52 / 91
第一章
第52話:ルーパスと大魔王2
しおりを挟む
「何故こんな茶番をやっている、大魔王。
俺を弄って愉しんでいいるのか。
自分で守護石が創り出せるのなら、俺など必要あるまい。
いや、俺どころかオードリーの魔力も不要だろ。
いったい何がしたいんだ、大魔王」
「察しが悪いな、ルーパス。
ミネルバを死なせてしまい、オードリーをも苦しめてしまった事で、心を病んで察しが悪くなったのか。
よく考えてみろルーパス。
何故我がルーパスを使おうとしているのかを。
何故オードリーの魔力を手に入れようとしているのかを」
「そんな事くらい分かっている。
俺とオードリーの魔力を利用しようと思っているからだろ。
だがその魔力なら……」
「察したようだな、ルーパス」
「いくら無尽蔵に魔力が貯められても、魔力発生装置は多い方がいい。
大魔王が敵対しているのは神々だ。
有利な防衛戦とはいえ、神々に波状攻撃されては不利だ。
まして今は魔王の一人と多くの魔族を失っている。
俺とオードリーにその代わりをさせようという事だな」
「もっとよく考えろ、それだけではないぞ」
「他にも理由があるというのか。
いったいなんだ、単純に俺とオードリーを魔力の発生装置として考えるのなら、他に大きな理由など……
いや、魔族と人族の違いか、それとも魔界と人界の違いか。
魔界と人界のの違いといえば、時の流れの違いか!
いや、担当している神々の違いなのか?」
「いいぞ、いいぞ、いいぞ。
その違いを理解して、我がルーパスとオードリーに望んでいる事を察したら、我に魔力を渡す事の不安もなくなるだろう」
「魔界と人界を担当している神々は別なのだな?」
「そうだ、そして今回は偶然だが神々の仲が悪いのだよ」
「俺とオードリーを安全な後方の魔力装置にする心算なんだな。
もし魔界を担当している神々に俺とオードリーの存在がバレたとしても、魔界担当の神々は、人界担当の神々との戦いを覚悟しなければ、俺とオードリーには手出しできないというのだな」
「くつくっくっくっ、ようやく分かったか。
そういう事だ。
だから安心してオードリーの魔力を我に渡すんだ」
「信じられないな。
全ては大魔王が口にしているだけで、俺が確かめた訳じゃない。
ちゃんと俺自身で確認するまでは鵜呑みにできない」
「くつくっくっくっ、分かっている。
ルーパスも猜疑心が強くなっているからな。
ルーパス自身で調べるがいい。
だがそれは人界に戻ってからにしろよ。
また魔界に長居すると今度はオードリーが中年になってしまうぞ」
「あ!
まさか、今も人界では早く時が流れているのか?!」
俺を弄って愉しんでいいるのか。
自分で守護石が創り出せるのなら、俺など必要あるまい。
いや、俺どころかオードリーの魔力も不要だろ。
いったい何がしたいんだ、大魔王」
「察しが悪いな、ルーパス。
ミネルバを死なせてしまい、オードリーをも苦しめてしまった事で、心を病んで察しが悪くなったのか。
よく考えてみろルーパス。
何故我がルーパスを使おうとしているのかを。
何故オードリーの魔力を手に入れようとしているのかを」
「そんな事くらい分かっている。
俺とオードリーの魔力を利用しようと思っているからだろ。
だがその魔力なら……」
「察したようだな、ルーパス」
「いくら無尽蔵に魔力が貯められても、魔力発生装置は多い方がいい。
大魔王が敵対しているのは神々だ。
有利な防衛戦とはいえ、神々に波状攻撃されては不利だ。
まして今は魔王の一人と多くの魔族を失っている。
俺とオードリーにその代わりをさせようという事だな」
「もっとよく考えろ、それだけではないぞ」
「他にも理由があるというのか。
いったいなんだ、単純に俺とオードリーを魔力の発生装置として考えるのなら、他に大きな理由など……
いや、魔族と人族の違いか、それとも魔界と人界の違いか。
魔界と人界のの違いといえば、時の流れの違いか!
いや、担当している神々の違いなのか?」
「いいぞ、いいぞ、いいぞ。
その違いを理解して、我がルーパスとオードリーに望んでいる事を察したら、我に魔力を渡す事の不安もなくなるだろう」
「魔界と人界を担当している神々は別なのだな?」
「そうだ、そして今回は偶然だが神々の仲が悪いのだよ」
「俺とオードリーを安全な後方の魔力装置にする心算なんだな。
もし魔界を担当している神々に俺とオードリーの存在がバレたとしても、魔界担当の神々は、人界担当の神々との戦いを覚悟しなければ、俺とオードリーには手出しできないというのだな」
「くつくっくっくっ、ようやく分かったか。
そういう事だ。
だから安心してオードリーの魔力を我に渡すんだ」
「信じられないな。
全ては大魔王が口にしているだけで、俺が確かめた訳じゃない。
ちゃんと俺自身で確認するまでは鵜呑みにできない」
「くつくっくっくっ、分かっている。
ルーパスも猜疑心が強くなっているからな。
ルーパス自身で調べるがいい。
だがそれは人界に戻ってからにしろよ。
また魔界に長居すると今度はオードリーが中年になってしまうぞ」
「あ!
まさか、今も人界では早く時が流れているのか?!」
128
お気に入りに追加
4,741
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄は別にいいですけど、優秀な姉と無能な妹なんて噂、本気で信じてるんですか?
リオール
恋愛
侯爵家の執務を汗水流してこなしていた私──バルバラ。
だがある日突然、婚約者に婚約破棄を告げられ、父に次期当主は姉だと宣言され。出て行けと言われるのだった。
世間では姉が優秀、妹は駄目だと思われてるようですが、だから何?
せいぜい束の間の贅沢を楽しめばいいです。
貴方達が遊んでる間に、私は──侯爵家、乗っ取らせていただきます!
=====
いつもの勢いで書いた小説です。
前作とは逆に妹が主人公。優秀では無いけど努力する人。
妹、頑張ります!
※全41話完結。短編としておきながら読みの甘さが露呈…
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
真実の愛がどうなろうと関係ありません。
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令息サディアスはメイドのリディと恋に落ちた。
婚約者であった伯爵令嬢フェルネは無残にも婚約を解消されてしまう。
「僕はリディと真実の愛を貫く。誰にも邪魔はさせない!」
サディアスの両親エヴァンズ伯爵夫妻は激怒し、息子を勘当、追放する。
それもそのはずで、フェルネは王家の血を引く名門貴族パートランド伯爵家の一人娘だった。
サディアスからの一方的な婚約解消は決して許されない裏切りだったのだ。
一ヶ月後、愛を信じないフェルネに新たな求婚者が現れる。
若きバラクロフ侯爵レジナルド。
「あら、あなたも真実の愛を実らせようって仰いますの?」
フェルネの曾祖母シャーリンとレジナルドの祖父アルフォンス卿には悲恋の歴史がある。
「子孫の我々が結婚しようと関係ない。聡明な妻が欲しいだけだ」
互いに塩対応だったはずが、気づくとクーデレ夫婦になっていたフェルネとレジナルド。
その頃、真実の愛を貫いたはずのサディアスは……
(予定より長くなってしまった為、完結に伴い短編→長編に変更しました)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
父の大事な家族は、再婚相手と異母妹のみで、私は元より家族ではなかったようです
珠宮さくら
恋愛
フィロマという国で、母の病を治そうとした1人の少女がいた。母のみならず、その病に苦しむ者は、年々増えていたが、治せる薬はなく、進行を遅らせる薬しかなかった。
その病を色んな本を読んで調べあげた彼女の名前は、ヴァリャ・チャンダ。だが、それで病に効く特効薬が出来上がることになったが、母を救うことは叶わなかった。
そんな彼女が、楽しみにしていたのは隣国のラジェスへの留学だったのだが、そのために必死に貯めていた資金も父に取り上げられ、義母と異母妹の散財のために金を稼げとまで言われてしまう。
そこにヴァリャにとって救世主のように現れた令嬢がいたことで、彼女の人生は一変していくのだが、彼女らしさが消えることはなかった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】許婚の子爵令息から婚約破棄を宣言されましたが、それを知った公爵家の幼馴染から溺愛されるようになりました
八重
恋愛
「ソフィ・ルヴェリエ! 貴様とは婚約破棄する!」
子爵令息エミール・エストレが言うには、侯爵令嬢から好意を抱かれており、男としてそれに応えねばならないというのだ。
失意のどん底に突き落とされたソフィ。
しかし、婚約破棄をきっかけに幼馴染の公爵令息ジル・ルノアールから溺愛されることに!
一方、エミールの両親はソフィとの婚約破棄を知って大激怒。
エミールの両親の命令で『好意の証拠』を探すが、侯爵令嬢からの好意は彼の勘違いだった。
なんとかして侯爵令嬢を口説くが、婚約者のいる彼女がなびくはずもなく……。
焦ったエミールはソフィに復縁を求めるが、時すでに遅し──
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】私の婚約者はもう死んだので
miniko
恋愛
「私の事は死んだものと思ってくれ」
結婚式が約一ヵ月後に迫った、ある日の事。
そう書き置きを残して、幼い頃からの婚約者は私の前から姿を消した。
彼の弟の婚約者を連れて・・・・・・。
これは、身勝手な駆け落ちに振り回されて婚姻を結ばざるを得なかった男女が、すれ違いながらも心を繋いでいく物語。
※感想欄はネタバレ有り/無しの振り分けをしていません。本編より先に読む場合はご注意下さい。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
幼馴染と仲良くし過ぎている婚約者とは婚約破棄したい!
ルイス
恋愛
ダイダロス王国の侯爵令嬢であるエレナは、リグリット公爵令息と婚約をしていた。
同じ18歳ということで話も合い、仲睦まじいカップルだったが……。
そこに現れたリグリットの幼馴染の伯爵令嬢の存在。リグリットは幼馴染を優先し始める。
あまりにも度が過ぎるので、エレナは不満を口にするが……リグリットは今までの優しい彼からは豹変し、権力にものを言わせ、エレナを束縛し始めた。
「婚約破棄なんてしたら、どうなるか分かっているな?」
その時、エレナは分かってしまったのだ。リグリットは自分の侯爵令嬢の地位だけにしか興味がないことを……。
そんな彼女の前に現れたのは、幼馴染のヨハン王子殿下だった。エレナの状況を理解し、ヨハンは動いてくれることを約束してくれる。
正式な婚約破棄の申し出をするエレナに対し、激怒するリグリットだったが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる