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第一章
第1話:婚約破棄追放
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「マリア、お前の傲慢で残虐な行いをもうこれ以上許すわけにはいかん。
私の婚約者で公爵令嬢であることをいいことに、心優しいパオラ嬢を事あるごとに虐め傷つけた事、誇りある高位貴族とは思えない恥ずべき行為だ。
そのような恥知らずと結婚する事など絶対にできない、お前との婚約は破棄する。
いや、それだけでは済まさぬ、お前のような貴族の面汚しとは二度と会わぬ。
この国から追放してやる、今直ぐこの国から出て行け」
盛りのついた野良犬のように、見境なく女の尻に情欲を叩き込む腐れ王太子が、可愛い義妹に謂れのない罪を着せている。
腐れ王太子の二の腕に二つの脂肪の塊を押し付けて、嫌らしい勝利の笑みを浮かべる雌豚の顔を、ザクロのように割り裂いてやりたい怒りにかられる。
だが、愛おしい義妹が耐えているのに、俺が暴れる訳にはいかない。
「私は下位貴族の令嬢を虐め傷つけた事など一度もありません。
貴族令嬢としてあまりにも目に余る無礼を働いた方に、今後公の場で恥をかかれる事のないように指導した事はありますが、恥ずべき行いをした事はありません」
婚約者の王太子に裏切られて内心激しく傷ついているだろうに、健気なマリアはその傷心を表情に出すことなく、気高い態度で弁明している。
公爵令嬢としての立場にいなければ、下位貴族に礼儀作法の指導などしない。
どのように諭しても性根の直らない根性悪がいる事は、俺が教えた事だ。
誰よりも優しく繊細で傷つきやすいマリア。
泣き出したいのを必死でこらえて反論しているのは、ジェノバ公爵家の名誉のためであって、断じて個人的な保身のためではない。
「ふん、そのような言い訳が通じると本気で思っているのか、愚か者。
お前の恥知らずな行いを証言する者は数多くいるのだ。
そうだな、シモーネ」
腐れ王太子が生臭坊主のシモーネに嫌らしい笑みを浮かべながら話しかけた。
王宮に出入りしている教会の神官長シモーネ。
神に仕える身でありながら、腐れ王太子と一緒になって貴族令嬢や貴族夫人と不義を重ねる、恥知らずで穢れたエセ神官。
こいつの証言など嘘に決まっているのだが、愚かな連中は騙されるだろう。
いや、騙された振りをして腐れ王太子の歓心を買おうとする奴も多い。
全員に決闘を申し込んでぶち殺してやろうか。
「はい、多くの貴族令嬢や貴族夫人が証言してくださっています。
必要ならば今直ぐにでも証言していただきます。
何なら私の責任で宗教裁判をかけさせていただいても構いません」
腐れ王太子、メス豚、エセ神官の三人ともが勝ち誇った表情をしている。
偽証をする貴族令嬢と貴族夫人を用意していたのだな。
腐れ王太子とエセ神官が、悪質な薬物で貴族令嬢や貴族夫人を堕落させているという噂があったが、どうやら真実だったようだ。
心ある貴族達が眉をひそめるこの場で偽証などすれば、腐れ王太子やエセ神官と不義を重ねていると自分から言っているようなモノなのに、自分から証言するのだ。
家名に泥を塗ると分かっているのに証言するという事は、麻薬によって意のままに操られているという事だ。
顔色を悪くしている貴族家の当主が数多くいる。
腐れ王太子やエセ神官は許せないが、王家や教会の力を恐れて泣き寝入りしている貴族家も多いのだろう。
屈辱に苦しんでいる所に、公の場で恥をかかせられるのだ。
王家や教会を恨み敵意を持つ貴族家が数多くでるだろうな。
そんな貴族家を集めて、王家や教会を糾弾してやる事も可能だ。
マリアを傷つける者は誰であろうと許さない。
さあ、決断するがいい、マリア。
義兄さんはお前のためなら何だってやってやる。
お前が望むのなら、腐れ王太子の腹を裂いて生きたまま内臓を喰ってやる。
私の婚約者で公爵令嬢であることをいいことに、心優しいパオラ嬢を事あるごとに虐め傷つけた事、誇りある高位貴族とは思えない恥ずべき行為だ。
そのような恥知らずと結婚する事など絶対にできない、お前との婚約は破棄する。
いや、それだけでは済まさぬ、お前のような貴族の面汚しとは二度と会わぬ。
この国から追放してやる、今直ぐこの国から出て行け」
盛りのついた野良犬のように、見境なく女の尻に情欲を叩き込む腐れ王太子が、可愛い義妹に謂れのない罪を着せている。
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だが、愛おしい義妹が耐えているのに、俺が暴れる訳にはいかない。
「私は下位貴族の令嬢を虐め傷つけた事など一度もありません。
貴族令嬢としてあまりにも目に余る無礼を働いた方に、今後公の場で恥をかかれる事のないように指導した事はありますが、恥ずべき行いをした事はありません」
婚約者の王太子に裏切られて内心激しく傷ついているだろうに、健気なマリアはその傷心を表情に出すことなく、気高い態度で弁明している。
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どのように諭しても性根の直らない根性悪がいる事は、俺が教えた事だ。
誰よりも優しく繊細で傷つきやすいマリア。
泣き出したいのを必死でこらえて反論しているのは、ジェノバ公爵家の名誉のためであって、断じて個人的な保身のためではない。
「ふん、そのような言い訳が通じると本気で思っているのか、愚か者。
お前の恥知らずな行いを証言する者は数多くいるのだ。
そうだな、シモーネ」
腐れ王太子が生臭坊主のシモーネに嫌らしい笑みを浮かべながら話しかけた。
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神に仕える身でありながら、腐れ王太子と一緒になって貴族令嬢や貴族夫人と不義を重ねる、恥知らずで穢れたエセ神官。
こいつの証言など嘘に決まっているのだが、愚かな連中は騙されるだろう。
いや、騙された振りをして腐れ王太子の歓心を買おうとする奴も多い。
全員に決闘を申し込んでぶち殺してやろうか。
「はい、多くの貴族令嬢や貴族夫人が証言してくださっています。
必要ならば今直ぐにでも証言していただきます。
何なら私の責任で宗教裁判をかけさせていただいても構いません」
腐れ王太子、メス豚、エセ神官の三人ともが勝ち誇った表情をしている。
偽証をする貴族令嬢と貴族夫人を用意していたのだな。
腐れ王太子とエセ神官が、悪質な薬物で貴族令嬢や貴族夫人を堕落させているという噂があったが、どうやら真実だったようだ。
心ある貴族達が眉をひそめるこの場で偽証などすれば、腐れ王太子やエセ神官と不義を重ねていると自分から言っているようなモノなのに、自分から証言するのだ。
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さあ、決断するがいい、マリア。
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