって、あなたに早く、逢いたかったから……どうしても、どうしても今夜、今夜だけは、あなたのおそばにいたかったから……!」
そう言って、俺の懐に顔をこすりつけ、すんすんと匂いを嗅ぐ。
なんともくすぐったい。くすぐったいが、不快ではない。それどころか、久しぶりの彼女のこの癖に、胸がいっぱいになる。
リトリィが――ああ、あれほど焦がれた彼女が、いま、ここに、俺の腕の中に、いる……!
俺は体を起こすと、改めて彼女の小柄な体をかき抱いた。
彼女の匂いが、鼻腔いっぱいに広がる。
これほど美しいドレスを着ていながら、彼女からは、やはり香水の香りはしなかった。ペリシャさんは、あえて使わなかったのだろう。
――実によく分かっていらっしゃる。ナリクァンさんといい、ペリシャさんといい、本当に敵わない。
リトリィは少し驚いたようだったが、すぐ、彼女も俺の背中に腕を回し、俺の耳元ですんすんと匂いを嗅ぎ、そして舌を這わせてきた。
くすぐったさに思わず彼女を強く抱きしめ、そして再び、ベッドに背中から倒れ込む。
左腕を彼女の腰に回し、右手で彼女の長い髪を梳く。
少しだけ、くすぐったそうに首を震わせたリトリィだったが、目を細めてその鼻面をこちらの首筋に押し付けるようにして、素直に体を預けてくる。
……胸の圧迫が、すごい。
「……ふふ」
嗚咽は残るが、やっと自然な微笑みを浮かべたリトリィに、俺も笑みを返す。
目の焦点も合わないほどに近い位置で見つめ合い、どちらからともなく目を閉じると、小鳥同士がついばみ合うように、軽く唇を重ね合い、そして舌を絡ませ合う。
しばらく、そうやって互いのぬくもりを確かめ合っていると、不意にリトリィが唇を離した。
涙の跡は残るものの、いたずらっぽい笑みを浮かべたリトリィは、それを、ズボンの上から、さも嬉し気に撫でさする。
「お元気でいらっしゃいますね……?」
「……ずっと想っていたお前が今、ここにいるから、な」
「ふふ、おやんちゃさん――お顔を見せて?」
リトリィが、俺のズボンに手をかけたときだった。
コンコンコン。
ドアをノックする音が響く。
その瞬間の、リトリィの後方跳躍力はすさまじかった。
動きにくいであろうドレスのまま、ひと跳びで部屋の端まで飛び退り、勢い余って壁に激突、後頭部を打って、頭を抱えてしゃがみ込む。
慌ててリトリィの様子を見に行くと、えぐえぐと涙ぐみ、頭を抱えてはいるが、大したことはないようだ。自分で立ち上がり、対応は自分の仕事だとばかりにドアを開けに行く。
ドアの向こうには、宿の主がいた。湯をなみなみとたたえた桶を二つ、水をたたえた桶を一つ、空の桶を一つのせたカートを押し、大きなたらいを抱えて。
「湯浴みの湯をお持ちしましたぜ。ところで、いますごい音がしたんだが、何だったんだ?」
ああ、店主。ちょっとばかりタイミングが悪かったよ……。リトリィの、あんな恨めし気な目。初めて見たよ。
「あ……、あんな謀ったような時に来るなんて……!」
「まあまあ、店主も気を利かせてくれたんだよ。あのおっさん、リトリィのこと気に入っているみたいだし、きっと早く旅の汗を流せるように、準備を急いでくれたんだよ」
簡易暖炉で火を起こしながら、俺はとりあえず、宿の店主のフォローを入れる。
わざわざこの部屋を、俺達のために空けておいてくれたその恩は、ちゃんと返さなければ。
この部屋のすごいところは、前の部屋には無かった暖炉があることと、そしてもう一つ、タイル敷きの床がある、ということだ。この部屋を紹介されたときには説明などなかったが、隅の方に排水用と思われる穴が開いていることからも、ここが湯浴み用のスペースとして設けられていることは明らかだ。
ただ、一坪――畳二枚を並べた分ほどの広さのこのタイル床だが、縁の部分がタイル一枚分程度高くなっているだけで、べつに水をためたりできるようになっているわけじゃない。おそらく、湯浴み中に多少水をこぼしても、下の階に水漏れしないように、というだけなのだろう。
それでも、「濡らしていい床がある」というのは画期的だし、何より――使える。
しばらくぐずぐず言っていたリトリィだったが、湯の魅力には敵わなかったようだ。頬を二回、ぽんぽんと叩くと、笑顔を取り戻す。
「ムラタさん、お背中、お流しします!」
……俺?
いや、さすがにここは旅の疲れをいやすためにもリトリィが先だろうと思ったが、彼女は何のためらいもなく俺の服を引き剥がしにかかる。
いやまあ、彼女の腕力には敵わないと分かってはいるのだが、あっという間に上着を剥ぎ取られる俺って、何なのだろう。
「妻がお湯をいただくのは、やっぱり旦那様の後ですから」
……いったいどこでそんなことを学んできたのか。まあ、彼女がそうしたいというのなら、それに従おう。
しかし湯浴み用の湯は、沸騰するまで沸かしたものなのか、いやもう本当に熱かった。いくら冷やすための水桶もあるとはいえ、ちょっと熱すぎる。
少々、適温になるまで置いておくことにしよう。
「では、その間は……?」
――決まっている。
リトリィの頬に手を伸ばすと、改めて彼女の唇を塞いでみせた。
突然のことに、そのまま倒れそうになるが、なんとか踏ん張――れなかった。そのままよろけによろけ、結局ベッドに押し倒される。ベッドまで近くて助かった、もう少し広かったら間違いなく床に倒れていたに違いない。
「逢いたかった――ずっと逢いたかった!!」
悲鳴のような、リトリィの泣き叫ぶ声。
ドレスのしわも気にせぬ勢いですがりつき、俺の胸に顔を擦り付け、泣きじゃくる。
ナリクァンさんの屋敷でも比較的落ち着いていたし、それ以後も基本的に控え目で、腕を組む以外のアプローチを見せなかった彼女だった。
そこへ、先ほどまでの落ち着いた様子からは想像もできない取り乱しようだったから、こちらも面食らってしまう。落ち着いていたのではなく、二人きりになれるまで、ずっと耐えていたのだろう。
……この愛しい女性を、俺は、何度泣かせてしまうのだろうか。
「俺も、ずっと逢いたかったよ」
そう言って頭をなでると、びくりと体を震わせ体を起こし、そして、その手が俺のものだと確認すると、その手に自分の手を重ね、頬にずらす。
再びぼろぼろと涙をこぼしながらも微笑み、目を閉じて俺の手を頬に滑らせる。
「あなたの手、あなたの声――あなたの匂い……! ああ、ムラタさん、ムラタさん……!!」
柔らかく毛足の長い、頬から顎にかけての毛に俺の手をうずめるように擦り付ける。
「――涙って、温かかったんだな」
指に伝うそれ、こぼれ落ち頬に当たるそれに、俺は、妙に心を動かされた。
その顎に這わせるように、そっと、指を動かしてみる。
その指の動きにくすぐったそうにすると、彼女は泣きじゃくりながらも、笑顔を見せた。
「……そうですよ? だって……」
俺の手の小指を口に含み、甘噛みし――愛おしそうに、改めて手を頬擦りしてみせる。
「――こんなにも、あなたのことが好きで好きで、あなたのことを想うたびに、胸があつくなるんですから」
――ふと大工見習いの少女の影が脳裏をかすめ、胸に痛みが走る。
かぶりを振ってその影を振り払うと、驚いたリトリィを誤魔化すために、いつたどり着いたのかを聞いた。
そして驚いた。
昨日の夕方に出発した彼女は、なんとたった一晩で山道を踏破し、今日の昼前にたどり着いたのだという。ほとんど寝ないで、夜通し歩いてきたのだそうだ。
いや、それにしたって早すぎる。というか、俺という存在がいかにお荷物だったかが、よくわかる。
だが、真っ暗な山道で、危険はなかったのだろうか。
「だって、あなたに早く、逢いたかったから……どうしても、どうしても今夜、今夜だけは、あなたのおそばにいたかったから……!」
そう言って、俺の懐に顔をこすりつけ、すんすんと匂いを嗅ぐ。
なんともくすぐったい。くすぐったいが、不快ではない。それどころか、久しぶりの彼女のこの癖に、胸がいっぱいになる。
リトリィが――ああ、あれほど焦がれた彼女が、いま、ここに、俺の腕の中に、いる……!
