王女に婚約破棄され実家の公爵家からは追放同然に辺境に追いやられたけれど、農業スキルで幸せに暮らしています。

克全

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第一章

第23話:困窮民

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帝国暦1121年・神暦1021年・王国暦121年8月10日・ロディー視点
ロディー15歳

 急いで最初に拠点と定めた城に戻ると、アズナブル商会のサンマロが待っていた。
 俺を相手に強気の交易しようと準備万端整えて待ち構えようとしていた。
 だが、その目論見はドワーフ族によって打ち砕かれていた。
 人間など歯牙にもかけないドワーフ族が、サンマロを二ノ丸の中にも入れず、城外で待たせ続けていたのだ。

「よくやってくれた、ショーン。
 お陰でサンマロの出鼻をくじく事ができた。
 今までは気を張って弱みを見せないようにしていたが、本当は人命や情を絡めた交渉が辛かったのだ」

「お役に立てたのでしたら幸いです。
 なんでしたら全ての交渉を私がさせていただきますが、どうされますか?」

「いや、ショーンは俺の右横にいてくれればいい。
 苦手な話題になったら靴を軽くけるから、交渉を代わってくれ。
 ジェイミーは左横にいてサンマロを睨みつけていてくれ。
 ナイルには俺の背中を護ってもらう」

 ショーンは酒造りの名人だけあって、多少なりとも交易の経験がある。
 ジェイミーな狂気の酒好きなだけでなく、恐ろしく強い戦士でもある。
 心臓がある左側はジェイミーに任せたい。
 名人刀鍛冶であるナイルは歴戦の戦士でもある。
 俺の背中を任せられるだけの強さがある。

「ご領主様、アズナブル商会のサンマロ殿を御連れいたしました」

 侍女役をしてくれているアルフィンが声をかけてくれる。
 彼女が西ロマンティア皇帝家に所縁のある者だと知ったら、サンマロはどんな手段を使って金儲けにつなげるだろう?
 旧西ロマンティア帝国領に群雄割拠している連中にアルフィンを売るだろうか?
 それともアルテリア王家に売るかな?

「ロディー様の御尊顔を拝し奉り、恐悦至極でございます」

 時間がかかるだけで何の役にも立たない儀礼的な挨拶を交わす。
 
「ロディー様、小作人を代価にワインを売っていただけないでしょうか?」

 サンマロが軽くジャブを入れてきた。

「前回の話では、ワインは売らない事になっていたはずだ。
 砂糖とバナナの代価として鶏、山羊、羊、牛、豚を買ってきてくれる約束だったが、アズナブル商会の力では手に入れられなかったのか?
 それとも、俺との約束を軽く見ているのか?!」

「いえ、いえ、ロディー様との約束を軽く考えるなんて絶対に有りません。
 前回約束させていただいた分はちゃんと確保しております。
 ただ、前回御約束して頂けなかったワインを、小作人たちで売っていただけないかと思いまして、はるばる連れて来させていただいたのです。
 それに、今回連れて来させていただいた小作人たちにも色々と事情があるのです」

 情に訴えようとしているのは明らかだな。
 俺はシェーンの靴を軽く蹴った。

「黙れ!
 騎士殿が造った酒は全て我らドワーフ族の物だ。
 横から奪おうとするのなら、エンシェントドワーフの名に懸けて、お前たちの一族を皆殺しするが、それでもいいのだな!」

「そうだぞ、愚かな人間。
 我らはつい先日エンシェントエルフをほぼ皆殺しにして里を奪ったばかりだ。
 その気になればアズナブル商会だけでなく、王国すら滅ぼせるのだぞ。
 ドワーフの酒を奪う事がどれほど危険な事なのかを知らないなんて、三流以下のエセ商人としか思えんな」

 おい、おい、ジェイミー。
 お前には護衛を頼んだだけで、脅迫までは頼んでいないぞ。
 交渉はショーンに任せておけばいい。

 ガーン!

 サンマロが入ってきたドアを護っていたエンシェントドワーフが、俺も驚くぐらい大きな音を立てて、いかつい戦斧を床にたたきつけた。
 背後からそのような脅迫をされたサンマロは思わず椅子から飛び上がった。
 サンマロを護衛していた歴戦の人間戦士がその場に倒れ伏した。
 鼻を衝く独特の臭気が部屋の中を満たしていく。

「このまま交渉するには無理のようだね。
 交易については、明日改めて話し合わせてもらおう。
 サンマロたちを宿舎に案内してやってくれ。
 こんな状況だから、アルフィンではなくドワーフに任せるよ」

 ドワーフに引きずられてサンマロたちが出て行った。
 これ以上便臭の立ち込める部屋にいたくないので、俺も直ぐに部屋を後にした。

「あの程度の事で粗相をするとは、あれでも護衛か!」

 ジェイミーも鼻に突く独特の臭いには辟易したのだろう。
 エルフ族を相手にしていた時のように怒っている。

「あの臭いを思い出してしまったら、酒の香りも味も悪くなってしまう!」

「もう怒るな、ジェイミー。
 人間、それも商人やその護衛ごときが、エンシェントドワーフの脅迫に耐えられるわけがないだろう。
 そんな事よりも、今後の交易についてだ。
 ワインや他の酒を売るかどうかはドワーフ族に任せる。
 売りたくないのなら売らなくていい。
 ただ、前回約束していた売買は守る。
 今日の粗相を理由に反故にしたり値切ったりはしない」

「そうですな、約束は約束。
 守らないと名誉を損なう事になりますな」

 ドワーフ族の頑固さに職人気質が加わっているナイルが肯定してくれる。
 
「それと、ワインや火酒を美味しく飲むための料理を作りたい。
 そのためにはこれからも大量の家畜を運んできてもらわなければならない。
 サンマロに不当な利益を与える気はないが、ある程度はもうけさせないと、こちらから人間の所に交易に行かなければいけなくなる。
 その点も考えて交渉してもらわないといけない」

「そうだね、美味しい料理があると酒の味が引き立つ。
 魔獣肉も美味いが、チーズや家畜の肉は捨てがたいからね」

 ジェイミーの言葉に他の2人もうなずいている。
 
「チーズは山羊と牛で大きく味が違う。
 味噌につけても燻製にしてもがらりと元の味と違ってくる。
 俺1人で食べるのなら今回の交易で終わってもいいが、できればここに住む者全員が同じように食べられるようにしたい」

 俺は毎日6つも8つも卵が食べたいのだ!
 だが、他の者が卵を食べられないのに、俺1人だけで美味しく食べられるほど図太い神経はしていない。
 公爵家に生まれ育って、身分差がある事は理解している。
 それに、前世でも全ての人が平等ではなかった。

 だが、俺が治める民が貧しい生活をしている状況で、平気で贅沢できるほど鈍感ではない。
 俺の民はこの国の平均から言えばとても豊かな生活をしている。
 穀物を満腹になるまで食べられるだけでなく、狩った肉も食べられる。
 それでも、数が限られる卵を毎日食べられはしないのだ。

「騎士殿は本当に優しいのう。
 普通の領主は領民が何を食べているかなど気にもしないぞ」

「褒めてくれるのはありがたいが、領主としては失格だ。
 領民の事を大切にし過ぎると、そこが弱点になる。
 いや、領民だけでなく、善良で弱い者に情をかけすぎてしまうのは大きな弱点だ。
 俺は隠していたつもりだが、サンマロに見抜かれていたようだ」

「そういうことなら、憎まれ役は私が引き受けてやるよ」

 ジェイミーが俺の身代わりになると言ってくれる。
 ありがたくて涙が流れそうになる。

「その代わり、この前飲ませてくれた、10年エイジングの火酒を頼む」

 全部台無しだ!

「それで騎士殿、ある程度商人にもうけさせるとして、何を売る。
 酒以外となると、砂糖とバナナの量を増やすのか?
 それとも、前回言っていた、ドワーフ麦酒やドワーフ清酒を売るのか?」

 ショーンの疑問はもっともだ。
 ドワーフ族が造った各種酒をブレンドして売る事は前に提案をしていた。
 ドワーフ族の酒造りを統括しているショーンとしては気になるだろう。

「ドワーフ族が俺の作った酒よりも自分たちが作った酒の方を飲むというのなら、売る必要などない。
 だが、俺の酒だけ飲んで、自分たちが造った酒を死蔵するのは絶対に許さない!」

「だったらドワーフ火酒やドワーフ清酒として売ろう。
 騎士殿が造ったとびっきりの酒があるのに、遥かに劣る酒など飲めん!」

 命がかかった武具甲冑は、明らかに劣っていても自分が作った物にこだわるくせに、酒は自分が作った物より美味しい物を選ぶのかよ!
 どれほど酒が好きなんだ、ドワーフ!

 再度の打ち合わせを終えた俺たちは、粗相をして圧倒的不利な状況となったサンマロたちを圧迫して、こちらに都合のいいような交渉をした。
 俺が情に脆い所は、ドワーフたちが突かせない体勢だと骨の髄まで理解させた。
 エンシェントドワーフの殺気を受けるのはもう嫌だと徹底的に思わせた。
 もちろん事前に打ち合わせた通り、サンマロにも十分な利益を与えた。

 次の取引についてもサンマロとしっかりと話し合った。
 子供が産める雌を中心に家畜を集めて来てもらう。
 毛織物など作らなくても、俺のスキルで麻・葛・芭蕉・綿を創る事ができる。
 必要なのは美味しい乳を出す品種か肉が美味い品種だ。
 サンマロが来てから20日、新たな小作人たちも何とか安心できたようだ。

「皆しっかり食べているか?
 バナナを持ってきたから休憩するがいい」

「うわあああああ、バナナだ!」
「ロディー様、ありがとうございます!」
「毎日お気遣い頂き、感謝の言葉もありません」
「ロディー様が受け入れてくださらなかったら、どうなっていたことか……」
「毎日美味しい食事をお腹一杯食べられて、夢のようでございます」

 年老いた寡婦と孤児たちが1番先に走り寄ってきた。
 先に来ていた他国の難民達は暖かく見守っている。
 彼らは他国に逃げてきた身の上とはいえ、家族がそろっている事が多い。
 だが新しい小作人たちは、元の村で厄介者扱いされていた。

 妾や愛人になれるような寡婦はギリギリでも生きていける。
 だが、誰にも求められない年老いた寡婦は貧しさの中で死んでいくしかない。
 それは頼りになる親類のいない孤児も同じだ。
 中には愛人になった母親に捨てられた子供もいる。
 そんな者たちは、犯罪者になるか死ぬしか道はない。

 ここに来た時は、極度の飢えでガリガリに痩せてまるで幽鬼のような姿だった。
 今では1日1度の薄い大麦粥ではなく、1日4度の御馳走にありつける。
 人手が必要な粉挽きをして作られるパンやパスタが朝昼晩とお腹一杯食べられる。
 3時にはバナナやリンゴ、ナシやメロンがおやつとして出される。
 そんな生活を与える俺の事を慕ってくれるのは当然と言えば当然だ。

「ハッハハハハハ、領主として領民の生活を守るのは当然の事だ。
 その分しっかりと働いてもらうから、頼んだぞ」

「「「「「はい、おまかせください!」」」」」

『ロディー騎士領』
領主:ロディー
家臣:エンシェントドワーフ・38人(ジェイミー、ナイル・ショーンなど)
  :ハイドワーフ    ・73人
  :エルダードワーフ  ・110人
  :ドワーフ      ・471人
家臣:人間        ・1人(アルフィン)
小作:人間男       ・24人
  :人間女       ・24人
  :人間子供      ・35人
  :人間寡婦      ・53人
  :人間孤児      ・59人
馬 :軍馬        ・1頭
  :輓馬        ・10頭
  :牛         ・38頭
  :山羊        ・35頭
  :羊         ・14頭
  :豚         ・25頭
  :鶏         ・200羽
『ロディー』
種族:ホモサピエンス
神与スキル:農民  ・レベル7201
     :自作農民・レベル5103
     :開拓農民・レベル21252
     :地主農民・レベル4071
     :武装農民・レベル7201
 付属スキル:耕種農業レベル7201
        耕作  レベル2439
        種蒔き レベル1853
        品種改良レベル1853
        農薬生産レベル3416
        農薬散布レベル3416
        選定  レベル4322
        収穫  レベル 896
        剣鉈術 レベル7201
        戦斧術 レベル7201
      :工芸農業レベル212
        木工  レベル212
        紡績  レベル212
        織物  レベル212
      :自作  レベル4351
        燻製  レベル68
        酒造  レベル5104
        発酵  レベル5104
        陶芸  レベル225
        料理  レベル1298
      :開拓  レベル14253
        伐採  レベル5327
        建築  レベル1293
        石工  レベル  21
        魔力生産レベル21252
        魔力増幅レベル21252
      :地主農民レベル4071
        領民指導レベル4071
      :武装農民レベル7201
        剣術  レベル7201
        槍術  レベル96
        戦斧術 レベル7201
        弓術  レベル97
        石弓術 レベル9
        拳術  レベル9
        脚術  レベル9
        柔術  レベル9
        戦術  レベル9
        馬術  レベル516
        調教術 レベル516
 一般スキル:生産術レベル1298
        木工 レベル1293
        絵画 レベル9
        習字 レベル9
        算術 レベル9
        料理 レベル1298
        刺繍 レベル9
        裁縫 レベル9
        大工 レベル1293
        石工 レベル21

「基本能力」
HP:13974275
魔力:10098826
命力:8982344
筋力:706747
体力:675559
知性:565243 
精神:544411
速力:458808
器用:448280
運 :448280
魅力:448280
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