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第一章
第6話:挑発
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「くっくっくっく、ワッハハハハ、アッハッハッハ。
これはいい、それは最高だ、フレン王家も可哀想なものだ。
聖女マリーナは最初からフレン王国を乗っ取る心算だったか」
黄金龍は心から愉快になって大笑いしていた。
「失礼な事を言わないで、龍、最初からではないわよ。
そうなる可能性は高いとは思っていたけれど、絶対ではなかったわ。
人は心弱いモノだけれど、一晩一瞬で豹変する事もできるのよ。
本当に少しの可能性だけど、それに賭けて負けた、それだけの事よ。
ま、負けることを大前提に準備を整えていたのは間違いなけれどね」
「それが国を乗っ取る気満々だと言うのだよ、聖女マリーナ。
ふう、久しぶりに笑わしてもらったよ。
よかろう、退屈な隠居生活は今日で終わりだ。
我と神が戦えば、この世界がひっくり返るほどの被害が出るだろうが、その事を承知で助太刀を頼みに来るお前の身勝手さが面白い。
お前に力を貸して神と戦ってやろうではないかい」
実は黄金龍は結構優しい性格になっていた。
若く血気盛んな時には、大陸の、いや、この星の生物全てを滅ぼしかねない喧嘩を繰り返してきたが、徐々に弱い生き物にも配慮するようになり、鼻息ひとつで山脈を破壊しないように、別次元に空間を創ってそこで隠居していたのだ。
だが、人間の代表と言っていい聖女が、人間だけでなく星々の生命全てを巻き込む神との戦いを覚悟していると聞き、聖女の責任で暇つぶしができるのなら最高だと、聖女の味方をして神と戦う気になっていた。
「馬鹿な事を言わないでよ、なんで私が、可愛いアンリが継ぐべき国を滅ぼしたり、アンリが住む世界を破壊したりするのよ。
そんな事は絶対にやらないわよ」
黄金龍は珍しく虚を突かれて驚てしまった。
黄金龍は、過去に神と戦ったことが何度かある
天罰を下そうとこの世界にやって来た神と腕試しをするためだった。
ほぼ互角、勝つこともあれば負けることもあったが、どちらかを滅ぼしてしまう前に、神が自分達の世界に逃げ帰っていた。
どうやら神には、この世界に留まれる時間に限りがあるようだった。
だからこそ、この世界に大きな被害を及ぼすが、最低でも神と引き分けに持ち込める、この世界で戦うと思っていたのだが……
「龍は自分に有利なこの世界でしか戦った事がないみたいだけど、それは情けなさ過ぎるんじゃなくて?
本気で戦うのなら、自分の家や家族を巻き込まないように、敵の本拠に乗り込んで戦ってこそ漢というものよ。
それとも龍は神の世界に乗り込むのが怖いの?」
これはいい、それは最高だ、フレン王家も可哀想なものだ。
聖女マリーナは最初からフレン王国を乗っ取る心算だったか」
黄金龍は心から愉快になって大笑いしていた。
「失礼な事を言わないで、龍、最初からではないわよ。
そうなる可能性は高いとは思っていたけれど、絶対ではなかったわ。
人は心弱いモノだけれど、一晩一瞬で豹変する事もできるのよ。
本当に少しの可能性だけど、それに賭けて負けた、それだけの事よ。
ま、負けることを大前提に準備を整えていたのは間違いなけれどね」
「それが国を乗っ取る気満々だと言うのだよ、聖女マリーナ。
ふう、久しぶりに笑わしてもらったよ。
よかろう、退屈な隠居生活は今日で終わりだ。
我と神が戦えば、この世界がひっくり返るほどの被害が出るだろうが、その事を承知で助太刀を頼みに来るお前の身勝手さが面白い。
お前に力を貸して神と戦ってやろうではないかい」
実は黄金龍は結構優しい性格になっていた。
若く血気盛んな時には、大陸の、いや、この星の生物全てを滅ぼしかねない喧嘩を繰り返してきたが、徐々に弱い生き物にも配慮するようになり、鼻息ひとつで山脈を破壊しないように、別次元に空間を創ってそこで隠居していたのだ。
だが、人間の代表と言っていい聖女が、人間だけでなく星々の生命全てを巻き込む神との戦いを覚悟していると聞き、聖女の責任で暇つぶしができるのなら最高だと、聖女の味方をして神と戦う気になっていた。
「馬鹿な事を言わないでよ、なんで私が、可愛いアンリが継ぐべき国を滅ぼしたり、アンリが住む世界を破壊したりするのよ。
そんな事は絶対にやらないわよ」
黄金龍は珍しく虚を突かれて驚てしまった。
黄金龍は、過去に神と戦ったことが何度かある
天罰を下そうとこの世界にやって来た神と腕試しをするためだった。
ほぼ互角、勝つこともあれば負けることもあったが、どちらかを滅ぼしてしまう前に、神が自分達の世界に逃げ帰っていた。
どうやら神には、この世界に留まれる時間に限りがあるようだった。
だからこそ、この世界に大きな被害を及ぼすが、最低でも神と引き分けに持ち込める、この世界で戦うと思っていたのだが……
「龍は自分に有利なこの世界でしか戦った事がないみたいだけど、それは情けなさ過ぎるんじゃなくて?
本気で戦うのなら、自分の家や家族を巻き込まないように、敵の本拠に乗り込んで戦ってこそ漢というものよ。
それとも龍は神の世界に乗り込むのが怖いの?」
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