俺は体を起こすと、改めて彼女の小柄な体をかき抱いた。
彼女の匂いが、鼻腔いっぱいに広がる。
これほど美しいドレスを着ていながら、彼女からは、やはり香水の香りはしなかった。ペリシャさんは、あえて使わなかったのだろう。
――実によく分かっていらっしゃる。ナリクァンさんといい、ペリシャさんといい、本当に敵わない。
リトリィは少し驚いたようだったが、すぐ、彼女も俺の背中に腕を回し、俺の耳元ですんすんと匂いを嗅ぎ、そして舌を這わせてきた。
くすぐったさに思わず彼女を強く抱きしめ、そして再び、ベッドに背中から倒れ込む。
左腕を彼女の腰に回し、右手で彼女の長い髪を梳く。
少しだけ、くすぐったそうに首を震わせたリトリィだったが、目を細めてその鼻面をこちらの首筋に押し付けるようにして、素直に体を預けてくる。
……胸の圧迫が、すごい。
「……ふふ」
嗚咽は残るが、やっと自然な微笑みを浮かべたリトリィに、俺も笑みを返す。
目の焦点も合わないほどに近い位置で見つめ合い、どちらからともなく目を閉じると、小鳥同士がついばみ合うように、軽く唇を重ね合い、そして舌を絡ませ合う。
しばらく、そうやって互いのぬくもりを確かめ合っていると、不意にリトリィが唇を離した。
涙の跡は残るものの、いたずらっぽい笑みを浮かべたリトリィは、それを、ズボンの上から、さも嬉し気に撫でさする。
「お元気でいらっしゃいますね……?」
「……ずっと想っていたお前が今、ここにいるから、な」
「ふふ、おやんちゃさん――お顔を見せて?」
リトリィが、俺のズボンに手をかけたときだった。
コンコンコン。
ドアをノックする音が響く。
その瞬間の、リトリィの後方跳躍力はすさまじかった。
動きにくいであろうドレスのまま、ひと跳びで部屋の端まで飛び退り、勢い余って壁に激突、後頭部を打って、頭を抱えてしゃがみ込む。
慌ててリトリィの様子を見に行くと、えぐえぐと涙ぐみ、頭を抱えてはいるが、大したことはないようだ。自分で立ち上がり、対応は自分の仕事だとばかりにドアを開けに行く。
ドアの向こうには、宿の主がいた。湯をなみなみとたたえた桶を二つ、水をたたえた桶を一つ、空の桶を一つのせたカートを押し、大きなたらいを抱えて。
「湯浴みの湯をお持ちしましたぜ。ところで、いますごい音がしたんだが、何だったんだ?」
ああ、店主。ちょっとばかりタイミングが悪かったよ……。リトリィの、あんな恨めし気な目。初めて見たよ。
「あ……、あんな謀ったような時に来るなんて……!」
「まあまあ、店主も気を利かせてくれたんだよ。あのおっさん、リトリィのこと気に入っているみたいだし、きっと早く旅の汗を流せるように、準備を急いでくれたんだよ」
簡易暖炉で火を起こしながら、俺はとりあえず、宿の店主のフォローを入れる。
わざわざこの部屋を、俺達のために空けておいてくれたその恩は、ちゃんと返さなければ。
この部屋のすごいところは、前の部屋には無かった暖炉があることと、そしてもう一つ、タイル敷きの床がある、ということだ。この部屋を紹介されたときには説明などなかったが、隅の方に排水用と思われる穴が開いていることからも、ここが湯浴み用のスペースとして設けられていることは明らかだ。
ただ、一坪――畳二枚を並べた分ほどの広さのこのタイル床だが、縁の部分がタイル一枚分程度高くなっているだけで、べつに水をためたりできるようになっているわけじゃない。おそらく、湯浴み中に多少水をこぼしても、下の階に水漏れしないように、というだけなのだろう。
それでも、「濡らしていい床がある」というのは画期的だし、何より――使える。
しばらくぐずぐず言っていたリトリィだったが、湯の魅力には敵わなかったようだ。頬を二回、ぽんぽんと叩くと、笑顔を取り戻す。
「ムラタさん、お背中、お流しします!」
……俺?
いや、さすがにここは旅の疲れをいやすためにもリトリィが先だろうと思ったが、彼女は何のためらいもなく俺の服を引き剥がしにかかる。
いやまあ、彼女の腕力には敵わないと分かってはいるのだが、あっという間に上着を剥ぎ取られる俺って、何なのだろう。
「妻がお湯をいただくのは、やっぱり旦那様の後ですから」
……いったいどこでそんなことを学んできたのか。まあ、彼女がそうしたいというのなら、それに従おう。
しかし湯浴み用の湯は、沸騰するまで沸かしたものなのか、いやもう本当に熱かった。いくら冷やすための水桶もあるとはいえ、ちょっと熱すぎる。
少々、適温になるまで置いておくことにしよう。
「では、その間は……?」
――決まっている。
リトリィの頬に手を伸ばすと、改めて彼女の唇を塞いでみせた。
0
お気に入りに追加
34
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる