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1章
ノヴァ伯爵令嬢視点
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アメリアは馬鹿でした。
確かに魅力的な女性でしたが、全ての男が籠絡できるわけではないのです。
アシェルを味方に加えようとしたのが失敗だったのです。
気の重い話ですが、アシェルは私の事を愛しているのです。
いえ、それを知っていたからこそ、誘惑したのかもしれません。
アメリアは私より魅力的だと証明したかったのでしょう。
でもそれが墓穴を掘ることになりました。
一味に加わる振りをしたアシェルに、全てを知られたのです。
リアムを筆頭に、過去にアメリアが関係した男が全て加担していました。
残念ながら、イーサン殿下も加担されておられました。
汚らわしい事に、アメリアは兄上にまで手紙を寄こしたのです。
許せない節操のなさです。
それに、兄上を馬鹿にしています。
兄上が尻軽悪女に誑かされるはずがないのです。
そんなことも分からない馬鹿なのです。
結果は皆殺しでした。
決起と集められたリアムたちは、準備万端整えた父上や兄上に奇襲をかけられ、ろくな抵抗もできずに皆殺しになったそうです。
父上と兄上は、獅子奮迅の活躍をなされたそうです。
アシェルも、新たに配下になったハンター男爵とタッカー男爵も、目覚ましい活躍だったそうです。
陣頭指揮はロバーツ殿下が執られました。
子弟が加担した貴族家士族家は、全て取り潰されました。
領地は一旦王家が直轄領にされ、一部が活躍した家に与えられました。
我がゴードン伯爵家は、侯爵に陞爵された上に加増もされました。
子爵と男爵の従属爵位を拝領しました。
しばらくしてイーサン殿下が病死なされました。
そういう事なのだと思います。
社交界でも、誰一人その話はしませんが、みな知っている事です。
誰だって、子を殺さねばならなかった国王陛下の傷に触れて、家を潰したくはないのです。
私はアシェルと結婚する事になりました。
忸怩たる思いですが、仕方ありません。
国王陛下直々に話があったのです。
アシェルは活躍の褒美に私を陛下に願い出たのです。
陛下にすれば安い褒美です。
父上様も侯爵に陞爵して頂いた直後に、お断りはできなかったのでしょう。
従属爵位を拝領する弟たちの事もあります。
でも私だって、ただでは嫁ぎません。
嫁がねばならない以上、産まれてくる子供のためにも、家は大きく豊かでなければなりません。
私の持参金と台所領は陛下から賜りました。
アシェルの任地について行く気もありません。
私は実家に留まります。
ロバーツ殿下もその方が都合がいいでしょう。
私も兄様の側にいれさえすれば幸せなのです。
確かに魅力的な女性でしたが、全ての男が籠絡できるわけではないのです。
アシェルを味方に加えようとしたのが失敗だったのです。
気の重い話ですが、アシェルは私の事を愛しているのです。
いえ、それを知っていたからこそ、誘惑したのかもしれません。
アメリアは私より魅力的だと証明したかったのでしょう。
でもそれが墓穴を掘ることになりました。
一味に加わる振りをしたアシェルに、全てを知られたのです。
リアムを筆頭に、過去にアメリアが関係した男が全て加担していました。
残念ながら、イーサン殿下も加担されておられました。
汚らわしい事に、アメリアは兄上にまで手紙を寄こしたのです。
許せない節操のなさです。
それに、兄上を馬鹿にしています。
兄上が尻軽悪女に誑かされるはずがないのです。
そんなことも分からない馬鹿なのです。
結果は皆殺しでした。
決起と集められたリアムたちは、準備万端整えた父上や兄上に奇襲をかけられ、ろくな抵抗もできずに皆殺しになったそうです。
父上と兄上は、獅子奮迅の活躍をなされたそうです。
アシェルも、新たに配下になったハンター男爵とタッカー男爵も、目覚ましい活躍だったそうです。
陣頭指揮はロバーツ殿下が執られました。
子弟が加担した貴族家士族家は、全て取り潰されました。
領地は一旦王家が直轄領にされ、一部が活躍した家に与えられました。
我がゴードン伯爵家は、侯爵に陞爵された上に加増もされました。
子爵と男爵の従属爵位を拝領しました。
しばらくしてイーサン殿下が病死なされました。
そういう事なのだと思います。
社交界でも、誰一人その話はしませんが、みな知っている事です。
誰だって、子を殺さねばならなかった国王陛下の傷に触れて、家を潰したくはないのです。
私はアシェルと結婚する事になりました。
忸怩たる思いですが、仕方ありません。
国王陛下直々に話があったのです。
アシェルは活躍の褒美に私を陛下に願い出たのです。
陛下にすれば安い褒美です。
父上様も侯爵に陞爵して頂いた直後に、お断りはできなかったのでしょう。
従属爵位を拝領する弟たちの事もあります。
でも私だって、ただでは嫁ぎません。
嫁がねばならない以上、産まれてくる子供のためにも、家は大きく豊かでなければなりません。
私の持参金と台所領は陛下から賜りました。
アシェルの任地について行く気もありません。
私は実家に留まります。
ロバーツ殿下もその方が都合がいいでしょう。
私も兄様の側にいれさえすれば幸せなのです。
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