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第二章

第18話:暗殺準備

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 問題は何時何処でエクセター侯爵を殺すかだが、早い方がいいのは間違いない。
 証拠を掴ませるわけにはいかないが、セシル城伯ウィリアムの報復だと分かった方が、これからウィリアムに手出しするモノを減らすことができる。
 だからエクセター侯爵の死を秘匿されたり、病死だと偽られては困るのだ。
 できりだけ多くの人に分かるように、公式の場で殺すのが一番だ。
 その絶好の機会が何時なのかは、エクセター侯爵の予定を知らなければできないのだが、殺すよりもその方が難しい。

「一番近い王家の公式行事は、来月王宮で行われる王太子殿下主催に舞踏会だが、エクセター侯爵が確実に参加するとは限らない」

 なるほど、王太子主催の舞踏会とはいえ、私的な集まりに必ず来るとは限らない。
 だが、今回の一件をウィリアムが王太子に訴えると言う噂が流れれば、反論のために出向かないわけにはいかないだろう。
 それとも、国王や王妃に直接訴えてもみ消そうとするだろうか。
 国王や王妃の評判はかなり悪い。
 直接政務に係わらない王太子の噂はそれほど聞かないが、国王よりはましだろう。

「ではウィリアムが王太子に今回の件を訴えて、エクセター侯爵家を取り潰して、領地を王太子と分け合う心算だと噂を流す。
 その予定で家臣団の編成を進めてくれ。
 今の状態なら多くの志願兵が集まるだろう」

「それは構わない、ブルーノの流してくれた噂のお陰で、領民はエクセター侯爵を憎んでくれているから、確かに志願兵が集まるだろう。
 だが、本当に大丈夫かブルーノ。
 王宮の防御結界は桁外れに強いから、密かに入り込むのは難しいぞ」

 確かに王宮は防御結界も人間による検査も桁外れに厳しい。
 だが、俺の隠形魔術はさらにその上を行くのだ。
 王国どころか皇国や教皇庁の防御結界でも簡単に欺ける。
 ましてウィリアムの一行に紛れて入り込むのなら、楽勝で入り込むことが可能だ。
 まあ、実行する前にちゃんと忍び込めるか確認はする。
 王宮はもちろんエクセター侯爵の城の内部にまで、密かに入り込めるかどうか確認したうえで、暗殺を実行する。

「心配するなウィリアム、実行する前に確認の為に王宮に忍び込んでみる。
 その時に発見されるようなら、王都に入る前に盗賊に襲撃されたように偽装して、情け容赦のない方法で殺してやる。
 その後でウィリアムが復讐したという噂を流せば、最低限の目標は達せられる。
 もっとも、その後で王国から厳しい尋問が行われるというのなら、エクセター侯爵領内で殺してもいいし、噂を流さないようにしてもいい。
 ウィリアムはどちらの方がやり易いのだ」
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