115 / 116
第5章
第115話:追討軍4・カチュア視点
しおりを挟む
リドワーンがサクラの中で奮闘しています。
流石リドワーン、遠くからでも縦横無尽にスライムを駆使します。
ですがもっと近くで指揮したいと思っているのが分かります。
一旦敵に奪われたスライムを力づくで確保するのではなく、今直ぐにでも自分の従魔に戻したいと思っているのが、手に取るように分かります。
「フェリシティ、今私が激しい運動をするのは危険かしら」
「申し訳ありません、カチュア王太女殿下。
軍や政治の事ならばお答えできますが、妊娠については分かりません」
私はフェリシティに今やれることを聞いてみましたが、駄目でした。
フェリシティにも分からない事があるのだと初めて知りました。
そこで見届け役などの老練な女官や侍女に確認してみました。
残念ですが、あまり激しい刺激は危険だと言われてしまいました。
「ですが今までと同じ状態なら、サクラが移動していていても平気ですね。
サクラがどれほど激しく早く移動しようとも、中に振動がなければ平気よね」
「それはそうでございますが……」
乳母も女官も侍女も、全員責任を負うのが怖いのでしょう。
リドワーンは私の事を心から愛してくれています。
迂闊な事を言って私やお腹の子に何かあったら、リドワーンからどのような報復を受けるか分かりません。
彼女達にそのような危険な事を聞いた私が悪いのでしょう。
「サクラ、私とお腹の中の子に危険が及ばないようにしながら、リドワーンが奪われたスライム達を迎えに行く事はできますか」
「可能でございます、カチュア王太女殿下」
流石サクラです、即答してくれました。
もしかしたら何時でも返事ができるように考えていてくれたのかもしれません。
私やお腹の中の子供の為ではなく、リドワーンの為でしょうが。
「最短の順番は既に計算しているのですね」
「はい、計算はできております。
ただ大きな問題がございます。
リドワーン陛下の決断次第で順番が大きく変わってしまいます」
何か重大な問題があるようですね。
「それはどう言う意味ですか、サクラ。
私に言える事なら言ってみてください」
「それは今スライム従魔士に預けているスライムをどうするかです。
今までと同じようにしていると、必ずまたスライムの支配権を奪われます。
今こうしている間にも、どこか私達の知らない所で、大切なスライムを奪われているかもしれません。
できる事なら、スライムだけは、従魔士に従魔として貸し与えるのではなく、リドワーン陛下の従魔のままで貸与する方がいいのです」
確かにサクラの言う通りです。
直ぐに全スライムを回収しなければいけません。
問題は、優しい所と約束に頑固な所のあるリドワーンの性格です。
為政者として緊急時には約束を反故にする決断をしてくれればいいのですが。
流石リドワーン、遠くからでも縦横無尽にスライムを駆使します。
ですがもっと近くで指揮したいと思っているのが分かります。
一旦敵に奪われたスライムを力づくで確保するのではなく、今直ぐにでも自分の従魔に戻したいと思っているのが、手に取るように分かります。
「フェリシティ、今私が激しい運動をするのは危険かしら」
「申し訳ありません、カチュア王太女殿下。
軍や政治の事ならばお答えできますが、妊娠については分かりません」
私はフェリシティに今やれることを聞いてみましたが、駄目でした。
フェリシティにも分からない事があるのだと初めて知りました。
そこで見届け役などの老練な女官や侍女に確認してみました。
残念ですが、あまり激しい刺激は危険だと言われてしまいました。
「ですが今までと同じ状態なら、サクラが移動していていても平気ですね。
サクラがどれほど激しく早く移動しようとも、中に振動がなければ平気よね」
「それはそうでございますが……」
乳母も女官も侍女も、全員責任を負うのが怖いのでしょう。
リドワーンは私の事を心から愛してくれています。
迂闊な事を言って私やお腹の子に何かあったら、リドワーンからどのような報復を受けるか分かりません。
彼女達にそのような危険な事を聞いた私が悪いのでしょう。
「サクラ、私とお腹の中の子に危険が及ばないようにしながら、リドワーンが奪われたスライム達を迎えに行く事はできますか」
「可能でございます、カチュア王太女殿下」
流石サクラです、即答してくれました。
もしかしたら何時でも返事ができるように考えていてくれたのかもしれません。
私やお腹の中の子供の為ではなく、リドワーンの為でしょうが。
「最短の順番は既に計算しているのですね」
「はい、計算はできております。
ただ大きな問題がございます。
リドワーン陛下の決断次第で順番が大きく変わってしまいます」
何か重大な問題があるようですね。
「それはどう言う意味ですか、サクラ。
私に言える事なら言ってみてください」
「それは今スライム従魔士に預けているスライムをどうするかです。
今までと同じようにしていると、必ずまたスライムの支配権を奪われます。
今こうしている間にも、どこか私達の知らない所で、大切なスライムを奪われているかもしれません。
できる事なら、スライムだけは、従魔士に従魔として貸し与えるのではなく、リドワーン陛下の従魔のままで貸与する方がいいのです」
確かにサクラの言う通りです。
直ぐに全スライムを回収しなければいけません。
問題は、優しい所と約束に頑固な所のあるリドワーンの性格です。
為政者として緊急時には約束を反故にする決断をしてくれればいいのですが。
0
お気に入りに追加
357
あなたにおすすめの小説
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
神の娘は上機嫌 ~ ヘタレ預言者は静かに暮らしたい - 付き合わされるこちらの身にもなって下さい ~
広野香盃
ファンタジー
聖なる山の神を信仰する宗教国家カルロ教国。その下町に住む自他ともに認めるヘタレのシロムは家業の食堂を継いで静かに暮らすことを夢見ていたが、運命の悪戯から誰もが羨むエリートコースの神官候補生になってしまう。将来は国のエリートである神官になることが約束されたシロムだが、その胸中は穏やかでない。あがり症で小心者のシロムには神官として人々の前で話をすることなど恐怖でしかないのだ。家族の期待に縛られて神官候補生を辞めることが出来ないシロムだが、突然町を訪れた聖なる山の神の娘アーシャに預言者と宣言されたことから、運命の歯車は彼の望みとは真逆の方向に回り出す。
転生貴族の異世界無双生活
guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。
彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。
その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか!
ハーレム弱めです。
田舎暮らしと思ったら、異世界暮らしだった。
けむし
ファンタジー
突然の異世界転移とともに魔法が使えるようになった青年の、ほぼ手に汗握らない物語。
日本と異世界を行き来する転移魔法、物を複製する魔法。
あらゆる魔法を使えるようになった主人公は異世界で、そして日本でチート能力を発揮・・・するの?
ゆる~くのんびり進む物語です。読者の皆様ものんびりお付き合いください。
感想などお待ちしております。
W職業持ちの異世界スローライフ
Nowel
ファンタジー
仕事の帰り道、トラックに轢かれた鈴木健一。
目が覚めるとそこは魂の世界だった。
橋の神様に異世界に転生か転移することを選ばせてもらい、転移することに。
転移先は森の中、神様に貰った力を使いこの森の中でスローライフを目指す。
ごめんみんな先に異世界行ってるよ1年後また会おう
味噌汁食べれる
ファンタジー
主人公佐藤 翔太はクラスみんなより1年も早く異世界に、行ってしまう。みんなよりも1年早く異世界に行ってしまうそして転移場所は、世界樹で最強スキルを実でゲット?スキルを奪いながら最強へ、そして勇者召喚、それは、クラスのみんなだった。クラスのみんなが頑張っているときに、主人公は、自由気ままに生きていく
平凡冒険者のスローライフ
上田なごむ
ファンタジー
26歳独身動物好きの主人公大和希は、神様によって魔物・魔法・獣人等ファンタジーな世界観の異世界に転移させられる。
平凡な能力値、野望など抱いていない彼は、冒険者としてスローライフを目標に日々を過ごしていく。
果たして、彼を待ち受ける出会いや試練は如何なるものか……
ファンタジー世界に向き合う、平凡な冒険者の物語。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる