17 / 29
16話
しおりを挟む
「今日も思いっきり飲み食いしてくれ。
ただし、自分の酒量に応じてだぞ。
明日の集合時間に万全で来れないモノは、狩りにつれていかないし、罰金も徴収するからそのつもりでいろよ」
「「「「「おう!」」」」」
私たちも日に日に冒険者らしくなってきました。
私自身も団長らしくふるまえるようになってきました。
内心は違いますが、少なくとも表面上はふるまえています。
団員一人一人の性格と能力も分かってきました。
それによる役割も決まりました。
こうして飲み食いする時が一番危険です。
スキができやすいです。
私を女としてみているような男性団員を、近づけるわけにはいきません。
今の私は、以前の私とは違うのです。
分家して婿を迎える立場ではなく、団長として団員の生命を護る立場なのです。
問題なのは、私が集めた男性団員は、婿候補だったという事です。
彼らの中では、私は女だったのです。
共に命からがらこの国まで逃げてきたとはいえ、早々気持ちは切り替えられないようで、今でも婿の座に収まろうと考えているる者がいるのです。
だから、基本私の側は元戦闘侍女の女冒険者が占めています。
私の横はアンゲリカの指定席です。
唯一近づけるのは、大盾役のレオナルドくらいでしょう。
「レオナルド!
お前ばっか狡いぞ!
俺も団長と飲みたいんだよ!」
「そうか、だったらもっと行儀よくするんだな。
団長は俺たちの柱石だ。
軽々しく接していい方じゃない。
団長に酒場の女のように接する者がいるから、盾役の俺がここにいなきゃならん。
分かったらさっさと席に戻れ」
「なんだとこの野郎!
ちょっと団長に可愛がられているからって調子に乗るなよ!」
ジューリオが荒れていますね。
みなの成長についていけないのが苦しいのかもしれません。
適材適所で役割分担すればいいことなのですが、虚栄心が強いジューリオには、格下とみなされるパーティーへの配置換えが耐えられないのでしょう。
ですが、みなのレベルについていけない者を同行させると、最悪パーティーの全滅につながることもあります。
それに、格下とはいっても、この国に来てから新たに参加している者たちのパーティーに配置転換するわけではありません。
一緒にこの国に逃げてきた者たちで編成されたセカンドパーティーです。
それすら受け入れられないというのなら、厳正な対処が必要になってしまいます。
ここでジューリオの好き勝手にさせると、団の統制がとれなくなってしまいます。
だからといって中途半端な処分をしてしまうと、我々を裏切ってヘプバーン王国に情報を流す可能性があります。
ヘプバーン王国にも面子がありますから、刺客を送ってくるでしょう。
いっそ、ジューリオを殺してしまいましょうか?
ただし、自分の酒量に応じてだぞ。
明日の集合時間に万全で来れないモノは、狩りにつれていかないし、罰金も徴収するからそのつもりでいろよ」
「「「「「おう!」」」」」
私たちも日に日に冒険者らしくなってきました。
私自身も団長らしくふるまえるようになってきました。
内心は違いますが、少なくとも表面上はふるまえています。
団員一人一人の性格と能力も分かってきました。
それによる役割も決まりました。
こうして飲み食いする時が一番危険です。
スキができやすいです。
私を女としてみているような男性団員を、近づけるわけにはいきません。
今の私は、以前の私とは違うのです。
分家して婿を迎える立場ではなく、団長として団員の生命を護る立場なのです。
問題なのは、私が集めた男性団員は、婿候補だったという事です。
彼らの中では、私は女だったのです。
共に命からがらこの国まで逃げてきたとはいえ、早々気持ちは切り替えられないようで、今でも婿の座に収まろうと考えているる者がいるのです。
だから、基本私の側は元戦闘侍女の女冒険者が占めています。
私の横はアンゲリカの指定席です。
唯一近づけるのは、大盾役のレオナルドくらいでしょう。
「レオナルド!
お前ばっか狡いぞ!
俺も団長と飲みたいんだよ!」
「そうか、だったらもっと行儀よくするんだな。
団長は俺たちの柱石だ。
軽々しく接していい方じゃない。
団長に酒場の女のように接する者がいるから、盾役の俺がここにいなきゃならん。
分かったらさっさと席に戻れ」
「なんだとこの野郎!
ちょっと団長に可愛がられているからって調子に乗るなよ!」
ジューリオが荒れていますね。
みなの成長についていけないのが苦しいのかもしれません。
適材適所で役割分担すればいいことなのですが、虚栄心が強いジューリオには、格下とみなされるパーティーへの配置換えが耐えられないのでしょう。
ですが、みなのレベルについていけない者を同行させると、最悪パーティーの全滅につながることもあります。
それに、格下とはいっても、この国に来てから新たに参加している者たちのパーティーに配置転換するわけではありません。
一緒にこの国に逃げてきた者たちで編成されたセカンドパーティーです。
それすら受け入れられないというのなら、厳正な対処が必要になってしまいます。
ここでジューリオの好き勝手にさせると、団の統制がとれなくなってしまいます。
だからといって中途半端な処分をしてしまうと、我々を裏切ってヘプバーン王国に情報を流す可能性があります。
ヘプバーン王国にも面子がありますから、刺客を送ってくるでしょう。
いっそ、ジューリオを殺してしまいましょうか?
14
お気に入りに追加
1,757
あなたにおすすめの小説
クズな義妹に婚約者を寝取られた悪役令嬢は、ショックのあまり前世の記憶を思い出し、死亡イベントを回避します。
無名 -ムメイ-
恋愛
クズな義妹に婚約者を寝取られ、自殺にまで追い込まれた悪役令嬢に転生したので、迫りくる死亡イベントを回避して、義妹にざまぁしてやります。
7話で完結。
転生令嬢だと打ち明けたら、婚約破棄されました。なので復讐しようと思います。
柚木ゆず
恋愛
前世の記憶と膨大な魔力を持つサーシャ・ミラノは、ある日婚約者である王太子ハルク・ニースに、全てを打ち明ける。
だが――。サーシャを待っていたのは、婚約破棄を始めとした手酷い裏切り。サーシャが持つ力を恐れたハルクは、サーシャから全てを奪って投獄してしまう。
信用していたのに……。
酷い……。
許せない……!。
サーシャの復讐が、今幕を開ける――。
まったく心当たりのない理由で婚約破棄されるのはいいのですが、私は『精霊のいとし子』ですよ……?
空月
恋愛
精霊信仰の盛んなクレセント王国。
その王立学園の一大イベント・舞踏会の場で、アリシアは突然婚約破棄を言い渡された。
まったく心当たりのない理由をつらつらと言い連ねられる中、アリシアはとある理由で激しく動揺するが、そこに現れたのは──。
婚約破棄された悪役令嬢は聖女の力を解放して自由に生きます!
白雪みなと
恋愛
王子に婚約破棄され、没落してしまった元公爵令嬢のリタ・ホーリィ。
その瞬間、自分が乙女ゲームの世界にいて、なおかつ悪役令嬢であることを思い出すリタ。
でも、リタにはゲームにはないはずの聖女の能力を宿しており――?
馬鹿王子にはもう我慢できません! 婚約破棄される前にこちらから婚約破棄を突きつけます
白桃
恋愛
子爵令嬢のメアリーの元に届けられた婚約者の第三王子ポールからの手紙。
そこには毎回毎回勝手に遊び回って自分一人が楽しんでいる報告と、メアリーを馬鹿にするような言葉が書きつられていた。
最初こそ我慢していた聖女のように優しいと誰もが口にする令嬢メアリーだったが、その堪忍袋の緒が遂に切れ、彼女は叫ぶのだった。
『あの馬鹿王子にこちらから婚約破棄を突きつけてさしあげますわ!!!』
【完結】小悪魔笑顔の令嬢は断罪した令息たちの奇妙な行動のわけを知りたい
宇水涼麻
恋愛
ポーリィナは卒業パーティーで断罪され王子との婚約を破棄された。
その翌日、王子と一緒になってポーリィナを断罪していた高位貴族の子息たちがポーリィナに面会を求める手紙が早馬にて届けられた。
あのようなことをして面会を求めてくるとは??
断罪をした者たちと会いたくないけど、面会に来る理由が気になる。だって普通じゃありえない。
ポーリィナは興味に勝てず、彼らと会うことにしてみた。
一万文字程度の短め予定。編集改編手直しのため、連載にしました。
リクエストをいただき、男性視点も入れたので思いの外長くなりました。
毎日更新いたします。
【完結】無能な聖女はいらないと婚約破棄され、追放されたので自由に生きようと思います
黒幸
恋愛
辺境伯令嬢レイチェルは学園の卒業パーティーでイラリオ王子から、婚約破棄を告げられ、国外追放を言い渡されてしまう。
レイチェルは一言も言い返さないまま、パーティー会場から姿を消した。
邪魔者がいなくなったと我が世の春を謳歌するイラリオと新たな婚約者ヒメナ。
しかし、レイチェルが国からいなくなり、不可解な事態が起き始めるのだった。
章を分けるとかえって、ややこしいとの御指摘を受け、章分けを基に戻しました。
どうやら、作者がメダパニ状態だったようです。
表紙イラストはイラストAC様から、お借りしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる