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第一章
第93話:天下統一へ
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皇紀2223年・王歴227年・初秋・ブルース地方
「全ての神々に願い奉る、神の名を騙る者達に呪いの眠りを与え賜わん」
必要もない呪文を、しかも大嘘の呪文を大声で唱えた。
海岸線と河川が交わる場所に有る、大小の島と中州を利用した、難攻不落の大要塞でもあるアザエル教団の大神殿には、十万もの狂信者が籠城している。
そんな状況で、幾つもの島と中州の中心部にある要塞島までたどり着き、全ての防御施設を制圧して大神官、いや、教祖を殺すのは至難の業だ。
だからこそ、今日までアザエル教団は好き勝手やって来られたのだ。
だが、俺の睡眠魔術を駆使すれば絶対に不可能な事ではない。
「さて、これで最外郭にある島と中州を護る城門は突破できたな。
後は俺が手を貸さなくても大丈夫だろう。
むしろこれ以上手を貸したら、自分達で親の仇を討った気がしないだろう。
俺は約束通り、マンフォード地方の拠点を叩き潰す」
「「「「「はっ、ありがとうございました、頭領」」」」」
カンリフ公爵を筆頭に、嫡男で次期当主のライアン、長弟のクルシー侯爵、次弟のバトラー侯爵、三弟のフリーク侯爵、俺の従弟であるアルロをはじめとした甥達。
その全てが俺に頭領に対する最敬礼をしてくれた。
俺も最敬礼に相応しい答礼をして応える。
俺は警護をしてくれている、近衛の騎士五千騎を率いてマンフォード地方に向かい、アザエル教団の誇るもう一つの大要塞を攻略する。
カンリフ一族の主要な者達とは命を懸けた魔術契約を結んだが、有力な家臣や傍流とは常に魔術を消費する魔術契約は結んでいない。
だからこの好機に謀叛を起こして俺を殺し、同時に魔力契約の発動で主要なカンリフ一族を殺し、自分が権力を奪おうとする者が現れる可能性があった。
だが、俺が手懐けた上位種の魔狼を含む大騎魔狼軍団を見ては、謀叛を起こす気にもならないだろう。
このまま順調に進めば、皇帝は現国王を廃位追放する勅命を出すだろう。
同時に俺を新たに王にする勅命も出す事になっている。
一時は激しい戦乱を巻き起こしても強固な中央集権国家にする決意をした。
だが、本当に不老不死に成れるエリクサーを完成させられる目途がついた。
永遠に生きていられるのなら、多くの命を奪うような急激な変革は不要だ。
できるだけ民が死傷しない方法で、徐々に変えて行けばいい。
俺が国王になり、生まれてくる子供を宰相にする。
俺が不老不死に成ると言う事は、子供達も不老不死にできると言う事だ。
子供達に国の重要な役割を任せれば、宰相家やその家臣が専横する事もない。
政治に飽きたら、子供の中で最も有能な者に王位を譲ればいい。
俺は子供が不老不死の影響で暴走しないか、時々見にくればいいだけだ。
ただ、子孫の中にどうしようもない屑が生まれてしまった場合は、建国者の責任として、自分の手で始末しなければいけないだろうな。
★★★★★★
新作の姉妹小説
「皇女激愛戦記」も読んでいただければ幸いです
https://www.alphapolis.co.jp/novel/672198375/291584679
「全ての神々に願い奉る、神の名を騙る者達に呪いの眠りを与え賜わん」
必要もない呪文を、しかも大嘘の呪文を大声で唱えた。
海岸線と河川が交わる場所に有る、大小の島と中州を利用した、難攻不落の大要塞でもあるアザエル教団の大神殿には、十万もの狂信者が籠城している。
そんな状況で、幾つもの島と中州の中心部にある要塞島までたどり着き、全ての防御施設を制圧して大神官、いや、教祖を殺すのは至難の業だ。
だからこそ、今日までアザエル教団は好き勝手やって来られたのだ。
だが、俺の睡眠魔術を駆使すれば絶対に不可能な事ではない。
「さて、これで最外郭にある島と中州を護る城門は突破できたな。
後は俺が手を貸さなくても大丈夫だろう。
むしろこれ以上手を貸したら、自分達で親の仇を討った気がしないだろう。
俺は約束通り、マンフォード地方の拠点を叩き潰す」
「「「「「はっ、ありがとうございました、頭領」」」」」
カンリフ公爵を筆頭に、嫡男で次期当主のライアン、長弟のクルシー侯爵、次弟のバトラー侯爵、三弟のフリーク侯爵、俺の従弟であるアルロをはじめとした甥達。
その全てが俺に頭領に対する最敬礼をしてくれた。
俺も最敬礼に相応しい答礼をして応える。
俺は警護をしてくれている、近衛の騎士五千騎を率いてマンフォード地方に向かい、アザエル教団の誇るもう一つの大要塞を攻略する。
カンリフ一族の主要な者達とは命を懸けた魔術契約を結んだが、有力な家臣や傍流とは常に魔術を消費する魔術契約は結んでいない。
だからこの好機に謀叛を起こして俺を殺し、同時に魔力契約の発動で主要なカンリフ一族を殺し、自分が権力を奪おうとする者が現れる可能性があった。
だが、俺が手懐けた上位種の魔狼を含む大騎魔狼軍団を見ては、謀叛を起こす気にもならないだろう。
このまま順調に進めば、皇帝は現国王を廃位追放する勅命を出すだろう。
同時に俺を新たに王にする勅命も出す事になっている。
一時は激しい戦乱を巻き起こしても強固な中央集権国家にする決意をした。
だが、本当に不老不死に成れるエリクサーを完成させられる目途がついた。
永遠に生きていられるのなら、多くの命を奪うような急激な変革は不要だ。
できるだけ民が死傷しない方法で、徐々に変えて行けばいい。
俺が国王になり、生まれてくる子供を宰相にする。
俺が不老不死に成ると言う事は、子供達も不老不死にできると言う事だ。
子供達に国の重要な役割を任せれば、宰相家やその家臣が専横する事もない。
政治に飽きたら、子供の中で最も有能な者に王位を譲ればいい。
俺は子供が不老不死の影響で暴走しないか、時々見にくればいいだけだ。
ただ、子孫の中にどうしようもない屑が生まれてしまった場合は、建国者の責任として、自分の手で始末しなければいけないだろうな。
★★★★★★
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