108 / 512
第二部 異世界建築士と大工の娘
第101話:ふたりで生きる
しおりを挟む
あと一刻ほどで中天に差し掛かるだろう青い月を、二人して眺めていた。
日没からこんな時間まで、休み休みとはいえ、よくもまあ続けたと思う。
もう無理だと思っても、しばらくするとリトリィによって元気にさせられる。
毎晩干からびるのを覚悟せよ、とは、瀧井さんの言葉だったな。
――明日も、こうなるのか?
楽しみでもあり、空恐ろしくもある。
隣を見ると、リトリィも見返してくる。ふふ、と笑って、肩にもたれかかってくる。
そんな彼女が愛おしくて、そっと唇を重ねる。
彼女も心得たもので、そっと目を閉じると舌を伸ばし、俺の舌を迎え入れる。
月明かりの中、しばらく、互いの舌の感触を、髪の、肌の、肉の感触を、再び楽しみ合う。
吐く息の白くなる冬の冷気は、しかし火照って仕方のない体を冷ますにちょうどいい。
月を見ながら、ふと思い出した。
以前にもこんな時があった。
たしかあの時は、俺が日本に帰れないと考えていて、彼女に八つ当たりしたんだったか? 本当に情けない姿をさらしたと思う。
リトリィは、真剣な目で答えた。
「そんなこと、ないです。わたしだって、ひとりぼっちで知らない土地に放り出されたら、どうなったか分かりません」
真っ直ぐ俺を見つめるその瞳が愛おしくて、その髪を撫でると、くすぐったそうに微笑んだ。
彼女がここにいる限り、俺はもう、日本をあきらめるほか、ないのだろう。
正直言って、未練はある。
生まれ、生き、築いてきた二十七年間の足跡。
決して人に誇れるようなカッコいい人生を歩んできたわけじゃないが、間違いなく、俺は日本で生まれ、生き、そして人の夢――「家」という形を残す、その手伝いをしてきたつもりだ。
だが、誰にも別れを告げぬまま、俺の存在がすっぽりと抜け落ちてしまったあの世界で、俺のことを、何人の人が、いつまで覚えていてくれるのだろう。
木村所長は、もう俺を解雇扱いにしただろうか。四カ月も無断欠席した人間を、在籍させておくような酔狂な人間ではないと思うが。
事務の御室さんは、頼んでおいた経費を、どう処理したのだろう。
三洋や京瀬らは、俺の後を引き継いでくれただろうか。そういえば、やつらみたいに、俺が御室さんのことを「お~むろん♪」などと呼べる日は、ついに来なかったな。今なら、おどけながら言えそうなのに。
日本最後の顧客の若夫婦――仁天堂さん夫妻は、俺の案で家を建ててくれているのだろうか。それとも、担当者が行方不明になってしまったような曰く付きの設計は、破棄してしまったのだろうか。
――親父は、俺のことなど忘れて、俺より年下の新しい嫁さんに、もう子供を仕込んだんだろうか。
考えてみれば、俺も親父と同類だ。親父の二十五歳年下、というのには負けるが、俺自身、八歳も年下の女性とこういう関係になった。血は争えないのかもしれない。
俺という人間の痕跡は、たぶんこの先、急速に日本から消えていくのだろう。死体でも上がれば別だが、あいにくここで生きている。
忙しい現代日本、木村設計事務所だって経営は厳しい。行方不明者にいつまでも構っていられるわけじゃない。
親父もそうだ。親父にとって、息子とは、行方不明になった俺なんかより、これから生まれてくる赤子のことを指すようになるに違いない。
学生時代に一緒に馬鹿をやった友人たちは、四カ月間音沙汰なしの俺を、SNSのグループから外しただろうか。
こうやって考えると、今もこうして俺の上にまたがって、切実に俺を求めてくれるリトリィがいるこの世界と、俺がいてもいなくても大して変わらない現代日本では、どちらが俺のいるべき世界かと問われたら――
――悲しいが、こちらの世界、と言わざるを得ないのだろう。
『あなたの代わりはいくらでもいる』
人間があふれる現代日本にとって、俺は、いてもいなくても変わらない存在だった。
これほどみじめなことが、ほかにあるだろうか。
そう結論付けたとき、俺は。
「ムラタ、さん? なにか、悲しいことがあるのですか……?」
気が付くと、リトリィが、首をかしげるようにして、俺を見つめていた。
彼女自身が、悲しそうな顔で。
「……なんで、そう思うんだ?」
「だって、泣いてらっしゃるから――」
言われるまで気づかなかった。
言われて気がついた。
――俺、泣いてるよ。
「は、はは……。あれ、おかしいな、なんでだろう。目にゴミが入ったかな……?」
俺の感傷はともかく、リトリィに悲しい思いをさせるわけにはいかない。
努めて明るく笑い、手のひらで顔を隠すように、涙をぬぐう。
「おか、おかしいな、――あ、あれ、……あれ?」
だめだ、かえって涙があふれてきて止まらない。
腕を顔から離せなくなる。
声が震える。
嗚咽が漏れる。
だめだ、だめだ。
泣いたらリトリィも悲しむに決まっている。
俺のほうがずっと年上なんだ、偉そうに突っ張らなきゃだめなんだ。
俺は泣いている場合じゃ――
「泣いて、いいんですよ?」
ふわりと、彼女が唇を寄せる。
彼女の柔らかな毛並みが、肌が、俺の上にのしかかる。
顔にかかる彼女の髪がくすぐったい。
「ムラタさん、あなたが抱えているもの、わたしでは不十分かもしれませんけど、わたしにも抱えさせてください」
ささやくリトリィの言葉が、胸に空いた穴に吸い込まれるように沁み通る。
「あなたは、わたしにぬくもりを――希望を、未来をくれました」
微笑む彼女の重みが、彼女の存在を、嫌でも実感させる。
「お願いです。わたしにも、あなたのつらさを背負わせてください。わたしでは大してお役に立てないかもしれませんが、それでも、あなたを支えたいんです。
――わたしが、そうしたいんです」
『わたしが、そうしたいんです』
何度、彼女に同じことを言わせているのだろう、俺は。
何度、俺の感傷に付き合わせ、彼女を傷つけてきてしまったのだろう、俺は。
何を迷うことがあったのだろう。
俺には、彼女がいる。
日本にはもう、帰ることなどない。
彼女を守り、彼女と共にこの世界で生きる。
そう、決めたんじゃなかったのか。
俺の首筋に、鎖骨に、胸に、熱い吐息とともに舌を、指を這わせるリトリィは、自分という存在を俺に、必死にアピールするかのようだ。
そんな彼女の背中に腕を回すと、意外にひんやりとしていた。俺を包み込む彼女は、むしろ熱いくらいなのに。
「……寒く、ないか?」
俺の腕に応えるように、リトリィも俺の首の下に腕を差し込み、俺を抱きしめる。彼女の柔らかな胸の圧迫が、いっそう強くなる。
「寒ければ、温めればいいんですよ。お互いを」
――敵わないと思う。
こんな女性が、俺のことを慕ってくれているなんて、なんという巡り合わせなのだろう!
「ムラタさん。わたし、ずっと、ずっと、あなたのことが好きでした」
目を細め、荒い吐息を弾ませ俺の上で跳ねながら、彼女が言う。
「……いつから?」
「あなたが、スープを、美味しいって言ってくれた、そのときからです」
それじゃ、出会ってからほとんどすぐじゃないか。
そう言って笑うと、彼女はそうですよ、と笑った。
「ずっと、ずっと、好きで、好きで――だから今、幸せです」
彼女の言葉に、俺もうなずく。
そこは同じだ。
――いや、ここに至るまでに、本当は何度も、幸せを感じてきた。
ただ、その幸せが本当に俺のものになったのか、それが信じられなかっただけだ。
俺の言葉に、ふふ、と彼女が笑う。
「じゃあ、今は、幸せを感じてくださっているんですね?」
「……今この瞬間を幸せと感じていなかったら、俺はいったい、いつ幸せを感じればいいんだ?」
そう言って体を起こすと、ひしと、彼女の体をかき抱く。
そのぬくもりを確かめるように、俺も彼女を抱きしめる。
彼女も俺の背中に腕を、腰に足を、舌に舌を、吐息を――彼女自身のすべてを絡めてくる。
そうやって、彼女の全てで愛を訴えてくる姿が、なによりも愛おしい。
もう、二度と手放さない。
このぬくもりを。
俺とリトリィ――ふたりで生きる、未来を。
日没からこんな時間まで、休み休みとはいえ、よくもまあ続けたと思う。
もう無理だと思っても、しばらくするとリトリィによって元気にさせられる。
毎晩干からびるのを覚悟せよ、とは、瀧井さんの言葉だったな。
――明日も、こうなるのか?
楽しみでもあり、空恐ろしくもある。
隣を見ると、リトリィも見返してくる。ふふ、と笑って、肩にもたれかかってくる。
そんな彼女が愛おしくて、そっと唇を重ねる。
彼女も心得たもので、そっと目を閉じると舌を伸ばし、俺の舌を迎え入れる。
月明かりの中、しばらく、互いの舌の感触を、髪の、肌の、肉の感触を、再び楽しみ合う。
吐く息の白くなる冬の冷気は、しかし火照って仕方のない体を冷ますにちょうどいい。
月を見ながら、ふと思い出した。
以前にもこんな時があった。
たしかあの時は、俺が日本に帰れないと考えていて、彼女に八つ当たりしたんだったか? 本当に情けない姿をさらしたと思う。
リトリィは、真剣な目で答えた。
「そんなこと、ないです。わたしだって、ひとりぼっちで知らない土地に放り出されたら、どうなったか分かりません」
真っ直ぐ俺を見つめるその瞳が愛おしくて、その髪を撫でると、くすぐったそうに微笑んだ。
彼女がここにいる限り、俺はもう、日本をあきらめるほか、ないのだろう。
正直言って、未練はある。
生まれ、生き、築いてきた二十七年間の足跡。
決して人に誇れるようなカッコいい人生を歩んできたわけじゃないが、間違いなく、俺は日本で生まれ、生き、そして人の夢――「家」という形を残す、その手伝いをしてきたつもりだ。
だが、誰にも別れを告げぬまま、俺の存在がすっぽりと抜け落ちてしまったあの世界で、俺のことを、何人の人が、いつまで覚えていてくれるのだろう。
木村所長は、もう俺を解雇扱いにしただろうか。四カ月も無断欠席した人間を、在籍させておくような酔狂な人間ではないと思うが。
事務の御室さんは、頼んでおいた経費を、どう処理したのだろう。
三洋や京瀬らは、俺の後を引き継いでくれただろうか。そういえば、やつらみたいに、俺が御室さんのことを「お~むろん♪」などと呼べる日は、ついに来なかったな。今なら、おどけながら言えそうなのに。
日本最後の顧客の若夫婦――仁天堂さん夫妻は、俺の案で家を建ててくれているのだろうか。それとも、担当者が行方不明になってしまったような曰く付きの設計は、破棄してしまったのだろうか。
――親父は、俺のことなど忘れて、俺より年下の新しい嫁さんに、もう子供を仕込んだんだろうか。
考えてみれば、俺も親父と同類だ。親父の二十五歳年下、というのには負けるが、俺自身、八歳も年下の女性とこういう関係になった。血は争えないのかもしれない。
俺という人間の痕跡は、たぶんこの先、急速に日本から消えていくのだろう。死体でも上がれば別だが、あいにくここで生きている。
忙しい現代日本、木村設計事務所だって経営は厳しい。行方不明者にいつまでも構っていられるわけじゃない。
親父もそうだ。親父にとって、息子とは、行方不明になった俺なんかより、これから生まれてくる赤子のことを指すようになるに違いない。
学生時代に一緒に馬鹿をやった友人たちは、四カ月間音沙汰なしの俺を、SNSのグループから外しただろうか。
こうやって考えると、今もこうして俺の上にまたがって、切実に俺を求めてくれるリトリィがいるこの世界と、俺がいてもいなくても大して変わらない現代日本では、どちらが俺のいるべき世界かと問われたら――
――悲しいが、こちらの世界、と言わざるを得ないのだろう。
『あなたの代わりはいくらでもいる』
人間があふれる現代日本にとって、俺は、いてもいなくても変わらない存在だった。
これほどみじめなことが、ほかにあるだろうか。
そう結論付けたとき、俺は。
「ムラタ、さん? なにか、悲しいことがあるのですか……?」
気が付くと、リトリィが、首をかしげるようにして、俺を見つめていた。
彼女自身が、悲しそうな顔で。
「……なんで、そう思うんだ?」
「だって、泣いてらっしゃるから――」
言われるまで気づかなかった。
言われて気がついた。
――俺、泣いてるよ。
「は、はは……。あれ、おかしいな、なんでだろう。目にゴミが入ったかな……?」
俺の感傷はともかく、リトリィに悲しい思いをさせるわけにはいかない。
努めて明るく笑い、手のひらで顔を隠すように、涙をぬぐう。
「おか、おかしいな、――あ、あれ、……あれ?」
だめだ、かえって涙があふれてきて止まらない。
腕を顔から離せなくなる。
声が震える。
嗚咽が漏れる。
だめだ、だめだ。
泣いたらリトリィも悲しむに決まっている。
俺のほうがずっと年上なんだ、偉そうに突っ張らなきゃだめなんだ。
俺は泣いている場合じゃ――
「泣いて、いいんですよ?」
ふわりと、彼女が唇を寄せる。
彼女の柔らかな毛並みが、肌が、俺の上にのしかかる。
顔にかかる彼女の髪がくすぐったい。
「ムラタさん、あなたが抱えているもの、わたしでは不十分かもしれませんけど、わたしにも抱えさせてください」
ささやくリトリィの言葉が、胸に空いた穴に吸い込まれるように沁み通る。
「あなたは、わたしにぬくもりを――希望を、未来をくれました」
微笑む彼女の重みが、彼女の存在を、嫌でも実感させる。
「お願いです。わたしにも、あなたのつらさを背負わせてください。わたしでは大してお役に立てないかもしれませんが、それでも、あなたを支えたいんです。
――わたしが、そうしたいんです」
『わたしが、そうしたいんです』
何度、彼女に同じことを言わせているのだろう、俺は。
何度、俺の感傷に付き合わせ、彼女を傷つけてきてしまったのだろう、俺は。
何を迷うことがあったのだろう。
俺には、彼女がいる。
日本にはもう、帰ることなどない。
彼女を守り、彼女と共にこの世界で生きる。
そう、決めたんじゃなかったのか。
俺の首筋に、鎖骨に、胸に、熱い吐息とともに舌を、指を這わせるリトリィは、自分という存在を俺に、必死にアピールするかのようだ。
そんな彼女の背中に腕を回すと、意外にひんやりとしていた。俺を包み込む彼女は、むしろ熱いくらいなのに。
「……寒く、ないか?」
俺の腕に応えるように、リトリィも俺の首の下に腕を差し込み、俺を抱きしめる。彼女の柔らかな胸の圧迫が、いっそう強くなる。
「寒ければ、温めればいいんですよ。お互いを」
――敵わないと思う。
こんな女性が、俺のことを慕ってくれているなんて、なんという巡り合わせなのだろう!
「ムラタさん。わたし、ずっと、ずっと、あなたのことが好きでした」
目を細め、荒い吐息を弾ませ俺の上で跳ねながら、彼女が言う。
「……いつから?」
「あなたが、スープを、美味しいって言ってくれた、そのときからです」
それじゃ、出会ってからほとんどすぐじゃないか。
そう言って笑うと、彼女はそうですよ、と笑った。
「ずっと、ずっと、好きで、好きで――だから今、幸せです」
彼女の言葉に、俺もうなずく。
そこは同じだ。
――いや、ここに至るまでに、本当は何度も、幸せを感じてきた。
ただ、その幸せが本当に俺のものになったのか、それが信じられなかっただけだ。
俺の言葉に、ふふ、と彼女が笑う。
「じゃあ、今は、幸せを感じてくださっているんですね?」
「……今この瞬間を幸せと感じていなかったら、俺はいったい、いつ幸せを感じればいいんだ?」
そう言って体を起こすと、ひしと、彼女の体をかき抱く。
そのぬくもりを確かめるように、俺も彼女を抱きしめる。
彼女も俺の背中に腕を、腰に足を、舌に舌を、吐息を――彼女自身のすべてを絡めてくる。
そうやって、彼女の全てで愛を訴えてくる姿が、なによりも愛おしい。
もう、二度と手放さない。
このぬくもりを。
俺とリトリィ――ふたりで生きる、未来を。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

幼馴染は何故か俺の顔を隠したがる
れおん
恋愛
世間一般に陰キャと呼ばれる主人公、齋藤晴翔こと高校2年生。幼馴染の西城香織とは十数年来の付き合いである。
そんな幼馴染は、昔から俺の顔をやたらと隠したがる。髪の毛は基本伸ばしたままにされ、四六時中一緒に居るせいで、友達もろくに居なかった。
一夫多妻が許されるこの世界で、徐々に晴翔の魅力に気づき始める周囲と、なんとか隠し通そうとする幼馴染の攻防が続いていく。

騎士団寮のシングルマザー
古森きり
恋愛
夫と離婚し、実家へ帰る駅への道。
突然突っ込んできた車に死を覚悟した歩美。
しかし、目を覚ますとそこは森の中。
異世界に聖女として召喚された幼い娘、真美の為に、歩美の奮闘が今、始まる!
……と、意気込んだものの全く家事が出来ない歩美の明日はどっちだ!?
※ノベルアップ+様(読み直し改稿ナッシング先行公開)にも掲載しましたが、カクヨムさん(は改稿・完結済みです)、小説家になろうさん、アルファポリスさんは改稿したものを掲載しています。
※割と鬱展開多いのでご注意ください。作者はあんまり鬱展開だと思ってませんけども。

番から逃げる事にしました
みん
恋愛
リュシエンヌには前世の記憶がある。
前世で人間だった彼女は、結婚を目前に控えたある日、熊族の獣人の番だと判明し、そのまま熊族の領地へ連れ去られてしまった。それからの彼女の人生は大変なもので、最期は番だった自分を恨むように生涯を閉じた。
彼女は200年後、今度は自分が豹の獣人として生まれ変わっていた。そして、そんな記憶を持ったリュシエンヌが番と出会ってしまい、そこから、色んな事に巻き込まれる事になる─と、言うお話です。
❋相変わらずのゆるふわ設定で、メンタルも豆腐並なので、軽い気持ちで読んで下さい。
❋独自設定有りです。
❋他視点の話もあります。
❋誤字脱字は気を付けていますが、あると思います。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる