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第一章
第27話:青炎魔狼
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皇紀2217年・王歴221年・冬・ロスリン城
「よし、よし、よし、身体を洗ってやるからじっとしているのだぞ」
くぅうううううん、くぅうううううん、くぅうううううん。
全長二メートルを超える巨大な身体をしながら、身体を洗うのが怖いと訴えかけてくるのが青炎魔狼がとても可愛くて、心臓を鷲掴みにされてしまう。
敵影衆の襲撃を防ぐために、急いで魔境に行って魅了してきた魔狼だ。
神山や霊山にいるというフェンリル狼や竜を魅了して従魔にしたかったのだが、今から直ぐに行ける魔境は、エレンバラ領の奥にそびえる山の中だけだった。
場所も時間も限られていたので、青炎魔狼の群れで妥協したのだ。
「本当に大丈夫なのですか、ハリー殿。
襲ってきたりはしないのですよね、ハリー殿」
母上が顔を引きつらせながら聞いてくる。
こんなに可愛いのに、母上は大和達が怖くて仕方がないようだ。
今回俺が魅了した青炎魔狼の群れは十二頭だった。
大和が雄のリーダーで、武蔵が雌のリーダーをしている。
雄と雌で順位があるのだが、繁殖ができるのは雌雄のリーダーに限られている。
強力な大和達を手に入れられたから、ロスリン城を居城にする決断ができた。
「大丈夫ですよ、母上、完全に魅了魔術で支配下に置いていますから。
お腹を見せろ、大和、武蔵」
くぅうううううん、くぅうううううん、くぅうううううん。
俺の言葉に従って大和と武蔵が動物最大の弱点である腹を見せた。
下位順位の青炎魔狼達も、大和と武蔵に見習ってお腹を見せている。
この姿勢は完全服従を証明する姿なので、母上が唖然とされている。
魔獣の中でもとても強力な青炎魔狼が、十二頭も俺に完全服従しているのだから、当然と言えば当然かもしれない。
「まあ、まあ、まあ、こんな事までできるなんて、ハリー殿は素晴らしいわ。
やはり皇国子爵程度から嫁を迎える訳にはいきませんわね。
あ、そうでした、皇太子殿下が即位されたら名誉皇国伯爵に成られるのでしたね。
最低でも皇国伯爵家から嫁を迎えるか、婿入り先を探さなければいけませんね。
皇太子殿下と皇国を支えているのはハリー殿ですものね」
これは困ったな、母上が舞い上がってしまわれている。
まあ、でも、これはしかたがないかもしれないな。
一粒種の息子が、皇帝陛下の葬儀から即位式迄の全ての費用を献金したのだ。
皇国子爵家出身の母からすれば、信じられないくらいの忠義な働きなのだろう。
まして今回の戦いで、元々領民八千人の男爵家が、領民二万人の本家と、五家合計で三万人の分家を叩き潰して統合したのだから。
「母上、母上に何かあってはいけませんので、青炎魔狼に護衛をさせたいのです。
爺様や大叔父にも護衛の青炎魔狼をつけたいのです。
正面からの戦いなら絶対に負けないのですが、影衆を使った暗殺を仕掛けられると、私は撃退できますが、母上や爺様では撃退できません。
あの国王なら、私を苦しめるために、爺様と母上を狙わせるかもしれません」
「まあ、確かにあの国王ならそれくらいの事はやりかねませんね。
分かりました、少々怖いですが、青炎魔狼を側に置くことにします」
「ありがとうございます、母上。
この者達が影衆の侵入に気が付いたら、私に伝わるようになっています。
伝わったら直ぐに駆けつけますので、御安心ください」
この世界の魔術は、俺には理解不能な制限が数多くある。
空間魔術の一種だと思える亜空間創造や魔法袋があるのに、転移魔術がない。
それどころか、飛行魔術すらないのだから、笑ってしまう。
アニメで試していた、空中に足場を作って、それを蹴って空中を走るという技も使えなかったのだが、身長よりも低い場所の空気なら固める事ができるのだ。
誰かが恣意的に空を飛ばせないようにしているとしか思えない。
「ありがとうございます、ハリー殿。
これで私も安心してこの城に住むことができます。
侍女達の中には、エレンバラ城に戻った方がいいという者がいたのです」
ほう、なかなか見る眼のある侍女がいるのだな。
エクセター侯爵を敵に回した事で、影衆の事を思いついたのだろう。
「そうですね、この子達がいなければ、エレンバラ城に戻って頂いていました。
ですがもう大丈夫です、この城でお寛ぎください。
バルコニーからは、美しいプランケット湖を眺めることができます。
そうだ、一緒に眺めませんか、母上に聞きたい事があったのです」
「まあ、なんでしょうか、私にハリー殿にお教えするような事がありましたか」
「よし、よし、よし、身体を洗ってやるからじっとしているのだぞ」
くぅうううううん、くぅうううううん、くぅうううううん。
全長二メートルを超える巨大な身体をしながら、身体を洗うのが怖いと訴えかけてくるのが青炎魔狼がとても可愛くて、心臓を鷲掴みにされてしまう。
敵影衆の襲撃を防ぐために、急いで魔境に行って魅了してきた魔狼だ。
神山や霊山にいるというフェンリル狼や竜を魅了して従魔にしたかったのだが、今から直ぐに行ける魔境は、エレンバラ領の奥にそびえる山の中だけだった。
場所も時間も限られていたので、青炎魔狼の群れで妥協したのだ。
「本当に大丈夫なのですか、ハリー殿。
襲ってきたりはしないのですよね、ハリー殿」
母上が顔を引きつらせながら聞いてくる。
こんなに可愛いのに、母上は大和達が怖くて仕方がないようだ。
今回俺が魅了した青炎魔狼の群れは十二頭だった。
大和が雄のリーダーで、武蔵が雌のリーダーをしている。
雄と雌で順位があるのだが、繁殖ができるのは雌雄のリーダーに限られている。
強力な大和達を手に入れられたから、ロスリン城を居城にする決断ができた。
「大丈夫ですよ、母上、完全に魅了魔術で支配下に置いていますから。
お腹を見せろ、大和、武蔵」
くぅうううううん、くぅうううううん、くぅうううううん。
俺の言葉に従って大和と武蔵が動物最大の弱点である腹を見せた。
下位順位の青炎魔狼達も、大和と武蔵に見習ってお腹を見せている。
この姿勢は完全服従を証明する姿なので、母上が唖然とされている。
魔獣の中でもとても強力な青炎魔狼が、十二頭も俺に完全服従しているのだから、当然と言えば当然かもしれない。
「まあ、まあ、まあ、こんな事までできるなんて、ハリー殿は素晴らしいわ。
やはり皇国子爵程度から嫁を迎える訳にはいきませんわね。
あ、そうでした、皇太子殿下が即位されたら名誉皇国伯爵に成られるのでしたね。
最低でも皇国伯爵家から嫁を迎えるか、婿入り先を探さなければいけませんね。
皇太子殿下と皇国を支えているのはハリー殿ですものね」
これは困ったな、母上が舞い上がってしまわれている。
まあ、でも、これはしかたがないかもしれないな。
一粒種の息子が、皇帝陛下の葬儀から即位式迄の全ての費用を献金したのだ。
皇国子爵家出身の母からすれば、信じられないくらいの忠義な働きなのだろう。
まして今回の戦いで、元々領民八千人の男爵家が、領民二万人の本家と、五家合計で三万人の分家を叩き潰して統合したのだから。
「母上、母上に何かあってはいけませんので、青炎魔狼に護衛をさせたいのです。
爺様や大叔父にも護衛の青炎魔狼をつけたいのです。
正面からの戦いなら絶対に負けないのですが、影衆を使った暗殺を仕掛けられると、私は撃退できますが、母上や爺様では撃退できません。
あの国王なら、私を苦しめるために、爺様と母上を狙わせるかもしれません」
「まあ、確かにあの国王ならそれくらいの事はやりかねませんね。
分かりました、少々怖いですが、青炎魔狼を側に置くことにします」
「ありがとうございます、母上。
この者達が影衆の侵入に気が付いたら、私に伝わるようになっています。
伝わったら直ぐに駆けつけますので、御安心ください」
この世界の魔術は、俺には理解不能な制限が数多くある。
空間魔術の一種だと思える亜空間創造や魔法袋があるのに、転移魔術がない。
それどころか、飛行魔術すらないのだから、笑ってしまう。
アニメで試していた、空中に足場を作って、それを蹴って空中を走るという技も使えなかったのだが、身長よりも低い場所の空気なら固める事ができるのだ。
誰かが恣意的に空を飛ばせないようにしているとしか思えない。
「ありがとうございます、ハリー殿。
これで私も安心してこの城に住むことができます。
侍女達の中には、エレンバラ城に戻った方がいいという者がいたのです」
ほう、なかなか見る眼のある侍女がいるのだな。
エクセター侯爵を敵に回した事で、影衆の事を思いついたのだろう。
「そうですね、この子達がいなければ、エレンバラ城に戻って頂いていました。
ですがもう大丈夫です、この城でお寛ぎください。
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