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第一章
第74話:ベリアル教団大神殿炎上
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皇紀2223年・王歴227年・早春・ベリアル教団大神殿
俺は自由都市でやらなければいけない処置に二日かけた。
本来拙速であろうと軍事行動は敵が防備を固める前に動かなければいけない。
それなのに、本来なら配下に任せてもいい処置に時間をかけたのには理由がある。
実権など全く与えられてはいないが、皇帝陛下の弟君がお飾りの名誉教団長として、ベリアル教団の大神殿で暮らしているのだ。
これも皇家が衰微の極致で、弟君を大公に封じられなかったからだ。
教団に入れば最低限の衣食住が保証されるだけでなく、名誉教主や名誉教団長としてある程度の贅沢も許されるので、皇家の方々も教団入りするしかない。
女性皇族は、神官の慰み者にされるという悪い噂があるが、男性皇族ならそんな心配もいらないだろう。
いや、男色趣味の神官に襲われているかもしれない。
まあ、その点は、それほど心配しなくても大丈夫だろう。
厳格に女色を禁じている正当な教団ならそんな恐れもあるが、ベリアル教団は平気で大神殿に女を引き入れ子供まで作っている。
そんな状態で、何かあったら大問題になる皇族に手を出したりはしないはずだ。
それどころか、本来なら不犯でなければいけない神殿入りした弟君に、女を斡旋して子までもうけさせている可能性がある。
後々その子を奉じて皇位を奪おうとする恐れさえある。
「神の教えに逆らい、民に法外な利息で金を貸し、返せない民から土地ばかりか妻子まで奪い、奪った妻子に売春をさせていた罪は許し難い。
どれほど言い逃れしようとも、お前達背教徒に無理矢理売春をさせられていた、妻子を数多く助け出して保護している。
今日お前達に神罰を与える軍の中にも、その妻子が数多くいる。
もうどのような言い逃れも通用せぬと思え」
「「「「「ウォオオオオオ」」」」」
配下の嬢子軍と老若軍が、今まで受けた虐待を晴らす機会がようやく来たと歓喜の雄叫びをあげている。
俺も憤怒の気持ちを全く隠すことなく、魔力を伴う強烈な威圧を放った。
まだ大神殿に残っていた神官の全員が腰を抜かし失禁脱糞した。
神の教えに従い厳しい修行をしているはずの神官とは思えない情けない姿だ。
「大神殿だけでなく、小神殿も周囲の家屋も焼き払え」
「「「「「ウォオオオオオ」」」」」
本当ならまだ使える物は少しでも再利用すべきなのだが、ベリアル教団の背教徒共の心を折るためには、一度完全に焼き払わなければいけない。
皇帝陛下の弟君だけでなく、教団幹部が全員逃げ延びているから、何時再建に動くか分からない以上、絶対に心を折っておかなければならない。
俺が横領して本拠地にするなら、焼かずに再利用した方が、使う金も労働力も少なくて済むのだが、これはしかたのない所だ。
さて、アザエル教団の四地方連合聖堂騎士団を壊滅させて、四つの地方を新たに領地に加えた事と、ベリアル教団大神殿を焼いて俺の本拠地にした事はどう影響する。
国中の宗教勢力が危機感を持ち、連合して俺を襲うのだろうか。
それとも、国中の王国貴族が地方の宗教勢力を責めて領地を横領するのか。
国中の宗教勢力と王国貴族が俺を罵り連合して攻撃してくるのか。
なにより気になるのが、カンリフ公爵の決断だ。
俺は自由都市でやらなければいけない処置に二日かけた。
本来拙速であろうと軍事行動は敵が防備を固める前に動かなければいけない。
それなのに、本来なら配下に任せてもいい処置に時間をかけたのには理由がある。
実権など全く与えられてはいないが、皇帝陛下の弟君がお飾りの名誉教団長として、ベリアル教団の大神殿で暮らしているのだ。
これも皇家が衰微の極致で、弟君を大公に封じられなかったからだ。
教団に入れば最低限の衣食住が保証されるだけでなく、名誉教主や名誉教団長としてある程度の贅沢も許されるので、皇家の方々も教団入りするしかない。
女性皇族は、神官の慰み者にされるという悪い噂があるが、男性皇族ならそんな心配もいらないだろう。
いや、男色趣味の神官に襲われているかもしれない。
まあ、その点は、それほど心配しなくても大丈夫だろう。
厳格に女色を禁じている正当な教団ならそんな恐れもあるが、ベリアル教団は平気で大神殿に女を引き入れ子供まで作っている。
そんな状態で、何かあったら大問題になる皇族に手を出したりはしないはずだ。
それどころか、本来なら不犯でなければいけない神殿入りした弟君に、女を斡旋して子までもうけさせている可能性がある。
後々その子を奉じて皇位を奪おうとする恐れさえある。
「神の教えに逆らい、民に法外な利息で金を貸し、返せない民から土地ばかりか妻子まで奪い、奪った妻子に売春をさせていた罪は許し難い。
どれほど言い逃れしようとも、お前達背教徒に無理矢理売春をさせられていた、妻子を数多く助け出して保護している。
今日お前達に神罰を与える軍の中にも、その妻子が数多くいる。
もうどのような言い逃れも通用せぬと思え」
「「「「「ウォオオオオオ」」」」」
配下の嬢子軍と老若軍が、今まで受けた虐待を晴らす機会がようやく来たと歓喜の雄叫びをあげている。
俺も憤怒の気持ちを全く隠すことなく、魔力を伴う強烈な威圧を放った。
まだ大神殿に残っていた神官の全員が腰を抜かし失禁脱糞した。
神の教えに従い厳しい修行をしているはずの神官とは思えない情けない姿だ。
「大神殿だけでなく、小神殿も周囲の家屋も焼き払え」
「「「「「ウォオオオオオ」」」」」
本当ならまだ使える物は少しでも再利用すべきなのだが、ベリアル教団の背教徒共の心を折るためには、一度完全に焼き払わなければいけない。
皇帝陛下の弟君だけでなく、教団幹部が全員逃げ延びているから、何時再建に動くか分からない以上、絶対に心を折っておかなければならない。
俺が横領して本拠地にするなら、焼かずに再利用した方が、使う金も労働力も少なくて済むのだが、これはしかたのない所だ。
さて、アザエル教団の四地方連合聖堂騎士団を壊滅させて、四つの地方を新たに領地に加えた事と、ベリアル教団大神殿を焼いて俺の本拠地にした事はどう影響する。
国中の宗教勢力が危機感を持ち、連合して俺を襲うのだろうか。
それとも、国中の王国貴族が地方の宗教勢力を責めて領地を横領するのか。
国中の宗教勢力と王国貴族が俺を罵り連合して攻撃してくるのか。
なにより気になるのが、カンリフ公爵の決断だ。
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