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第一章
第16話:地主農民
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帝国暦1121年・神暦1021年・王国暦121年4月30日・ロディー視点
ロディー15歳
「何なのですか!
この美味しい物は、野菜ですか、果物ですか?!」
「これはバナナという果物だが、気に入ってくれたかな?」
俺はサンマロにキャベンディッシュ種のバナナを試食させた。
甘い果物をつまみに強い蒸留酒を飲むのが好きなジェイミーがよだれを流しそうになっているが、エンシェント種の威厳はどこに行った。
「気に入ったも何も、こんな甘くてねっとりとして酸味があって食べ応えのある果物は、生まれて初めてです!
どうか私に商わせてください、お願いします!」
「それだけを試食して決めていいのか、サンマロ。
バナナにも色々な種類があるぞ。
そこに置いてる少し小さなシマバナナは酸味がもう少し強いぞ。
こっちのレディ・フィンガーも小さいが濃厚な甘味があるぞ。
だがやはり最初に勧めたキャベンディッシュのほうが大きくて痛み難いから、長距離を運んで商うなら扱いやすいだろうな」
「そうなのですね、確かに痛み難い事はとても大切です。
しかしそれも美味しさしだいです。
美味しさに差があり過ぎるようなら、特別馬車を仕立ててでも商う価値があるのですが、先ずは試食させていただいてからですね」
「そうか、ではバナナにあう酒を用意させよう」
俺はそう言うと、アルフィンが酒精が強烈な蒸留酒、俺が火酒と名付けた酒を持って来てくれた。
蒸留する事を前提に、味を考慮せず、アルコール濃度と量を優先してくれと願いながら発酵させた大麦醸造酒を、更に蒸留した酒だ。
「うっ、お、何と酒精の強い酒なんだ!」
「甘い菓子や果物と一緒に飲んでも美味しいが、辛い料理にも合うぞ。
酒精が強すぎると感じる者は、果汁や水で薄めて飲めば美味しいぞ」
「なるほど、そう言う飲み方もできるのですね」
「酒精が弱いエールを大量に運ぶよりは、同じ量のこの酒を運んで、飲む場所で果汁や水と薄めて飲むように教えれば、商う人間は何倍も儲けられるぞ。
まあ、元の値段が千倍万倍するから、差額では儲からないか」
「な、千倍万倍も高いのですか?!」
「当たり前だろう。
俺に臣従したのは並のドワーフではないのだぞ。
ここにいるのは、エンシェントドラゴンに匹敵する長き時間を生きた、エンシェントドワーフだぞ。
エンシェントドワーフが人間に臣従してでも飲みたいと思う酒だぞ。
主君とはいえ、売ることに同意させるのにどれだけ説得した事か!」
別に説得などしなかったが、こう言った方が高値で売れる。
サンマロが火酒の入ったマグカップとドワーフを何度も交互に見ている。
サンマロの事だ、エンシェントドワーフを魅了した酒と言えばいくらで売れるかを計算しているのだろう。
「そう、なのですね、ですが、万倍はいくらなんでも……」
その程度の駆け引きで値引きする俺ではないぞ、サンマロ。
「別に無理に買わなくていいぞ、サンマロ。
ドワーフ族が一般的な酒の万倍もの金額でドワーフが買ってくれるからな。
そうだ、いい情報を教えてやろう。
ドワーフ族がこの酒を飲みたい一心で、伝説級の武具を大量に売り払う。
武具の値が暴落するから抱えている武具は放出した方がいいぞ」
常に四方の国に戦争をしかけているこの国では武具が暴騰している。
それが分かっている商人は武具を売り惜しんで更に値を釣り上げている。
王侯貴族は独自に鍛冶師や甲冑師を抱えて造らせているが、間に合っていない。
だが、ドワーフがなりふり構わず武具を作って売れば暴落するのは確実だ。
「なっ!
まさか、この酒の為だけにそんな事が起こると言われるのですか?!」
敬語が乱れて来ているぞ、サンマロ。
「この酒だけではないぞ、他にもいろいろな酒がある。
この国のワインなど裸足で逃げ出すくらい甘くて美味しくて酒精の強い酒だ」
俺はそう言ってイチゴから造ったエルドビアを勧めてやった。
「げっ!
なんなのですか、なんなのですか、なんなのですか?!」
サンマロが半分壊れているな。
後ろにいる護衛の顔が火酒やエルドビアの方に長くのばされている。
王侯貴族が自分たち用に特別に造らせている酒以外は、食糧を保存させるためか、水が飲めない地域で飲むための、味をまったく考慮していない不味い酒だからな。
「そう驚くな、サンマロ。
これが俺の神与された農民スキルの力だ。
もっとも、俺の才能があって初めて活用できるスキルだがな」
「……これが、農民スキルの秘められた能力なのですか……」
「他の農民スキルを持っている者に同じことをやらせようと思っても無理だぞ。
あの公爵やお前の父親に隠れて砂糖を作り続けられる俺だからできる事だ。
変な事を考えずに俺から買っていれば安全に莫大な富を築ける。
下手な事を始めれば、王や公爵に潰されるぞ」
「確かに、我が家はロディー様に近かったので警戒されていますね……」
「サンマロは気を付けているようだが、相手は公爵と国王の密偵だぞ。
ここに来た事は知られていると思って行動した方がいい。
俺と商っている間は、狙われるのは俺になる。
だが自分で作ろうとしたとたんに、狙いはアズナブル商会になるぞ」
「わかりました、下手な事は考えずに転売で稼がせていただきます。
まずはロディー様が用意してくださった試食と試飲をさせていただきます」
サンマロは俺が用意した作物と酒、料理を全部試食試飲した。
それだけに丸2日かかったのは、種類が多かったからではない。
美味し過ぎてサンマロが1品1品食べ過ぎてしまったからだ。
何とか全て試食と試飲を終えたサンマロだが、今度は何をどれだけ買うのかで悩みに悩み、結局3日間も考えていた。
まあ、酒の値段がドワーフ基準だったのも影響したのだろう。
手持ちの資金で買える量と馬車に乗せられる量で悩んでいた。
欲しい酒が高すぎて、83人の人間を運んで来た全馬車一杯に積む量を確保するには、この国では量が最優先の穀物や野菜も買わなければいけない。
もっとも、その穀物や野菜もこの国の市場価格の1000倍くらいする。
ドワーフ族が酒の原料となるモノ全てを売り惜しんだからだ。
俺が造るとてつもなく美味しい酒は、俺が作る作物があってこそだ。
その作物は、料理に使う以外は全て酒にしろと言うのがドワーフ族の総意なのだ。
安く売る事は絶対に許さないと全身で訴えてくる。
だからサンマロとの交渉はドワーフ族に任せた。
サンマロは肩を落として帰って行った。
砂糖だけは以前からの取引実績があるので、思う金額で買えたようだが、それ以外は転売が難しいと思うほどの高値で買わされていた。
ただ、俺の作った酒が飲みたい一心のドワーフたちから、結構な安値で武具を買う事ができていた。
それが俺の言った武具の暴落話を信じる切っ掛けになったのだろう。
サンマロならその情報を上手く使って莫大な利を得る事だろう。
結局サンマロが帰ったの、ここに来てから10日後だった。
だが俺も、10日間も無駄にはしない。
サンマロの交渉をドワーフ族に任せて農業に全力を使った。
毎日増えるドワーフ族と新たに来た小作人を活用して。
俺は鬼のように城外の木々を伐採した。
二ノ丸内の耕作地は10反1ヘクタールくらいだったが、直ぐにドワーフ族や小作人の住居や倉庫で埋もれてしまうだろう。
だから二ノ丸の外側に三ノ丸を作る事にしたのだ。
伐採した丸太は建築資材とした。
根の部分や枝葉は燃料や工芸品を材料にした。
使える物を確保した土地には魔力鍬を入れて農地にした。
同時に果樹が実る樹が育つように願いながら魔力を注いだ。
通常何年もかかるような果樹が一瞬で育って果実が実る光景は爽快だった。
ゴッソリと魔力を奪われたが、全く気にならなかった。
創造神のお陰で果実を食べさえすればいくらでも回復できたからだ。
三ノ丸内に籠城する事を考慮して、適度に分散させて果樹林を創った。
もちろん非力な人間を活用する作物も創った。
米や麦、野菜を育てた事がある者が大半だったので、それを創った。
耕して種植えして育てるのは俺の魔力だが、刈り入れや脱穀を小作人がしてくれるのなら、俺は別の事に集中できる。
ただ、米や麦だと小作人に調理させる時間がもったいない。
だだから、手間なく食べられるバナナも育てて収穫してもらった。
小作人の食事は基本バナナ、リンゴ、ナシと言った果物と、脱穀する必要のないジャガイモやサツマイモを茹でた物になった。
俺やドワーフから見ればとても粗末な食事なのだが、小作人に泣いて感謝された。
この国の農民が食べる平均的な食事が薄い大麦粥だからだ。
粉にする労力や時間がない農民は、パンやパスタすら大ご馳走なのだ。
それが甘くて美味しい前世日本基準の果物やサツマイモが毎日食べられるのだ。
小作人が俺に心から感謝するのも当然なのだろう。
そんな日々が20日ほど続いたが、俺のステータスが凄い事になっている。
大項目や小項目が格段にレベルアップするのは当然なのだが、問題は神与スキルの所に地主農民という項目が増えた事だった。
小作人を雇った事が原因なのだろう。
しかし俺の中の地主のイメージが悪すぎて嫌なのだ。
他に表現のしようがないのだろうか。
『ロディー騎士領』
領主:ロディー
家臣:エンシェントドワーフ・32人(ジェイミー、ナイル)
:ハイドワーフ ・45人
:エルダードワーフ ・74人
:ドワーフ ・226人
家臣:人間 ・1人(アルフィン)
小作:人間 ・83人
『ロディー』
種族:ホモサピエンス
神与スキル:農民 ・レベル1295
:自作農民・レベル1059
:開拓農民・レベル2237
:地主農民・レベル121
付属スキル:耕種農業レベル1295
耕作 レベル1161
種蒔き レベル982
品種改良レベル982
農薬生産レベル782
農薬散布レベル782
選定 レベル1293
収穫 レベル794
剣鉈術 レベル1295
戦斧術 レベル1295
:工芸農業レベル212
木工 レベル212
紡績 レベル212
織物 レベル212
:開拓 レベル2237
伐採 レベル1295
建築 レベル454
石工 レベル 21
魔力生産レベル2237
魔力増幅レベル2237
:自作 レベル1059
燻製 レベル 68
酒造 レベル1059
発酵 レベル1059
陶芸 レベル225
料理 レベル588
:地主農民
領民指導レベル121
一般スキル:戦闘術レベル1295
剣術 レベル1295
槍術 レベル9
戦斧術レベル1295
弓術 レベル9
石弓術レベル9
拳術 レベル9
脚術 レベル9
柔術 レベル9
戦術 レベル9
馬術 レベル9
調教術レベル9
:魔術レベル2237
魔力生産レベル2237
魔力増幅レベル2237
:生産術レベル9
木工 レベル454
絵画 レベル9
習字 レベル9
算術 レベル9
料理 レベル526
刺繍 レベル9
裁縫 レベル9
大工 レベル454
石工 レベル 21
「基本能力」
HP: 105704
魔力:3426810
命力:1949234
筋力: 75222
体力: 72937
知性: 67413
精神: 59318
速力: 47120
器用: 47120
運 : 47120
魅力: 47120
ロディー15歳
「何なのですか!
この美味しい物は、野菜ですか、果物ですか?!」
「これはバナナという果物だが、気に入ってくれたかな?」
俺はサンマロにキャベンディッシュ種のバナナを試食させた。
甘い果物をつまみに強い蒸留酒を飲むのが好きなジェイミーがよだれを流しそうになっているが、エンシェント種の威厳はどこに行った。
「気に入ったも何も、こんな甘くてねっとりとして酸味があって食べ応えのある果物は、生まれて初めてです!
どうか私に商わせてください、お願いします!」
「それだけを試食して決めていいのか、サンマロ。
バナナにも色々な種類があるぞ。
そこに置いてる少し小さなシマバナナは酸味がもう少し強いぞ。
こっちのレディ・フィンガーも小さいが濃厚な甘味があるぞ。
だがやはり最初に勧めたキャベンディッシュのほうが大きくて痛み難いから、長距離を運んで商うなら扱いやすいだろうな」
「そうなのですね、確かに痛み難い事はとても大切です。
しかしそれも美味しさしだいです。
美味しさに差があり過ぎるようなら、特別馬車を仕立ててでも商う価値があるのですが、先ずは試食させていただいてからですね」
「そうか、ではバナナにあう酒を用意させよう」
俺はそう言うと、アルフィンが酒精が強烈な蒸留酒、俺が火酒と名付けた酒を持って来てくれた。
蒸留する事を前提に、味を考慮せず、アルコール濃度と量を優先してくれと願いながら発酵させた大麦醸造酒を、更に蒸留した酒だ。
「うっ、お、何と酒精の強い酒なんだ!」
「甘い菓子や果物と一緒に飲んでも美味しいが、辛い料理にも合うぞ。
酒精が強すぎると感じる者は、果汁や水で薄めて飲めば美味しいぞ」
「なるほど、そう言う飲み方もできるのですね」
「酒精が弱いエールを大量に運ぶよりは、同じ量のこの酒を運んで、飲む場所で果汁や水と薄めて飲むように教えれば、商う人間は何倍も儲けられるぞ。
まあ、元の値段が千倍万倍するから、差額では儲からないか」
「な、千倍万倍も高いのですか?!」
「当たり前だろう。
俺に臣従したのは並のドワーフではないのだぞ。
ここにいるのは、エンシェントドラゴンに匹敵する長き時間を生きた、エンシェントドワーフだぞ。
エンシェントドワーフが人間に臣従してでも飲みたいと思う酒だぞ。
主君とはいえ、売ることに同意させるのにどれだけ説得した事か!」
別に説得などしなかったが、こう言った方が高値で売れる。
サンマロが火酒の入ったマグカップとドワーフを何度も交互に見ている。
サンマロの事だ、エンシェントドワーフを魅了した酒と言えばいくらで売れるかを計算しているのだろう。
「そう、なのですね、ですが、万倍はいくらなんでも……」
その程度の駆け引きで値引きする俺ではないぞ、サンマロ。
「別に無理に買わなくていいぞ、サンマロ。
ドワーフ族が一般的な酒の万倍もの金額でドワーフが買ってくれるからな。
そうだ、いい情報を教えてやろう。
ドワーフ族がこの酒を飲みたい一心で、伝説級の武具を大量に売り払う。
武具の値が暴落するから抱えている武具は放出した方がいいぞ」
常に四方の国に戦争をしかけているこの国では武具が暴騰している。
それが分かっている商人は武具を売り惜しんで更に値を釣り上げている。
王侯貴族は独自に鍛冶師や甲冑師を抱えて造らせているが、間に合っていない。
だが、ドワーフがなりふり構わず武具を作って売れば暴落するのは確実だ。
「なっ!
まさか、この酒の為だけにそんな事が起こると言われるのですか?!」
敬語が乱れて来ているぞ、サンマロ。
「この酒だけではないぞ、他にもいろいろな酒がある。
この国のワインなど裸足で逃げ出すくらい甘くて美味しくて酒精の強い酒だ」
俺はそう言ってイチゴから造ったエルドビアを勧めてやった。
「げっ!
なんなのですか、なんなのですか、なんなのですか?!」
サンマロが半分壊れているな。
後ろにいる護衛の顔が火酒やエルドビアの方に長くのばされている。
王侯貴族が自分たち用に特別に造らせている酒以外は、食糧を保存させるためか、水が飲めない地域で飲むための、味をまったく考慮していない不味い酒だからな。
「そう驚くな、サンマロ。
これが俺の神与された農民スキルの力だ。
もっとも、俺の才能があって初めて活用できるスキルだがな」
「……これが、農民スキルの秘められた能力なのですか……」
「他の農民スキルを持っている者に同じことをやらせようと思っても無理だぞ。
あの公爵やお前の父親に隠れて砂糖を作り続けられる俺だからできる事だ。
変な事を考えずに俺から買っていれば安全に莫大な富を築ける。
下手な事を始めれば、王や公爵に潰されるぞ」
「確かに、我が家はロディー様に近かったので警戒されていますね……」
「サンマロは気を付けているようだが、相手は公爵と国王の密偵だぞ。
ここに来た事は知られていると思って行動した方がいい。
俺と商っている間は、狙われるのは俺になる。
だが自分で作ろうとしたとたんに、狙いはアズナブル商会になるぞ」
「わかりました、下手な事は考えずに転売で稼がせていただきます。
まずはロディー様が用意してくださった試食と試飲をさせていただきます」
サンマロは俺が用意した作物と酒、料理を全部試食試飲した。
それだけに丸2日かかったのは、種類が多かったからではない。
美味し過ぎてサンマロが1品1品食べ過ぎてしまったからだ。
何とか全て試食と試飲を終えたサンマロだが、今度は何をどれだけ買うのかで悩みに悩み、結局3日間も考えていた。
まあ、酒の値段がドワーフ基準だったのも影響したのだろう。
手持ちの資金で買える量と馬車に乗せられる量で悩んでいた。
欲しい酒が高すぎて、83人の人間を運んで来た全馬車一杯に積む量を確保するには、この国では量が最優先の穀物や野菜も買わなければいけない。
もっとも、その穀物や野菜もこの国の市場価格の1000倍くらいする。
ドワーフ族が酒の原料となるモノ全てを売り惜しんだからだ。
俺が造るとてつもなく美味しい酒は、俺が作る作物があってこそだ。
その作物は、料理に使う以外は全て酒にしろと言うのがドワーフ族の総意なのだ。
安く売る事は絶対に許さないと全身で訴えてくる。
だからサンマロとの交渉はドワーフ族に任せた。
サンマロは肩を落として帰って行った。
砂糖だけは以前からの取引実績があるので、思う金額で買えたようだが、それ以外は転売が難しいと思うほどの高値で買わされていた。
ただ、俺の作った酒が飲みたい一心のドワーフたちから、結構な安値で武具を買う事ができていた。
それが俺の言った武具の暴落話を信じる切っ掛けになったのだろう。
サンマロならその情報を上手く使って莫大な利を得る事だろう。
結局サンマロが帰ったの、ここに来てから10日後だった。
だが俺も、10日間も無駄にはしない。
サンマロの交渉をドワーフ族に任せて農業に全力を使った。
毎日増えるドワーフ族と新たに来た小作人を活用して。
俺は鬼のように城外の木々を伐採した。
二ノ丸内の耕作地は10反1ヘクタールくらいだったが、直ぐにドワーフ族や小作人の住居や倉庫で埋もれてしまうだろう。
だから二ノ丸の外側に三ノ丸を作る事にしたのだ。
伐採した丸太は建築資材とした。
根の部分や枝葉は燃料や工芸品を材料にした。
使える物を確保した土地には魔力鍬を入れて農地にした。
同時に果樹が実る樹が育つように願いながら魔力を注いだ。
通常何年もかかるような果樹が一瞬で育って果実が実る光景は爽快だった。
ゴッソリと魔力を奪われたが、全く気にならなかった。
創造神のお陰で果実を食べさえすればいくらでも回復できたからだ。
三ノ丸内に籠城する事を考慮して、適度に分散させて果樹林を創った。
もちろん非力な人間を活用する作物も創った。
米や麦、野菜を育てた事がある者が大半だったので、それを創った。
耕して種植えして育てるのは俺の魔力だが、刈り入れや脱穀を小作人がしてくれるのなら、俺は別の事に集中できる。
ただ、米や麦だと小作人に調理させる時間がもったいない。
だだから、手間なく食べられるバナナも育てて収穫してもらった。
小作人の食事は基本バナナ、リンゴ、ナシと言った果物と、脱穀する必要のないジャガイモやサツマイモを茹でた物になった。
俺やドワーフから見ればとても粗末な食事なのだが、小作人に泣いて感謝された。
この国の農民が食べる平均的な食事が薄い大麦粥だからだ。
粉にする労力や時間がない農民は、パンやパスタすら大ご馳走なのだ。
それが甘くて美味しい前世日本基準の果物やサツマイモが毎日食べられるのだ。
小作人が俺に心から感謝するのも当然なのだろう。
そんな日々が20日ほど続いたが、俺のステータスが凄い事になっている。
大項目や小項目が格段にレベルアップするのは当然なのだが、問題は神与スキルの所に地主農民という項目が増えた事だった。
小作人を雇った事が原因なのだろう。
しかし俺の中の地主のイメージが悪すぎて嫌なのだ。
他に表現のしようがないのだろうか。
『ロディー騎士領』
領主:ロディー
家臣:エンシェントドワーフ・32人(ジェイミー、ナイル)
:ハイドワーフ ・45人
:エルダードワーフ ・74人
:ドワーフ ・226人
家臣:人間 ・1人(アルフィン)
小作:人間 ・83人
『ロディー』
種族:ホモサピエンス
神与スキル:農民 ・レベル1295
:自作農民・レベル1059
:開拓農民・レベル2237
:地主農民・レベル121
付属スキル:耕種農業レベル1295
耕作 レベル1161
種蒔き レベル982
品種改良レベル982
農薬生産レベル782
農薬散布レベル782
選定 レベル1293
収穫 レベル794
剣鉈術 レベル1295
戦斧術 レベル1295
:工芸農業レベル212
木工 レベル212
紡績 レベル212
織物 レベル212
:開拓 レベル2237
伐採 レベル1295
建築 レベル454
石工 レベル 21
魔力生産レベル2237
魔力増幅レベル2237
:自作 レベル1059
燻製 レベル 68
酒造 レベル1059
発酵 レベル1059
陶芸 レベル225
料理 レベル588
:地主農民
領民指導レベル121
一般スキル:戦闘術レベル1295
剣術 レベル1295
槍術 レベル9
戦斧術レベル1295
弓術 レベル9
石弓術レベル9
拳術 レベル9
脚術 レベル9
柔術 レベル9
戦術 レベル9
馬術 レベル9
調教術レベル9
:魔術レベル2237
魔力生産レベル2237
魔力増幅レベル2237
:生産術レベル9
木工 レベル454
絵画 レベル9
習字 レベル9
算術 レベル9
料理 レベル526
刺繍 レベル9
裁縫 レベル9
大工 レベル454
石工 レベル 21
「基本能力」
HP: 105704
魔力:3426810
命力:1949234
筋力: 75222
体力: 72937
知性: 67413
精神: 59318
速力: 47120
器用: 47120
運 : 47120
魅力: 47120
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破れかぶれになって単騎で魔物討伐に向かい、あわや死にかけたところに謎の美しき旅の魔女が現れ、クリスに告げる。
「【アイテムボックス】は最強の魔法なんだよ。儂が使い方を教えてやろう」
【アイテムボックス】で魔物の首を、家屋を、オークの集落を丸ごと収納!? 【アイテムボックス】で道を作り、川を作り、街を作る!? ただの収納魔法と侮るなかれ。知覚できるものなら疫病だろうが敵の軍勢だろうが何だって除去する超能力! 主人公・クリスの成り上がりと「進化系ざまぁ」展開、そして最後に待ち受ける極上のどんでん返しを、とくとご覧あれ! 随所に散りばめられた大小さまざまな伏線を、あなたは見抜けるか!?

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
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