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第一章
第87話:反撃・オードリー視点
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いよいよ反撃が開始されます。
父上とグレアムの姿をした守護石達が転移魔法陣の位置に整列します。
普通は魔力を使って魔法陣を創り出して転移門を開くのですが、守護石達は自分達自身が魔力の塊でもあるので、自分達が整列する事で転移門となれるのです。
多分同じ事は魔族でもできると思うのですが、命ある魔族がそのような事をしたらどうなるのか、誰も実験した事がありません。
「いよいよだな」
父上がつぶやかれました。
アラステアの言葉に一度は失われた緊張感でしたが、過去の事とはいえ魔族と神々と守護石の命がかかっているのです。
自然と緊張してしまいます。
思わず隣にいるグレアムの手を握ってしまいました。
グレアムが何も言わずに優しく握り返してくれます。
子供達は私や母上の姿をとった守護石達が世話をしてくれているので、まったく心配しなくても大丈夫なのです。
「転移門が繋がったぞ」
父上の言葉通り、守護石達が見事に転移門を神々の世界に繋げました。
激烈な抵抗があったでしょうに、誰一人欠けることなく生きています。
守護石達の事を生きていると言うと笑う人がいるかもしれませんが、アラステアに救われた私には守護石は生きた存在なのです。
人族や魔族よりずっと大切な存在なのです。
「激烈な反撃だな」
父上の申される通り、神々は転移門からこちらに攻撃魔術を放って来ています。
ですが全部無駄な攻撃になっています。
守護石も魔族も神々から攻撃を受ける事は予測していました。
だから射線から離れた位置にいます。
神々から放たれた攻撃魔術の魔力を回収して自らの力とするだけです。
「大魔王も転移門を繋げたぞ」
神々が守護石達のつなげた転移門に気をとられている間に、大魔王率いる魔族軍団も神々の世界に転移門を繋げました。
大魔王は父上の技を盗んで守護石を創り出せるようになっています。
その守護石に我々が支援した魔力を与えて、戦闘用に変化させているのです。
その大魔王の守護石達が、同じように自ら魔法陣を築く布陣をしたのです。
「大魔王が創り出した守護石の数は我々よりもはるかに少ない。
その少ない守護石をどう効率よく使うかがこの戦いの勝敗を左右するのか」
父上はどうしても先の事が気になるようです。
アラステアに先の事を聞いてしまわれます。
「確かに普通なら影響があるでしょう。
ですがこの戦いに関して言えば些細な事です。
ルーパスやオードリーが創り出した守護石が莫大な数いるのです。
勝敗を左右するのは時の流れの差です」
よかった、本当によかった。
アラステアが我々が勝った事を教えてくれました。
これで安心して続きが見られます。
父上とグレアムの姿をした守護石達が転移魔法陣の位置に整列します。
普通は魔力を使って魔法陣を創り出して転移門を開くのですが、守護石達は自分達自身が魔力の塊でもあるので、自分達が整列する事で転移門となれるのです。
多分同じ事は魔族でもできると思うのですが、命ある魔族がそのような事をしたらどうなるのか、誰も実験した事がありません。
「いよいよだな」
父上がつぶやかれました。
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自然と緊張してしまいます。
思わず隣にいるグレアムの手を握ってしまいました。
グレアムが何も言わずに優しく握り返してくれます。
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「転移門が繋がったぞ」
父上の言葉通り、守護石達が見事に転移門を神々の世界に繋げました。
激烈な抵抗があったでしょうに、誰一人欠けることなく生きています。
守護石達の事を生きていると言うと笑う人がいるかもしれませんが、アラステアに救われた私には守護石は生きた存在なのです。
人族や魔族よりずっと大切な存在なのです。
「激烈な反撃だな」
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ですが全部無駄な攻撃になっています。
守護石も魔族も神々から攻撃を受ける事は予測していました。
だから射線から離れた位置にいます。
神々から放たれた攻撃魔術の魔力を回収して自らの力とするだけです。
「大魔王も転移門を繋げたぞ」
神々が守護石達のつなげた転移門に気をとられている間に、大魔王率いる魔族軍団も神々の世界に転移門を繋げました。
大魔王は父上の技を盗んで守護石を創り出せるようになっています。
その守護石に我々が支援した魔力を与えて、戦闘用に変化させているのです。
その大魔王の守護石達が、同じように自ら魔法陣を築く布陣をしたのです。
「大魔王が創り出した守護石の数は我々よりもはるかに少ない。
その少ない守護石をどう効率よく使うかがこの戦いの勝敗を左右するのか」
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アラステアに先の事を聞いてしまわれます。
「確かに普通なら影響があるでしょう。
ですがこの戦いに関して言えば些細な事です。
ルーパスやオードリーが創り出した守護石が莫大な数いるのです。
勝敗を左右するのは時の流れの差です」
よかった、本当によかった。
アラステアが我々が勝った事を教えてくれました。
これで安心して続きが見られます。
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