67 / 111
第三章
66話
しおりを挟む
「御嬢様の想いを御聞きした上で、厳しい事を申し上げさして頂きます。
以前にも申し上げましたが、殿下には身勝手な所が御有りです。
自らの劣情を優先して、御嬢様に無理無体を強いる所が御有りです。
今回の急な勅命も、殿下の無理無体からだと、公爵閣下から連絡がございました。
どうか殿下の事よりも、御自身と公爵家の事を御考え下さい」
やはりそう思っているのですね。
リリアンならそう考えてくれると思っていました。
他の戦闘侍女もそう考えてくれているのでしょう。
その考えを無理矢理変える事は、生き戻る前の私と同じになってしまいますね。
「分かりました。
私の事を一番に考えてくれるのはとてもうれしいです。
でも二番目でいいので、殿下の事も考えて下さい。
御願いします」
「御嬢様の願いでしたら仕方ありません。
御嬢様を殿下よりも優先していいのでしたら、御嬢様に迷惑をかけてばかりですが、殿下の事も考えさせていただきます」
よかった。
これで殿下とリリアンが争う事はなくなるでしょう。
生き戻る前のリリアンに比べてたら、今のリリアンは少し怒りっぽくなっている気がします。
以前は私が身勝手でしたから、私を諫める事に力を入れていたので、殿下に対する敵愾心が育たなかったのかもしれません。
「リリアン殿。
刺客を確保しました。
どういたしましょう?」
「ビルバイン城に滞在して取り調べます。
絶対に自殺させないように」
「承りました」
私達は、またしても領境にあるビルバイン城に長期滞在する事になりました。
国境に常駐している優秀な伝令を使い、刺客に襲われた事を王都に知らせました。
伝書鳩も王都に飛ばしましたが、敵が準備万端整えていたら、伝書鳩を襲う鷹を準備しているかもしれません。
確実に連絡を送るには、二重三重の連絡方法が必要です。
私はケガをしたふりをしています。
リリアンの指示に従う事にしました。
リリアンが直接刺客を尋問をするには、領外へ出る訳にはいかないからです。
報復の刺客を送るにも、領内にいるうちでなければ、人数がそろいません。
ビルバイン城に滞在している間に、王都から多くの情報が届きました。
信じたくない話ですが、国王陛下と王太子殿下が、何者かに媚薬で操られていると言うのです。
警戒厳重なはずの王宮で、そのような事ができるなど、信じ難い事です。
王太子殿下には兄上をはじめ、優秀な側近が厳重に御守りしていました。
陛下はそれ以上に厳重な護りが配されているはずです。
それが簡単に破られるなんて、この国はどうなってしまうのでしょうか?
以前にも申し上げましたが、殿下には身勝手な所が御有りです。
自らの劣情を優先して、御嬢様に無理無体を強いる所が御有りです。
今回の急な勅命も、殿下の無理無体からだと、公爵閣下から連絡がございました。
どうか殿下の事よりも、御自身と公爵家の事を御考え下さい」
やはりそう思っているのですね。
リリアンならそう考えてくれると思っていました。
他の戦闘侍女もそう考えてくれているのでしょう。
その考えを無理矢理変える事は、生き戻る前の私と同じになってしまいますね。
「分かりました。
私の事を一番に考えてくれるのはとてもうれしいです。
でも二番目でいいので、殿下の事も考えて下さい。
御願いします」
「御嬢様の願いでしたら仕方ありません。
御嬢様を殿下よりも優先していいのでしたら、御嬢様に迷惑をかけてばかりですが、殿下の事も考えさせていただきます」
よかった。
これで殿下とリリアンが争う事はなくなるでしょう。
生き戻る前のリリアンに比べてたら、今のリリアンは少し怒りっぽくなっている気がします。
以前は私が身勝手でしたから、私を諫める事に力を入れていたので、殿下に対する敵愾心が育たなかったのかもしれません。
「リリアン殿。
刺客を確保しました。
どういたしましょう?」
「ビルバイン城に滞在して取り調べます。
絶対に自殺させないように」
「承りました」
私達は、またしても領境にあるビルバイン城に長期滞在する事になりました。
国境に常駐している優秀な伝令を使い、刺客に襲われた事を王都に知らせました。
伝書鳩も王都に飛ばしましたが、敵が準備万端整えていたら、伝書鳩を襲う鷹を準備しているかもしれません。
確実に連絡を送るには、二重三重の連絡方法が必要です。
私はケガをしたふりをしています。
リリアンの指示に従う事にしました。
リリアンが直接刺客を尋問をするには、領外へ出る訳にはいかないからです。
報復の刺客を送るにも、領内にいるうちでなければ、人数がそろいません。
ビルバイン城に滞在している間に、王都から多くの情報が届きました。
信じたくない話ですが、国王陛下と王太子殿下が、何者かに媚薬で操られていると言うのです。
警戒厳重なはずの王宮で、そのような事ができるなど、信じ難い事です。
王太子殿下には兄上をはじめ、優秀な側近が厳重に御守りしていました。
陛下はそれ以上に厳重な護りが配されているはずです。
それが簡単に破られるなんて、この国はどうなってしまうのでしょうか?
0
お気に入りに追加
851
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
悪役令嬢はざまぁされるその役を放棄したい
みゅー
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生していたルビーは、このままだとずっと好きだった王太子殿下に自分が捨てられ、乙女ゲームの主人公に“ざまぁ”されることに気づき、深い悲しみに襲われながらもなんとかそれを乗り越えようとするお話。
切ない話が書きたくて書きました。
転生したら推しに捨てられる婚約者でした、それでも推しの幸せを祈りますのスピンオフです。
とある悪役令嬢は婚約破棄後に必ず処刑される。けれど彼女の最期はいつも笑顔だった。
三月叶姫
恋愛
私はこの世界から嫌われている。
みんな、私が死ぬ事を望んでいる――。
とある悪役令嬢は、婚約者の王太子から婚約破棄を宣言された後、聖女暗殺未遂の罪で処刑された。だが、彼女は一年前に時を遡り、目を覚ました。
同じ時を繰り返し始めた彼女の結末はいつも同じ。
それでも、彼女は最期の瞬間は必ず笑顔を貫き通した。
十回目となった処刑台の上で、ついに貼り付けていた笑顔の仮面が剥がれ落ちる。
涙を流し、助けを求める彼女に向けて、誰かが彼女の名前を呼んだ。
今、私の名前を呼んだのは、誰だったの?
※こちらの作品は他サイトにも掲載しております
半月後に死ぬと告げられたので、今まで苦しんだ分残りの人生は幸せになります!
八代奏多
恋愛
侯爵令嬢のレティシアは恵まれていなかった。
両親には忌み子と言われ冷遇され、婚約者は浮気相手に夢中。
そしてトドメに、夢の中で「半月後に死ぬ」と余命宣告に等しい天啓を受けてしまう。
そんな状況でも、せめて最後くらいは幸せでいようと、レティシアは努力を辞めなかった。
すると不思議なことに、状況も運命も変わっていく。
そしてある時、冷徹と有名だけど優しい王子様に甘い言葉を囁かれるようになっていた。
それを知った両親が慌てて今までの扱いを謝るも、レティシアは許す気がなくて……。
恵まれない令嬢が運命を変え、幸せになるお話。
※「小説家になろう」「カクヨム」でも公開しております。
婚約破棄してたった今処刑した悪役令嬢が前世の幼馴染兼恋人だと気づいてしまった。
風和ふわ
恋愛
タイトル通り。連載の気分転換に執筆しました。
※なろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、pixivに投稿しています。
嫌われ王妃の一生 ~ 将来の王を導こうとしたが、王太子優秀すぎません? 〜
悠月 星花
恋愛
嫌われ王妃の一生 ~ 後妻として王妃になりましたが、王太子を亡き者にして処刑になるのはごめんです。将来の王を導こうと決心しましたが、王太子優秀すぎませんか? 〜
嫁いだ先の小国の王妃となった私リリアーナ。
陛下と夫を呼ぶが、私には見向きもせず、「処刑せよ」と無慈悲な王の声。
無視をされ続けた心は、逆らう気力もなく項垂れ、首が飛んでいく。
夢を見ていたのか、自身の部屋で姉に起こされ目を覚ます。
怖い夢をみたと姉に甘えてはいたが、現実には先の小国へ嫁ぐことは決まっており……
【完結】名ばかりの妻を押しつけられた公女は、人生のやり直しを求めます。2度目は絶対に飼殺し妃ルートの回避に全力をつくします。
yukiwa (旧PN 雪花)
恋愛
*タイトル変更しました。(旧題 黄金竜の花嫁~飼殺し妃は遡る~)
パウラ・ヘルムダールは、竜の血を継ぐ名門大公家の跡継ぎ公女。
この世を支配する黄金竜オーディに望まれて側室にされるが、その実態は正室の仕事を丸投げされてこなすだけの、名のみの妻だった。
しかもその名のみの妻、側室なのに選抜試験などと御大層なものがあって。生真面目パウラは手を抜くことを知らず、ついつい頑張ってなりたくもなかった側室に見事当選。
もう一人の側室候補エリーヌは、イケメン試験官と恋をしてさっさと選抜試験から引き揚げていた。
「やられた!」と後悔しても、後の祭り。仕方ないからパウラは丸投げされた仕事をこなし、こなして一生を終える。そしてご褒美にやり直しの転生を願った。
「二度と絶対、飼殺しの妃はごめんです」
そうして始まった2度目の人生、なんだか周りが騒がしい。
竜の血を継ぐ4人の青年(後に試験官になる)たちは、なぜだかみんなパウラに甘い。
後半、シリアス風味のハピエン。
3章からルート分岐します。
小説家になろう、カクヨムにも掲載しています。
表紙画像はwaifulabsで作成していただきました。
https://waifulabs.com/
【短編】悪役令嬢と蔑まれた私は史上最高の遺書を書く
とによ
恋愛
婚約破棄され、悪役令嬢と呼ばれ、いじめを受け。
まさに不幸の役満を食らった私――ハンナ・オスカリウスは、自殺することを決意する。
しかし、このままただで死ぬのは嫌だ。なにか私が生きていたという爪痕を残したい。
なら、史上最高に素晴らしい出来の遺書を書いて、自殺してやろう!
そう思った私は全身全霊で遺書を書いて、私の通っている魔法学園へと自殺しに向かった。
しかし、そこで謎の美男子に見つかってしまい、しまいには遺書すら読まれてしまう。
すると彼に
「こんな遺書じゃダメだね」
「こんなものじゃ、誰の記憶にも残らないよ」
と思いっきりダメ出しをされてしまった。
それにショックを受けていると、彼はこう提案してくる。
「君の遺書を最高のものにしてみせる。その代わり、僕の研究を手伝ってほしいんだ」
これは頭のネジが飛んでいる彼について行った結果、彼と共に歴史に名を残してしまう。
そんなお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる