27 / 37
第一章
第21話:占領
しおりを挟む
帝国暦1121年・神暦1021年・王国暦121年6月20日・ロディー視点
ロディー15歳
「騎士殿の想像していた通り、エルフどもは分裂しているようだな」
俺の側を離れる事なく警護に徹してくれているジェイミーが言う。
俺個人を大切に思っているからではなく、俺の造る酒を大切に思っての行動だと分かっているが、少しうれしい。
何かで他人に認められるというのは、それがスキルの力であっても、うれしい。
「そうだな、確かに里を護る遊撃部隊の数が少な過ぎる。
エルフの特性を考えれば、里に籠って護りを固めるよりは、1人1人が森に紛れて奇襲する方が戦果を上げられるのに、その数が明らかに少ない」
「同士討ちで数が減ったのか、里を逃げる者がいたのか、どっちだと思う」
「以前にもジェイミーには言ったが、ガブリエルが逃げようとするのは確実だ。
問題は素直に逃げられたかどうかだ」
「裏切者と言って襲う連中がいたというのだな」
「あくまでも予測でしかないが、和平交渉の場に来ていた連中を考えれば、自分たちの思い通りの行動をしない者は、同じエルフでも殺すと思うぞ」
「ふん、私にも同じ光景が思い浮かぶよ、騎士殿。
エルフどもらしいと言えばそれまでだが」
ジェイミーとそんな話しをしながらも、戦況を見極めようとした。
エルフ里の木造城壁の上から矢継ぎ早に矢が放たれている。
エルフらしい正確な攻撃だし、魔力で貫通力が強化されている。
普通の相手なら盾も甲冑も貫通していただろう。
だが、エルフが相手をしているのは鍛冶に秀でたドワーフ族だ。
「流石ドワーフ族が鍛えた盾と甲冑だな。
エルフ族の矢に傷1つ付いていない」
「フフフ、ふん!
騎士殿が、エルフどもの矢を防げる盾と甲冑を鍛えられる者しか連れて行かないと言ったからな。
厳選した一流しか連れてこなかったぞ」
「ドワーフ族が自分の鍛えた武具防具以外を装備してくれるのなら、そのような事は言わないのだが、それは無理なのだろう?」
「当たり前だ!
ドワーフ族の鍛冶師ともあろう者が、どれほどの名品逸品であろうと、他人が鍛えた武具や防具を装備できるものか!」
「鍛冶師の矜持は理解できるから、そう言ったのだ。
だがな、ジェイミー。
戦士としては、明らかに優秀な装備があるのに使わないというのはおかしいぞ。
彼らの命を預かる者とすれば、殴り倒して無理矢理にでも装備させるか、連れて行かないかのどちらかだぞ?」
「騎士殿が我らドワーフ族の命を大切にしてくれるのはうれしい。
だがこれはドワーフ族の誇り、矜持だからどうしようもない」
「戦いに勝っても、死んでしまったら、戦勝祝いの酒が飲めないのだぞ。
それでもいいと言うのか?」
「……今度はそう言ってみる。
全てのドワーフが、他人の鍛えた防御力の高い盾と甲冑を装備するかもしれない」
鍛冶師の誇りも矜持も美味い酒には勝てないのか?
本当にそれでいいのか、ドワーフ!
「まあ、できるだけ戦いにならないように立ち回るから、もう戦勝祈願の酒宴も戦勝の酒宴も行わないかもしれないが、今度戦いになったらそう言ってみてくれ。
ではそろそろ農民らしいやり方で里を攻略しよう」
俺はそう言うと魔力で巨大な鍬を発現させた。
その鍬でエルフの里を護る巨大な城壁を耕すのだ。
大森林に生えている魔樹の中でも特に堅い、魔柘や魔欅が使われている城壁だ。
少々の攻撃ではビクともしない。
普通の火責めや火魔術で燃える事もない。
だが俺の農民スキルなら、簡単に耕しと肥料にする事ができる。
憶病で慎重な俺は、攻撃を開始する前に色々と確認している。
大森林で1番堅い魔柘や魔欅を伐採できる事も、肥料にできる事も。
魔欅を肥料にするには大量の魔力がいるが、俺が蓄えた魔力から見れば微々たるモノで、気にする事は何もない。
「相変わらず騎士殿のスキルは非常識極まりないな!」
ジェイミーの言葉もしかたがないだろう。
俺にはアニメやラノベの主人公のような鈍感力はないから、自分がどれだけ非常識な存在なのかよくわかっている。
全ては前世の知識、特に東洋医学とアニメやラノベの知識を、この世界に上手く取り入れられたのと、創造神の依怙贔屓のお陰だ。
「全てはこんなスキルをくれた神様のお陰だ。
逆に言えば、神様に嫌われたら全て失う事になる。
だから、俺が神様用に作っている酒だけは盗み飲みするなよ!
そんな事をしたら、ドワーフ族はエルフよりも惨めな滅び方をするぞ」
「わ、わ、わかっているよ、それくらい。
酒好きのドワーフ族だって、神様の酒まで飲んだりはしない……
……しないと思う」
まったくもって信用できないのだが、ジェイミー!
俺は雨霰と降り注ぐエルフ族の矢を全て肥料に変えて里の中に入り込んだ。
城壁を破壊されるとは想像もしていなかったのだろう。
あれほど傲岸不遜だったエルフ族が右往左往している。
事前の情報では、この里にはエンシェントエルフを中心に1000人ほどが住んでいたようだが、とても1000人がいるようには思えない。
「ふん、あちらこちらに潜んでいるようだが、それでも何人かは逃げたようだね。
全員で800人ほどか、数が少な過ぎる。
隠れているのが女子供じゃなきゃいいんだがな」
今更だが、ドワーフ族の女は全員男と同じ乱暴な言葉を使う。
騒音が激しい鍛冶場で働くから仕方ないのだろうが、ちょっと怖い。
200人か、同じエルフに殺されたか?
それとも上手く逃げられたか?
「そうだな、逃げていてくれればいいのだが」
俺が耕した幅50メートルほどの城壁跡からドワーフ族が突入してくる。
散々自分たちの事を馬鹿にしたエルフに復讐するためだ。
これから血の惨劇が始まるのだろう。
できる事ならそんな凄惨な光景は見たくない。
だが俺にはこの戦いの指揮官として見届ける責任がある。
「騎士殿、戦いの事は我らドワーフ族に任せてくれ。
騎士殿が女子供を殺すのが嫌いな事は言ってある。
どうしてもエルフ族を許せない連中の多くは技量の劣る普通種やエルダー種だ。
ここにいる連中は誇り高い者が多いから、無差別殺人はやらんよ」
偶然の産物だが、俺の言葉が虐殺を防いでくれるかもしれない。
いや、こうなるようにジェイミーが計ってくれたのかもしれない。
酒に異常な執着を見せるのがドワーフ族だ。
戦勝祝いの酒が飲める機会をむざむざと見過ごすドワーフ族ではない。
きっと途轍もない参戦要求があった事だろう。
「ジェイミーの配慮には心から感謝する。
留守番を命じられた連中をなだめるのに必要なモノがあれば何でも言ってくれ。
俺に用意できる物なら何でも用意させてもらう」
どうせ酒だと分かっているが、違う可能性もあるからな。
「ああ、ずいぶんと骨が折れたから、遠慮なく要求させてもらう。
それで、世界樹の所にはまだ行かなくてもいいのか?
戦いの事はナイルたちに任せれば何の問題もないぞ」
「わかった、だったら好きにさせてもらうよ」
俺はそう言って、エルフの里の中心にそびえ立つ巨木に向かった。
濃密な魔素の影響で、大森林で育つ樹木は巨大なモノが多い。
だがそんな樹木の中でも他の追随を許さないほど巨大なのが世界樹だ。
伝説では、この世界は世界樹の中にあるとまで言われている。
そんな世界樹が里の中にあるからエルフ族は傲慢になったのかもしれない。
前世の知識がある俺には、そんな伝説を信じるきる事ができない。
同時に、神がいて魔術があるこの世界なら真実かもしれないとも思う。
創造神に聞けば教えてくれるのかもしれないが、聞く気になれない。
創造神に頼り切ってはいけないというプライドがそうさせるのかもしれない。
あるいは、創造神に騙されるかもしれないと警戒しているのかもしれない。
「で、騎士殿は世界樹をどう扱う心算なのだ?
