74 / 83
第二章
第69話:自由奔放
しおりを挟む
(ケケケッ、カカカッ、ニャニャニャッ、ケケケッ、カカカッ、ニャニャニャッ)
サクラが嬉々として魔物を狩っている。
喜びの声をあげながら、縦横無尽に魔物を狩っていく。
1度殺し尽くしたと思っても、時間が経つとまた魔物が湧いてくる。
人間には命に係わる災厄なのだろうが、サクラには格好の遊びになっている。
それと不思議なモノで、竜に憑依していても心話だと元のサクラの声になる。
元々のサクラの声を聞くととても安心できるからうれしい。
こんな時のサクラには余計な言葉はかけない方がいい。
飽きるまで狩りをさせてあげる事が何よりの親孝行であり、主人のなすべき事だ。
お猫様の遊びの邪魔をするなど、猫の主人として失格だ。
ただ遊びが激しくなり過ぎて、周りに被害が及ばないように見守るのも主人の役目だから、新しい竜に憑依するたびに俺も移動しなければいけない。
サクラはとても自由な性格をしているから、1カ所に留まったりはしない。
1頭の竜で満足もしない。
北方の竜の墓場からコンラディン王国領まで、超高速移動を繰り返す。
その時に俺が想像もしていなかった事をやってくれた。
足の遅い地竜に憑依して、魔術を使って超高速移動をしたのだ。
俺が一生懸命走らせて移動したのはバカの行いだった。
お陰で新たな移動方法を思いつくことができた。
飛竜や火竜などの空を飛べる竜種であろうと、飛行せずに超高速移動させれば、高所恐怖症に悩まされる事はないのだ。
我慢するのは、人間を畏怖させるときに城の上を滞空する時だけでいいのだ。
それ以外の時は、しっかりと脚をつけていればいいのだ。
(ニャーーーン、ニャオ、ニャオォ、ニャーーーン、ニャオ、ニャオォ)
またも不意を突かれてしまった。
サクラに「卵が産みたい」とお願いされてしまった。
魂が抜けてしまっている竜の屍でも、リサシテイションで蘇らせて、リジューヴァネイションで若返らせれば、俺達が憑依さえすれば生きているのと同じ状態になる。
だから卵を産ませる事も不可能ではない。
キングアイスタイガーなどの肉食陸上生物だと、産んだ子供が人間を襲う可能性もあるが、飛行可能な竜種なら、成長した後で別大陸に送れば知り合いの人間を襲う事はないし、無人島に送れば人間自体を襲う事もない。
いや、よく考えれば竜種でなくてもいいのだ。
陸上種の肉食獣であろうと、超高速移動や転移の魔術を使えば、成長してから他の大陸に送ることができる。
人間の入って来れないような大森林に放してあげればいい。
(サクラ、本当に竜の卵でいいのかい。
ネコ種の子供を産んでもいいんだよ。
寒冷地の雪と氷の中を探せば、魂の抜けたネコ種の亡骸があるはずだよ。
その亡骸を蘇らせたら、子供を産む事だってできるよ)
(ニャーーーン、ニャオ、ニャオォ、ニャーーーン、ニャオ、ニャオォ)
サクラが嬉々として魔物を狩っている。
喜びの声をあげながら、縦横無尽に魔物を狩っていく。
1度殺し尽くしたと思っても、時間が経つとまた魔物が湧いてくる。
人間には命に係わる災厄なのだろうが、サクラには格好の遊びになっている。
それと不思議なモノで、竜に憑依していても心話だと元のサクラの声になる。
元々のサクラの声を聞くととても安心できるからうれしい。
こんな時のサクラには余計な言葉はかけない方がいい。
飽きるまで狩りをさせてあげる事が何よりの親孝行であり、主人のなすべき事だ。
お猫様の遊びの邪魔をするなど、猫の主人として失格だ。
ただ遊びが激しくなり過ぎて、周りに被害が及ばないように見守るのも主人の役目だから、新しい竜に憑依するたびに俺も移動しなければいけない。
サクラはとても自由な性格をしているから、1カ所に留まったりはしない。
1頭の竜で満足もしない。
北方の竜の墓場からコンラディン王国領まで、超高速移動を繰り返す。
その時に俺が想像もしていなかった事をやってくれた。
足の遅い地竜に憑依して、魔術を使って超高速移動をしたのだ。
俺が一生懸命走らせて移動したのはバカの行いだった。
お陰で新たな移動方法を思いつくことができた。
飛竜や火竜などの空を飛べる竜種であろうと、飛行せずに超高速移動させれば、高所恐怖症に悩まされる事はないのだ。
我慢するのは、人間を畏怖させるときに城の上を滞空する時だけでいいのだ。
それ以外の時は、しっかりと脚をつけていればいいのだ。
(ニャーーーン、ニャオ、ニャオォ、ニャーーーン、ニャオ、ニャオォ)
またも不意を突かれてしまった。
サクラに「卵が産みたい」とお願いされてしまった。
魂が抜けてしまっている竜の屍でも、リサシテイションで蘇らせて、リジューヴァネイションで若返らせれば、俺達が憑依さえすれば生きているのと同じ状態になる。
だから卵を産ませる事も不可能ではない。
キングアイスタイガーなどの肉食陸上生物だと、産んだ子供が人間を襲う可能性もあるが、飛行可能な竜種なら、成長した後で別大陸に送れば知り合いの人間を襲う事はないし、無人島に送れば人間自体を襲う事もない。
いや、よく考えれば竜種でなくてもいいのだ。
陸上種の肉食獣であろうと、超高速移動や転移の魔術を使えば、成長してから他の大陸に送ることができる。
人間の入って来れないような大森林に放してあげればいい。
(サクラ、本当に竜の卵でいいのかい。
ネコ種の子供を産んでもいいんだよ。
寒冷地の雪と氷の中を探せば、魂の抜けたネコ種の亡骸があるはずだよ。
その亡骸を蘇らせたら、子供を産む事だってできるよ)
(ニャーーーン、ニャオ、ニャオォ、ニャーーーン、ニャオ、ニャオォ)
2
お気に入りに追加
474
あなたにおすすめの小説
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

追放された回復術師は、なんでも『回復』できて万能でした
新緑あらた
ファンタジー
死闘の末、強敵の討伐クエストを達成した回復術師ヨシュアを待っていたのは、称賛の言葉ではなく、解雇通告だった。
「ヨシュア……てめえはクビだ」
ポーションを湯水のように使える最高位冒険者になった彼らは、今まで散々ポーションの代用品としてヨシュアを利用してきたのに、回復術師は不要だと考えて切り捨てることにしたのだ。
「ポーションの下位互換」とまで罵られて気落ちしていたヨシュアだったが、ブラックな労働をしいるあのパーティーから解放されて喜んでいる自分に気づく。
危機から救った辺境の地方領主の娘との出会いをきっかけに、彼の世界はどんどん広がっていく……。
一方、Sランク冒険者パーティーはクエストの未達成でどんどんランクを落としていく。
彼らは知らなかったのだ、ヨシュアが彼らの傷だけでなく、状態異常や武器の破損など、なんでも『回復』していたことを……。

バディという謎スキルしか神授されず魔力もなく、王女との婚約を破棄され公爵家を追放され平民に落とされ、冒険者になったら囮にされました。
克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に投稿しています。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
神様、ちょっとチートがすぎませんか?
ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】
未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。
本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!
おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!
僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。
しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。
自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――
◇◆◇◆◇◆◇◆◇
本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。
へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/
---------------
※カクヨムとなろうにも投稿しています
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。

追放貴族少年リュウキの成り上がり~魔力を全部奪われたけど、代わりに『闘気』を手に入れました~
さとう
ファンタジー
とある王国貴族に生まれた少年リュウキ。彼は生まれながらにして『大賢者』に匹敵する魔力を持って生まれた……が、義弟を溺愛する継母によって全ての魔力を奪われ、次期当主の座も奪われ追放されてしまう。
全てを失ったリュウキ。家も、婚約者も、母の形見すら奪われ涙する。もう生きる力もなくなり、全てを終わらせようと『龍の森』へ踏み込むと、そこにいたのは死にかけたドラゴンだった。
ドラゴンは、リュウキの境遇を憐れみ、ドラゴンしか使うことのできない『闘気』を命をかけて与えた。
これは、ドラゴンの力を得た少年リュウキが、新しい人生を歩む物語。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる