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第一章
第51話:勅命
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皇紀2221年・王歴225年・晩春・フェアファクス地方の某城
「いいか、よく聞け、御前達。
畏れ多くも我が家は皇帝陛下から勅命を賜った。
それも代々の国王や宰相が勅命を受けたのにもかかわらず、できなかった事だ。
当代の国王や宰相はもちろん、王国軍総指揮官の名誉公爵殿すらできないでいる、とても困難な役目を仰せつかったのだ。
命を惜しむことなく勅命を果たせ」
「「「「「おう」」」」」
などと表向きはとても厳しい事を言っているが、実際には楽勝だと思う。
俺の圧倒的な魔力と絶大な破壊力を誇る創造魔術に勝てる人間などいない。
普通の攻撃なら耐えられる堅固な山城も、俺の魔術を防ぐことなどできない。
俺は今まで敵対した相手をこの手で殺した事がない。
だが今回は、俺の敵と言うよりも皇国の敵なのだ。
一切の容赦をしないとフェアファクス地方の全騎士家に通達してある。
結局、俺と俺の軍が困った事といえば、険しい地形と道なき道だけだった。
常に盟主に逆らってきたフェアファクス地方の騎士達は、盟主軍を領内で迎え討つことを大前提に、道を整備しないようにしてきた。
だから、三万二千の軍勢は縦一列になって山道を進軍しなければいけない。
兵糧や武器を運ぶにも、馬車や荷車が使えないのだ。
俺が一輪車を開発配備してなければ、全部背負って運ばなければいけなかった。
俺が騎士程度の魔力と魔術に後れを取る可能性は殆どない。
だが絶対にないと断言する事もできないのが、この世界の怖い所だ。
俺と同じような転生者がいないとは断言できないし突然変異がいるかもしれない。
特に怖いのが、血統など関係なく魔力を高める結婚をする影衆だ。
フェアファクス地方の騎士達に仕える影衆の中に、俺を超える魔力持ちがいないとは断言できないのだ。
だから厳重な警戒をして進軍をする事にした。
俺は三万二千の軍勢の中央に位置して、数多くの影武者を置いた。
影武者を使うだけでなく、イシュタム影衆を近衛の護りに使ったが、最も身近にいて俺を護ってくれるのは、百頭以上に増えた魔狼達だろう。
山道の左右にある山や森には、索敵兵を派遣して敵を寄せ付けないようにした。
金で雇ったダエーワの影衆をその外側に配置して、万全を期した。
俺達は侵攻路に沿った城砦を次々と落としていった。
皇家の勅命による逆賊討伐に逆らうのなら、異国に食用奴隷として売り払うと脅したら、抵抗する事なく降伏した。
海を渡った大陸の国では、人間を食べる習慣があった。
大陸の皇帝料理人は、忠誠の証に自分の子供を蒸し焼きにして食卓に供する。
そうこの国では信じられているのだから、恐怖に打ち震えるのは当然だった。
「騎士シェフィールド、長年に渡って皇家の御領地を押領した罪軽からず。
今まで御領地の税を押領した償いとして、一族郎党全てを終身刑として魔力を絞りとる、覚悟しろ」
騎士シェフィールドとその家族はもちろん、一族郎党を睡眠魔術で捕らえた俺は、彼らに一生をかけて皇家に償わせることにした。
俺が創造した魔術の中には、魔力持ちの魔力を根こそぎ奪うという術式がある。
その魔術陣を組み込んだ牢屋にシェフィールド騎士家の連中を閉じ込めて、死ぬまで魔力を絞りとり、その売価の半分を皇帝陛下に献上するのだ。
残る半分は、俺の手間賃として利用させてもらう。
「シェフィールド騎士家は討伐し、皇家の御領地を回復する事ができた。
だがそれだけでは正義を成し遂げた事にはならない。
シェフィールド騎士家と手を組み、皇家の御領地を押領した、騎士家の風上にも置けない薄汚い連中がいるのだ。
ケンジントン騎士家とマクドナルド騎士家を攻め滅ぼさない限り、故郷には戻れないと思え、いいか」
「「「「「おう」」」」」
さて、皇帝陛下の勅命を受けられた事で、俺の領地に対する単なる軍事侵攻の報復ではなく、正義の軍としてのフェアファクス地方占領が可能になった。
長期戦の準備は十分整えてあるから、連戦になっても大丈夫だ。
フェアファクス地方の騎士達を討伐するだけではない。
馬鹿王とカンリフ公爵が文句を言ってくるのなら、いい機会だ。
この国の支配権をかけて天下分け目の戦いをしてやろうじゃないか。
「いいか、よく聞け、御前達。
畏れ多くも我が家は皇帝陛下から勅命を賜った。
それも代々の国王や宰相が勅命を受けたのにもかかわらず、できなかった事だ。
当代の国王や宰相はもちろん、王国軍総指揮官の名誉公爵殿すらできないでいる、とても困難な役目を仰せつかったのだ。
命を惜しむことなく勅命を果たせ」
「「「「「おう」」」」」
などと表向きはとても厳しい事を言っているが、実際には楽勝だと思う。
俺の圧倒的な魔力と絶大な破壊力を誇る創造魔術に勝てる人間などいない。
普通の攻撃なら耐えられる堅固な山城も、俺の魔術を防ぐことなどできない。
俺は今まで敵対した相手をこの手で殺した事がない。
だが今回は、俺の敵と言うよりも皇国の敵なのだ。
一切の容赦をしないとフェアファクス地方の全騎士家に通達してある。
結局、俺と俺の軍が困った事といえば、険しい地形と道なき道だけだった。
常に盟主に逆らってきたフェアファクス地方の騎士達は、盟主軍を領内で迎え討つことを大前提に、道を整備しないようにしてきた。
だから、三万二千の軍勢は縦一列になって山道を進軍しなければいけない。
兵糧や武器を運ぶにも、馬車や荷車が使えないのだ。
俺が一輪車を開発配備してなければ、全部背負って運ばなければいけなかった。
俺が騎士程度の魔力と魔術に後れを取る可能性は殆どない。
だが絶対にないと断言する事もできないのが、この世界の怖い所だ。
俺と同じような転生者がいないとは断言できないし突然変異がいるかもしれない。
特に怖いのが、血統など関係なく魔力を高める結婚をする影衆だ。
フェアファクス地方の騎士達に仕える影衆の中に、俺を超える魔力持ちがいないとは断言できないのだ。
だから厳重な警戒をして進軍をする事にした。
俺は三万二千の軍勢の中央に位置して、数多くの影武者を置いた。
影武者を使うだけでなく、イシュタム影衆を近衛の護りに使ったが、最も身近にいて俺を護ってくれるのは、百頭以上に増えた魔狼達だろう。
山道の左右にある山や森には、索敵兵を派遣して敵を寄せ付けないようにした。
金で雇ったダエーワの影衆をその外側に配置して、万全を期した。
俺達は侵攻路に沿った城砦を次々と落としていった。
皇家の勅命による逆賊討伐に逆らうのなら、異国に食用奴隷として売り払うと脅したら、抵抗する事なく降伏した。
海を渡った大陸の国では、人間を食べる習慣があった。
大陸の皇帝料理人は、忠誠の証に自分の子供を蒸し焼きにして食卓に供する。
そうこの国では信じられているのだから、恐怖に打ち震えるのは当然だった。
「騎士シェフィールド、長年に渡って皇家の御領地を押領した罪軽からず。
今まで御領地の税を押領した償いとして、一族郎党全てを終身刑として魔力を絞りとる、覚悟しろ」
騎士シェフィールドとその家族はもちろん、一族郎党を睡眠魔術で捕らえた俺は、彼らに一生をかけて皇家に償わせることにした。
俺が創造した魔術の中には、魔力持ちの魔力を根こそぎ奪うという術式がある。
その魔術陣を組み込んだ牢屋にシェフィールド騎士家の連中を閉じ込めて、死ぬまで魔力を絞りとり、その売価の半分を皇帝陛下に献上するのだ。
残る半分は、俺の手間賃として利用させてもらう。
「シェフィールド騎士家は討伐し、皇家の御領地を回復する事ができた。
だがそれだけでは正義を成し遂げた事にはならない。
シェフィールド騎士家と手を組み、皇家の御領地を押領した、騎士家の風上にも置けない薄汚い連中がいるのだ。
ケンジントン騎士家とマクドナルド騎士家を攻め滅ぼさない限り、故郷には戻れないと思え、いいか」
「「「「「おう」」」」」
さて、皇帝陛下の勅命を受けられた事で、俺の領地に対する単なる軍事侵攻の報復ではなく、正義の軍としてのフェアファクス地方占領が可能になった。
長期戦の準備は十分整えてあるから、連戦になっても大丈夫だ。
フェアファクス地方の騎士達を討伐するだけではない。
馬鹿王とカンリフ公爵が文句を言ってくるのなら、いい機会だ。
この国の支配権をかけて天下分け目の戦いをしてやろうじゃないか。
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