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第一章
第91話:勝利・オードリー視点
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運がよかったのか悪かったのか判断に苦しみます。
魔界から守護石達が戻ってから一年後に人族の神々の住処が分かりました。
私も母上も四人目の子供を産んだ後です。
母娘で乳飲み子二人を含めた子供八人の面倒を見ることになります。
自分達そっくりの守護石乳母がいなければとても不可能な事です。
こんな状態で神々との戦争に備えるなんて現実的に無理です。
だから神々との戦いは父上とグレアム、いえ、アラステアに丸投げになります。
無責任以外の何物でもありません。
だから、神々の住処に攻め込んだのも、多くの神々を捕虜にしたのも、事後にアラステアから報告を受けて知りました。
「神々を滅ぼすのは反対です。
そんな事をしたら多くの世界の神々を敵に回してしまいます。
多くの神々に敵視されるわけにはいきません。
移民した人々が皆殺しにされるかもしれないのですよ」
「オードリーの言う通りですよ、ルーパス。
私達は神々を超える力を得たかもしれません。
ですが実際には守護石の力です。
人族が神々に匹敵する力を得たわけではありません。
神々を滅ぼさない方が人族のためですよ」
「オードリーとミネルバの話は分かる。
だが神々を野放しにしておいては何をしでかすか分からないぞ」
父上の心配ももっともな事です。
一度は護るべき人族を見殺しにしようとし、今度は直接自分達の手で人族を滅ぼそうとした神々です。
野放しにはできないですが、滅ぼす事も危険です。
「では幽閉して魔力を集めるための道具にしましょう」
アラステアがとんでもない事を言いだしました。
「腐っても神々ですし、とんでもなく魔力が豊富な住処です。
まずはこの二つを引き離すのです。
神々を魔力回収魔法陣を刻み込んだ魔力のない世界に閉じ込めます。
結界魔術で絶対に逃げだせないようにして、神々自身が生み出す魔力を全部魔力回収魔法陣で集めて人族にモノにします。
神々の住処は私達の住処にします。
豊富に生み出される魔力は守護石に集めておけばいいのです」
「ふむ、確かにその方法なら他の世界の神々に敵視されにくいだろう。
神々が生み出す魔力を全部奪うことができるのなら、再び襲ってくる可能性も防げるから安心だ。
問題はそれだけの結界を維持できるかだが、アラステアが提案してくるのなら、十分な魔力があるのだろうな」
「はい、任せてください」
父上がアラステアの献策を受け入れてくれました。
これでひと安心です。
多くの世界の神々に敵視されてしまったら、私や母上の子供達が殺されてしまうかもしれませんでした。
もう戦争も争いも真っ平です。
子供達は平和な世界で育ててあげたいです。
私やグレアムと離れ離れになるような生活は絶対に嫌なのです。
家族一緒に暮らせるようにする、これが私の願いです。
その為に神にならなければいけないのなら、私は神になってみせます。
魔界から守護石達が戻ってから一年後に人族の神々の住処が分かりました。
私も母上も四人目の子供を産んだ後です。
母娘で乳飲み子二人を含めた子供八人の面倒を見ることになります。
自分達そっくりの守護石乳母がいなければとても不可能な事です。
こんな状態で神々との戦争に備えるなんて現実的に無理です。
だから神々との戦いは父上とグレアム、いえ、アラステアに丸投げになります。
無責任以外の何物でもありません。
だから、神々の住処に攻め込んだのも、多くの神々を捕虜にしたのも、事後にアラステアから報告を受けて知りました。
「神々を滅ぼすのは反対です。
そんな事をしたら多くの世界の神々を敵に回してしまいます。
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私達は神々を超える力を得たかもしれません。
ですが実際には守護石の力です。
人族が神々に匹敵する力を得たわけではありません。
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「オードリーとミネルバの話は分かる。
だが神々を野放しにしておいては何をしでかすか分からないぞ」
父上の心配ももっともな事です。
一度は護るべき人族を見殺しにしようとし、今度は直接自分達の手で人族を滅ぼそうとした神々です。
野放しにはできないですが、滅ぼす事も危険です。
「では幽閉して魔力を集めるための道具にしましょう」
アラステアがとんでもない事を言いだしました。
「腐っても神々ですし、とんでもなく魔力が豊富な住処です。
まずはこの二つを引き離すのです。
神々を魔力回収魔法陣を刻み込んだ魔力のない世界に閉じ込めます。
結界魔術で絶対に逃げだせないようにして、神々自身が生み出す魔力を全部魔力回収魔法陣で集めて人族にモノにします。
神々の住処は私達の住処にします。
豊富に生み出される魔力は守護石に集めておけばいいのです」
「ふむ、確かにその方法なら他の世界の神々に敵視されにくいだろう。
神々が生み出す魔力を全部奪うことができるのなら、再び襲ってくる可能性も防げるから安心だ。
問題はそれだけの結界を維持できるかだが、アラステアが提案してくるのなら、十分な魔力があるのだろうな」
「はい、任せてください」
父上がアラステアの献策を受け入れてくれました。
これでひと安心です。
多くの世界の神々に敵視されてしまったら、私や母上の子供達が殺されてしまうかもしれませんでした。
もう戦争も争いも真っ平です。
子供達は平和な世界で育ててあげたいです。
私やグレアムと離れ離れになるような生活は絶対に嫌なのです。
家族一緒に暮らせるようにする、これが私の願いです。
その為に神にならなければいけないのなら、私は神になってみせます。
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