84 / 91
第一章
第84話:迎撃・オードリー視点
しおりを挟む
魔族の神々が強引に魔界に転移門を開こうとしています。
ですが魔界には幾人かの魔王が残って守りを固めています。
もし魔王の誰かが神々に内通して裏切ると全てが崩壊してしまいます。
もちろんそんなことは大魔王も父上も分かっています。
少しでも疑わしい魔王や上位魔族は魔界の迎撃部隊ではなく、攻撃部隊に配置されています。
「アラステア、ここまでやっているのに裏切る魔族はいるのでしょうか」
「オードリー、人族も魔族も同じです。
自分だけが生き残るため、家族や大切な人を助けるため、権力や富を得るために、平気で普段仲良くしていた者を裏切り見殺しにするモノです。
全員ではありませんが、そういうモノが必ずいるのです。
いえ、大半のモノが生き残るために平気で裏切り見殺しにすると思ってください」
哀しい事ですがアラステアの言う通りですね。
少なくとも人族がそういうモノなのは確かです。
グレアムのような人は滅多にいません。
父上や母上も自分の大切なモノのためには人を切り捨てることができます。
だからこそ私はグレアムを好きになったのです。
「そうですね、その心算で戦略戦術を組み立てないといけませんね」
「見てください、魔族側が防ぎきりそうです」
アラステアの言う通り、魔族側が神々の攻撃を防いでいます。
神々が魔界に繋げようとした転移門をことごとく防いでいます。
ここでも人界から送った魔力が役に立っています。
それに、魔王達も後がないのを自覚しているのでしょう。
「魔王達も必死ですものね」
大魔王は王妃を護るためだったらなんでもします。
魔王達が魔界を守り切れないと知ったら平気で王妃を連れて逃げるでしょう。
大魔王は王妃が逃げてしまった魔界は、簡単に神々に滅ぼされます。
人族が魔族に協力しているのは大魔王との約束があるからです。
人族からの魔力支援のなくなった魔族は簡単に滅ぼされます。
「はい、魔王の一人が人族を侵略したことで人族が魔族を恨んでいる事は、全ての魔王が理解しています。
大魔王の逃亡は、大魔王と王妃以外が死滅する事だと理解しています。
神々が誘惑しても、よほどの馬鹿でない限り大魔王を裏切る事はないでしょう。
それに裏切りそうな者がいたら我々の目付け役が事前に滅ぼしますから」
アラステアの言う通りです。
人族から魔力支援を名目に目付け役を派遣しています。
もしかしたら、既に私の見えていない所で、密かに裏切者の魔族を殺しているかもしれません。
「オードリー、予想通り神々が動きましたよ」
アラステアの言う通り、神々が遊撃を仕掛けてきました。
やってくるとは予測していましたし、それを防ぐための準備もしてきました。
それでも防ぎきれなければ魔族が滅んでしまいます。
グレアムも父上も母上も表情を硬くしています。
多分私も硬い表情をしている事でしょう。
ですが魔界には幾人かの魔王が残って守りを固めています。
もし魔王の誰かが神々に内通して裏切ると全てが崩壊してしまいます。
もちろんそんなことは大魔王も父上も分かっています。
少しでも疑わしい魔王や上位魔族は魔界の迎撃部隊ではなく、攻撃部隊に配置されています。
「アラステア、ここまでやっているのに裏切る魔族はいるのでしょうか」
「オードリー、人族も魔族も同じです。
自分だけが生き残るため、家族や大切な人を助けるため、権力や富を得るために、平気で普段仲良くしていた者を裏切り見殺しにするモノです。
全員ではありませんが、そういうモノが必ずいるのです。
いえ、大半のモノが生き残るために平気で裏切り見殺しにすると思ってください」
哀しい事ですがアラステアの言う通りですね。
少なくとも人族がそういうモノなのは確かです。
グレアムのような人は滅多にいません。
父上や母上も自分の大切なモノのためには人を切り捨てることができます。
だからこそ私はグレアムを好きになったのです。
「そうですね、その心算で戦略戦術を組み立てないといけませんね」
「見てください、魔族側が防ぎきりそうです」
アラステアの言う通り、魔族側が神々の攻撃を防いでいます。
神々が魔界に繋げようとした転移門をことごとく防いでいます。
ここでも人界から送った魔力が役に立っています。
それに、魔王達も後がないのを自覚しているのでしょう。
「魔王達も必死ですものね」
大魔王は王妃を護るためだったらなんでもします。
魔王達が魔界を守り切れないと知ったら平気で王妃を連れて逃げるでしょう。
大魔王は王妃が逃げてしまった魔界は、簡単に神々に滅ぼされます。
人族が魔族に協力しているのは大魔王との約束があるからです。
人族からの魔力支援のなくなった魔族は簡単に滅ぼされます。
「はい、魔王の一人が人族を侵略したことで人族が魔族を恨んでいる事は、全ての魔王が理解しています。
大魔王の逃亡は、大魔王と王妃以外が死滅する事だと理解しています。
神々が誘惑しても、よほどの馬鹿でない限り大魔王を裏切る事はないでしょう。
それに裏切りそうな者がいたら我々の目付け役が事前に滅ぼしますから」
アラステアの言う通りです。
人族から魔力支援を名目に目付け役を派遣しています。
もしかしたら、既に私の見えていない所で、密かに裏切者の魔族を殺しているかもしれません。
「オードリー、予想通り神々が動きましたよ」
アラステアの言う通り、神々が遊撃を仕掛けてきました。
やってくるとは予測していましたし、それを防ぐための準備もしてきました。
それでも防ぎきれなければ魔族が滅んでしまいます。
グレアムも父上も母上も表情を硬くしています。
多分私も硬い表情をしている事でしょう。
52
お気に入りに追加
4,743
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄は別にいいですけど、優秀な姉と無能な妹なんて噂、本気で信じてるんですか?
