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第一章
第4話:獅子奮迅
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「やれ、予定通りに捕らえるのだ!
集まれ、ここに集まって、何としても聖賢者を捕らえるのだ!」
私の祈りに、皇国軍の隊長が危機感を持ったようです。
大声で命令を下して、私を捕らえようとしています。
しかも自分達だけでなく、王宮に押し入って来た全兵士を動員する勢いです。
それに事前準備をしていたようですから、私が抵抗でいないような道具を持っているかもしれないので、気を付けないといけません。
近づきすぎない事と、脚を止めない事、何より一片の慈悲も与えず、情け容赦なく斬り殺す!
「ウギャアアアアアア」
神々から与えられる力は弱まっても、こんな時のために身体は鍛えてあります。
武芸も魔術も、神々に頼らなければ何もできない訳ではありません。
一陣の風となって兵士の間を駆け抜け、左右の剣で首を斬り裂きます。
喉を斬っても致命傷になりますし、側頸部の血管を斬っても致命傷です。
できるだけ剣に負荷をかけず、自分の体力も魔力も温存して、斬って斬って斬りまくって、私の存在を神々に見ていただく!
「助けてください、王太子殿下!」
雌豚を斬り殺せると思ったのに、あと一歩の所で、王太子に邪魔されました。
女に狂ったとはいえ、一国の跡継ぎとして徹底的に鍛えられています。
腐れ外道の行いである、王位簒奪を企むくらいには自分に自信があるのです。
自分を無視して雌豚に向けられた剣を、横から邪魔するくらいはできます。
それに、私の敵は雌豚と王太子だけではないのです。
「やれ、網だ、網を投げつけるんだ!」
隊長も加わって、私が雌豚に向けた剣を徹底的に邪魔します。
ですが、その光景を見ていた別の隊の隊長が、思わず口を滑らせました。
私を傷つけずに捕らえるために、網を用意していたようです。
しかも王太子と雌豚ごと網で覆う心算のようで、躊躇うことなくこちらに投げてきましたが、投げる前に言葉にしてくれたので、何とか避けることができました。
「うわ、何をする無礼者!」
「きゃあああああ、なんてことするのよ!」
網から逃れた私は、直ぐに雌豚の所に取って返しました。
網は私を完全に拘束するために、金属製のチェーンで補強されているようです。
致命傷を与えられるかどうかわかりませんが、構わずに左右の剣を雌豚に振るいましたが、残念ながら刃を深く届かせる事はできませんでした。
ですが、左右の連撃は確実に顔を捕らえ、血が流れていますし、顔の骨を砕いた手応えもあります。
「ギャアアアアア!」
皇国の令嬢とも思えない凄まじいい絶叫です。
「おのれ、バーン、許さんぞ、絶対に許さんぞ!」
王太子が呪詛のように怨み言を口にしますが、言いたいのは私の方です。
手応えから言えば、このまま叩き殺す事も不可能ではないかな?
集まれ、ここに集まって、何としても聖賢者を捕らえるのだ!」
私の祈りに、皇国軍の隊長が危機感を持ったようです。
大声で命令を下して、私を捕らえようとしています。
しかも自分達だけでなく、王宮に押し入って来た全兵士を動員する勢いです。
それに事前準備をしていたようですから、私が抵抗でいないような道具を持っているかもしれないので、気を付けないといけません。
近づきすぎない事と、脚を止めない事、何より一片の慈悲も与えず、情け容赦なく斬り殺す!
「ウギャアアアアアア」
神々から与えられる力は弱まっても、こんな時のために身体は鍛えてあります。
武芸も魔術も、神々に頼らなければ何もできない訳ではありません。
一陣の風となって兵士の間を駆け抜け、左右の剣で首を斬り裂きます。
喉を斬っても致命傷になりますし、側頸部の血管を斬っても致命傷です。
できるだけ剣に負荷をかけず、自分の体力も魔力も温存して、斬って斬って斬りまくって、私の存在を神々に見ていただく!
「助けてください、王太子殿下!」
雌豚を斬り殺せると思ったのに、あと一歩の所で、王太子に邪魔されました。
女に狂ったとはいえ、一国の跡継ぎとして徹底的に鍛えられています。
腐れ外道の行いである、王位簒奪を企むくらいには自分に自信があるのです。
自分を無視して雌豚に向けられた剣を、横から邪魔するくらいはできます。
それに、私の敵は雌豚と王太子だけではないのです。
「やれ、網だ、網を投げつけるんだ!」
隊長も加わって、私が雌豚に向けた剣を徹底的に邪魔します。
ですが、その光景を見ていた別の隊の隊長が、思わず口を滑らせました。
私を傷つけずに捕らえるために、網を用意していたようです。
しかも王太子と雌豚ごと網で覆う心算のようで、躊躇うことなくこちらに投げてきましたが、投げる前に言葉にしてくれたので、何とか避けることができました。
「うわ、何をする無礼者!」
「きゃあああああ、なんてことするのよ!」
網から逃れた私は、直ぐに雌豚の所に取って返しました。
網は私を完全に拘束するために、金属製のチェーンで補強されているようです。
致命傷を与えられるかどうかわかりませんが、構わずに左右の剣を雌豚に振るいましたが、残念ながら刃を深く届かせる事はできませんでした。
ですが、左右の連撃は確実に顔を捕らえ、血が流れていますし、顔の骨を砕いた手応えもあります。
「ギャアアアアア!」
皇国の令嬢とも思えない凄まじいい絶叫です。
「おのれ、バーン、許さんぞ、絶対に許さんぞ!」
王太子が呪詛のように怨み言を口にしますが、言いたいのは私の方です。
手応えから言えば、このまま叩き殺す事も不可能ではないかな?
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