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第2章
第32話:掌握
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「リーダー、万全の準備ができるまで待つと、マスターから伝書鳩が来ました」
伝処鳩の管理をしているサブクランリーダーが知らせに来た。
ギルドマスターの命令を無視してから五日、首脳陣の方針が決まったのだろう。
あのマスターが独断専行で大魔境突破を命じるはずがない。
クランメンバーの前ではマスターを非難したが、あいつは無能じゃない。
無能どころか有能極まりない、あんな命令を下す馬鹿ではない。
上司に無理矢理命じられたのだという事くらい、直ぐに分かる。
問題はそんな命令をしてきた上司、王国首脳陣の腹の底だ。
アルへシラス王国の命運を握る首脳陣が愚かだとは思えない。
俺を試しているのだと思うが、反抗させて処刑の理由を手に入れようとしたのか?
「そうか、早くてもあと十五日はかかる、三十五日後に突破すると連絡してくれ」
「分かりました、定時の伝書鳩で連絡します」
サブリーダーはそう言って自分の仕事に戻って行った。
中間管理職は大変だ、俺も前世で経験があるから良く分かる。
特にサブリーダーは神与の儀式で貴族から平民に落ちている。
戦功で一代貴族に復帰しているが、本当に貴族扱いされているか疑わしい。
平民からは貴族扱いされるが、貴族からは平民扱いされているのではないか?
無理のない範囲で頑張ってくれ、俺から追い詰めたりはしないから安心してくれ。
「カーツリーダー、竜の御世話終わりました、確認お願いします」
「分かった」
色仕掛けの騎士候補がキビキビと報告する。
正直自分でも驚いたが、クランメンバーの九割を心服させる事ができた。
大魔境を突破して戻ったのが何よりも大きかったようだ。
だがそれだけではない、それに加えて竜の扱いが巧みだからだろう。
安物買いの銭失となったクランの駄竜と乗竜が、見違えるほど良くなった。
俺が治療と調教を始めてたった五日で古傷も悪い癖も治ったのだ。
まあ、これは俺だけの手柄ではない、寅さん達の力が大きい。
自分達の走る姿を見せて、それを真似させたのだ。
真似できなかったら、怪我しない程度の痛い咬みつきという罰を与える。
駄竜と乗竜は痛みから逃れようと必死で真似をした。
真似ができたら見違えるように早く長く走れる事に気が付く。
後は自分で頑張るようになるから、瞬く間に優秀な竜になる。
「カーツリーダー、厩舎の掃除終わりました、確認お願いします」
「分かった」
厩舎の掃除と言っても、もう糞尿の掃除はしなくてもいい。
決まった位置に移動させるだけで、スライムが掃除してくれる。
大切なのは、軍竜に調教するための道具をちゃんと片づけているかだ。
片付けが悪いと大切な道具の紛失につながる。
紛失程度なら良いが、片付けなかった道具で竜が怪我したら許せない。
誰が許しても俺が許さないから、厳しくチェックする。
「カーツリーダー、引き運動をしたいのですが、宜しいでしょうか?」
人を乗せた事のない、荷物を運んだ事しかない駄竜に、人を背に乗せて指示通りに動く事を教える事にした。
クランメンバーから志願者を募り、一から仕込ませている。
「キキョウ、見守ってやってくれ」
「クルルルルル!」
俺の愛竜の中では三席のキキョウが、二つ返事で引き受けてくれる。
クラン共有の竜になった駄竜と乗竜は、全頭が俺の竜達の配下だ。
実力が二つ三つ桁違いなので、絶対に逆らわない。
未熟な人間、自分よりも弱い人間には従わないのが竜だ。
以前の弱い時なら、騎士候補の命令に従った。
だが俺の手入れと治療で格段に強くなった竜は、騎士候補を下に見だした。
背に乗せるのを拒む竜もいるし、背には乗せても指示を聞かな竜もいる。
もっとも下に見られている場合は、手綱を引いても歩いてくれない。
俺か愛竜達が見ていないと、引き運動もさせられないのだ。
「カーツリーダー、攻め竜をしたいのですが、宜しいでしょうか?」
色仕掛けの女性騎士候補が頬を赤く染めながら言って来た。
誰よりも熱心で、一頭だけいる乗竜の調教をしている。
愛情を込めて世話をしていたので、乗竜も懐いている。
持って生まれて身体が小さくて、歳も取っている乗竜だ。
古傷があるのだが、酷い飼い主が傷を治しもせずに働かせ続けたのだろう。
傷を庇って変な動きを重ねた結果、全身の関節が変形していた。
人間だと、そこまで身体が悪くなると、上級貴族スキルでないと治せない。
軍竜でもない年老いた乗竜に、高価な上位の治癒スキルを使う貴族はいない。
だが、竜は人間と違って回復力がとても強い。
普通の人間だと再生しない軟骨が再生するし、歯も何度でも生えてくる。
摩耗して変形した関節も、適切なリハビリで治す事ができる。
「まだ少し手を離せない、先にやっていろ、サクラ、見ていてくれ」
「ありがとうござます、指導を楽しみに待っています」
「クルルルルル!」
予定以上に順調にクランメンバーを掌握できている。
妬みと不安を持っていた騎士候補も、今では完全に俺の指示に従っている。
俺よりもサブリーダーの指示を優先する者もいるが、たった五人になっている。
三十五日後には全員を心服させている、なんてことは言わない。
人の価値観は千差万別で、俺とは相いれない性格の奴もいる。
そんな奴を無理に心服させようとは思わない。
「カーツリーダー、掘り出し物の竜が売りに出ているとの事です。
一緒に見に行っていただけますか?」
「いつだ、まさか今直ぐだと言うんじゃないよな?」
「滅多にない掘り出し物なので、何時売れるか分からないと言っています。
競売や市ではなく、庭先での取引だそうです」
「生まれたばかりの幼竜でも、一歳竜や二歳竜でもないのだろう?」
「はい、それなりの歳の駄竜だと聞いています」
「それを庭先か……幾らで売ると言っているんだ?」
「五万アルです」
「何か重大な欠陥があるな、ちゃんと確認しないと金をドブに捨てる事になる」
「そうなのですか?」
「ああ、悪質な飼い主や竜喰が良くやる手だ。
飼い主が急に金が必要になったとか、出国しなければいけなくなったとか、竜以外の理由で安く売らなければいけなくなったと言うんだ」
「その通りです、娘が病気になって、どうしても五万アル必要だから、泣く泣く叩き売りする事になったと言っていました」
「よく覚えておけよ、忘れたら大切な金を騙し取られる事になるぞ」
「ありがとうございます、だったら見に行かれないのですね?」
「いや、行く、基本買わないつもりだが、俺が治せる場合だけ買う」
「やった、カーツリーダーと一緒に行ける、竜の選び方を教えてください」
「ああ、いいぞ、だがここの用事を全部済ませてからだ。
向こうの言い成りに急いでいくと、値引き交渉で不利になる。
買い叩く方法を教えるから、聞き逃すなよ」
「私も、私も一緒に行きたいです」
「自分も御一緒させてください」
「静かにしています、邪魔になりません、連れて行ってください」
「滅多にない良い機会だ、明日に回せる事をやっている者は全員付いて来い」
伝処鳩の管理をしているサブクランリーダーが知らせに来た。
ギルドマスターの命令を無視してから五日、首脳陣の方針が決まったのだろう。
あのマスターが独断専行で大魔境突破を命じるはずがない。
クランメンバーの前ではマスターを非難したが、あいつは無能じゃない。
無能どころか有能極まりない、あんな命令を下す馬鹿ではない。
上司に無理矢理命じられたのだという事くらい、直ぐに分かる。
問題はそんな命令をしてきた上司、王国首脳陣の腹の底だ。
アルへシラス王国の命運を握る首脳陣が愚かだとは思えない。
俺を試しているのだと思うが、反抗させて処刑の理由を手に入れようとしたのか?
「そうか、早くてもあと十五日はかかる、三十五日後に突破すると連絡してくれ」
「分かりました、定時の伝書鳩で連絡します」
サブリーダーはそう言って自分の仕事に戻って行った。
中間管理職は大変だ、俺も前世で経験があるから良く分かる。
特にサブリーダーは神与の儀式で貴族から平民に落ちている。
戦功で一代貴族に復帰しているが、本当に貴族扱いされているか疑わしい。
平民からは貴族扱いされるが、貴族からは平民扱いされているのではないか?
