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第5章

第114話:追討軍3

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「素直に降伏するなら許してやる。
 逆らうのなら徹底的に痛めつける。
 生れてきたことを後悔するほどの拷問にかける。
 何かを白状させるための拷問ではない。
 ただ痛めつけ苦しめるためだけの拷問だ」

 敵のスライム従魔師を脅かしている。
 脅かしている間に何もしていない訳ではない。

 敵のスライム従魔師を護ろうとしている、リザードマン従魔師やゴブリン従魔司、オーガ従魔師やミノタウロス従魔師と使役獣魔を抑え込んでいるのだ。

 やはり教団は油断ならない。
 俺の情報をどこからか手に入れていたのか、それとも元々知っていたのか。
 従魔士と従魔師、従魔司の違いを知っていたようだ。

 最強のスライム従魔師には強力な護衛を付けていた。
 全員が従魔師か従魔司で編制されたとても強力な護衛部隊だ。
 しかも何段にも囮のスライム従魔士と護衛を配置してあった。

 だが俺も油断などしていない。
 憶病なくらい慎重なのが、俺の長所であり短所だ。
 今回は臆病なくらいの慎重さがいい方に現れた。

 最強だと思われたスライム従魔師には、余裕を持たせたレベル1ロードスライムに追撃させていたのだ。

 途中8度もレベル2ビックスライムを分派させているのに、ロードスライムのまま身体を保っている。

 敵がヒュージ級のファイターゴブリンでも負けはしない。
 リザードマンやオーガやミノタウロスでも、ビック級なら楽に勝てる。
 
 一般的な従魔師が支配下に置けるのはヒュージ級だと思っていたのだが、どうやら違うようだ。

 進化やレベルではなく純粋な強さなのかもしれない。
 弱いスライムやゴブリンのような従魔ならヒュージ級で、オーガやミノタウロスのような魔獣ならビック級までなのかもしれない。

 もしこの世界に竜、ドラゴンを従魔にできる者がいるとしたら、ビッグ級やヒュージ級といった分け方はしないだろう。

 それとも亜竜や属性竜にもビッグ級やロード級といったレベルがあるのだろうか。
 ロード級の亜竜なら成体になったばかりの古竜にも勝てるのだろうか。

 いや、古竜とは年を経た純血竜の尊称のはずだ。
 それとも全く違う種類なのだろうか。

「参った、降参だ、抵抗はしない。
 だから拷問は止めてくれ、俺は痛いのが苦手なんだ」

 俺が物思いにふけっている間に、敵の精鋭従魔師達と従魔を捕獲したようだ。
 スライムの訓練用に丁度いいから殺さずに捕虜にしてある。

 それぞれの従魔が持っている固有スキルをスライムが覚えてくれれば最高だ。
 新たに味方に付いてくれた各種従魔士達に貸し与える従魔としても利用できる。

 だがその前に、未だに逃げている教団従魔士を確保しなければいけない。
 一人一体でも教団に逃げ込まれては厄介だ。
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