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第3章

第58話:未開地開発

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 カチュア王太女殿下と俺は、サクラに乗って高い位置から未開地の木々を睥睨しているのだが、とても気分がいい。

 敵の襲撃に対しては、スライムの透明の身体が防いでくれるから何の心配もない。
 ラノベやアニメでいう所の、透明のバリアに護られた状態だ。

 少し残念な事があるとしたら、心地よい風を感じられない事か。
 そんな事を考えたら、直ぐにサクラが安全な場所に空気口を設けて風を送ってきてくれた。

「ありがとう、サクラ」

「まあ、とても素晴らしいですわ。
 未開の森林の心地よい香りがしますわ」

 カチュア殿下の言う通り、未開地の緑の息吹は素晴らしい。
 連日の公務に疲れた心を癒してくれる効果がある。

 これは前世の影響による思い込みかもしれないが、心地好いことは間違いない。
 ここにケーキとお茶があれば言う事ないのだが、まだ仕事中だ。

「リドワーン様、少し書類仕事を中断して、お茶にしませんか」

 最近のカチュア王太女殿下は、俺が休みたいと思う絶妙のタイミングで休憩するように勧めてくれるが、これが愛の力というモノなのだろうか。

 そんな風に考えてしまう自分に激しく動揺してしまった。
 いつから俺はこんな自信家になってしまったのだろう。
 俺が人に愛される要素など、前世の記憶と知識による利点しかないというのに。

「ええ、そうさせていただきましょう」

「直ぐにナッツケーキを出してください。
 リドワーン様にはナッツだけの甘さ控えめのモノを出して差し上げて。
 私にはドライフルーツも入った甘みの強いモノを出してちょうだい」

「ありがとうございます、カチュア殿下」

 カチュア王太女殿下はどんどん俺の好きなモノを覚えてくれる。
 それがとてもうれしくて、心の中がとても暖かくなる。

 だからこそ、シャルマン公爵領を完全に掌握したうえで、王都にも負けないくらい発展させなければならない。

 俺とレベル1キングスライムのサクラがいるうちに、計画的に未開地の木々を根こそぎ抜き取って素材とする。
 そして木々のなくなった未開地を広大な農地に変えるのだ。

 父親と弟を幽閉させているレベル2ヒュージスライムには、俺が王都に戻った後の未開地開発を任せる予定だ。

 もう1頭レベル2ヒュージスライムを駐屯させて、大魔境で狩りをさせて公爵家の資金源にする。

 大ダンジョンの確保と、王都と大魔境の間で輸送任務に使っている3頭のロードスライムの配置を考え直した方がいいのかもしれない。

「今日のナッツケーキには、風味をよくするために新しい香草を使ったそうですわ。
 リドワーン様のお口にあえばいいのですが」

「お口をナッツケーキにあわせます、カチュア王太女殿下」とか「貴方の作らせたケーキが僕の好みですよ」
 などと口に出せればいいのだけれど、俺にそんな度胸はない。

「スライム従魔クラン」
従魔司:1名・リドワーン・シャルマン
従魔師:1名・アルペーシュ
従魔士:175名

「主なスライム」
レベル1キングスライム :1頭(常にリドワーンと共にいる)
レベル5ロードスライム :1頭(大魔境の大ダンジョンに居座る)
レベル4ロードスライム :1頭(大魔境の大ダンジョンに居座る)
レベル3ロードスライム :1頭(王都と大魔境の間で輸送任務)
レベル2ヒュージスライム:1頭(父親と弟の幽閉役)
レベル2ヒュージスライム:1頭(大魔境で狩りをして公爵家の資金稼ぎ)
「個体から成長した特別なスライム」
ヒュージスライム:11頭
ヒュージスライム:1頭(アルペーシュに貸し出し中)
ビッグスライム :45頭
ビッグスライム :4頭(アルペーシュに貸し出し中)
「各種特殊スライム」
アシッドスライム :376頭
マジックスライム :312頭
ポイズンスライム :4714頭
ポーションスライム:1537頭
ウッドスライム  :1862頭
ロックスライム  :1926頭
ブロンズスライム :39頭
アイアンスライム :88頭
シルバースライム :8頭
ゴールドスライム :6頭
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