82 / 91
第一章
第82話:守護石軍団・オードリー視点
しおりを挟む
眼の前にグレアムとそっくりの騎士達が整列しています。
その数二万を超える大軍団です。
しかも全員守護石が人の形をとっているのです。
「どうですか、これだけの影武者がいれば、グレアムが狙われる可能性がとても低くなりますよ」
アラステアの自慢するように言います。
どんどん人間味が出てきてとても面白いです。
「魔界から神々の国に攻め込むのよね。
そこの他の世界の神々が一緒にいたりしないわよね」
これが一番心配な事です。
大魔王がやってきて一緒に神々の国に攻め込むことになったのですが、そこが魔界の神々だけが住むのならいいのですが、他の世界の神々まで一緒に住んでいたら敵を増やしてしまう事になります。
「それは大丈夫だと思われます。
もし他の世界の神々が一緒に住んでいたら、人界の手出ししなかったでしょう。
その後も他の世界の神々が不介入という事はありえません」
確かにアラステアの言う通りですね。
神々は自分が支配する世界の近くに住んでいるのでしょう。
「では予定通り明日には攻撃を開始するのよね。
本当に私達は魔界の神々に勝てるかしら」
「別に今回の戦いで勝てなくてもかまいません。
今回の遠征に参加するのは守護石を核にした使い魔達だけです。
家族どころか人族は誰一人参戦しません。
今回の戦いの目的は魔族の神々が住む場所を確かめる事が一番です。
ついでに魔族の神々の強さを知る事ができれば十分です」
「でも、大魔王と王妃は参戦するのでしょう。
二人は大丈夫かしら」
「正直に言えば、大魔王や王妃の事などどうでもいいのですが、オードリーが心配しているようなのでお応えしましょう。
まず間違いなく大丈夫でしょう」
「その理由を教えてくれるかしら」
「大魔王は王妃を溺愛しています。
少しでも王妃が傷つく可能性があるのなら、絶対に攻撃はしません。
徹底的に護りを固めています。
その大魔王が攻撃に踏み切るのですから、よほど自身があるのでしょう」
多分アラステアの言う通りなのでしょう。
あれだけ形振り構わず王妃を蘇らせた大魔王です。
もう一度王妃を失うような危険を冒すとは私も思いません。
ですが相手は魔族を支配管理してきた神々です。
なにかとてつもない罠を仕掛けて待っている可能性はないのでしょうか。
「オードリーの心配は言葉にしなくても伝わってきます。
だから正直に申し上げますが、大丈夫です。
今回我々が大魔王に提供した魔力は莫大な量です。
送り出す援軍も一体一体が魔王に匹敵する強さです。
これで負けることはないと断言できます」
アラステアがこう言い切っているなら大丈夫なのでしょう。
でも、どうしても嫌な予感がなくなりません。
その数二万を超える大軍団です。
しかも全員守護石が人の形をとっているのです。
「どうですか、これだけの影武者がいれば、グレアムが狙われる可能性がとても低くなりますよ」
アラステアの自慢するように言います。
どんどん人間味が出てきてとても面白いです。
「魔界から神々の国に攻め込むのよね。
そこの他の世界の神々が一緒にいたりしないわよね」
これが一番心配な事です。
大魔王がやってきて一緒に神々の国に攻め込むことになったのですが、そこが魔界の神々だけが住むのならいいのですが、他の世界の神々まで一緒に住んでいたら敵を増やしてしまう事になります。
「それは大丈夫だと思われます。
もし他の世界の神々が一緒に住んでいたら、人界の手出ししなかったでしょう。
その後も他の世界の神々が不介入という事はありえません」
確かにアラステアの言う通りですね。
神々は自分が支配する世界の近くに住んでいるのでしょう。
「では予定通り明日には攻撃を開始するのよね。
本当に私達は魔界の神々に勝てるかしら」
「別に今回の戦いで勝てなくてもかまいません。
今回の遠征に参加するのは守護石を核にした使い魔達だけです。
家族どころか人族は誰一人参戦しません。
今回の戦いの目的は魔族の神々が住む場所を確かめる事が一番です。
ついでに魔族の神々の強さを知る事ができれば十分です」
「でも、大魔王と王妃は参戦するのでしょう。
二人は大丈夫かしら」
「正直に言えば、大魔王や王妃の事などどうでもいいのですが、オードリーが心配しているようなのでお応えしましょう。
まず間違いなく大丈夫でしょう」
「その理由を教えてくれるかしら」
「大魔王は王妃を溺愛しています。
少しでも王妃が傷つく可能性があるのなら、絶対に攻撃はしません。
徹底的に護りを固めています。
その大魔王が攻撃に踏み切るのですから、よほど自身があるのでしょう」
多分アラステアの言う通りなのでしょう。
あれだけ形振り構わず王妃を蘇らせた大魔王です。
もう一度王妃を失うような危険を冒すとは私も思いません。
ですが相手は魔族を支配管理してきた神々です。
なにかとてつもない罠を仕掛けて待っている可能性はないのでしょうか。
「オードリーの心配は言葉にしなくても伝わってきます。
だから正直に申し上げますが、大丈夫です。
今回我々が大魔王に提供した魔力は莫大な量です。
送り出す援軍も一体一体が魔王に匹敵する強さです。
これで負けることはないと断言できます」
アラステアがこう言い切っているなら大丈夫なのでしょう。
でも、どうしても嫌な予感がなくなりません。
55
お気に入りに追加
4,741
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄は別にいいですけど、優秀な姉と無能な妹なんて噂、本気で信じてるんですか?
リオール
恋愛
侯爵家の執務を汗水流してこなしていた私──バルバラ。
だがある日突然、婚約者に婚約破棄を告げられ、父に次期当主は姉だと宣言され。出て行けと言われるのだった。
世間では姉が優秀、妹は駄目だと思われてるようですが、だから何?
せいぜい束の間の贅沢を楽しめばいいです。
貴方達が遊んでる間に、私は──侯爵家、乗っ取らせていただきます!
=====
いつもの勢いで書いた小説です。
前作とは逆に妹が主人公。優秀では無いけど努力する人。
妹、頑張ります!
※全41話完結。短編としておきながら読みの甘さが露呈…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
幼馴染と仲良くし過ぎている婚約者とは婚約破棄したい!
ルイス
恋愛
ダイダロス王国の侯爵令嬢であるエレナは、リグリット公爵令息と婚約をしていた。
同じ18歳ということで話も合い、仲睦まじいカップルだったが……。
そこに現れたリグリットの幼馴染の伯爵令嬢の存在。リグリットは幼馴染を優先し始める。
あまりにも度が過ぎるので、エレナは不満を口にするが……リグリットは今までの優しい彼からは豹変し、権力にものを言わせ、エレナを束縛し始めた。
「婚約破棄なんてしたら、どうなるか分かっているな?」
その時、エレナは分かってしまったのだ。リグリットは自分の侯爵令嬢の地位だけにしか興味がないことを……。
そんな彼女の前に現れたのは、幼馴染のヨハン王子殿下だった。エレナの状況を理解し、ヨハンは動いてくれることを約束してくれる。
正式な婚約破棄の申し出をするエレナに対し、激怒するリグリットだったが……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄された公爵令嬢は本当はその王国にとってなくてはならない存在でしたけど、もう遅いです
神崎 ルナ
恋愛
ロザンナ・ブリオッシュ公爵令嬢は美形揃いの公爵家の中でも比較的地味な部類に入る。茶色の髪にこげ茶の瞳はおとなしめな外見に拍車をかけて見えた。そのせいか、婚約者のこのトレント王国の王太子クルクスル殿下には最初から塩対応されていた。
そんな折り、王太子に近付く女性がいるという。
アリサ・タンザイト子爵令嬢は、貴族令嬢とは思えないほどその親しみやすさで王太子の心を捕らえてしまったようなのだ。
仲がよさげな二人の様子を見たロザンナは少しばかり不安を感じたが。
(まさか、ね)
だが、その不安は的中し、ロザンナは王太子に婚約破棄を告げられてしまう。
――実は、婚約破棄され追放された地味な令嬢はとても重要な役目をになっていたのに。
(※誤字報告ありがとうございます)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
真実の愛がどうなろうと関係ありません。
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令息サディアスはメイドのリディと恋に落ちた。
婚約者であった伯爵令嬢フェルネは無残にも婚約を解消されてしまう。
「僕はリディと真実の愛を貫く。誰にも邪魔はさせない!」
サディアスの両親エヴァンズ伯爵夫妻は激怒し、息子を勘当、追放する。
それもそのはずで、フェルネは王家の血を引く名門貴族パートランド伯爵家の一人娘だった。
サディアスからの一方的な婚約解消は決して許されない裏切りだったのだ。
一ヶ月後、愛を信じないフェルネに新たな求婚者が現れる。
若きバラクロフ侯爵レジナルド。
「あら、あなたも真実の愛を実らせようって仰いますの?」
フェルネの曾祖母シャーリンとレジナルドの祖父アルフォンス卿には悲恋の歴史がある。
「子孫の我々が結婚しようと関係ない。聡明な妻が欲しいだけだ」
互いに塩対応だったはずが、気づくとクーデレ夫婦になっていたフェルネとレジナルド。
その頃、真実の愛を貫いたはずのサディアスは……
(予定より長くなってしまった為、完結に伴い短編→長編に変更しました)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結済】どうして無能な私を愛してくれるの?~双子の妹に全て劣り、婚約者を奪われた男爵令嬢は、侯爵子息様に溺愛される~
ゆうき
恋愛
優秀な双子の妹の足元にも及ばない男爵令嬢のアメリアは、屋敷ではいない者として扱われ、話しかけてくる数少ない人間である妹には馬鹿にされ、母には早く出て行けと怒鳴られ、学園ではいじめられて生活していた。
長年に渡って酷い仕打ちを受けていたアメリアには、侯爵子息の婚約者がいたが、妹に奪われて婚約破棄をされてしまい、一人ぼっちになってしまっていた。
心が冷え切ったアメリアは、今の生活を受け入れてしまっていた。
そんな彼女には魔法薬師になりたいという目標があり、虐げられながらも勉強を頑張る毎日を送っていた。
そんな彼女のクラスに、一人の侯爵子息が転校してきた。
レオと名乗った男子生徒は、何故かアメリアを気にかけて、アメリアに積極的に話しかけてくるようになった。
毎日のように話しかけられるようになるアメリア。その溺愛っぷりにアメリアは戸惑い、少々困っていたが、段々と自分で気づかないうちに、彼の優しさに惹かれていく。
レオと一緒にいるようになり、次第に打ち解けて心を許すアメリアは、レオと親密な関係になっていくが、アメリアを馬鹿にしている妹と、その友人がそれを許すはずもなく――
これは男爵令嬢であるアメリアが、とある秘密を抱える侯爵子息と幸せになるまでの物語。
※こちらの作品はなろう様にも投稿しております!3/8に女性ホットランキング二位になりました。読んでくださった方々、ありがとうございます!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
そちらから縁を切ったのですから、今更頼らないでください。
木山楽斗
恋愛
伯爵家の令嬢であるアルシエラは、高慢な妹とそんな妹ばかり溺愛する両親に嫌気が差していた。
ある時、彼女は父親から縁を切ることを言い渡される。アルシエラのとある行動が気に食わなかった妹が、父親にそう進言したのだ。
不安はあったが、アルシエラはそれを受け入れた。
ある程度の年齢に達した時から、彼女は実家に見切りをつけるべきだと思っていた。丁度いい機会だったので、それを実行することにしたのだ。
伯爵家を追い出された彼女は、商人としての生活を送っていた。
偶然にも人脈に恵まれた彼女は、着々と力を付けていき、見事成功を収めたのである。
そんな彼女の元に、実家から申し出があった。
事情があって窮地に立たされた伯爵家が、支援を求めてきたのだ。
しかしながら、そんな義理がある訳がなかった。
アルシエラは、両親や妹からの申し出をきっぱりと断ったのである。
※8話からの登場人物の名前を変更しました。1話の登場人物とは別人です。(バーキントン→ラナキンス)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
父の大事な家族は、再婚相手と異母妹のみで、私は元より家族ではなかったようです
珠宮さくら
恋愛
フィロマという国で、母の病を治そうとした1人の少女がいた。母のみならず、その病に苦しむ者は、年々増えていたが、治せる薬はなく、進行を遅らせる薬しかなかった。
その病を色んな本を読んで調べあげた彼女の名前は、ヴァリャ・チャンダ。だが、それで病に効く特効薬が出来上がることになったが、母を救うことは叶わなかった。
そんな彼女が、楽しみにしていたのは隣国のラジェスへの留学だったのだが、そのために必死に貯めていた資金も父に取り上げられ、義母と異母妹の散財のために金を稼げとまで言われてしまう。
そこにヴァリャにとって救世主のように現れた令嬢がいたことで、彼女の人生は一変していくのだが、彼女らしさが消えることはなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる