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第一章
第54話:出陣式・マリア視点
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「ソフィア、お義兄様はいつ見ても凛々しいですが、公王の衣装と装備を纏われるお姿は、何時にも増して凛々しいですわね」
「はい、マリア王女殿下の申される通りでございます」
ソフィアが普段とは全く違う、恋する乙女の雰囲気を全身から垂れ流しています。
ソフィアだけでなく、わたくしを護る戦闘侍女や嬢子軍も全員同じです。
いえ、わたくしの周りだけではありません。
お義兄様の側室となった、大陸各国の王女や公女、令嬢達も同じです。
彼女達の側に使える侍女も同じように上気した表情をしています。
威風堂々と周囲を威圧するような凛々しさでお義兄様が入場されました。
凛とした態度に、咳一つする事も憚られるような厳粛さです。
側室の方々の護衛の中には、お義兄様に敵愾心を持つ者もいるでしょう。
お義兄様によって国土の多くを奪われた、ドイル連合王国やネウストリア分王国の貴族出身もいるのです。
ですが、この御姿を見れば、女心を持っている方なら、その魅力に骨抜きにされる事でしょう。
「私は祖霊とフェデリコ国王陛下に永遠の忠誠を誓います。
この度の出陣におきましても、国王陛下の忠実な剣と盾となります」
お義兄様は公王の戴冠式でも父上様に永遠の忠誠を誓われました。
それだけでは不足だと、今回の遠征式でも永遠の忠誠を誓われます。
わたくし達はこの瞬間に、お義兄様の側室達はもちろん、その側近達がどんな表情をしているのか確かめなければいけません。
ほんの少しでも不快感を示すようなら、将来の危険分子として警戒しなければいけないのです。
「私は祖霊とマリア王太女殿下に永遠の忠誠を誓います。
この度の出陣におきましても、マリア王太女殿下の忠実な剣と盾となります」
そして、マリア王太女殿下の婚約者として、永遠の愛を誓います」
一気に血が頭に登っていくのが分かります。
心臓が陣太鼓のように早く激しく打ち鳴ってしまいます。
会場中の者達に聞かれてしまうかもしれません。
いえ、上気して真っ赤になった顔色で全ての人に知られてしまっているでしょう。
わたくしが、お義兄様の言葉で喜びに打ち震えている事を。
「エドアルド公王陛下の忠誠と愛情、過分に思います。
わたくしも、祖霊とエドアルド公王陛下に誓わせていただきます。
わたくしの愛情は永遠にエドアルド公王陛下にだけ注がれます。
この誓いを破るような事があれば、わたくしは祖霊の怒りを買って呪われても構いませんし、エドアルド公王陛下に殺されても構いません」
わたくし、お義兄様が不意を突かれて驚くところを始めて見ました。
お義兄様が狼狽される所を見る事になるなんて、思いもしませんでした。
わたくしがお義兄様を心から愛している事など、疾うの昔からご存じだったでしょうに、何を今さら驚いておられるのでしょうか。
「はい、マリア王女殿下の申される通りでございます」
ソフィアが普段とは全く違う、恋する乙女の雰囲気を全身から垂れ流しています。
ソフィアだけでなく、わたくしを護る戦闘侍女や嬢子軍も全員同じです。
いえ、わたくしの周りだけではありません。
お義兄様の側室となった、大陸各国の王女や公女、令嬢達も同じです。
彼女達の側に使える侍女も同じように上気した表情をしています。
威風堂々と周囲を威圧するような凛々しさでお義兄様が入場されました。
凛とした態度に、咳一つする事も憚られるような厳粛さです。
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ですが、この御姿を見れば、女心を持っている方なら、その魅力に骨抜きにされる事でしょう。
「私は祖霊とフェデリコ国王陛下に永遠の忠誠を誓います。
この度の出陣におきましても、国王陛下の忠実な剣と盾となります」
お義兄様は公王の戴冠式でも父上様に永遠の忠誠を誓われました。
それだけでは不足だと、今回の遠征式でも永遠の忠誠を誓われます。
わたくし達はこの瞬間に、お義兄様の側室達はもちろん、その側近達がどんな表情をしているのか確かめなければいけません。
ほんの少しでも不快感を示すようなら、将来の危険分子として警戒しなければいけないのです。
「私は祖霊とマリア王太女殿下に永遠の忠誠を誓います。
この度の出陣におきましても、マリア王太女殿下の忠実な剣と盾となります」
そして、マリア王太女殿下の婚約者として、永遠の愛を誓います」
一気に血が頭に登っていくのが分かります。
心臓が陣太鼓のように早く激しく打ち鳴ってしまいます。
会場中の者達に聞かれてしまうかもしれません。
いえ、上気して真っ赤になった顔色で全ての人に知られてしまっているでしょう。
わたくしが、お義兄様の言葉で喜びに打ち震えている事を。
「エドアルド公王陛下の忠誠と愛情、過分に思います。
わたくしも、祖霊とエドアルド公王陛下に誓わせていただきます。
わたくしの愛情は永遠にエドアルド公王陛下にだけ注がれます。
この誓いを破るような事があれば、わたくしは祖霊の怒りを買って呪われても構いませんし、エドアルド公王陛下に殺されても構いません」
わたくし、お義兄様が不意を突かれて驚くところを始めて見ました。
お義兄様が狼狽される所を見る事になるなんて、思いもしませんでした。
わたくしがお義兄様を心から愛している事など、疾うの昔からご存じだったでしょうに、何を今さら驚いておられるのでしょうか。
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