リオール
恋愛
侯爵家の執務を汗水流してこなしていた私──バルバラ。
だがある日突然、婚約者に婚約破棄を告げられ、父に次期当主は姉だと宣言され。出て行けと言われるのだった。
世間では姉が優秀、妹は駄目だと思われてるようですが、だから何?
せいぜい束の間の贅沢を楽しめばいいです。
貴方達が遊んでる間に、私は──侯爵家、乗っ取らせていただきます!
=====
いつもの勢いで書いた小説です。
前作とは逆に妹が主人公。優秀では無いけど努力する人。
妹、頑張ります!
※全41話完結。短編としておきながら読みの甘さが露呈…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
王太子様には優秀な妹の方がお似合いですから、いつまでも私にこだわる必要なんてありませんよ?
木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるラルリアは、優秀な妹に比べて平凡な人間であった。
これといって秀でた点がない彼女は、いつも妹と比較されて、時には罵倒されていたのである。
しかしそんなラルリアはある時、王太子の婚約者に選ばれた。
それに誰よりも驚いたのは、彼女自身である。仮に公爵家と王家の婚約がなされるとしても、その対象となるのは妹だと思っていたからだ。
事実として、社交界ではその婚約は非難されていた。
妹の方を王家に嫁がせる方が有益であると、有力者達は考えていたのだ。
故にラルリアも、婚約者である王太子アドルヴに婚約を変更するように進言した。しかし彼は、頑なにラルリアとの婚約を望んでいた。どうやらこの婚約自体、彼が提案したものであるようなのだ。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
幼馴染と仲良くし過ぎている婚約者とは婚約破棄したい!
ルイス
恋愛
ダイダロス王国の侯爵令嬢であるエレナは、リグリット公爵令息と婚約をしていた。
同じ18歳ということで話も合い、仲睦まじいカップルだったが……。
そこに現れたリグリットの幼馴染の伯爵令嬢の存在。リグリットは幼馴染を優先し始める。
あまりにも度が過ぎるので、エレナは不満を口にするが……リグリットは今までの優しい彼からは豹変し、権力にものを言わせ、エレナを束縛し始めた。
「婚約破棄なんてしたら、どうなるか分かっているな?」
その時、エレナは分かってしまったのだ。リグリットは自分の侯爵令嬢の地位だけにしか興味がないことを……。
そんな彼女の前に現れたのは、幼馴染のヨハン王子殿下だった。エレナの状況を理解し、ヨハンは動いてくれることを約束してくれる。
正式な婚約破棄の申し出をするエレナに対し、激怒するリグリットだったが……。
婚約破棄を、あなたのために
月山 歩
恋愛
私はあなたが好きだけど、あなたは彼女が好きなのね。だから、婚約破棄してあげる。そうして、別れたはずが、彼は騎士となり、領主になると、褒章は私を妻にと望んだ。どうして私?彼女のことはもういいの?それともこれは、あなたの人生を台無しにした私への復讐なの?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
真実の愛がどうなろうと関係ありません。
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令息サディアスはメイドのリディと恋に落ちた。
婚約者であった伯爵令嬢フェルネは無残にも婚約を解消されてしまう。
「僕はリディと真実の愛を貫く。誰にも邪魔はさせない!」
サディアスの両親エヴァンズ伯爵夫妻は激怒し、息子を勘当、追放する。
それもそのはずで、フェルネは王家の血を引く名門貴族パートランド伯爵家の一人娘だった。
サディアスからの一方的な婚約解消は決して許されない裏切りだったのだ。
一ヶ月後、愛を信じないフェルネに新たな求婚者が現れる。
若きバラクロフ侯爵レジナルド。
「あら、あなたも真実の愛を実らせようって仰いますの?」
フェルネの曾祖母シャーリンとレジナルドの祖父アルフォンス卿には悲恋の歴史がある。
「子孫の我々が結婚しようと関係ない。聡明な妻が欲しいだけだ」
互いに塩対応だったはずが、気づくとクーデレ夫婦になっていたフェルネとレジナルド。
その頃、真実の愛を貫いたはずのサディアスは……
(予定より長くなってしまった為、完結に伴い短編→長編に変更しました)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
そちらから縁を切ったのですから、今更頼らないでください。
木山楽斗
恋愛
伯爵家の令嬢であるアルシエラは、高慢な妹とそんな妹ばかり溺愛する両親に嫌気が差していた。
ある時、彼女は父親から縁を切ることを言い渡される。アルシエラのとある行動が気に食わなかった妹が、父親にそう進言したのだ。
不安はあったが、アルシエラはそれを受け入れた。
ある程度の年齢に達した時から、彼女は実家に見切りをつけるべきだと思っていた。丁度いい機会だったので、それを実行することにしたのだ。
伯爵家を追い出された彼女は、商人としての生活を送っていた。
偶然にも人脈に恵まれた彼女は、着々と力を付けていき、見事成功を収めたのである。
そんな彼女の元に、実家から申し出があった。
事情があって窮地に立たされた伯爵家が、支援を求めてきたのだ。
しかしながら、そんな義理がある訳がなかった。
アルシエラは、両親や妹からの申し出をきっぱりと断ったのである。
※8話からの登場人物の名前を変更しました。1話の登場人物とは別人です。(バーキントン→ラナキンス)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる