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第三章
第92話:正妃の役割・レイラ王太子妃視点
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遂にリカルド王太子と結婚する事ができました。
大陸中の王侯貴族を招いた最大規模の結婚式でした。
ただリカルド王太子を警戒して同盟を組んでいる南部各国からは、王族ではないく代理の有力貴族が来ています。
今は結婚式の後の披露宴中ですが、目的は参加してくれた王侯貴族と親睦を深める事、特に南部同盟から来ている有力貴族と親睦を深めるためです。
いえ、本命は親睦を深めることではありません。
調略して味方につけられるかどうか探っています。
それが無理ならこちらの調略に応じたように見せかけて内部抗争を起こさせる。
なかなかに卑劣な行いですが、その役割をするのが私の役目です。
大陸を統一するであろう英雄のリカルド王太子の代わりに、汚れ役をするのが正妃となった私の役目なのです。
「フランシス子爵、あの男が陥れればいいのですね」
この披露宴を取り仕切っている、ウェルズリー城代のフランシス子爵の視線の先に、隣国の第二王子がいます。
フィフス王国が本当に苦しい時に、自分達王侯貴族だけの事を考えて、多くの難民をフィフス王国に向かわせた愚か者達の代表です。
絶対に許せない下劣極まりない連中です。
だから、私に対して無礼を働くように仕向けるのです。
それを理由に開戦して侵攻占領するのです。
私の母国、セント・ジオン皇国までの国々はリカルド王太子が併合されました。
ですが進撃路から外れている国は後回しになっていました。
そんな国々の王侯貴族は、リカルド王太子や配下の者達が命懸けで達成した、魔王軍撃退と言う成果を何の代償も払わずに享受しているのです。
「はい、あの男には強い酒を勧めております。
周りには証人に立ってくれる方々を配しております。
普段から多くの令嬢や夫人を泣かせている酷い男です。
酔わせれば見境がなくなる事でしょう。
殿下が心を痛める必要などない男でございます」
フランシス子爵が気を遣ってくれているようです。
それともリカルド王太子の配慮でしょうか。
下劣な者共を罠に嵌めるために、リカルド王太子は披露宴に不参加です。
魔境に魔王軍が奇襲してきたと言う事になっています。
リカルド王太子との結婚を嫌っている私が、この披露宴を好機として愛人を探しているという設定です。
「おお、これはこれは、麗しのレイラ王太子妃殿下ではありませんか。
リカルド王太子殿下の不意の出陣お寂しい事でございましょう。
よもやま話でお慰めさせていただきます」
本当に馬鹿な男です。
自分が狙われていると気がついていません。
それどころか、私に惚れられたと愚かな誤解をしています。
幼い頃からちチヤホヤされて育ったのでしょう。
自分がリカルド王太子の足元にも及ばない事に全く気がついていません。
こんな屑は早々に殺してしまった方が民のためです。
大陸中の王侯貴族を招いた最大規模の結婚式でした。
ただリカルド王太子を警戒して同盟を組んでいる南部各国からは、王族ではないく代理の有力貴族が来ています。
今は結婚式の後の披露宴中ですが、目的は参加してくれた王侯貴族と親睦を深める事、特に南部同盟から来ている有力貴族と親睦を深めるためです。
いえ、本命は親睦を深めることではありません。
調略して味方につけられるかどうか探っています。
それが無理ならこちらの調略に応じたように見せかけて内部抗争を起こさせる。
なかなかに卑劣な行いですが、その役割をするのが私の役目です。
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「フランシス子爵、あの男が陥れればいいのですね」
この披露宴を取り仕切っている、ウェルズリー城代のフランシス子爵の視線の先に、隣国の第二王子がいます。
フィフス王国が本当に苦しい時に、自分達王侯貴族だけの事を考えて、多くの難民をフィフス王国に向かわせた愚か者達の代表です。
絶対に許せない下劣極まりない連中です。
だから、私に対して無礼を働くように仕向けるのです。
それを理由に開戦して侵攻占領するのです。
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そんな国々の王侯貴族は、リカルド王太子や配下の者達が命懸けで達成した、魔王軍撃退と言う成果を何の代償も払わずに享受しているのです。
「はい、あの男には強い酒を勧めております。
周りには証人に立ってくれる方々を配しております。
普段から多くの令嬢や夫人を泣かせている酷い男です。
酔わせれば見境がなくなる事でしょう。
殿下が心を痛める必要などない男でございます」
フランシス子爵が気を遣ってくれているようです。
それともリカルド王太子の配慮でしょうか。
下劣な者共を罠に嵌めるために、リカルド王太子は披露宴に不参加です。
魔境に魔王軍が奇襲してきたと言う事になっています。
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「おお、これはこれは、麗しのレイラ王太子妃殿下ではありませんか。
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こんな屑は早々に殺してしまった方が民のためです。
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