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第15話追放9日目
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「国王陛下をお護りしろ!
謀反人どもを許すな!」
「国王は神に逆らった!
国王は背教徒だ!
聖女様を新たな指導者にするのだ!
神聖帝国万歳!」
ブルック城内は大混乱していた。
いや、城内だけでなく、王都全体が内乱状態だった。
太陽神殿を、聖女を奉じて国王を殺そうとする謀叛人達が、王城と王都で戦いを開始したのだ。
その中には、王太子率いる学園生もいれば、神殿の私兵である聖堂騎士団もいる。
ただハリー第二王子は内乱中に命を落としていた。
一方の国王軍だが、当初に国王以下の指導者が重体となったことが大きかった。
王太子軍の中核となるはずだった、生徒会役員全てが自爆し、王太子軍も力を失ったとはいえ、四大臣家と五将軍家の半数が死に、初期対応ができなかったので、圧倒的に不利な状況となっていた。
未だに体制の立て直しができていなかった。
「急ぎ民から義勇兵をつのりなさい。
聖女に惑わされる前に、神殿から民を離すのです。
こちらが確保している、宝物殿の財宝と食糧庫の穀物を全て放出しなさい。
一歩遅れればこの国が滅びると思いなさい」
こんな緊急の時だからこそ、女の底力からが発揮されるのかもしれない。
ジェリコ公爵家の令嬢ソフィアが、亡くなった父に成り代わって、臨時の内大臣として指揮を執っている。
兄アイザック卿はまだ先日受けた傷が完全に癒えておらず、寝たきりの状態だ。
いや、アイザック卿がとっさにソフィアを庇ったからソフィアは生きているのだ。
「私が直接行こう。
男では聖女に誑かされてしまうかもしれない」
それに応えて、ウェルズ侯爵令嬢ミアが最前線に向かうと言ってくれる。
生き残って動ける者は、もう全員どこかで戦っている。
もうまともに戦えるのはミア嬢しかいなかった。
「まだ魔力が回復していないのに、すまない」
ソフィアは心から詫びていた。
ミア嬢は、顔に受けた見るも無残な魔力傷を治さず、そのまま戦っていた。
直接魔力によって変化させられた傷は、普通の怪我や火傷と違って、同等の魔力を費やさないと癒すことができないのだ。
ミア嬢は重体となった国王を護り戦うために、最低限の治療だけを受けて戦い続けていたのだ。
だがそれは、ソフィア嬢も同じだった。
「大丈夫よ。
五将軍家の者にとっては、戦傷は名誉よ。
隠すことでも恥ずべきことでもないわ。
それに、顔の傷なんて、兜をかぶって面貌をつければ誰にも分からないわ。
じゃあ行ってくるわね。
陛下達を任せたわよ」
そうミア嬢に言われて、ソフィア嬢は改めて身の引き締まる思いだった。
臨時に本陣としたこの塔には、まだ身動き取れない国王陛下と大臣将軍がいる。
ここを急襲されたら、本当にこの国は神殿が支配する国になってしまうのだ。
謀反人どもを許すな!」
「国王は神に逆らった!
国王は背教徒だ!
聖女様を新たな指導者にするのだ!
神聖帝国万歳!」
ブルック城内は大混乱していた。
いや、城内だけでなく、王都全体が内乱状態だった。
太陽神殿を、聖女を奉じて国王を殺そうとする謀叛人達が、王城と王都で戦いを開始したのだ。
その中には、王太子率いる学園生もいれば、神殿の私兵である聖堂騎士団もいる。
ただハリー第二王子は内乱中に命を落としていた。
一方の国王軍だが、当初に国王以下の指導者が重体となったことが大きかった。
王太子軍の中核となるはずだった、生徒会役員全てが自爆し、王太子軍も力を失ったとはいえ、四大臣家と五将軍家の半数が死に、初期対応ができなかったので、圧倒的に不利な状況となっていた。
未だに体制の立て直しができていなかった。
「急ぎ民から義勇兵をつのりなさい。
聖女に惑わされる前に、神殿から民を離すのです。
こちらが確保している、宝物殿の財宝と食糧庫の穀物を全て放出しなさい。
一歩遅れればこの国が滅びると思いなさい」
こんな緊急の時だからこそ、女の底力からが発揮されるのかもしれない。
ジェリコ公爵家の令嬢ソフィアが、亡くなった父に成り代わって、臨時の内大臣として指揮を執っている。
兄アイザック卿はまだ先日受けた傷が完全に癒えておらず、寝たきりの状態だ。
いや、アイザック卿がとっさにソフィアを庇ったからソフィアは生きているのだ。
「私が直接行こう。
男では聖女に誑かされてしまうかもしれない」
それに応えて、ウェルズ侯爵令嬢ミアが最前線に向かうと言ってくれる。
生き残って動ける者は、もう全員どこかで戦っている。
もうまともに戦えるのはミア嬢しかいなかった。
「まだ魔力が回復していないのに、すまない」
ソフィアは心から詫びていた。
ミア嬢は、顔に受けた見るも無残な魔力傷を治さず、そのまま戦っていた。
直接魔力によって変化させられた傷は、普通の怪我や火傷と違って、同等の魔力を費やさないと癒すことができないのだ。
ミア嬢は重体となった国王を護り戦うために、最低限の治療だけを受けて戦い続けていたのだ。
だがそれは、ソフィア嬢も同じだった。
「大丈夫よ。
五将軍家の者にとっては、戦傷は名誉よ。
隠すことでも恥ずべきことでもないわ。
それに、顔の傷なんて、兜をかぶって面貌をつければ誰にも分からないわ。
じゃあ行ってくるわね。
陛下達を任せたわよ」
そうミア嬢に言われて、ソフィア嬢は改めて身の引き締まる思いだった。
臨時に本陣としたこの塔には、まだ身動き取れない国王陛下と大臣将軍がいる。
ここを急襲されたら、本当にこの国は神殿が支配する国になってしまうのだ。
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