83 / 89
第一章
第83話:時間切れ
しおりを挟む
マンション都市建築を始めて半年、もう時間切れである。
これ以上の引き延ばしは不可能だ。
リアナと家臣達の動きがとても素早い。
バロンとズメイから筒抜けなのは分かっているのだろう。
全く隠すことなく堂々と大陸各国に圧力をかけている。
「聖王陛下の聖魔術がなくなってもいいのですか。
聖王陛下の聖魔術を受け継げるのは血の濃い私との子供だけですよ。
それとも聖王陛下が私が反対する女性と決婚すると思っているのですか。
もし私が五人子を生んでも正統な跡継ぎでない場合は、他国の女性を側室に認めますから、聖王陛下に私と決婚するように嘆願しなさい。
聖王陛下から私にプロポーズするように嘆願しなさい」
もう、リアナは常軌を逸しているのだろうか。
形振り構わない圧力と言うべきか嘆願と言うべきか。
各国の王侯貴族と連絡を取って嘆願書を送らせている。
各国の王侯貴族も俺がリアナを溺愛している事は分かってる。
俺が結婚に踏み切らないのは世間体を気にしているだけだと思っている。
だからだろう、俺が世間体を気にせずリアナにプリポーズできるように、同父同母兄弟姉妹の結婚を認める法改正をした。
法改正をしただけでなく、実際に同父同母兄弟姉妹の結婚を行った。
しかも俺とリアナに招待状を送ってくる念の入れようだ。
よほど俺とリアナに恩を売りたいのだろう。
まあそれも当然と言えば当然だ。
同父同母兄弟姉妹の結婚だと、遺伝子障害を持った子供が生まれやすい。
それを解消するには俺の聖魔術が必要不可欠だ。
王族ならばともかく、公爵家以下だと俺の治療を受けられない可能性がある。
結婚式に招待して縁を繋ぎたいのだ。
以前から道ならぬ近親愛を育んでいたカップルなら当然の事だ。
既に内密の子供がいる場合、特に障害を持った子供がいる場合は必死だ。
俺が治療さえすれば、その子が正常に育つ事は幾百の前例が証明している。
リアナに恩を売って子供を助けたい貴族のカップルが想像以上に多かった。
道ならぬ愛ほど激しく燃え上がるのだろう。
まあ、リアナのために全部承諾した。
ただしそれなりの礼金を支払った場合だけだ。
それも男爵以上の貴族に限定した。
準男爵以下の士族や平民まで寝る時間すらなくなってしまう。
どうしても治療して欲しければゴードン王国かロスリン王国の民になればいい。
俺かリアナの民なら治療費さえ払えば治してやる。
治療費がなければ未開地の開拓や大魔境で狩りをすればいい。
両王国の発展に寄与する人間ならば治してやりる。
ただし金持ちは別だ。
金持ちからは正当な報酬をもらう。
高価なマンション都市を購入して、全財産を持って移民してきてもらう。
決して高い買い物ではない。
もし破産しても子孫が永遠に衣食住に困ることが無くなるのだから。
これ以上の引き延ばしは不可能だ。
リアナと家臣達の動きがとても素早い。
バロンとズメイから筒抜けなのは分かっているのだろう。
全く隠すことなく堂々と大陸各国に圧力をかけている。
「聖王陛下の聖魔術がなくなってもいいのですか。
聖王陛下の聖魔術を受け継げるのは血の濃い私との子供だけですよ。
それとも聖王陛下が私が反対する女性と決婚すると思っているのですか。
もし私が五人子を生んでも正統な跡継ぎでない場合は、他国の女性を側室に認めますから、聖王陛下に私と決婚するように嘆願しなさい。
聖王陛下から私にプロポーズするように嘆願しなさい」
もう、リアナは常軌を逸しているのだろうか。
形振り構わない圧力と言うべきか嘆願と言うべきか。
各国の王侯貴族と連絡を取って嘆願書を送らせている。
各国の王侯貴族も俺がリアナを溺愛している事は分かってる。
俺が結婚に踏み切らないのは世間体を気にしているだけだと思っている。
だからだろう、俺が世間体を気にせずリアナにプリポーズできるように、同父同母兄弟姉妹の結婚を認める法改正をした。
法改正をしただけでなく、実際に同父同母兄弟姉妹の結婚を行った。
しかも俺とリアナに招待状を送ってくる念の入れようだ。
よほど俺とリアナに恩を売りたいのだろう。
まあそれも当然と言えば当然だ。
同父同母兄弟姉妹の結婚だと、遺伝子障害を持った子供が生まれやすい。
それを解消するには俺の聖魔術が必要不可欠だ。
王族ならばともかく、公爵家以下だと俺の治療を受けられない可能性がある。
結婚式に招待して縁を繋ぎたいのだ。
以前から道ならぬ近親愛を育んでいたカップルなら当然の事だ。
既に内密の子供がいる場合、特に障害を持った子供がいる場合は必死だ。
俺が治療さえすれば、その子が正常に育つ事は幾百の前例が証明している。
リアナに恩を売って子供を助けたい貴族のカップルが想像以上に多かった。
道ならぬ愛ほど激しく燃え上がるのだろう。
まあ、リアナのために全部承諾した。
ただしそれなりの礼金を支払った場合だけだ。
それも男爵以上の貴族に限定した。
準男爵以下の士族や平民まで寝る時間すらなくなってしまう。
どうしても治療して欲しければゴードン王国かロスリン王国の民になればいい。
俺かリアナの民なら治療費さえ払えば治してやる。
治療費がなければ未開地の開拓や大魔境で狩りをすればいい。
両王国の発展に寄与する人間ならば治してやりる。
ただし金持ちは別だ。
金持ちからは正当な報酬をもらう。
高価なマンション都市を購入して、全財産を持って移民してきてもらう。
決して高い買い物ではない。
もし破産しても子孫が永遠に衣食住に困ることが無くなるのだから。
0
お気に入りに追加
102
あなたにおすすめの小説
婚約破棄が私を笑顔にした
夜月翠雨
恋愛
「カトリーヌ・シャロン! 本日をもって婚約を破棄する!」
学園の教室で婚約者であるフランシスの滑稽な姿にカトリーヌは笑いをこらえるので必死だった。
そこに聖女であるアメリアがやってくる。
フランシスの瞳は彼女に釘付けだった。
彼女と出会ったことでカトリーヌの運命は大きく変わってしまう。
短編を小分けにして投稿しています。よろしくお願いします。
【完結】きみの騎士
*
恋愛
村で出逢った貴族の男の子ルフィスを守るために男装して騎士になった平民の女の子が、おひめさまにきゃあきゃあ言われたり、男装がばれて王太子に抱きしめられたり、当て馬で舞踏会に出たりしながら、ずっとすきだったルフィスとしあわせになるお話です。
完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。
今さら救いの手とかいらないのですが……
カレイ
恋愛
侯爵令嬢オデットは学園の嫌われ者である。
それもこれも、子爵令嬢シェリーシアに罪をなすりつけられ、公衆の面前で婚約破棄を突きつけられたせい。
オデットは信じてくれる友人のお陰で、揶揄されながらもそれなりに楽しい生活を送っていたが……
「そろそろ許してあげても良いですっ」
「あ、結構です」
伸ばされた手をオデットは払い除ける。
許さなくて良いので金輪際関わってこないで下さいと付け加えて。
※全19話の短編です。
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
不遇な王妃は国王の愛を望まない
ゆきむらさり
恋愛
稚拙ながらも投稿初日(11/21)から📝HOTランキングに入れて頂き、本当にありがとうございます🤗 今回初めてHOTランキングの5位(11/23)を頂き感無量です🥲 そうは言いつつも間違ってランキング入りしてしまった感が否めないのも確かです💦 それでも目に留めてくれた読者様には感謝致します✨
〔あらすじ〕📝ある時、クラウン王国の国王カルロスの元に、自ら命を絶った王妃アリーヤの訃報が届く。王妃アリーヤを冷遇しておきながら嘆く国王カルロスに皆は不思議がる。なにせ国王カルロスは幼馴染の側妃ベリンダを寵愛し、政略結婚の為に他国アメジスト王国から輿入れした不遇の王女アリーヤには見向きもしない。はたから見れば哀れな王妃アリーヤだが、実は他に愛する人がいる王妃アリーヤにもその方が都合が良いとも。彼女が真に望むのは愛する人と共に居られる些細な幸せ。ある時、自国に囚われの身である愛する人の訃報を受け取る王妃アリーヤは絶望に駆られるも……。主人公の舞台は途中から変わります。
※設定などは独自の世界観で、あくまでもご都合主義。断罪あり。ハピエン🩷
転生令嬢の涙 〜泣き虫な悪役令嬢は強気なヒロインと張り合えないので代わりに王子様が罠を仕掛けます〜
矢口愛留
恋愛
【タイトル変えました】
公爵令嬢エミリア・ブラウンは、突然前世の記憶を思い出す。
この世界は前世で読んだ小説の世界で、泣き虫の日本人だった私はエミリアに転生していたのだ。
小説によるとエミリアは悪役令嬢で、婚約者である王太子ラインハルトをヒロインのプリシラに奪われて嫉妬し、悪行の限りを尽くした挙句に断罪される運命なのである。
だが、記憶が蘇ったことで、エミリアは悪役令嬢らしからぬ泣き虫っぷりを発揮し、周囲を翻弄する。
どうしてもヒロインを排斥できないエミリアに代わって、実はエミリアを溺愛していた王子と、その側近がヒロインに罠を仕掛けていく。
それに気づかず小説通りに王子を籠絡しようとするヒロインと、その涙で全てをかき乱してしまう悪役令嬢と、間に挟まれる王子様の学園生活、その意外な結末とは――?
*異世界ものということで、文化や文明度の設定が緩めですがご容赦下さい。
*「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる