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第一章
第22話:世界樹
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帝国暦1121年・神暦1021年・王国暦121年7月20日・ロディー視点
ロディー15歳
(よくぞ傲慢なエルフ族を追い払ってくれた、褒めてとらす)
随分と偉そうな言い方をするが、世界樹ならしかたがないのか?
この世界では、世界樹は神なのか?
(そうだ、吾は全ての樹木を司る神である。
神である故、弱肉強食のこの世界で公平であらねばならぬ。
だから傲慢なエルフが吾の側にいる事も我慢してきた。
だが、好き嫌いは別である。
吾はエルフが大嫌いであったのだ)
困ったな、頭で考えた事や心で思って事が伝わってしまうのか?
これでは理性で抑えている小汚い本性まで世界樹に読まれてしまうぞ。
(考えや想いを読まれたくないのなら、言葉にすればよい。
人族の本性が汚い事など樹木神である吾には当然の事だ)
「騎士殿、何を黙りこんでいるのだ?
それほど熱心に願わなければいけない事でもあるのか?
それとも、世界樹から返事でもあったのか?
いくらなんでもそんな事はないよな?
私も何千年と生きてきたが、世界樹と会話するなんて聞いた事がないからな」
「いや、ちゃんと話はできているぞ、ジェイミー。
心話と言っていいのか念話と言っていいのかは分からないがな。
世界樹はこの世界の樹木を統べる樹木神だそうだ。
それと、俺たちと同じようにエルフ族が大嫌いだったそうだ」
「……本当に騎士殿は規格外だな!」
「俺には人間の常識しかないから、大森林の常識は分からない。
ジェイミーが非常識と言うのならそうなのだろうが、慣れてくれ。
創造神に酒と料理を捧げた影響でとんでもなく依怙贔屓されているからな」
「分かった、非常識な事を言ったりやったりした時は指摘する」
「ああ、そうしてくれ。
そうしてくれないと、ドワーフ族に愛想を尽かされるかもしれないからな」
「いや、騎士殿が美味い酒を造る限り、ドワーフ族が愛想を尽かす事はない」
(……吾の事を忘れているのではないだろうな?)
「いや、世界樹の事を忘れてはいないぞ。
ただ俺たちの間で情報の共有をしていただけだ。
おっと、これまで通り世界樹と呼んでいいのか?
樹木神様と呼んだ方がいいのか?」
ジェイミーが独り言を口にしているような俺を怪訝な表情で見ている。
世界樹と話ながら、ジェイミーにも理解できるようにしなければいけない。
そうしないとジェイミー説明しなければならず、二度手間になる。
(吾は呼び名など気にしない。
世界樹でもユグドラシルでも樹木神でも、好きに呼べばよい)
「分かった、好きに呼ばせてもらう。
大森林ではどの種族も貴方の事を世界樹と呼んでいるようだから、これからも世界樹と呼ばせてもらう。
それで、世界樹は俺にして欲しい事がないのか?」
(して欲しい事だと?
人族が吾の望む事を完遂できるのか?)
「俺に世界樹が望む事を完遂できるかどうかは分からない。
だが、できるだけ望みを叶えたいとは思っている。
樹木の神に対して不遜と思うかもしれないが、創造神は俺の造る酒と料理が気に入って、色々と依怙贔屓してくれている。
だから、何か俺の得意な事で世界樹の望みを叶えられるのなら、渡して依怙贔屓して欲しいと思ったのだ」
(ふむ、創造神様の好みは我には分からぬ。
吾は人族が造る酒や料理に興味はないからな。
ただ、少し気になっているのは、お前が耕した土だ。
あれはとても栄養素があって吾に力を与える。
魔素と太陽光、水と大地の栄養素が吾の力の源だからな)
「じゃあ、肥料なんてどうだ?
俺の農民スキルの中には、農薬生産と農薬生散布がある。
だがこのスキルの中に、作物の成長を助ける肥料が含まれている。
世界樹が望むのなら、世界樹を成長させる肥料を作って与える事ができるぞ」
(ふむ、それが本当なら、吾の役に立つな。
ここまで成長してからは、魔素と太陽光と水だけで生きてきた。
だが、それだけでは徐々に体を維持できず、力が弱っていたのだ。
しかし、その肥料というモノが、どのようなモノか分からいうちは、大量に受け入れる訳にはいかぬぞ)
「分かっている、
俺に悪意があれば、肥料と偽って、世界樹に害を与える毒を撒く事もできる。
肥料を創り散布する間は、俺の頭と心を除いてくれて構わん」
(そうか、そこまで言うのなら試してやる。
その肥料とやらを少しだけ創ってみせるがよい)
俺の独り言に聞こえるような会話をジェイミーが複雑な表情で聞いている。
俺がジェイミーの立場でも同じような表情をしていただろう。
非常に恥ずかしいが、世界樹を味方につけるためには必要な事だ。
世界樹が俺の持つ前世の知識通りの力を持っているのなら、何としてでも味方にしておきたい。
(ウォオオオオ、なんじゃこれは、なんじゃこれは、なんじゃこれは!
もっとじゃ、もっとよこすのじゃ!)
「肥料をたくさん創るのも撒くのもかまわない。
だが、念のために聞いておきたい。
この肥料をたくさん与えると、世界樹はどうなるのだ?」
それの想像通りならとんでもない事になる。
(じらすでない、肥料を寄こすのだ!
今直ぐさっき創った肥料を寄こすのだ!)
「さっきから言葉がぶれているが、世界樹は男なのか?
それとも女なのか?」
(そのような事はどうでもよい。
さっさと肥料を寄こすのだ、人間!)
「俺の質問に答えないと、この地を前のようにエルフに任せて俺たちは戻るぞ!」
(えええい、忌々しい人間め!
吾は男でも女でもない。
樹木では雌雄異体の方が珍しいのだ。
答えてやったぞ、さっさと肥料を寄こすのだ!)
「もう1つの質問に答えろ。
肥料を与えたら世界樹はどうなるのだ?!」
(成長する。
今まで成長できなかった分、一気に成長するぞ)
「世界樹が急に成長したら、この辺にあるエルフ族の家が壊れるのではないか?
俺を含むドワーフ族が成長に巻き込まれるのではないか?」
(……巻き込まれるだろう)
「巻き込まれないようにするには、少しずつ肥料を与えるしかない。
それでもいいのなら、肥料を与えるが、どうする?」
(うぬぬぬぬぬ……)
★★★★★★
「俺は人間だから、世界樹に比べて寿命がとても短い。
あまり長く考え込まれては、世界樹が答えを出す前に死んでしまうぞ。
それでもいいのなら、ずっと考えていてくれ。
はっきり言っておくが、答えは簡単だぞ。
俺たちに被害を出さない程度の肥料を毎日撒く事が1番だぞ。
1度に沢山肥料をもらって後もらえないのと、毎日もらえるのとどっちがいい。
毎日もらえる方がいいに決まっているだろう!
あとは、俺が撒いた肥料を世界樹の中に蓄えておけばいいだろう」
(それでよい、それでよいから肥料をくれ!)
俺は世界樹が求めている栄養素の入った肥料と念じて創った。
余計な邪念が入らないように集中して肥料を創った。
世界樹からはご機嫌な感情が伝わってきた。
まるで、10年エイジングを加えた酒を飲んでいるドワーフのように。
肥料は世界樹にとって美味しい酒や料理のようなモノなのだろうか?
俺は世界樹が心から望む肥料を交渉材料にした。
まずは世界樹に登って隠れているエルフの引き渡し。
もちろん洞の中に隠れているエルフも引き渡してもらう。
根を動かしてせっかくあるエルフの家を壊さないようにしてもらう事。
根茎や板根を活用して魔欅以上の城壁を造ってもらう事。
最初はあれこれと文句を言っていた世界樹だが、最後は望み通りにしてくれた。
よほど俺の創り出す肥料が美味しいのだろう。
最終的には文句も言わずに嬉々として言う事を聞いてくれた。
俺の肥料に麻薬のような作用があるのなら、もうこれ以上与えない方がいいのかもしれない。
「そろそろエルフの晒し首を片付けてもいいか?」
里に残っているエルフ族を皆殺しにしてから30日が過ぎた。
見せしめのため、800人以上のエルフの首を晒した。
エルフ族は大森林内でよほど憎まれていたのだろう。
多くの種族が晒された首を見に来ていた。
俺はこの好機を逃さなかった。
世界樹に大量の肥料を与え、見物に来ている他種族に、俺には世界樹を成長させて意のままに操る力があると見せつけた。
目の前で一気に強大になるだけでなく、根茎や板根を動かして内壁や外壁を造り出す様子をみれば、俺に逆らう気もなくなるだろう。
別に他種族を圧迫して従わせようというのではない。
人族を弱く見て襲ってこないようにしたいだけだ。
襲われれば容赦なく返り討ちにするが、人殺しが好きな訳ではない。
できる事なら、他人と争うことなく穏やかに暮らしたいだけだ。
そう思っていたのに、俺の邪魔をする者がいる。
他種族は俺と世界樹を恐れて手出ししては来なかった。
邪魔をしたのは俺と同じ人族だ。
それも、俺との関係は浅くないアズナブル商会の会長サンマロだった。
「成長前の世界樹」
高さ:500m
直径:55m
幹周:200m
「成長後の世界樹」
高さ:1000m
直径:200m
幹周:計測不能
「大森林の魔樹の平均」
高さ:120m
直径:5m
「大森林の世界樹以外の最高・それぞれ違う樹木」
高さ:200m
直径:30m
幹周:110m
『ロディー騎士領』
領主:ロディー
家臣:エンシェントドワーフ・38人(ジェイミー、ナイル・ショーンなど)
:ハイドワーフ ・72人
:エルダードワーフ ・107人
:ドワーフ ・459人
家臣:人間 ・1人(アルフィン)
小作:人間 ・83人
『ロディー』
種族:ホモサピエンス
神与スキル:農民 ・レベル6593
:自作農民・レベル4351
:開拓農民・レベル14523
:地主農民・レベル3476
:武装農民・レベル5219
付属スキル:耕種農業レベル6593
耕作 レベル1972
種蒔き レベル1685
品種改良レベル1685
農薬生産レベル2994
農薬散布レベル2994
選定 レベル4322
収穫 レベル 896
剣鉈術 レベル6932
戦斧術 レベル6932
:工芸農業レベル212
木工 レベル212
紡績 レベル212
織物 レベル212
:開拓 レベル14253
伐採 レベル5327
建築 レベル1293
石工 レベル 21
魔力生産レベル14253
魔力増幅レベル14253
:自作 レベル4351
燻製 レベル68
酒造 レベル4351
発酵 レベル4351
陶芸 レベル225
料理 レベル938
:地主農民レベル3476
領民指導レベル3476
:武装農民レベル3821
剣術 レベル5219
槍術 レベル96
戦斧術 レベル5219
弓術 レベル97
石弓術 レベル9
拳術 レベル9
脚術 レベル9
柔術 レベル9
戦術 レベル9
馬術 レベル516
調教術 レベル516
一般スキル:生産術レベル1055
木工 レベル1293
絵画 レベル9
習字 レベル9
算術 レベル9
料理 レベル938
刺繍 レベル9
裁縫 レベル9
大工 レベル1293
石工 レベル21
「基本能力」
HP:11639727
魔力:9488172
命力:6892823
筋力:536748
体力:547555
知性:485242
精神:442311
速力:341807
器用:341620
運 :341620
魅力:341620
ロディー15歳
(よくぞ傲慢なエルフ族を追い払ってくれた、褒めてとらす)
随分と偉そうな言い方をするが、世界樹ならしかたがないのか?
この世界では、世界樹は神なのか?
(そうだ、吾は全ての樹木を司る神である。
神である故、弱肉強食のこの世界で公平であらねばならぬ。
だから傲慢なエルフが吾の側にいる事も我慢してきた。
だが、好き嫌いは別である。
吾はエルフが大嫌いであったのだ)
困ったな、頭で考えた事や心で思って事が伝わってしまうのか?
これでは理性で抑えている小汚い本性まで世界樹に読まれてしまうぞ。
(考えや想いを読まれたくないのなら、言葉にすればよい。
人族の本性が汚い事など樹木神である吾には当然の事だ)
「騎士殿、何を黙りこんでいるのだ?
それほど熱心に願わなければいけない事でもあるのか?
それとも、世界樹から返事でもあったのか?
いくらなんでもそんな事はないよな?
私も何千年と生きてきたが、世界樹と会話するなんて聞いた事がないからな」
「いや、ちゃんと話はできているぞ、ジェイミー。
心話と言っていいのか念話と言っていいのかは分からないがな。
世界樹はこの世界の樹木を統べる樹木神だそうだ。
それと、俺たちと同じようにエルフ族が大嫌いだったそうだ」
「……本当に騎士殿は規格外だな!」
「俺には人間の常識しかないから、大森林の常識は分からない。
ジェイミーが非常識と言うのならそうなのだろうが、慣れてくれ。
創造神に酒と料理を捧げた影響でとんでもなく依怙贔屓されているからな」
「分かった、非常識な事を言ったりやったりした時は指摘する」
「ああ、そうしてくれ。
そうしてくれないと、ドワーフ族に愛想を尽かされるかもしれないからな」
「いや、騎士殿が美味い酒を造る限り、ドワーフ族が愛想を尽かす事はない」
(……吾の事を忘れているのではないだろうな?)
「いや、世界樹の事を忘れてはいないぞ。
ただ俺たちの間で情報の共有をしていただけだ。
おっと、これまで通り世界樹と呼んでいいのか?
樹木神様と呼んだ方がいいのか?」
ジェイミーが独り言を口にしているような俺を怪訝な表情で見ている。
世界樹と話ながら、ジェイミーにも理解できるようにしなければいけない。
そうしないとジェイミー説明しなければならず、二度手間になる。
(吾は呼び名など気にしない。
世界樹でもユグドラシルでも樹木神でも、好きに呼べばよい)
「分かった、好きに呼ばせてもらう。
大森林ではどの種族も貴方の事を世界樹と呼んでいるようだから、これからも世界樹と呼ばせてもらう。
それで、世界樹は俺にして欲しい事がないのか?」
(して欲しい事だと?
人族が吾の望む事を完遂できるのか?)
「俺に世界樹が望む事を完遂できるかどうかは分からない。
だが、できるだけ望みを叶えたいとは思っている。
樹木の神に対して不遜と思うかもしれないが、創造神は俺の造る酒と料理が気に入って、色々と依怙贔屓してくれている。
だから、何か俺の得意な事で世界樹の望みを叶えられるのなら、渡して依怙贔屓して欲しいと思ったのだ」
(ふむ、創造神様の好みは我には分からぬ。
吾は人族が造る酒や料理に興味はないからな。
ただ、少し気になっているのは、お前が耕した土だ。
あれはとても栄養素があって吾に力を与える。
魔素と太陽光、水と大地の栄養素が吾の力の源だからな)
「じゃあ、肥料なんてどうだ?
俺の農民スキルの中には、農薬生産と農薬生散布がある。
だがこのスキルの中に、作物の成長を助ける肥料が含まれている。
世界樹が望むのなら、世界樹を成長させる肥料を作って与える事ができるぞ」
(ふむ、それが本当なら、吾の役に立つな。
ここまで成長してからは、魔素と太陽光と水だけで生きてきた。
だが、それだけでは徐々に体を維持できず、力が弱っていたのだ。
しかし、その肥料というモノが、どのようなモノか分からいうちは、大量に受け入れる訳にはいかぬぞ)
「分かっている、
俺に悪意があれば、肥料と偽って、世界樹に害を与える毒を撒く事もできる。
肥料を創り散布する間は、俺の頭と心を除いてくれて構わん」
(そうか、そこまで言うのなら試してやる。
その肥料とやらを少しだけ創ってみせるがよい)
俺の独り言に聞こえるような会話をジェイミーが複雑な表情で聞いている。
俺がジェイミーの立場でも同じような表情をしていただろう。
非常に恥ずかしいが、世界樹を味方につけるためには必要な事だ。
世界樹が俺の持つ前世の知識通りの力を持っているのなら、何としてでも味方にしておきたい。
(ウォオオオオ、なんじゃこれは、なんじゃこれは、なんじゃこれは!
もっとじゃ、もっとよこすのじゃ!)
「肥料をたくさん創るのも撒くのもかまわない。
だが、念のために聞いておきたい。
この肥料をたくさん与えると、世界樹はどうなるのだ?」
それの想像通りならとんでもない事になる。
(じらすでない、肥料を寄こすのだ!
今直ぐさっき創った肥料を寄こすのだ!)
「さっきから言葉がぶれているが、世界樹は男なのか?
それとも女なのか?」
(そのような事はどうでもよい。
さっさと肥料を寄こすのだ、人間!)
「俺の質問に答えないと、この地を前のようにエルフに任せて俺たちは戻るぞ!」
(えええい、忌々しい人間め!
吾は男でも女でもない。
樹木では雌雄異体の方が珍しいのだ。
答えてやったぞ、さっさと肥料を寄こすのだ!)
「もう1つの質問に答えろ。
肥料を与えたら世界樹はどうなるのだ?!」
(成長する。
今まで成長できなかった分、一気に成長するぞ)
「世界樹が急に成長したら、この辺にあるエルフ族の家が壊れるのではないか?
俺を含むドワーフ族が成長に巻き込まれるのではないか?」
(……巻き込まれるだろう)
「巻き込まれないようにするには、少しずつ肥料を与えるしかない。
それでもいいのなら、肥料を与えるが、どうする?」
(うぬぬぬぬぬ……)
★★★★★★
「俺は人間だから、世界樹に比べて寿命がとても短い。
あまり長く考え込まれては、世界樹が答えを出す前に死んでしまうぞ。
それでもいいのなら、ずっと考えていてくれ。
はっきり言っておくが、答えは簡単だぞ。
俺たちに被害を出さない程度の肥料を毎日撒く事が1番だぞ。
1度に沢山肥料をもらって後もらえないのと、毎日もらえるのとどっちがいい。
毎日もらえる方がいいに決まっているだろう!
あとは、俺が撒いた肥料を世界樹の中に蓄えておけばいいだろう」
(それでよい、それでよいから肥料をくれ!)
俺は世界樹が求めている栄養素の入った肥料と念じて創った。
余計な邪念が入らないように集中して肥料を創った。
世界樹からはご機嫌な感情が伝わってきた。
まるで、10年エイジングを加えた酒を飲んでいるドワーフのように。
肥料は世界樹にとって美味しい酒や料理のようなモノなのだろうか?
俺は世界樹が心から望む肥料を交渉材料にした。
まずは世界樹に登って隠れているエルフの引き渡し。
もちろん洞の中に隠れているエルフも引き渡してもらう。
根を動かしてせっかくあるエルフの家を壊さないようにしてもらう事。
根茎や板根を活用して魔欅以上の城壁を造ってもらう事。
最初はあれこれと文句を言っていた世界樹だが、最後は望み通りにしてくれた。
よほど俺の創り出す肥料が美味しいのだろう。
最終的には文句も言わずに嬉々として言う事を聞いてくれた。
俺の肥料に麻薬のような作用があるのなら、もうこれ以上与えない方がいいのかもしれない。
「そろそろエルフの晒し首を片付けてもいいか?」
里に残っているエルフ族を皆殺しにしてから30日が過ぎた。
見せしめのため、800人以上のエルフの首を晒した。
エルフ族は大森林内でよほど憎まれていたのだろう。
多くの種族が晒された首を見に来ていた。
俺はこの好機を逃さなかった。
世界樹に大量の肥料を与え、見物に来ている他種族に、俺には世界樹を成長させて意のままに操る力があると見せつけた。
目の前で一気に強大になるだけでなく、根茎や板根を動かして内壁や外壁を造り出す様子をみれば、俺に逆らう気もなくなるだろう。
別に他種族を圧迫して従わせようというのではない。
人族を弱く見て襲ってこないようにしたいだけだ。
襲われれば容赦なく返り討ちにするが、人殺しが好きな訳ではない。
できる事なら、他人と争うことなく穏やかに暮らしたいだけだ。
そう思っていたのに、俺の邪魔をする者がいる。
他種族は俺と世界樹を恐れて手出ししては来なかった。
邪魔をしたのは俺と同じ人族だ。
それも、俺との関係は浅くないアズナブル商会の会長サンマロだった。
「成長前の世界樹」
高さ:500m
直径:55m
幹周:200m
「成長後の世界樹」
高さ:1000m
直径:200m
幹周:計測不能
「大森林の魔樹の平均」
高さ:120m
直径:5m
「大森林の世界樹以外の最高・それぞれ違う樹木」
高さ:200m
直径:30m
幹周:110m
『ロディー騎士領』
領主:ロディー
家臣:エンシェントドワーフ・38人(ジェイミー、ナイル・ショーンなど)
:ハイドワーフ ・72人
:エルダードワーフ ・107人
:ドワーフ ・459人
家臣:人間 ・1人(アルフィン)
小作:人間 ・83人
『ロディー』
種族:ホモサピエンス
神与スキル:農民 ・レベル6593
:自作農民・レベル4351
:開拓農民・レベル14523
:地主農民・レベル3476
:武装農民・レベル5219
付属スキル:耕種農業レベル6593
耕作 レベル1972
種蒔き レベル1685
品種改良レベル1685
農薬生産レベル2994
農薬散布レベル2994
選定 レベル4322
収穫 レベル 896
剣鉈術 レベル6932
戦斧術 レベル6932
:工芸農業レベル212
木工 レベル212
紡績 レベル212
織物 レベル212
:開拓 レベル14253
伐採 レベル5327
建築 レベル1293
石工 レベル 21
魔力生産レベル14253
魔力増幅レベル14253
:自作 レベル4351
燻製 レベル68
酒造 レベル4351
発酵 レベル4351
陶芸 レベル225
料理 レベル938
:地主農民レベル3476
領民指導レベル3476
:武装農民レベル3821
剣術 レベル5219
槍術 レベル96
戦斧術 レベル5219
弓術 レベル97
石弓術 レベル9
拳術 レベル9
脚術 レベル9
柔術 レベル9
戦術 レベル9
馬術 レベル516
調教術 レベル516
一般スキル:生産術レベル1055
木工 レベル1293
絵画 レベル9
習字 レベル9
算術 レベル9
料理 レベル938
刺繍 レベル9
裁縫 レベル9
大工 レベル1293
石工 レベル21
「基本能力」
HP:11639727
魔力:9488172
命力:6892823
筋力:536748
体力:547555
知性:485242
精神:442311
速力:341807
器用:341620
運 :341620
魅力:341620
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だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
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けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
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