無理のない範囲で頑張ってくれ、俺から追い詰めたりはしないから安心してくれ。
「カーツリーダー、竜の御世話終わりました、確認お願いします」
「分かった」
色仕掛けの騎士候補がキビキビと報告する。
正直自分でも驚いたが、クランメンバーの九割を心服させる事ができた。
大魔境を突破して戻ったのが何よりも大きかったようだ。
だがそれだけではない、それに加えて竜の扱いが巧みだからだろう。
安物買いの銭失となったクランの駄竜と乗竜が、見違えるほど良くなった。
俺が治療と調教を始めてたった五日で古傷も悪い癖も治ったのだ。
まあ、これは俺だけの手柄ではない、寅さん達の力が大きい。
自分達の走る姿を見せて、それを真似させたのだ。
真似できなかったら、怪我しない程度の痛い咬みつきという罰を与える。
駄竜と乗竜は痛みから逃れようと必死で真似をした。
真似ができたら見違えるように早く長く走れる事に気が付く。
後は自分で頑張るようになるから、瞬く間に優秀な竜になる。
「カーツリーダー、厩舎の掃除終わりました、確認お願いします」
「分かった」
厩舎の掃除と言っても、もう糞尿の掃除はしなくてもいい。
決まった位置に移動させるだけで、スライムが掃除してくれる。
大切なのは、軍竜に調教するための道具をちゃんと片づけているかだ。
片付けが悪いと大切な道具の紛失につながる。
紛失程度なら良いが、片付けなかった道具で竜が怪我したら許せない。
誰が許しても俺が許さないから、厳しくチェックする。
「カーツリーダー、引き運動をしたいのですが、宜しいでしょうか?」
人を乗せた事のない、荷物を運んだ事しかない駄竜に、人を背に乗せて指示通りに動く事を教える事にした。
クランメンバーから志願者を募り、一から仕込ませている。
「キキョウ、見守ってやってくれ」
「クルルルルル!」
俺の愛竜の中では三席のキキョウが、二つ返事で引き受けてくれる。
クラン共有の竜になった駄竜と乗竜は、全頭が俺の竜達の配下だ。
実力が二つ三つ桁違いなので、絶対に逆らわない。
未熟な人間、自分よりも弱い人間には従わないのが竜だ。
以前の弱い時なら、騎士候補の命令に従った。
だが俺の手入れと治療で格段に強くなった竜は、騎士候補を下に見だした。
背に乗せるのを拒む竜もいるし、背には乗せても指示を聞かな竜もいる。
もっとも下に見られている場合は、手綱を引いても歩いてくれない。
俺か愛竜達が見ていないと、引き運動もさせられないのだ。
「カーツリーダー、攻め竜をしたいのですが、宜しいでしょうか?」
色仕掛けの女性騎士候補が頬を赤く染めながら言って来た。
誰よりも熱心で、一頭だけいる乗竜の調教をしている。
愛情を込めて世話をしていたので、乗竜も懐いている。
持って生まれて身体が小さくて、歳も取っている乗竜だ。
古傷があるのだが、酷い飼い主が傷を治しもせずに働かせ続けたのだろう。
傷を庇って変な動きを重ねた結果、全身の関節が変形していた。
人間だと、そこまで身体が悪くなると、上級貴族スキルでないと治せない。
軍竜でもない年老いた乗竜に、高価な上位の治癒スキルを使う貴族はいない。
だが、竜は人間と違って回復力がとても強い。
普通の人間だと再生しない軟骨が再生するし、歯も何度でも生えてくる。
摩耗して変形した関節も、適切なリハビリで治す事ができる。
「まだ少し手を離せない、先にやっていろ、サクラ、見ていてくれ」
「ありがとうござます、指導を楽しみに待っています」
「クルルルルル!」
予定以上に順調にクランメンバーを掌握できている。
妬みと不安を持っていた騎士候補も、今では完全に俺の指示に従っている。
俺よりもサブリーダーの指示を優先する者もいるが、たった五人になっている。
三十五日後には全員を心服させている、なんてことは言わない。
人の価値観は千差万別で、俺とは相いれない性格の奴もいる。
そんな奴を無理に心服させようとは思わない。
「カーツリーダー、掘り出し物の竜が売りに出ているとの事です。
一緒に見に行っていただけますか?」
「いつだ、まさか今直ぐだと言うんじゃないよな?」
「滅多にない掘り出し物なので、何時売れるか分からないと言っています。
競売や市ではなく、庭先での取引だそうです」
「生まれたばかりの幼竜でも、一歳竜や二歳竜でもないのだろう?」
「はい、それなりの歳の駄竜だと聞いています」
「それを庭先か……幾らで売ると言っているんだ?」
「五万アルです」
「何か重大な欠陥があるな、ちゃんと確認しないと金をドブに捨てる事になる」
「そうなのですか?」
「ああ、悪質な飼い主や竜喰が良くやる手だ。
飼い主が急に金が必要になったとか、出国しなければいけなくなったとか、竜以外の理由で安く売らなければいけなくなったと言うんだ」
「その通りです、娘が病気になって、どうしても五万アル必要だから、泣く泣く叩き売りする事になったと言っていました」
「よく覚えておけよ、忘れたら大切な金を騙し取られる事になるぞ」
「ありがとうございます、だったら見に行かれないのですね?」
「いや、行く、基本買わないつもりだが、俺が治せる場合だけ買う」
「やった、カーツリーダーと一緒に行ける、竜の選び方を教えてください」
「ああ、いいぞ、だがここの用事を全部済ませてからだ。
向こうの言い成りに急いでいくと、値引き交渉で不利になる。
買い叩く方法を教えるから、聞き逃すなよ」
「私も、私も一緒に行きたいです」
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