伝説にある他の世界にでも行こうと言うのか?
それとも、枝を切って伝説の武器でも作ろうと言うのか?」
「俺はこの世界が特別好きな訳ではない。
だが、他の世界に行くほど嫌っているわけでもない。
それに、多くの種族が信仰の対象としている世界樹が枯れるかもしれないのに、枝を切ろうとも思わない。
この里を支配下に置くから、新しい住人として挨拶するだけだ」
「そうかい、それはよかった。
騎士殿が世界樹を切るとか耕すとか言ったら、命がけで止めなければいけないと思っていたからね」
「ジェイミーは俺をどんな奴だと思っていたんだ?!」
「頼ってきた者を見捨てないし、女子供を傷つけない優しさも持っている。
だが同時に、敵対する者には容赦しない。
権謀術数を駆使する事もためらわない。
何より森の木を切って畑にする事に熱心だ。
喧嘩を売ってきたエルフが大切にしていた世界樹なら、伐採するかもしれないと、ちょっとだけ不安だったのだ。
だが、あれだけお美味しい酒を造る者に悪い奴はいないからな。
きっと世界樹も大切にしてくれると思っていたぞ」
最後の最後に信じるのが酒造りの上手さかよ!
まあ、いい、相手はドワーフ族だ、酒至上主義なのは最初から分かっていた事だ。
「世界樹にあいさつするからちょっと黙っていてくれ。
多くの種族から信仰されている世界樹よ。
今まで世界樹を管理してきたエルフが俺たちを襲ってきた。
その非道な行為に対する報復として、エルフの里を襲って占領した。
これからは、俺が世界樹を管理する事になる。
何か望みがあるのなら言ってくれ、できるだけ叶えよう」
ロディー15歳
「騎士殿の想像していた通り、エルフどもは分裂しているようだな」
俺の側を離れる事なく警護に徹してくれているジェイミーが言う。
俺個人を大切に思っているからではなく、俺の造る酒を大切に思っての行動だと分かっているが、少しうれしい。
何かで他人に認められるというのは、それがスキルの力であっても、うれしい。
「そうだな、確かに里を護る遊撃部隊の数が少な過ぎる。
エルフの特性を考えれば、里に籠って護りを固めるよりは、1人1人が森に紛れて奇襲する方が戦果を上げられるのに、その数が明らかに少ない」
「同士討ちで数が減ったのか、里を逃げる者がいたのか、どっちだと思う」
「以前にもジェイミーには言ったが、ガブリエルが逃げようとするのは確実だ。
問題は素直に逃げられたかどうかだ」
「裏切者と言って襲う連中がいたというのだな」
「あくまでも予測でしかないが、和平交渉の場に来ていた連中を考えれば、自分たちの思い通りの行動をしない者は、同じエルフでも殺すと思うぞ」
「ふん、私にも同じ光景が思い浮かぶよ、騎士殿。
エルフどもらしいと言えばそれまでだが」
ジェイミーとそんな話しをしながらも、戦況を見極めようとした。
エルフ里の木造城壁の上から矢継ぎ早に矢が放たれている。
エルフらしい正確な攻撃だし、魔力で貫通力が強化されている。
普通の相手なら盾も甲冑も貫通していただろう。
だが、エルフが相手をしているのは鍛冶に秀でたドワーフ族だ。
「流石ドワーフ族が鍛えた盾と甲冑だな。
エルフ族の矢に傷1つ付いていない」
「フフフ、ふん!
騎士殿が、エルフどもの矢を防げる盾と甲冑を鍛えられる者しか連れて行かないと言ったからな。
厳選した一流しか連れてこなかったぞ」
「ドワーフ族が自分の鍛えた武具防具以外を装備してくれるのなら、そのような事は言わないのだが、それは無理なのだろう?」
「当たり前だ!
ドワーフ族の鍛冶師ともあろう者が、どれほどの名品逸品であろうと、他人が鍛えた武具や防具を装備できるものか!」
「鍛冶師の矜持は理解できるから、そう言ったのだ。
だがな、ジェイミー。
戦士としては、明らかに優秀な装備があるのに使わないというのはおかしいぞ。
彼らの命を預かる者とすれば、殴り倒して無理矢理にでも装備させるか、連れて行かないかのどちらかだぞ?」
「騎士殿が我らドワーフ族の命を大切にしてくれるのはうれしい。
だがこれはドワーフ族の誇り、矜持だからどうしようもない」
「戦いに勝っても、死んでしまったら、戦勝祝いの酒が飲めないのだぞ。
それでもいいと言うのか?」
「……今度はそう言ってみる。
全てのドワーフが、他人の鍛えた防御力の高い盾と甲冑を装備するかもしれない」
鍛冶師の誇りも矜持も美味い酒には勝てないのか?
本当にそれでいいのか、ドワーフ!
「まあ、できるだけ戦いにならないように立ち回るから、もう戦勝祈願の酒宴も戦勝の酒宴も行わないかもしれないが、今度戦いになったらそう言ってみてくれ。
ではそろそろ農民らしいやり方で里を攻略しよう」
俺はそう言うと魔力で巨大な鍬を発現させた。
その鍬でエルフの里を護る巨大な城壁を耕すのだ。
大森林に生えている魔樹の中でも特に堅い、魔柘や魔欅が使われている城壁だ。
少々の攻撃ではビクともしない。
普通の火責めや火魔術で燃える事もない。
だが俺の農民スキルなら、簡単に耕しと肥料にする事ができる。
憶病で慎重な俺は、攻撃を開始する前に色々と確認している。
大森林で1番堅い魔柘や魔欅を伐採できる事も、肥料にできる事も。
魔欅を肥料にするには大量の魔力がいるが、俺が蓄えた魔力から見れば微々たるモノで、気にする事は何もない。
「相変わらず騎士殿のスキルは非常識極まりないな!」
ジェイミーの言葉もしかたがないだろう。
俺にはアニメやラノベの主人公のような鈍感力はないから、自分がどれだけ非常識な存在なのかよくわかっている。
全ては前世の知識、特に東洋医学とアニメやラノベの知識を、この世界に上手く取り入れられたのと、創造神の依怙贔屓のお陰だ。
「全てはこんなスキルをくれた神様のお陰だ。
逆に言えば、神様に嫌われたら全て失う事になる。
だから、俺が神様用に作っている酒だけは盗み飲みするなよ!
そんな事をしたら、ドワーフ族はエルフよりも惨めな滅び方をするぞ」
「わ、わ、わかっているよ、それくらい。
酒好きのドワーフ族だって、神様の酒まで飲んだりはしない……
……しないと思う」
まったくもって信用できないのだが、ジェイミー!
俺は雨霰と降り注ぐエルフ族の矢を全て肥料に変えて里の中に入り込んだ。
城壁を破壊されるとは想像もしていなかったのだろう。
あれほど傲岸不遜だったエルフ族が右往左往している。
事前の情報では、この里にはエンシェントエルフを中心に1000人ほどが住んでいたようだが、とても1000人がいるようには思えない。
「ふん、あちらこちらに潜んでいるようだが、それでも何人かは逃げたようだね。
全員で800人ほどか、数が少な過ぎる。
隠れているのが女子供じゃなきゃいいんだがな」
今更だが、ドワーフ族の女は全員男と同じ乱暴な言葉を使う。
騒音が激しい鍛冶場で働くから仕方ないのだろうが、ちょっと怖い。
200人か、同じエルフに殺されたか?
それとも上手く逃げられたか?
「そうだな、逃げていてくれればいいのだが」
俺が耕した幅50メートルほどの城壁跡からドワーフ族が突入してくる。
散々自分たちの事を馬鹿にしたエルフに復讐するためだ。
これから血の惨劇が始まるのだろう。
できる事ならそんな凄惨な光景は見たくない。
だが俺にはこの戦いの指揮官として見届ける責任がある。
「騎士殿、戦いの事は我らドワーフ族に任せてくれ。
騎士殿が女子供を殺すのが嫌いな事は言ってある。
どうしてもエルフ族を許せない連中の多くは技量の劣る普通種やエルダー種だ。
ここにいる連中は誇り高い者が多いから、無差別殺人はやらんよ」
偶然の産物だが、俺の言葉が虐殺を防いでくれるかもしれない。
いや、こうなるようにジェイミーが計ってくれたのかもしれない。
酒に異常な執着を見せるのがドワーフ族だ。
戦勝祝いの酒が飲める機会をむざむざと見過ごすドワーフ族ではない。
きっと途轍もない参戦要求があった事だろう。
「ジェイミーの配慮には心から感謝する。
留守番を命じられた連中をなだめるのに必要なモノがあれば何でも言ってくれ。
俺に用意できる物なら何でも用意させてもらう」
どうせ酒だと分かっているが、違う可能性もあるからな。
「ああ、ずいぶんと骨が折れたから、遠慮なく要求させてもらう。
それで、世界樹の所にはまだ行かなくてもいいのか?
戦いの事はナイルたちに任せれば何の問題もないぞ」
「わかった、だったら好きにさせてもらうよ」
俺はそう言って、エルフの里の中心にそびえ立つ巨木に向かった。
濃密な魔素の影響で、大森林で育つ樹木は巨大なモノが多い。
だがそんな樹木の中でも他の追随を許さないほど巨大なのが世界樹だ。
伝説では、この世界は世界樹の中にあるとまで言われている。
そんな世界樹が里の中にあるからエルフ族は傲慢になったのかもしれない。
前世の知識がある俺には、そんな伝説を信じるきる事ができない。
同時に、神がいて魔術があるこの世界なら真実かもしれないとも思う。
創造神に聞けば教えてくれるのかもしれないが、聞く気になれない。
創造神に頼り切ってはいけないというプライドがそうさせるのかもしれない。
あるいは、創造神に騙されるかもしれないと警戒しているのかもしれない。
「で、騎士殿は世界樹をどう扱う心算なのだ?
伝説にある他の世界にでも行こうと言うのか?
それとも、枝を切って伝説の武器でも作ろうと言うのか?」
「俺はこの世界が特別好きな訳ではない。
だが、他の世界に行くほど嫌っているわけでもない。
それに、多くの種族が信仰の対象としている世界樹が枯れるかもしれないのに、枝を切ろうとも思わない。
この里を支配下に置くから、新しい住人として挨拶するだけだ」
「そうかい、それはよかった。
騎士殿が世界樹を切るとか耕すとか言ったら、命がけで止めなければいけないと思っていたからね」
「ジェイミーは俺をどんな奴だと思っていたんだ?!」
「頼ってきた者を見捨てないし、女子供を傷つけない優しさも持っている。
だが同時に、敵対する者には容赦しない。
権謀術数を駆使する事もためらわない。
何より森の木を切って畑にする事に熱心だ。
喧嘩を売ってきたエルフが大切にしていた世界樹なら、伐採するかもしれないと、ちょっとだけ不安だったのだ。
だが、あれだけお美味しい酒を造る者に悪い奴はいないからな。
きっと世界樹も大切にしてくれると思っていたぞ」
最後の最後に信じるのが酒造りの上手さかよ!
まあ、いい、相手はドワーフ族だ、酒至上主義なのは最初から分かっていた事だ。
「世界樹にあいさつするからちょっと黙っていてくれ。
多くの種族から信仰されている世界樹よ。
今まで世界樹を管理してきたエルフが俺たちを襲ってきた。
その非道な行為に対する報復として、エルフの里を襲って占領した。
これからは、俺が世界樹を管理する事になる。
何か望みがあるのなら言ってくれ、できるだけ叶えよう」
0
お気に入りに追加
1,333
あなたにおすすめの小説

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……
buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。
みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

屋台飯! いらない子認定されたので、旅に出たいと思います。
彩世幻夜
ファンタジー
母が死にました。
父が連れてきた継母と異母弟に家を追い出されました。
わー、凄いテンプレ展開ですね!
ふふふ、私はこの時を待っていた!
いざ行かん、正義の旅へ!
え? 魔王? 知りませんよ、私は勇者でも聖女でも賢者でもありませんから。
でも……美味しいは正義、ですよね?
2021/02/19 第一部完結
2021/02/21 第二部連載開始
2021/05/05 第二部完結

いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~
そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」
「何てことなの……」
「全く期待はずれだ」
私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。
このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。
そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。
だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。
そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。
そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど?
私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。
私は最高の仲間と最強を目指すから。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-
ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。
自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。
28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。
そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。
安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。
いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して!
この世界は無い物ばかり。
現代知識を使い生産チートを目指します。
※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる