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第一章
第71話:自供
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「さて騎士フランキー、全て正直に話してもらおうか。
嘘偽りを言えばバロンが神罰を下す。
神罰は恐ろしいぞ、直ぐに死ぬことができずにありとあらゆる拷問が加えられる。
正直に全て話せば、ゴードン王国の王として恩赦を与えて幽閉に止めてやる。
だから全て正直に話すのだ」
「はなします、話します、全て正直に話します。
ですからどうか、どうか、どうか、恩赦願います」
母ミネバの不義密通相手のフランキーが一も二もなく素直に答える。
よくこの程度の人間が主家令嬢の護衛騎士に成れたものだ。
しかも主家令嬢の嫁ぎ先に自分の子供を偽って育てさせた。
本来なら、絶対守らなければいけない貴族のルールを破った罪で、大陸で一番激烈な処刑方法で殺さなければいけない。
だがそんな事はフランキーもよく知っている。
恩赦を約束しなければ素直に証言などしない。
そうなると激しい拷問を加えなければいけなくなる。
激しい拷問の末に白状した事は信憑性が疑われてしまう。
それでは意味がないから恩赦を約束したのだ。
もし証言しなければどのような拷問を加えるか、昨日見せつけておいた。
強姦殺人を犯した屑がいたから、徹底的に痛めつけてから処刑した。
あれと同じ方法で拷問されるのは誰だっていやだろう。
少なくとも俺は絶対に嫌だ、とても耐えられない。
最初の拷問が始まって直ぐに逃げ出してしまったくらいだからな。
「では話してもらおうか、リアナは誰の子だ」
「ミネバ様と私の子供でございます。
モーガン公爵閣下がキャメロン陛下が誕生されて愛人を作られました。
だからミネバ様も愛人を作られたのです」
「それが騎士フランキー、お前だったのだな。
はい、主人の命には逆らえず、仕方なくでございます」
「それは貴族の慣習だから咎めない。
だがなぜ子供を作った。
子供を作るのは貴族の慣習でも許さらない事だぞ」
「……失敗してしまいまして……」
「ふむ、最初から作る気ではなかったというのだな」
「はい、はい、はい、そのような気は全くございませんでした」
「では何故密かに処分しなかったのだ。
失敗して子供ができる事は稀にあることだ。
だがその時は水に流すのが貴族のしきたりだ。
情に流されて密かに生んだとしても、里子に出すのが貴族のしきたりだ。
何故リークン公爵の子供にした!」
「それは、それは、ミネバ様のモーガン公爵閣下への遺恨からでございます。
自分が産んでいないアレックス陛下をリークン公爵家の子供とした、モーガン公爵閣下への意趣返しであります」
「黙れ、黙れ、黙れ、そのような事は聞いておらん。
それにそれを直接モーガン公爵に聞いたわけではないであろう。
ミネバ殿に聞いたというだけの事だ。
ミネバ殿が嘘をついている可能性もある。
このような愚劣な者の顔も声も二度と見たくも聞きたくもない。
さっさと塔に幽閉するのだ」
さて、この場にいる王侯貴族に聞かせるのはこれで十分だ。
リアナがミネバとフランキーの間の子だと認定する。
これでリアナと俺は異父兄妹だと認められる。
だが俺がミネバ以外の女から生まれたことは認めない。
俺がモーガンと他の女の間に生まれた子供であることは認めないが噂だけは流す。
この方が信憑性を増すからな。
同時に俺がチェンジリングだという噂も流す。
後は大陸の王侯貴族の間でこの噂がどれだけ定着するか様子を見る。
その結果次第でこれからの行動を考えよう。
嘘偽りを言えばバロンが神罰を下す。
神罰は恐ろしいぞ、直ぐに死ぬことができずにありとあらゆる拷問が加えられる。
正直に全て話せば、ゴードン王国の王として恩赦を与えて幽閉に止めてやる。
だから全て正直に話すのだ」
「はなします、話します、全て正直に話します。
ですからどうか、どうか、どうか、恩赦願います」
母ミネバの不義密通相手のフランキーが一も二もなく素直に答える。
よくこの程度の人間が主家令嬢の護衛騎士に成れたものだ。
しかも主家令嬢の嫁ぎ先に自分の子供を偽って育てさせた。
本来なら、絶対守らなければいけない貴族のルールを破った罪で、大陸で一番激烈な処刑方法で殺さなければいけない。
だがそんな事はフランキーもよく知っている。
恩赦を約束しなければ素直に証言などしない。
そうなると激しい拷問を加えなければいけなくなる。
激しい拷問の末に白状した事は信憑性が疑われてしまう。
それでは意味がないから恩赦を約束したのだ。
もし証言しなければどのような拷問を加えるか、昨日見せつけておいた。
強姦殺人を犯した屑がいたから、徹底的に痛めつけてから処刑した。
あれと同じ方法で拷問されるのは誰だっていやだろう。
少なくとも俺は絶対に嫌だ、とても耐えられない。
最初の拷問が始まって直ぐに逃げ出してしまったくらいだからな。
「では話してもらおうか、リアナは誰の子だ」
「ミネバ様と私の子供でございます。
モーガン公爵閣下がキャメロン陛下が誕生されて愛人を作られました。
だからミネバ様も愛人を作られたのです」
「それが騎士フランキー、お前だったのだな。
はい、主人の命には逆らえず、仕方なくでございます」
「それは貴族の慣習だから咎めない。
だがなぜ子供を作った。
子供を作るのは貴族の慣習でも許さらない事だぞ」
「……失敗してしまいまして……」
「ふむ、最初から作る気ではなかったというのだな」
「はい、はい、はい、そのような気は全くございませんでした」
「では何故密かに処分しなかったのだ。
失敗して子供ができる事は稀にあることだ。
だがその時は水に流すのが貴族のしきたりだ。
情に流されて密かに生んだとしても、里子に出すのが貴族のしきたりだ。
何故リークン公爵の子供にした!」
「それは、それは、ミネバ様のモーガン公爵閣下への遺恨からでございます。
自分が産んでいないアレックス陛下をリークン公爵家の子供とした、モーガン公爵閣下への意趣返しであります」
「黙れ、黙れ、黙れ、そのような事は聞いておらん。
それにそれを直接モーガン公爵に聞いたわけではないであろう。
ミネバ殿に聞いたというだけの事だ。
ミネバ殿が嘘をついている可能性もある。
このような愚劣な者の顔も声も二度と見たくも聞きたくもない。
さっさと塔に幽閉するのだ」
さて、この場にいる王侯貴族に聞かせるのはこれで十分だ。
リアナがミネバとフランキーの間の子だと認定する。
これでリアナと俺は異父兄妹だと認められる。
だが俺がミネバ以外の女から生まれたことは認めない。
俺がモーガンと他の女の間に生まれた子供であることは認めないが噂だけは流す。
この方が信憑性を増すからな。
同時に俺がチェンジリングだという噂も流す。
後は大陸の王侯貴族の間でこの噂がどれだけ定着するか様子を見る。
その結果次第でこれからの行動を考えよう。
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